LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 第1次妖魔対戦 Part1

 「ねえー  お願い ここを通して、中に入れてよ!!」 迷彩服に、軍用ライフルなどの標準武装した兵士数人に、取り押さえられ行く手を阻まれた 若い女性 どう見ても現役の女子高生 学校の制服を着用しておらず、普段着 それも動きやすいファッション ファッション性より 動きやすさを重視していた。
 長いストレートの黒髪のロングヘアー 約165cmの 少し長身 それでもお尻近くまで伸ばしている。 それに、どこか良家? かなりの財閥の娘であろうか? まだ10歳代後半でありながらも 妙にセレブな雰囲気を自然と醸し出している。 良家のお嬢様 その言葉が、最も似合う。 そうこの女子高生 綾。
 ここは、首都T Iヶ谷にある 防衛軍の省庁前 数日前 世界主要国同時発生した 異世界からの侵略者 妖魔 その対策総本部が、置かれた場所。 防衛軍の武装兵士により 厳重に警備されていた。 その正面玄関。
 ここに、綾に取って、大親友の真美がいる。 綾に言わせれば、捕らえられ監禁されている。 そして、妖魔と言う異世界から来たバケモノと、無理やり戦わされている。 そうにしか考えられなかった。
 真美をこの手で取り戻す。 その一心から。
 綾の家 一条家は、国家との繋がり深い日本有数の一条財閥 その情報網駆使 真美の居所を探し出した。
 「私は、一条家の娘よ!! こんな乱暴な扱い」 強屈な武装兵士に、取り押さえながらも必至にもがき抵抗する。

 「大人しくして下さい これ以上暴れると、我々としては、遺憾ながらあなたを逮捕、拘留しなければなりません」 取り押さえている強屈な武装兵士の1人 多分 この部隊の隊長と思わしき人物が、説得している。

 「いやよ その手を放して、セクハラよ 後で、訴えてやる それに、真美に会わせてもらえるまで、諦めない 真美を返して!!」

 「ですから その様な方 何度も言いますが、ここに居られるかー?」 困り果てた表情の隊長 どのような人物が、今ここにいるのか? 全て知る立場ではない。 ここを厳守する。 それか与えられた命令。 軍人である軍人は、上からの命令に服従しなければならない。 それが、どんな理不尽な命令であっても。
 この娘の言う真美とは、だれなのか? ここにも他の省庁、職場と同じ多数女性が、勤務、働いている。 自ら率いる部隊員の中にも女性兵 主な後方支援だが、数名所属している。 全ての女性兵、デスクワークの女性職員のフルネーム、顔など、知る由もない。 それに、部外者には、機密事項により だれがここにいるのか? 教える事、問い合わせ答える事は出来ない。 今 有事。 何気ない機密の漏えいが、今 この場所 強いてはこの国全体の安全保障に、重大な関わりが持つこともある。

 「3日前の あの妖魔と言う異世界のバケモノとの戦闘で、その正体が、初めて公式に明らかにされた その妖魔と、戦ってきた 防衛軍の最高機密部隊に、所属している私の大事な、最も大事な親友よ!!」 必死に、説明 懇願する。

 「それでしたら 余計に、ここを通す事は、出来ません。 それにその様な人物が、その部隊に所属しているのか? の問い合わせにもお答え出来ません。 全て国家最高機密 最上位ランクです。 一切お答え出来ません」 はっきりと言い切る。 今 ここを警備する部隊の隊長ですら 触れる事も知る事も出来ない。 国家最高機密 最上位ランク。

 3日前の 突然出現した 今まで、最高機密で、内々に処理されてきた。 異世界からの敵対性侵略異生命体 妖魔 それが、突然大軍を率いて、この地球に姿を現した。 現すと同時に、世界の主要国の首都を中心に、主要都市に対して、無差別攻撃を開始した。
 直ぐに、各国軍が、首都及び、攻撃を受けている主要都市に防衛線を展開 各国が配備している最新鋭のハイテク、無人兵器などもに、実戦投入 用いる限りの総兵力線を展開 だが、次々敗北。
 通常兵器は、全く効果が無かった。
 もはや残された主要武器。
 この国では、法により 人類最大の汚物、汚点であり 最も忌むべき愚劣の骨頂の兵器 核兵器、BC兵器などの大量破壊兵器の所持は、固く禁じられ、厳守されており 一切所持していない。

 だが少数精鋭ながら 約1000年以上前から 少数であったが、時より現れる妖魔と対峙してきこの国は、防衛軍内に、国家最高機密の専門対策チーム 部隊を持っており 直ぐに、防衛にあたらせた。
 常に、時より現れる少数妖魔との激しい戦闘を繰り返してきた専門対策チーム 部隊 別名 妖魔ハンター。
 今まで、その存在は、全て国家最高機密の厚いベェールに隠されてきたが、もはやそんな余裕などない。 人類存亡の危機。 今までの揉み消し工作などしている余裕もない。
 遂に、正面から戦わせる決断を下した。 なりふり構っていられない程の状況であった。

 その戦闘模様は、命がけの取材、撮影をしたTV等のマスコミによりLIVE中継された。 余りの激しい戦闘 戦闘地域からかなり遠くからの望遠撮影であり 画像が、鮮明と程遠い状態であったが。
 その中に、まさにUMA(未確認動物)? いや違う 確かに、UMA(未確認動物)の中には、フライング・ヒューマノイドと呼ばれる 空飛ぶ人間? の目撃例がある。 だがそのフライング・ヒューマノイドと思しきUMA(未確認動物)?は、白のスクールシャツに、超ミニスカート どう考えても場違いのファッションでありながら 信じられない事に、空を自由に飛び回り それも超高速 全身から淡い白い神秘的な光を発し 背中側には、お伽話の伝説に出で来る羽衣が、優雅に舞う 少し小柄な女子高生と思われる人物が、必死 空中で、飛行能力のある妖魔と、必死に戦う、不鮮明な映像が、何度も映し出された。
 1つだけ言える事 それは、フライング・ヒューマノイドと思しきUMA(未確認動物)?は、決して、妖魔ではない 人類側に立ち 必至に戦っている。
 その周囲には、共に戦い、両側面を守る 2匹の異形の生命体 1匹は、黄金に輝く、もう1匹は、真っ白な これも伝説でしかない龍神。

 その中継を 地下の緊急避難用シェルターで、綾は見ていた。 空中で戦う女子高生らしき人物 それが、だれなのか? 綾には、直ぐに解った。 大親友の真美。
 何度も 妖魔から発するエネルギー弾? 光線? などの直撃を食らい 弾き飛ばされ、時には、地面へと叩き落とされそうになりながらも 必至戦う姿が映し出されていた。 識別が難しい小さな点としてだったが。

