LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 第1次妖魔対戦 Part2

 翌日 朝
 今日もこうして、真美が軟禁されている部屋へ 星沢家のコックが作りここへ運ばれたいつもの朝の朝食を運ぶ詩織。
 昨日もこうして、ほぼ1日真美と過ごした。
 元々口下手で、自身の事を余り語らない真美。 ただぼんやりと、窓の外の景色 空ばかりを見つめていた。
 もし何も事情を知らない人が見たら 真美の持つ あの神々しいばかりの神秘的美しさに、全てを奪われたかも知れない。
 まだこの前と言っても2日前 あの妖魔と、人類の史上初の大規模全地球規模での戦闘 その時 真美は、上官の命令をことごとく無視 単独戦闘を行い 尚且つ敵前逃亡、敵 妖魔に寝返った? と思われても仕方ない亜空間フィールドにしか発生しないと思われていた あの4次元ワームホールへ 命令を無視し飛び込もうとした。 それも何度も 理由も余り語らない。 その為 ここ防衛軍本部内での処分が決まるまでの軟禁処分 私は、その監視役。 真美がまた変な気を起こし ここから逃亡を防ぐ為。 もし・・・・ もなど絶対に有り得ない 真美ちゃんが、私達を捨てて裏切るなど。 だが軍の上層部は、そう見ていない。 あれ程 唯一妖魔の最上級ランクの戦闘能力、妖力を持つS級 それ以上のSS級 まだその正体を明かしていない 幻の妖魔の神々にも匹敵すると言うSSS級 現在唯一対抗出来る力を持つ者は、真美ちゃん1人 敵妖魔に寝返ったら・・・ それは、全人類の完全な敗北と、残された道は、滅亡か、奴隷以下の家畜化・・・・? 多分その辺なのかも知れない。 軍の上層部、それに政治屋どもは、常に自己権力維持拡大と、自己保身 それ以外何もない。 権力と言うどぶより更に汚れた汚物にしがみ付いている ただそれだけの存在。 真美ちゃんの受け売り。 

 セキュリティを 扉の前でガードしている見張りの兵士2人のうちの1人に解除してもらう 最新の電子式 いくつかのID、パスがなければ解除出来ない。 扉も超鋼鉄製 でも真美ちゃんの持つラディエンスの力ならば、こんなの簡単に破ってしまう。 いったい何を恐れているのか? 体裁の良い牢獄 真美ちゃんの最終処分 室長のおばあちゃまには、権限がない。 更にその上の軍のお偉い様と、政治屋共の手中にある。
 おばあちゃまだったら こんな所に閉じ込めない。 部屋で、謹慎させる程度。

 部屋に入る 昨日同様 真美ちゃん 戦闘用の迷彩服を着用 ベッドに座り ただぼんやりと、窓の外を見つめている。
 近くのTVは、スイッチが入っていない。
 「真美ちゃん お家から届けられた朝食 一緒に食べよう」 少し微笑みを浮かべ、なるべく普段通り接する。
 この部屋には、ベッド以外にも、プライバシーだけは、保護されている簡単トイレ、シャワールーム、それにTVに、ガーデンで、のんびりティータイムなどに利用するちょっとお洒落なデザインではない 平凡なデザインであるが、テーブル、チェアー2脚のガーデン ダイニングセットが配置されている。 かなり贅沢な部屋。
 ガーデン ダイニングセットのテーブルの上に、運んだ朝食を置く、昨日もここで、真美ちゃんと3食を共にした。
 ダイニングセットの横のちょっと先には、TVがある。 朝食を取りながらTVのスイッチを何気なく入れる詩織。 別に観たい番組などない、いつもの朝のちょっとした情報 特に、余り興味の無い芸能関係ばかり だが、内容は、あの妖魔の大軍との激しい戦闘と、その被害ばかり 各国政府の今後の対策など。 特に、重点的に、今まで超最高機密であった 対妖魔特殊部隊 そう私 詩織や、ここで今 目の前で、何も語らず ただ朝食を取っている真美ちゃんも所属する 別名妖魔ハンターに関する報道と言っても 未だ厚い国家超最高機密のベェールに閉ざされ ほとんどが、憶測ばかり。
 そんな時だった。 TVの画面が、急に、画面がブラックアウト。
 「故障?」 何気なく呟く詩織。
 続いて、画面が、まるで砂嵐を映しているのか? 大きく乱れる。 詩織が、リモコンのスイッチを押しチャンネルを変えるが、地デジも衛星チャンネルも全く同じ。