 綾の眼には、真美が、傷つき、ボロボロになりながらも 必至に戦う姿が、眼に浮かぶ 思わず溢れ出す涙、とても直視出来る状態ではなかった。
 綾の隣には、同じ長ソファーに座り この中継を 思わず両目を両手で押さえ、泣く加奈。 「真美ちゃーん、真美ちゃーん」 すすり泣く声。 そう加奈も この人物が直ぐに真美だと解った。 そうそのはず、あの自ら神秘的淡い白い光を自ら発し 背中側には、羽衣が現れ舞う姿を目撃していた。 そして、大空の敵 妖魔の真っただ中に、自ら飛行し飛び込んでいく姿を。
 加奈は、学校近くの高級マンションで、1人で住んでいた。 逃げる場所がなく頼える親戚などもいない。 加奈も大事な友達の1人 綾は、加奈を自宅の緊急避難用シェルターに招いていた。 もう1人の親友 香は、学校へ迎えに来た長男と、一緒に来た警備員によって、保護され避難している。 「真美お姉さま きっと、きっと 無事に帰ってくるよね」 香との別れ際の最後の会話。 「絶対無事に帰ってくる・・・・」 香に残した言葉。 スマホなどの通信回線は、全て遮断され それ以降は、現在音信不通 解らない。 香の家も 日本有数の企業の本家 橋口家。
 数少ない情報源は、TVと、ラジオと、古典的で、こう言うケースで、必ず飛び交う 情報の信憑性には、かなり疑問を持たれるデマ等・・・・・

 3日前 突然 世界中の先進主要国の主要都市の空中、地上の何ヶ所にも 巨大な円球の何かの出入口の様なトンネル? 穴? が、開いた。 その大きさを表すような縁の部分は、まさにレンボーカラー(虹色)の極彩色に輝く光に、縁どられていた。
 そこから一気に、見たことも無い異形生命体の大軍 それも敵意を露骨に剥き出しにした。 まさに人類の基準で考えれば、余りの醜態なバケモノ・・・・ そう呼称にするにふさわしい妖魔の大軍が出現 人類に対して、何ら宣戦布告もなく現れると同時に、総攻撃を開始した。
 前持って、ある程度情報があったのか?
 人類側 攻撃を受けた主要国は、当初ごたついたものの直ぐに、態勢を立て直し 最新鋭のハイテク兵器を中心に、全兵力を持って、応戦。 だが、通常兵器、最新鋭のハイテク兵器など、全く効果が無く、次々と敗北。
 攻撃を受けた先進主要国の主要都市は、次々と破壊され瓦礫の山と化し 大量の死傷者を出した。
 有効的反撃方法もなかった。
 余りにも、妖魔の持つ特殊な一種の超能力と言える強大な、戦闘、破壊力を持つ妖力に、なすすべが無かった。
 このままでは、そんな時だった。
 1部であったが、人類側にも 妖魔と、互角に渡り合える人物達が、現れた。
 そう各国で、古(いにしえ)の時代より妖魔と戦ってきた 退魔師などと呼ばれる 霊能力と呼ばれる人類の僅か少数の者達しか持たない特殊な能力。
 TV等のマスコミなどに、時より出演する自称、エセ、ニセ等と違い 本物の霊能力と言う特殊能力を持つ者達。
 余りにも、異質な能力で、かっては、その国の文化などにより宗教裁判の末、魔女、悪魔の子・・・・等 呼ばわりされ、弾圧、神々などと呼称する物の唯一絶対の反逆者、敵として、火あぶりなどによる粛清処分などされてきた。 所謂 日陰の扱いを受け その能力、正体などを隠し 時より単体、多くて数体程度現れる妖魔と、密かに対峙してきた。
 ここ日本では、妖魔と、古(いにしえ)の時代より妖魔と戦ってきた 霊能力とは、全く異質の妖魔の妖力と、互角以上の特殊能力を代々受け継ぐ、星沢家が中心となり 全国の本物の霊能力を持つ退魔師を集め組織化、防衛軍内に、特殊秘密部隊を設置 対妖魔特殊部隊 別名妖魔ハンターを設立 時より現れる妖魔と、戦ってきた。
 日本では、妖魔ハンターを中心に、各地方で、フリーで、戦ってきた退魔師が、攻撃を受けた主要都市に、終結 妖魔と対決。 他の攻撃を受けた先進主要国も同様 専門の対策部隊は、存在していなかったが、その国にいる退魔師が、攻撃を受けた主要都市に集結 個々で、組織的反攻ではなかったが、個別に戦った。
 唯一妖魔と拮抗する。 だが、所詮烏合の衆の集まり 組織化されておらず、組織的 効果的反攻はなされなかった。
 だが、通常、特殊な最新鋭ハイテク兵器など、全く役に立たず、効果もなく、次々敗北する自国の軍隊と違い 個の武勲 所謂戦術的勝利に、固守し 戦略的勝利を見いだせなかったものの 何ら効果的反攻を見いだせなかった人類に取って、唯一の光明でもあった。
 妖魔と、対抗出来る特殊能力者 霊能力を持つ退魔師。
 もしこの者達が現れなければ、戦況は、数日で、一方的コールドゲームでの敗北を余儀なくされた。 人類存亡、絶滅の危機。
 日本を除く攻撃を受けた先進主要国では、僅か数時間で、総戦力、通常兵器、最新鋭のハイテク兵器類の約半数を以上を失う 歴史的敗北を 挽回する為 切り札の投入、使用直前の状態まで、追い込まれた。 人類最大の汚点、汚物にして、愚劣の骨頂の兵器 核兵器、BC兵器などの大量破壊兵器を所持する国々は、起死回生、逆転を狙い。
 もはや唯一残された選択?
 特に、先進主要国ではないが、血統による3代も続く、北の個人崇拝独裁国は、妖魔の攻撃を受けていないのは、自ら核兵器保有する自画自賛の核大国と自惚 特に、妖魔軍の主力と思われる部隊が、日本を攻撃 自国防衛の為の正義の主体思想による先行攻撃の聖戦と呼称し 偉大なる3代目の首領様の栄光を見せつけるなどと呼称し、日本の妖魔の攻撃を受けている主要都市に向かい、核搭載のミサイルを発射 自らの力を誇示しようとしたが、発射された中距離ミサイルは、狙いとは、全く違う方向へ向かい 尚途中に、コントロール不能に陥り周辺の海に、次々落下 他のみの核兵器も起爆せずの醜態をさらけ出した。 実は、宣伝とは裏腹に、まだ未完成、技術力不足、必要なハイテク機器も 使い物にならない超年代物の旧式の欠陥品だらけ。 1部他国から盗品、密輸入品も部品間の規格問題 独自技術品など、様々な問題を無視 無理やり搭載 相互機能不全のままならない欠陥品であった。
 不幸中幸いは、核が起爆しなかった事 ただ後の放射性物質による海洋汚染が、問題視された。
 血統による3代も続く、北の個人崇拝神格化独裁国による不発の攻撃を知った妖魔軍側は、1部部隊を北の個人崇拝神格化独裁国に向け攻撃を開始 僅か数時間で、首都を中心に、主要都市、主要軍事基地などを瓦礫の山と化した。 その後 血統による3代目の独裁者及び、支配者層の行方、安否不明。 全く沈黙、音信不通。 主な主要国側も 自国の攻撃の対処で、血統による3代も続く、北の個人崇拝神格化独裁国の現状を調べる余裕などなかった。 自国だけで、手が一杯。 それどころではなかった。
 かなり後の捜査で、血統による3代目の独裁者及び、支配者層は、ほぼ全滅 国家としての各機能は、完全にマヒ 崩壊 自ら自滅状態であった。
 前もって各国の事情を知っていた妖魔軍 血統による3代も続く、北の個人崇拝神格化独裁国など物の数にしていなかった。

 だが、組織的ではないが、個々の退魔師の活躍により 戦況が、一方的コールドゲームでの敗北状況が、僅かに改善、何よりもここまで、圧倒的数の多さに物を言わせ 巨大な物量差 圧勝していた妖魔軍が、突如 開かれた 空中、地上の何ヶ所も 発生した巨大な円球の何かの出入口の様なトンネル? 穴? つまり自身が現れた4次元ワームホールに向かって、まさに撤収を開始した。
 このまま後 数日 現在の戦況が続けば、間違いなくコールドゲーム。 人類側の敗北 まさに絶滅の危機に瀕したはず、だが、妖魔軍は、何かの戦略的目標、勝利を達成したと言わんばかりに、もはや雑魚の掃討戦には、興味ない。 無駄な犠牲を強いるマネだけはしない・・・・ などの理由なのか? 自らの圧勝を放棄 そのまま巨大な円球の何かの出入口の様なトンネル? 穴? 4次元ワームホールの中に入り撤収 全妖魔が、巨大な円球の何かの出入口の様なトンネル? 穴? 4次元ワームホールは、妖魔軍の撤収と共に、今まで、そこに何もなかった様に、忽然と消滅した。、

 だが、人類に取って、唯一拮抗した能力を見せた退魔師側 戦果は、やはり数の上で、圧倒的差の前に、焼石に水程度であり、戦略的には、無意味であったが、戦術的には、個々の能力によったが、ある程度 互角以上の成果を上げる者達がいた。
 唯一互角以上に、妖魔と渡り合える存在。
 もちろん戦死者の数は、相当数に及んだ。 それでも通常兵器、最新鋭のハイテク兵器類類が、全く役にも立たないガラクタ同然よりも、本物の霊能力を持った ある種の特殊能力、本物の霊能力は、ある一定以上の効果 成果を出し 完敗ながらも 僅か一筋の光明を見出す事が出来た。

 特に、際だったのは、日本の妖魔ハンター 抜きに出た成果を出し 最も妖魔の数が多く S級妖魔が出現したのは日本だけ。 最も激しい激戦が繰り広げられた。 その中、戦死者、戦傷者を唯一出さなかった。
 攻撃された主要国の中で、最も戦った兵士達の戦死者、戦傷者のパーセンテージが、際だって少なく、最も妖魔軍に多大な被害を与えていた。
 だが、結果は、敗北。
 敗戦側の いつもお馴染みの常套手段であったが、敗北から一般の人々の眼を反らす為の英雄(ヒーロー&ヒロイン)を必要とした。 自らの失敗を隠す為に、その役割を演じさせられた。
 アイドル=虚像。
 人類に、唯一残された最後の砦、希望・・・・・ そう呼ばれた。

 「うん? 真美ちゃんの様子がおかしい?」 地上で、唯一残された最後の孫娘 零夜と共に、上空から攻撃を仕掛ける飛行能力のある妖魔から 大量の避難民を守りながら 配下に緊急に置かれた防衛軍の部隊と共に、誘導 一刻も早く安全な場所へ誘導していた。
 神楽家 最大の秘奥義である龍神 妖魔界とは、また異なる異世界の特殊能力を持つ最強の生命体 霊獣。 左腕に嵌めるブレスレットに埋め込まれた霊玉石により封印 自ら発する祝詞により自由自在に操る。
 小夜子は、最強と言われる黄金色に輝く聖龍神 孫娘の零夜は、真っ白な白竜神。 2人共 龍神を解放 上空から攻撃を仕掛ける妖魔と、戦っていた。
 だが妖魔は、100体を超え S級5体も含まれている。
 最強の霊獣 龍神でも とてもまともに戦える相手ではない。
 何と言っても 沢山の避難民を抱え防戦しながら かなり無理がある。 早く避難民を安全な場所へ誘導 全力を持って戦う それでも勝機など、ほとんどない。
 そこへ真美が現れた。 唯一 妖魔ハンター側で、S級以上と、互角以上の持ち主。
 A級以下の妖魔を次々と蹴散らしていく。
 そんな中、ある事に気づいた。 それは、妖魔の住む宇宙と繋がるトンネル? と呼ぶべきか、あの結界と呼ぶべき亜空間フィールド内にしか発生しないと思われた4次元ワームホールの漆黒の闇? 穴? この空間 空中、地上の数ヶ所に、開かれ そこから新手の妖魔が、次々と出現している。 それを目撃した。
 今まで、考えられない出来事。 今までは、妖魔の住む宇宙と繋がる4次元ワームホールは、先に、結界とも呼ばれるある種の次元の異なる亜空間フィールドが、発生 その亜空間フィールドに、4次元ワームホールが、開かれ そこを通り妖魔が出現 亜空間フィールドから更に、次元をテレポーテーションして、こちら側に出現した。
 直接 こちらの側に、4次元ワームホールを開くのは、不可能と思われていた。
 だが、今までの常識と思われた事が、もはや過去の異物化してしまった。
 多分 妖魔は、新たな妖力を身に着けたのだろう。
 直接4次元ワームホールで、両宇宙を繋ぐ。

 首都各地で戦う妖魔ハンターの面々 至場所に開かれた4次元ワームホールから現れる 新手の妖魔達。 それを目撃。 必然的 そこをどう封鎖するのか?
 現状 各個にバラバラで戦い 1つにまとまり組織的反攻に移るチャンスがなかった。
 現在戦う戦闘地域で、多数の妖魔を相手に、ほとんどたった1人での戦いを余儀なくされていた。
 それも大量の避難民を守りながら。
 妖魔ハンター1人に付き 複数の精鋭部隊が、付いていたが、所持する武器は、妖魔に対して、何ら有効的効果の無い つまりガラクタ以下。
 最新鋭のハイテク装備の 戦闘機、戦車、軍用攻撃ヘリなども まるで、ブリキで出来たオモチャ以下 全く役に立たない。 ことごとく破壊されていた。

 芳しくない戦況を一変させるには、あの開かれた多数の4次元ワームホールを 結界等で封鎖する。 それ以外無いと思われる状況であった。

 空中戦で戦う真美も 空中の各所に開かれた複数の4次元ワームホールを目撃。 そこから次々と新手の妖魔 それも飛行能力を持つ妖魔が現れてくるのを何度も目撃した。
 だが、それを見て真美は、別の思いが、心を過った。
 「あそこから・・・・・」 真美の心が揺れる。
 一種の帰巣本能?
 元々妖魔界へ1人で乗り込み 人類に災いと、死の汚れをまき散らす全妖魔を倒す・・・・ 例え途中死んでも 自ら妖魔と交わり生まれるとされる最強の半妖魔は、誕生しない・・・・等で、チャンスを伺っていた。
 もはや心残りは無い。
 まず、今 地球上に現れた妖魔を一掃し、あの4次元ワームホールへ突入? いや妖魔の眼の全てを自分に集中させ 地球上に現れた妖魔を引き連れ・・・・・ あの4次元ワームホールが、閉じる前に。
 脳裏を過る。 このチャンスを逃すと、次があるのか?