 「電波ジャック?」 真美が呟く。 良くTV、映画などのシーンで、こう言う現象が起きた時の定番。
 テロなどの場合 TV局を占拠した場合その局のチャンネルだけ。 つまり特定の周波数のみ 全ての電波数を同時ジャックは出来ない。 それに太陽で太陽嵐が発生 非常に大規模な太陽風が発生 大量の太陽風が大量に放出される。 それが地球に直撃すれば、それに伴う電磁波、粒子線、粒子などにより 地球上では、あらゆる通信機器などの電子製品に影響を及ぼし 通信網、交通網などが狂い 現代文明が破綻する可能性もある。 ここは、防衛軍の本部内 もしこの様な現象が起きれば、直ぐに、警告音が鳴り響き、警戒監視体制に入る。 それに手元にあるスマホ 電波障害を示す表示がなされていない。 通常通りの電波を受信している。
 TVの地デジ、衛星だけの特定の周波数だけを狙った 現代科学では不可能な高度オーバーテクノロジーによるテロ? ジャック? それとも・・・・ やはり電波を自在に操れる妖魔の仕業?
 妖魔の持つ妖力は、各個体差による多種多様多岐に渡っている。 まだ全て解明どころか? 謎だらけが現状。 いったいどれ程の能力の種類があるのか?
 電波を自在に操れる妖力を持つ妖魔がいても 決して、不思議ではない。

 真美の予想通り まだその存在すら予想すらされていなかった未知の妖魔の妖力であった。
 妖力は、後にSS級と判明する強力な妖力を持つ妖魔。
 その妖魔が、地デジ、衛星チャンネルの特定の周波波だけをジャックし あるLIVE映像を同時に、全世界に放送した。 それも全世界の各種言語の翻訳付。

 TVの画面に現れた不気味な存在。 全身を頭から黒のローブで包み込んでいる。 多種多様な形態を持つ妖魔 だが眼の前に現れた妖魔は、少数派? 完全に、ヒューマノイドタイブ(人間型) 全身を頭から黒のローブで包み込んでいてもその外観は、だれの眼にも解る。 顔は、ほぼ人間と遜色はない。 どちらかと言えば、コーカソイドタイプで、かなり いや相当美しいハンサム、イケメンの男 まるで完璧と思える美しさ。 だが両目 そう両目 不気味なほ程のゴールド それも光輝くゴールトと言うより 底なしの漆黒の闇に覆われた暗黒の世界そのものを表しているかの様な その両目を見た者全てを暗黒の世界に、誘い引きずり込む様な不気味な瞳 1度見たら決して、忘れない冷酷さ。

 「間違いない SSS級」 真美は、かなり驚きの表情を浮かべながらも呟いた。

 一瞬驚いた表情を浮かべ真美を見つめる詩織。
 同じラディエンスの力を持つ詩織 確かに、真美と同様妖魔の持つ妖力を感じ取る事が出来る。 だがそれは、妖魔がある一定の範囲内にいる場合。 まして、TVの画面に現れた妖魔の妖力を感じ取る事などの出来ない。
 だが真美は、驚きの表情こそ浮かべているが、自ら発したその言葉は、確信を持っている。 詩織にはそう見えた。 いや間違いない確信を持っている。

 真美は何故だか解らない だが確信だけは、絶対と言っていい持てる。
 もはや通常の妖魔の持つ妖力は、もはや本質的に何かが、違う。 今まで、妖魔の持つ妖力とは、全く別次元、異なっている。
 鳥肌が立つような異様な力 多分 詩織には感じられないはず。 妖魔の妖力とは、根本的に異なる異常な大きな力。 もはや妖力ではない本質的に妖力と異なる 妖力は遥かに凌駕した別次元の強大な力?
 そして何よりもあの顔 見覚えのある顔? だれかに似ている? 「ねえー 詩織姉ー あの顔 だれか? そう良く見る あの男に似ていると思わない?」

 真美の声に、画面を食い入る様に見つめる詩織。 確かに、言われた通り 何となくだが・・・ どこか見覚えのある・・・・ そうどこか見覚えのある・・・ う〜ん 思い出せそうで・・・・ 思い出せない・・・・ 確かに、いつも近くで・・・・・ いたような・・・・
 「はっ!!」 思わず声が驚きの表情と共に漏れる。 確かに何となくだがあの男に良く似ている。 そうそれは、真美のクラスメイトの1人。 あの男 途中転入を認めない学校に、唯一例外の特例 それも国家間の外交などで編入 編入初日 いきなり真美にプロポーズしたあの超ー嫌味な超美形イケメンの転校生 アーベル公国の次期国王序列第1のプリンス(皇太子) ジークフリート・ハインリッヒ・フォン・シュトラーゼ 愛称 ジーク。