 無意識に、空中に開かれた4次元ワームホールの1つに、妖魔を蹴散らしながら向かう。
 何かに、導かれている。 それもとてつもない大きな力に・・・・ 何となくだが、真美には、そう感じていた。
 真美は、知らない。 自身の持つラディエンスの力 それも源流にして、最強の力 真美自身 それを運ぶ箱舟。 その意味の1つ ラディエンスの力は、元々SSS級女性妖魔ラディエンスが、持っていた妖魔として、異質の力であった事を つまり生まれた場所に戻ろうとする一種の帰巣本能が働いていた事を。 それが、真美を誘(いざな)っていた。

 真美が、空中に現れた事により 空中から攻撃していた妖魔達が、全て真美へと向かった。
 空中からの攻撃が止んだ。
 今が、チャンス。 多量の避難民を 防衛軍の部隊に任せ 最も厄介で、常に、出鼻を挫かれ思うように、反撃に転じさせない飛行能力により上空から効果的な攻撃を加えていた妖魔との対決。
 今 真美1人に、周囲を見渡す限り集中している。 2匹の龍神で、切り崩す。
 現在の戦争に置いて、制空権確保が、最も重要 制空権を確保 上空からの攻撃により 地上部隊を支援、連携が、鉄則。 最も効果的な戦術の1つ。
 こう言った方面の戦略的思考は、ある程度 真美の受け売りでもあった。
 真美は、容姿、年齢から似合わない、こう言った方面にかなり精通しいた。 信じられない思いもあった。 今でこそ、真美の秘密の1部知り得た。 ラディエンスと言う 妖魔の持つ妖力以上の神秘の力を持ち その源流の箱舟。 しかしこの力に覚醒する前は、40歳代の平凡な独身男 それが、この男の中に、眠った状態でいた所を ある妖魔との対決時 偶然その戦場に迷い込み ラディエンスの力の守護者として、1部力を代々受け継ぐ星沢家との出会いにより 共鳴 突如覚醒 原因が不明だが、突如 性転換と、年齢退行 容姿から全くの別人になった。
 性転換、年齢退行前 やはり男 ある程度、戦争に興味があり 独自に戦略論、戦術論を独学 それも雄大な歴史的背景を踏まえながら 歴史的方向性なども考慮する。
 この点 真美の秘密を全く知らないが、もし真美が、ラディエンスの力の覚醒よる性転換、年齢退行する前の年齢を考慮すれば、ほぼ年齢の近い 隊長の三村が、隠れて真美の戦略的思考を 何度も絶賛していた。
 戦略的思考には、やや欠けているものの 数々の戦場で、プロのワイルドギース(傭兵)として、渡り歩き 何度も歴史に名の残る激戦を ワイルドギース(傭兵)部隊の隊長として、最前線で、戦い生き残ってきた戦術傭兵家として、高い評価を受ける三村が絶賛した。 このまま軍人になれば、将来 優秀な戦略家の将軍にだってなれる器・・・・ だと。
 もしもの事態を考え 当初 飛行能力のある妖魔との対決は、ある程度 軍の最新鋭のハイテク装備の戦闘機、軍事用攻撃ヘリが、受け持つはずであった。
 だが、緒戦ことごと撃墜され 今 現状 制空権は、妖魔軍が、握っている まず1部でもいい制空権を取り戻す。
 そして、真美が、その一手に引き受けている飛行能力のある妖魔を 切り崩し 負担を減らす。

 直ぐに、孫娘の零夜と連携 2匹の最強の霊獣 聖龍神、白龍神を祝詞を称え 真美が一手に引き受けている妖魔軍の1部 切り崩しにかかる小夜子。
 だが、空中戦をの真美の様子の異変に、直ぐに気づく小夜子。
 「何をしておるのじゃ?」 孫娘 零夜に傍に寄りながら語る。
 いつもと違った戦闘 確かに、正面に何層の重厚な布陣を引き 待ち構える妖魔軍。 確かに真美は、正面突破を狙っている。 問題はそこにあった。 その先には、開かれた4次元ワームホールの1つ。
 真美の持つラディエンスの力では、結界による封鎖が出来ない。
 それなのに、何故か? そこへ向かい周囲を取り囲む妖魔軍の部隊を蹴散らしながら あえて一身に注目が集まるよう向かっている。
 直ぐに、その事に小夜子は、気づいた。
 「いかん 零夜 真美ちゃん あの先にある4次元ワームホールに、妖魔の大軍を引き連れ 飛び込む気じゃ!!」 血相を変え大声を上げる。
 「そして、自ら単身で、妖魔界へ行くつもりじゃ 早よう止めねば!!」
 「何よ それ?」 意味の解らない表情を浮かべる零夜。 この件については、何も聞かされていない。 何も知らない。 いつも真美を年齢の離れた可愛い? 妹? として、着せ替え人形などの扱いで、非常に可愛がっていた。
 「あの跳ね返りのジャジャ馬娘(真美) また良からぬ考えに囚われおって・・・・ まだ諦めておらぬかったかー?」 少し苦虫を潰した表情を浮かべる。
 「おばあちゃま それどう言う意味?」 何も解らない零夜 きょとんした まるで狐につままれた表情を浮かべる。
 「詳しい説明は、後じゅわい それよりも白龍神を 真美ちゃんの左側壁に、わしの聖龍神を 右側壁に回す 両側をガードしながら あそこに開いている4次元ワームホールから遠ざけるのじゃ!!」
 祖母でもある小夜子の命令に、意味も余り解らないままも大きく頷く零夜。 直ぐに、祝詞を称え自らの白龍神を コントロールする。

 2匹の伝説の霊獣 龍神が、ものすごいスピードで、真美と、その周囲を囲む妖魔軍の間に、割り込む。

 複数の妖魔軍の部隊に、周囲を取り込まれ 進撃停止を余儀なくされホバーリング(空中停止)状態で、対峙していた真美。
 後少しで、4次元ワームホール つまり妖魔の住む宇宙と繋がる次元のトンネルの入口 だが、その間には、何重にも重なる様布陣した妖魔軍の重厚な部隊が、行く手を阻む、流石に今までの様な快進撃で、蹴散らし強行突破 そんな都合良くは行かない。
 一瞬 現在の第2戦闘形態から第3戦闘形態へ移行 一気に、最大の大技 バーストを放ち 何重にも重なる様布陣した妖魔軍の重厚な部隊の中央部に、風穴を開け、最高速で、一気に、開かれている4次元ワームホール突入・・・・ その考えが過る。 だが、最大の大技 バーストは、諸刃の剣 一気に全エネルギーを使い果たし 間違いなくエネルギー切れのいつもの数時間は、意識を失う状態になる。 それに、放ったバーストが、4次元ワームホールの入口に命中した場合 はたして? まだ1度も試した事がない。 破壊してしまう可能性を否定出来ない。
 放った所で、全面の重厚な布陣を引く 妖魔軍の多数の部隊を一気に壊滅出来る。 そのまま意識を失い ここは、かなりの高空 そのまま落下地面に叩き付けられ・・・・ 決して、悪くないシナリオ・・・・ 多数の妖魔を道連れ・・・・ 少し口元が、冷酷ににやける。 もはや死んでも惜しくない生命・・・・ 試してみる価値有。 うまく意識を失わず 飛行能力が維持出来るエネルギーが残り 4次元ワームホールの入口が、破壊されなければ、そのまま必ず追ってくる妖魔軍を引き連れ 4次元ワームホールの入口へ突入 そのまま妖魔界へ・・・・ 
 色々な考え、シュミレーションが、同時に、真美の脳裏を次々と過る。
 だが、これが現状 最も最適 そう判断 実行に移す。
 真美 第2戦闘形態から第3戦闘形態へ移行 一気にラディエンスの力を高める。 真美の身体から発するラディエンスの力の輝きが、更に増し 発する淡い白い光が、炎となり揺らめく 同時に、バーストの構えに入る。 狙いは、正面に、何重にも重なる様布陣した重厚な妖魔軍の複数の部隊 その先にある4次元ワームホールに狙いを付ける。
 「死にたくなければ、そこをどきなさい さあー道を開けて」 妖魔に対する最終勧告を突きつける。
 真美の最終大技 バーストの威力は、全妖魔が、良く知っている。 あのSS級妖魔でさえ 直撃を喰らえば、瞬時に消滅さ 100体を超える妖魔でさえ 直撃を喰らえば、一瞬に消滅させる 驚異の威力を誇る。

 流石に、正面に展開する妖魔達の表情が変わる。 恐怖に怯え、青ざめ引きずる。 だが、逃げる妖魔も皆無 上からの恐怖の命令に、だれもが、従わざるえない。

 その時だった 真美と、その周囲を取り囲む妖魔軍の部隊の間に、1匹は、黄金色 もう1匹は、白色に、輝く伝説の霊獣 龍神が、真美の両側壁を守るように、割って入る。 同時に、妖魔に対して、真っ赤に燃える鋭い眼光で、睨む。
 「これ以上 近づくな」 そう警告する 周囲に展開する妖魔達を威圧する鋭い表情。

 真美は、正面に展開する何重にも重なる様布陣した重厚な妖魔軍の複数の部隊に、余りにも精神を集中させ過ぎていた。 他の周囲を展開する妖魔軍の部隊が、眼に入っていなかった。
 バーストのエネルギーを充填するには、ある程度時間を要する。
 両側、後方の部隊から まるで隙だらけ 今攻撃を受けたら防ぎようがなかった。
 そこをすかさず、聖龍神、白龍神が、カバーに入った。
 両側、後方から攻撃を仕掛けようとした妖魔の動きが、封じられる。 だが・・・・

 「これでは、バーストが撃てない・・・・・」 そう呟きつつバーストの構えを解く真美。 このまま撃てば、聖龍神、白龍神をも巻き込む。
 聖龍神、白龍神によって、妖魔からの攻撃を未然に防いでもらえた事に、気づかない真美。 
 逆に、バーストの狙う射撃線上に、聖龍神、白龍神の細長いまるで、ヘビの胴体の様な胴体の1部が、互いに交差し真美のバーストを撃てない様にしている。

 この時かなり遠方から あるTV局が、超望遠で、この戦闘模様をLIVE撮影しているのに、気づかなかった。
 余りの高速の動き、それに、かなり遠方からの望遠撮影の為 はっきりとした画像ではなく、真美自身が、ラディエンスの力の解放による 自身の身体から発する淡い白い光のエネルギーの発光に、それも立ち上がる炎の様に揺らめき 人影らしき人物の より不鮮明な淡い白い光の発光としか映し出されていなかったが・・・・ 超高感度カメラを利用しても 間違いなく結果は、大して変わらない 人影らしき不鮮明な淡い白い光の発光体 それ以外識別不可能であった。
 しかし それを綾、香、加奈 それに、クラスメイト達などは、だれなのか? 直ぐに、気づいた。 あれこそが、真美だと、妖魔と呼ばれる得体の知れないバケモノから みんなを守る為 必死に戦っていると・・・・

 その時 真美は、警戒を怠っていた後方から、強い2つの妖力、殺気を感じる。 「S級・・・・」 思わず呟く。 正面ばかり気を取られ他の方向からの警戒を怠っていた。
 「しまった・・・・」 思わず、苦虫を潰す。
 空中戦の基本は、戦闘機によるドックファイト同様 後ろを取る。 後ろからの攻撃が、最も効率、効果的。
 だが、自由に、高速移動、運動性、旋回能力など、まるで、アニメの主人公の様に、空中を自在に動き回れる真美であったが、余り空中戦の経験が少なく、得意としていなかった。
 思う程 俊敏に動けない・・・・ 練習、経験不足。 時より飛行能力を有する聖龍神、白龍神と、模擬戦を行う程度。
 まだ本来持つポテンシャルに遠く及んでいないのが実情。 妖魔とのほとんどの戦闘が、今まで、地上戦が多く、高くジャンプし、上空から下降しながらの攻撃や、地上すれすれに近い長距離ジャンプ(実は、空中飛行)が、主で、余り空中戦をするチャンスもなかった。
 いきなりの本格実戦 それでもA級以下の妖魔を蹴散らす事が、出来たのは、真美本来の持つラディエンスの力のポテンシャルの高さによる部分が、大きかった。 だが、今相手をしなければならないのは、2体のS級 比較にならない妖力、戦闘力を持つ。
 背中に、2枚の まるでC宗教などの西洋のお伽話、神話などに出てくるような悪魔の翼を背中から生やす2体 良く似た外観、そうまさに悪魔に似た外観、ただ色体が、黒ではなく、真美から見て、右側が、どす黒く染まった赤を中心 左側は、かなり黒っぽい青を中心 どうやら一卵性双生児? 色体以外、識別不可能。 もう1つ特徴的なのは、お尻に生える尻尾 先端が、丁度スペードの形となっている。
 まさに、妖魔と言うより、悪魔と見間違える人々の方が、圧倒的多いだろう。
 2体共、全く両腕を組んだ余裕の表情を浮かべ、ゆっくりと空中移動しながら近づいてくる。
 両側面は、結果的に、聖龍神、白龍神の2匹の龍神によるガードの形になった。 最強の霊獣 龍神2匹 A級以下の妖魔に取って、脅威 数の上では、上回っている。 だが簡単に、近づくことすら出来る相手ではない。
 下手に動き、接近戦・・・・ たやすくあしらわれる。
 2匹の霊獣 龍神 真っ赤に燃える両目が、周囲を取り囲むA級以下の妖魔を隙なく睨む そして、口からは、まるで高熱を発し全てを溶かす、マグマ・・・・溶岩の様な高温の熱い吐息が漏れ 襲い掛かる妖魔を待ち伏せている。 流石に、周囲を取り囲むA級以下の妖魔を 恐れ だれ1体襲い掛かろうとしない。 襲い掛かれば、あの口から発せられる超高温の炎で、瞬時に黒炭化、塵と化し消える。

 真美 第3戦闘形態から第2戦闘形態へダウンさせる。 どうやら正面の1卵生双生児と思われる2体のS級妖魔との対決を 選択し得ない。

 数時間後 2匹の龍神に、ガードされ地上に舞い降りる真美。 ガードと言うより まさに連行。 約1時間前 2体の1卵生双生児を撃破 タイミングを合わせる様に、地球上に現れ暴れていた妖魔が、一斉に戦闘を中止 何か? 戦略上の目的のでも達成したのか? 世界各所に開かれれていた4次元ワームホールから何事もなかった様に、急遽撤収 そのまま開かれれていた4次元ワームホールも消えた。
 このまま戦闘が、数日続けば、間違いなく人類側は、敗北 一方的なコールドゲームにあっにも関わらず。 全くの謎の急遽撤収であった。
 妖魔界で、何か異変でも起きたのか? それ以外考えられなかった。

 妖魔軍が、全面撤収を確認 一応警戒の為に、防衛軍の再編成された残存戦力、兵器を用いた地上、航空部隊が、警戒に当たる。
 主力の妖魔ハンター そして、一応民間人であるが、日本全国に散らばり 妖魔と戦い生き残った退魔師である霊能者も もより各管区の本部に集結する。
 いつ出現するか解らない妖魔との次の戦闘に備え待機に入る。