 「そ・・・・そんなバカなあー」 思わず驚きの声を上げる詩織。

 「間違いなく あのSSS級妖魔 あのジーク」 納得と、自信のある声で答える真美。

 「でも 他人の空似ってことも・・・・」 そうそのはず、ジークからのプロポーズ攻撃から真美を守り抜いていた詩織。 ほとんど近接距離 もしあのジークが、妖魔なら それも妖魔の神々にも匹敵すると言う伝説のSSS級ならば、いくらなんでも直ぐに、その巨大な妖力を感じるはず。
 確かに、完璧と言える程 超絶世のイケメン、美男子 超キザ・・・・ だが、ジークからは、妖魔の持つ妖力を何も感じていなかった。 それも真美も同じはず。 真美もあのジークが、妖魔だと思っていなかったはず。
 真美もジークから妖魔の持つ妖力を感じていなかったはず。

 「妖力を自在に、コントロール出来るのよ そして、妖力そのものを消すことも・・・・ まさにステルス能力」 呟く真美。
 SSS級・・・・ もはや妖魔の持つ本来の妖力の限界を遥かに超えるポテンシャル・・・・・ 妖力を自在にコントロール 妖力そのものを消す まさに気配 そのものを消す まるで、ステルス・・・・・ 眼だけでは、あのスピードなどとても追いきれない その為 妖魔の発する妖力の流れなどを感じて戦ってきた。 大技の妖力を使うときなど、妖力がある1点に急速高まるなどその1例。
 まさにステルス 見えない敵 妖魔と戦いを強いられる。 それも今まで戦ったことのない 最強と思われたSS級妖魔など比較にならない強大な妖力を持つSSS級 戦いながら勝機を見出す戦術家思想に対して、どちらかと言うと、否定的 戦う前に敵を知り 勝つ為のあらゆる条件を整える戦略家としての思想を育む真美に取って、最大の強敵 今までS級、SS級に勝てたのは、たまたま実力差 本来持つポテンシャル能力が、真美より下回っていた ただそれだけの事。 相対的に敵 妖魔が、僅かに劣っていた。 それで、何とか勝てた それに過ぎない。 その程度 真美には理解していた。
 ほとんど何も知らない敵 妖魔に、ここまで戦闘の中で、勝機を見いだせたのは、この点に過ぎない。 たまたま妖魔が、格下だった。
 だが、今 TVの画面に映し出されているSSS級妖魔 そんな甘い戯言通じない。 基本戦略無視で勝てる妖魔ではない。

 真美の持つラディエンスの力 本来持つポテンシャルを高めれば、高める程 戦闘形態を上のレベルに上げれば、それだけ戦闘形態を維持出来る時間に、制約され 短くなる。 更に悪い事に、コントロールが、より難しくままならなくなる。 非常に不安定 そんな状態で、まともに戦い勝てる見込みは、ほとんど皆無。 だが、今 こうしてTVの画面であるが、その姿を現した。 これは、真美に対する宣戦布告。 決して避けて通れない。

 全TVチャンネルをハッキングの画面に現れたSSS級妖魔の演説を続く。
 「・・・・君達人類が、我々妖魔に勝つことなど、有り得ない事は、先日の戦闘で良く理解出来たと思う。 このまま自らの敗北を認め 我が前にひれ伏し 無条件降伏に応じるか? それとも 私にも慈悲の心はある。 君達人類側の名誉を重んじ、人類側選抜メンバー 我々妖魔と、僅かに拮抗出来る能力を持つ霊能者 そして、我ら妖魔最大のライバル ラディエンスの力を受け継ぐ星沢家の女達と、決戦に応じるか? どちらか好きな方を選択させよう。 返答は、明日この時間 もし無条件降伏に応じず、人類側選抜メンバーによる戦いを望んだ場合 数日後 君達地球の約2000年以上前から 数々の激しい戦闘が行われた場所 あの人類最終戦争も ここで行われると言われる場所 I国にあるメキドの丘 別名ハルマゲドンの丘で、雌雄を決しようじゃないか? もちろん君達人類側も あの愚劣と思える文明、テクノロジーの産物と言う強力な各種兵器の使用も認めよう 他だし 前回の戦闘で、最新鋭のハードウェアーとしての各種武器、兵器の数々 我々妖魔には、全く効果がない事は、良く身に染みたはず、下らんハードウェアー信仰に元ずく大鑑巨砲主義に陥らない事だが・・・・・」