 地上で待つ 妖魔ハンター室長の小夜子 同じ妖魔ハンター隊員であり 先輩、そして小夜子の唯一の孫娘 零夜の元へ降り立つ真美。
 地上へ降り立つと同時に、戦闘形態解除 通常状態に戻る。 かなりお疲れの様子 足元がおぼつかない。 立っているのがやっと。
 「真美ちゃん・・・・」 少ししゃがれた老婆の声 上に立ち命令を下す凛とした声 ただそれは、決して、ここまでの労を労う声ではない。

 「おばあちゃま・・・・」 頭ごなしに、雷が落ちるのを覚悟していたような しおらしい小声 少し下を向く真美。 どうして、雷が落ちるのか? 理解していた。 数々の命令違反 そして、単独で、4次元ワームホールから妖魔界へ行こうとした行為 まさに、見方を変えれば、敵前逃亡、寝返りと言われても仕方ない。 このまま軍法会議ものの違反の数々。

 「どうやら解っておるようじゃのう・・・・」
 小夜子は、近くで、護衛していた数人の兵士を呼び寄せる。
 「本部へ連れて行くのじゃ 別室で、待機 呼び出しがあるまで、部屋から出てはならぬ」

 数人の武装兵士に、取り囲まれる。

 「悪いが・・・・」 部隊長らしき人物に、ライトソードを取り上げられ 両手に、鋼鉄製電子ロック付の手錠を掛けられる。

 黙って従う真美。

 「どう言う事?」 近くで、ここまで黙って、成行きを見ていた零夜 納得しかねない表情を浮かべ、妖魔ハンター室長であり 唯一血の繋がりを持つ祖母の小夜子に噛み付く。
 理由、意味 全く理解出来ない、真美が現れ上空の飛行能力を持つ妖魔軍の部隊を蹴散らさなければ、多量の避難民を抱えていた状態 はたしてどうなった事か? 最悪の状況すらあり得た。 真美は、多量の避難民を救ったヒロイン(英雄)のはず・・・・ 零夜には、そうにしか見えない。 真美の抱える秘密を全く知らない。

 「今は、まだ話せぬ、いつの日か、話す時が来たら話そう これが、真美ちゃんに取っても わしら人類に取っても 今 最も良い方法じゃ」
 余り語らぬ小夜子 真美に、背中を向け ただ廃墟と化した街を見つめていた。

 翌日 早朝 ここは、首都T 都内 Iヶ谷にある防衛軍総本部 その一室 命令違反者などを拘留する牢獄とは、かなり異なる一室 壁には窓があり外を眺められる。 それに簡単なベッド 洗面台、プライバーだけは、保護していますと、言わんばかりの 一応目隠しだけはされている簡単シャワー室に、トイレまで完備されている。
 他だし出入口は、1ヶ所 ドアの外側には、武装した兵士により警備されている。
 「ここで、呼び出しがあるまで、待機 部屋の外には、出てはならぬ・・・・」 この部屋に入れられる時 室長の小夜子に、きつく言われていた。
 部屋は、主に、白で、統一された 何の変哲もない部屋 他だし 至場所に、監視用のカメラが設置され常時監視されている。
 犯罪人扱いでこそないが、ここで軟禁されているた。

 そこへ トレンチに、ロールパン、絞りたての生のオレンジジュース、スクランブルエッグ、生野菜などの 星沢家標準の朝食2人前を乗せた グレーを中心とした戦闘服を着る 長い髪をポニーテールにした女性兵 どう見てもまだうら若き絶世美貌を持つやや長身の18歳の新兵? いや襟の階級証は、真美と同じ大尉 そう真美の従姉の詩織。

 真美の軟禁されている部屋の前に、止まる。
 「私は、中崎大尉です 朝食と、簡単な尋問です・・・・」 警備する2人兵士に語る。
 1人の兵士が、電子キーを解除 ドアが開く 詩織は、2人分の朝食を乗せたトレンチを持つたまま部屋に入る。

 「詩織姉ー」 ベッドの裾に腰かけぼんやりと、外の景色を眺めていた真美が、振り向き気づき 声を出す。

 部屋の片隅には、夕べ遅く運び込まれた夕食を乗せたトレンチが置かれていた。 元々食が、少し細い真美 だが、ほとんど残していた。 それに気づく詩織 だが、あえてスルー。

 そのまま 真美の座るベッドの横に、朝食を乗せたトレンチを置き トレンチを挟んだ場所に、座る。

 真美を見つめる詩織 激しい戦闘による戦闘服の汗、ドロなどの汚れの無い洗い立ての戦闘服 「うん これ 夕べ遅くママが、夕食と、全ての着換えを持ってきたから シャワーを浴びた後・・・・」 そう答える真美。
 真美の顔を見つめる詩織 少し両目が、窪んでいる どうやら余り寝ていない様子。 何か? 真剣に思い悩んでいるのが、良くわかる。
 それが、女の子特有の異性に対する恋愛ではない それなら別の意味で心配の種であるが、それとは、別次元の深刻な問題 それも全人類の存続と言う とてつもない問題 決して、1人で背負いきれない・・・・・

 「これ いつものお家の朝食 執事の中本に頼んで、わざわざ運んでもらったの ここの不味い軍用の朝食では・・・・・ 昨日夕食の余り食べていないみたいだから これを食べて、食べないと、美容の敵よ」 そう言いつつ食べ始める詩織。
 何故? この部屋に、真美が軟禁されているのか? 大体の察しはついていた。
 おばあちゃまと呼んでいる室長の小夜子の説明は、数々の命令違反 だが、戦闘後TVなどのニュース映像で、真美の不審な動きに、直ぐに気づいた。 発生した4次元ワームホールの1つを通り 妖魔界へ行こうとしている。 それも単独で。

 「真美ちゃん」 突然食事を止め 真美を睨む詩織。
 「黙って、1人で、妖魔界へ行こうとしたでしょう」 真美は、ウソを付くのが下手なのを良く知る詩織 微妙に、身体が震え止まるのを確認する。 図星。

 「ここは、24時間監視され 全て、録画、録音されているのよ」 詩織を見ないで、ただトレンチを見つめ答える真美。
 詩織の出生の秘密を知る真美 互いに、実は、星沢家の血が、全く繋がっていない。 ある時 詩織は、「真美が、妖魔界へ行くと言うのなら 私も叔母様と同様 真美ちゃんと一緒に妖魔界へ行く、私も血の繋がりを持たない孤独な身 死んで困る人はいない・・・・ 最後の最後まで、真美ちゃんを守る・・・・・」 そう語った。
 「置いてきぼりに、される・・・・・」 そう思ったのだろう・・・・・

 「どうして、答えてくれないの?」 少しイラダチを覚える詩織。

 「答えたくない」 小声で言う 余り触れられたくない。

 「最初の頃言ったわよねー 真美ちゃんは、私の妹 妹は、姉の子分 姉の命令には、絶対服従って・・・・・」 2人だけしかいきさつの解らない会話。

 「・・・・」 黙り込んでしまう真美。

 思わず、両手で、真美の両肩の下の両腕を掴む詩織。 「私を見て、ちゃんと答えてよ 解っているわよ、真美ちゃんの気持ち 妖魔界へ行って、死ぬのは、自分1人で十分 そう思っているのでしょう。 妖魔界へ行って、死ぬのは、運命で・・・・ いや宿命だと・・・・」

 ただ下ばかり見ている真美。 内心 今の言葉に、少し反論したかった。 宿命と言う言葉に。 真美が、まだ今の身体に、性転換、年齢退行前からの愛読書の1つ 田中 芳樹著書の超有名なSF小説 銀河英雄伝説の主人公の1人 ヤン。ウエンリーの語った言葉の1つ 「運命と言うならまだしも 宿命と言うのは、実に嫌な言葉だ 二重の意味で、人間を侮辱している。 1つは、状況を分析する思考を停止させ、もう1つは、人間の自由意思を価値の無いものとみなしてしまう。 宿命対決などない。 どんな状況の中にあっても結局は当人が選択したことだ」 つまり宿命など有り得ない。 だがここで、この言葉を発すれば、更に、複雑になる。 自ら望んでいる・・・・

 そんな真美を見かね、「はっきと言いなさいよ!!」 詩織のかなり怒りの籠った言葉が飛ぶ。

 そんな時だった まだ早朝だと言うのに、急に、外が騒がしくなる。 妖魔軍が、また・・・・ だが違う。 これは、ここに多く集まった人達によるデモ? 人々の罵声による壮絶とした声が飛んでいる。

 「真美ちゃんを返せ!!!」 正門の方向から 若い女性の怒鳴り声が響く。 その声は、間違いなく綾。 それに、学校のクラスメイトの声も。

 それに気づく真美 今まで、下のトレンチばかり見つめていた顔を上げ 徐に、窓の外を 少し物悲しそうな表情を浮かべ見つめる。
 「綾・・・・ 香、加奈、それにみんなあー・・・・・」 思わず名残惜しむかのような声が、小さく漏れた。 もう2度と、戻らない、振り向かない そう決めた あの温もりに満ちた夢の様な世界。

 外の騒ぎが、どんどん大きくなる。 「真美姫返せ!! 詩織お姉様返せ!!」 コールが、大きく響く。


 ある程度情報を掴んだ綾 携帯電話の使用規制が解除されると同時に、スマホのLINEを利用 クラスメイト 他のクラスや、1年生、卒業式が、後日となった3年生の1部に、この情報を流した。 真美と、詩織が、防衛軍に強制徴集され あの妖魔と呼ばれるバケモノと、無理やり戦わされ 現在、防衛軍本部に、監禁されている・・・・と。
 明日 朝 ○時に、防衛軍本部 正面門前に集合 真美と、詩織を 防衛軍から取り返す。 そう言う内容であった。
 いったい何人集まるか? 綾は、不安だった。 最悪 親友の1人加奈と2人 それすら想定された。 でもやるしかない。 そう固く決意した。
 「一条」 「綾さん」・・・・ 声がかかる。
 集合時間前だと言うのに、次々とクラスメイト、学校の生徒 それも他校である 龍虎高校、聖セレナ女学院、それにまだ他の小、中、高校の生徒 それに、教職員も その中には、担任の大倉 桃花先生の姿も どんどんとその数が膨れ上がってくる。
 「み・・・みんなあー ありがとう」 集まった大勢の人達を見て、思わず声が震える綾。 感激の涙が零れる。

 その数に力を得た綾 意を決し先頭を切って、正面門を守る兵士に立ち向かっていく 中に入り真美と、詩織を取り返す為に、自ら先頭に立つ。 それが発起人の務め。

 正面門を守る兵士達に、取り押さえられ綾 無駄な押し問答が続く、そこへクラスメイトで、学級委員でもある小林が現れる。
 「一条 何を言っても無駄だよ」 諭すように言い 兵士達に取り押さえられている綾を強引に、引き離す。
 「これを」 兵士達に見せる どうやら防衛軍と、最重要取引 つまり武器などを納入する企業の それも最高ランクのパスの様であった。
 「僕は、小林重工業 次期幹部候補の 小林 祐樹 納入武器担当の河埜陸軍中将に面会を申し込みたい 河埜陸軍中将とは、面識もある 小林重工業 本家の長男である小林 祐樹が、会いたい 納入している武器類について、色々相談したいと、言えば、解るはず」
 まさに、帝王学の初歩の様な立ち振る舞い。 全く微動だせず、胸を張り 威厳、自信に満ちた態度 もうやり手の若手経営者の態度であった。

 パスを確認 間違いなく本物 「少々お待ちを」 1人の兵士が、慌てて詰所へ戻る。 余り邪けに扱えない。 一応 確認の連絡を入れる。

 詰所から兵士が戻る。 「申し訳ありませんが、河埜陸軍中将は、この状況下 現在多忙により お会い出来ないそうです」 少し申し訳なさそうに答える。

 小林の魂胆は、解っている。 だが相手が、防衛軍への武器類などの大手製造メーカーの1つ 余りの事は出来ない。

 だが、周囲を囲む人垣が、無言のプレッシャーとなっている。 対応の仕方1つで、暴動が起きかねない状況下。 対応に苦慮している。 相手は、武器を持たない民間人 それを守る立場。
 出来れば、大人しく退散して欲しい・・・・ ここを守る兵士達の切ない願いであった。

 けたたましいサイレンが、鳴り響く。 どうやら警察が、動き出した。 大部隊を率いて、強制的に解散させようとしている。

 数十台を超えるパトカーや、特殊車両が、続々集まる。

 全身黒づくめの防弾チョッキに、ヘルメットを被った特殊機動部隊員が、バリケードを持ち次々特殊車両から降り ここに集まった生徒達を取り囲む。
 隊長らしき人物が、前に出て、手に持つスピーカーを使い話し出す。

 「ここにお集まりの皆様 直ちに解散して下さい。 ここは、政府の最重要施設の1つです。 またあの妖魔軍が現れた場合 最初に狙われる可能性が、最も高い施設です。 その場合 皆様の生命の非常に、危険です・・・・・」 丁重に、説得を始める。
 ここに集まる生徒の大半が、政財界の大物の子息 力づくによる強制解散、排除など、下手な事は出来ない。 誠意を持って交渉 素直に従ってもらう。 それしか選択方法がなかった。

 そこへここに集まった教師を中心に、大人達が、一列に並ぶ。 周囲を取り囲む特殊機動部隊員の手に、武器の代わりに、高圧ホース、暴動鎮圧用 催涙弾で、武装しているのに、気づいた。 いざと言う時の為であろう。
 可愛い教え子を守る義務感が、自然と働いていた。

 両者睨み合い、まさに一発即発の嫌悪な重い空気に包まれる。

 そこへけたたましい車の大集団が、静かながら高級車独特の重厚なエンジン音を響かせ近づいてくる。
 後部座席から数人の御伴を引き連れ ここを取り囲む生徒達に近づく、ほとんどが、中高年の男女 それも各界を背負う様な人材ばかり そうここを取り囲む生徒達の親 血相を変え我が子へ向かって、御伴を引き連れ突進 有無を言わせず、強引に連れ帰そうする。

 「・・・・痛い パパ 止めて・・・・!!」

 「大人しく家に帰るんだ!!」 少し低いキーの中高年独特の声が、ざわつく周囲に一段と響く。 この騒ぎの中心の1人となっていた綾 父親に強引に引っ張られる。

 一方 もう1人の中心人物 小林は、まさに、父親と、一発即発の取っ組み合いの直前の模様 「・・・祐樹 お前は、それでも次期小林重工業率いる立場の人間か? 最も今置かれている自分の立場を考えろ!!」 父親の罵声が飛ぶ。 まさに、男同士の生命を張った睨み合い。

 「同級生のクラスメイト 1人 助けられなくて、何が、企業グループを率き そこで働く従業員を守れる立場になれるのか? 良く親父の言うセリフだぜ!! 今 その言葉 そのまま返してやる!!」 反論する息子 小林 祐樹。

 各所で似たような親子喧嘩を起こっていた。

 力、体力の弱い女子生徒達は、次々と、父親 もしくは、体力自慢のパワー系御伴に、強引に、周囲から引き離され 乗ってきた高級車の後部座席に、押し込められる。

 「これだけの騒ぎを起こして・・・・ 大人しく家に帰って、自室で、許可があるまで、謹慎・・・・」 など、厳しく言い渡されていた。

 どこから情報が、漏えいしたのか? TV等のマスコミにより この模様は、LIVE中継されていた。
 そのLIVE中継を見た親達 早朝 何の事前連絡もなく 突如姿を消した我が子 妖魔に拉致された? 慌てて捜査を開始しようとした矢先 防衛軍本部前で、高校生が集まり 何やら騒動を起こしている その中に、我が子の姿を確認 PTA専用のホットラインを利用 各親達は、我が子を連れ戻そうと、共同戦線を張った。
 強引に連れ戻す。 やはり上流階級に属する者ばかり 世間体は、何よりも気になる。 それに、経営する会社は、少なからず、国家と何らかの繋がりを持っている。 今後の取引に、少なからず影響も考えられた。 その為の措置であった。

 中心になった生徒達が、次々と、その親によって排除されると、他の生徒達も このままでは、分が悪い事を悟ったのか? 自然解散となった。


 先程までの大騒動は、どこへ行ったのやら? 急に、平穏? いや 異様な程の静けさ まるでゴーストタウン。

 「急に、外が静かになったわねー」 最初に、詩織が気づく。
 何気なく立ち 窓から外を眺める。 騒然とした騒ぎを起こしていた正門前 今 だれ1人としていない。 不気味な程静まり返り 時より吹きすさむ遅い春一番が、朽ち果てた落ち葉を舞い上げ通り過ぎる
 「だれもいなくなったみたいねー」 まるで、自分に言い聞かすように、呟く詩織。
 学校の仲間が、集まり 心配してくれる気持ちは、痛い程 詩織の胸に響いた。 その気持ち 今 横目で見つめる真美ちゃんにも届いているはず・・・・ どんな気持ちで・・・・ 今の姿からは、決して想像出来ない。 でも約2年前の2月の末日 ほとんど記憶にはないが、少しだけ見た あのくたびれた冴えない40歳代の男 詩織も内心秘めているあのラディエンスの力 それも詩織すら持ちえない源流の力の覚醒による 今の姿への性転換、年齢退行・・・・ その内に秘めた本質は、40歳代の男・・・・・ 決して、生まれながら女であり まだ人生18年のキャリア それも女として積んでいない詩織には、理解も想像も多分出来ない未知の世界。
 女には、決して理解出来ない 男の世界の持ち主。
 どんな風に感じ取ったのだろう? 口下手で、余り あっけびろげ自身を語らない 余り口数の少ない真美 「・・・深謀遠慮、冷徹で、冷酷な戦略家としての資質を育んでいるのかも知れないね・・・・」 ある時 お父さんに、真美ちゃんの事を色々聞いた時 呟いていた言葉。
 女には、決して理解出来ない世界。
 ただ窓越しに、少し雲があるが、晴天と呼べる青い空を眺めている。 いや青い空ではない その先に、きっとだれも見る事の出来ない 遥か遠くの決して届かない世界を見つめている・・・・・ そんな眼をしていた。

 「タバコがあればなあー 少しは、考えがまとまるんだけど・・・・・」 近くにいる詩織に気づかれぬ様 内心呟く真美。
 男だった時代 1日1箱は吸うスモカー。 今の身体に、性転換、年齢退行・・・・ 20歳未満は、法に反し処罰の対象・・・・ 禁煙を余儀なくされた。 健康面で考えれば、非常に良い事であるのだが・・・・
 精神面では、かなりストレスが溜まっていた。 スモカー 元だが、悲しい習性?
 男だった時代 色々難しい悩みに対して良く椅子に座りタバコを吸いながら ぼんやり空ばかり眺めていた。 自然に身に付いたある種の癖。 1番リラックス出来 ある程度考えが、方向性がまとまる場合もたまにあった。 大半は、うまくまとまらなかったが・・・・・
 考えるのは、この先の事 妖魔 あれだけの大軍 世界主要国の主要都市を攻撃 あと数日あれば、押切勝利出来た。 真美1人で、全世界をカバーするのは、不可能 ここ首都Tですら ほんの1部エリア(地域)守るだけで、精一杯の状態であった。 まさに、人類存続の危機であった。
 それが、何故? 急遽撤退 その戦略的意味? 何が目的? 全く理解出来ない。
 現在のその容姿から絶対考えられないが、男だった時代 一応軍事面に関して、独学でこそあったが、深謀遠慮、冷徹で、冷酷な戦略家としての資質を育んでいた。 基本的に、歴史の流れ、方向性 つまり勝利する事により 歴史の流れ、方向性が、どの方向に向かうか? を最も重視していた。 戦略的勝利こそが、最も重要・・・・ 戦術的勝利は、戦略的勝利を得る為のの補完の1つ 少々戦術的敗北など、戦略的勝利を得れば、取るに足らない・・・・ そう言う考えの持ち主。
 今回の 史上初と言える 妖魔の大軍による襲撃 それも全地球規模 何故? あそこまで、圧倒的な圧勝 ワンサイド コールドゲームを展開しながら 急遽撤退したのか? その戦略的意義? 真美自身の妖魔の大量殺戮など、ちっぽけで、取るに足りない たった1つの戦術的勝利 戦略上 全く無意味でしかない。
 あのまま圧勝してしまえば、その後の政治的な面で、戦争犯罪者として、勝った妖魔側から引き渡し 後は、煮て食うなり、焼いて食うなり ご自由に・・・・ である。
 戦争なんて、所詮こんな物 勝った側の論理。
 真美自身が、最大の目的? それは、余りにも飛躍過ぎる。 それ程 重要人物? 自身買いかぶり過ぎる。 所詮たたが小物。

 「何 1人で。ぼっと考えているの? 私の話 ちゃんと聞いている?」
 突然 近くで、大声が上がる。
 まるで、魂が抜けたようなきょとした表情を 思わず浮かべる真美。
 その顔を見て、思わずやはり・・・・とした顔で、真美を見つめる詩織。 思っていた通り。

 徹底的に、問い詰める だが、真美からの返答は、難しい意味不明、言語理解不可能な、超難解の軍事用語などの超マニアックな専門用語のオンパレード。
 はたして、これらの言葉、日本語? いや絶対に違う そう信じたい。 どこかの地球以外の言語 絶対に。
 あれ、ほれ、これ・・・・3語の言語以外語を持たない 中年以降のオバサン達の方が、余程理解可能 詩織は、そう思った。
 三村隊長ならば、多分理解出来た。 それと、佐々木さんか?
 いつも思う 真美の頭脳 いったいどのような構造をしているのか?




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