 もはや勝負有と言わんばかりの演説は続く、歯を食いしばり 両手を強く握り TVを凝視しながら悔しさを滲ませる真美と、詩織。 反論の余地などない。 全て事実 我々人類に対抗出来るのは、真美、詩織などの星沢家の女の持つ 神秘の力 ラディエンスの力と、各種特殊能力の1種 霊能者のみ。
 人類の持つ最新鋭のテクノロジーの結晶の各種ハイテク武器、兵器など、全く役に立たない。 自ら滅亡を覚悟の最終兵器 愚劣の骨頂と言える核兵器、もしくはBC兵器以外 多分妖魔に通じない。
 多分 間違いなく人類側は、選抜メンバーによる決選を選択するはず、そして、名指しで指名を受けた星沢家の女性全員と言っても 神秘の力を持ち 妖魔と対抗出来る唯一とも言える ラディエンスの力を持つ 由美、良美、そしてここにいる詩織 そして、その源流であり究極の力を運ぶ箱舟である真美の4人のみ。
 まさに人類の最後を託されたと言っても決して過言ではない。 全人類の運命を。 現状 中心戦力となる妖魔ハンター全員無事であったが、日本国内の他の妖魔ハンターに属さない フリーの霊能力を持つ退魔師の大半は、前回の戦闘で、ほとんどが戦死もしくは、絶対安静の状態 果たして戦闘可能な状態の者が、何人いるのか? それは、全世界でも全く同じ状況のはず、最大数百人いれば、多分御の字。
 それら全員集中させても 数万体を超えるだろう妖魔側に、絶対の戦力不足。 数の上で勝機などない。 その不利を補う為の 現在持ち得る最新のハードウェアーとしての、各種最新のハイテク武器、兵器を全く通用しない。 無駄に、兵士による現有戦力を投入しても 無駄死にを強いるだけ。
 真美の頭脳には、持ち得る限りの人類側の戦力を分析による戦術シュミレーションと言っても 知りうる限りの情報であったが、活発に活動を開始していた。
 ただ結論は、簡単に達していた。 全く勝機なき負け戦・・・・

 微かな希望的観測 もしあの顔を見せないSSS級の妖魔が、ジークだった場合・・・・ いや戦場では、・・・たら、・・・れば などは禁句だが、その為の用意周到に全ての準備を整えるのが、戦略の基本、初歩。
 妖魔は、今までの蓄積されたデータにより 軍の階級 もしくは、中世の封建制度に似た 階層階級型の社会システム いわゆるピラミッド型の社会構造であることは、間違いない。
 狙うとしたらその点。
 1番上 頂点であれば・・・・ そう思う真美。
 上位の者の意志や命令を、下位の者に徹底させること・・・・ 全ての妖魔と、戦う必要性などない。 1番上 頂点に立つSSS級を倒してしまえば、次の1番上 頂点に立つ妖魔の座を巡り その下にいる上位グループのSS級、S級妖魔による分裂、指導権争いなどの内紛を勃発させ 分裂した各々の勢力を利用 互いに争わせ消耗戦に愚行に陥れ その隙に、弱った勢力を各個撃破・・・・
 多分現状 これ以外に、基本的戦略はないだろう・・・・ 僅かに、人類が生き延びる為の基本戦略構想。
 知る限り もちろん学校でのジークを見る限り とてつもなく優秀、学業などほぼパーフェクト、完璧 逆に、余りの優秀な頂点である為 その率いる軍勢は、上意下達である可能性が高いはず。
 余りの優秀な指揮官に、無心に従う・・・・ 全て任せる・・・・

 古くから言われている言葉の揶揄。 「1匹の羊に率いられた100匹のライオンは、1匹のライオンに率いられた100匹の羊に劣る。 あるいは、1匹のライオンが率いる100匹の羊は、1匹の羊が率いる100匹のライオンより恐ろしい、もしくは、ライオンが率いる羊の軍は、羊の率いるライオンの軍に打ち勝つ 別の言い方をすると、バカな指揮官、敵より怖い」 「羊の浅知恵、ライオンを殺す」
 その揶揄が脳裏を過る真美。 あくまでも希望的でこそあったが、あのSSS級妖魔さえ倒してしまえば、後は、政治力、交渉能力 詰まる所 残ったSS級以下の妖魔を言葉巧みに、入れ知恵 互いに分裂する方向へ、内紛を起こさせる より強固な1枚岩であれば、クレパス(切れ目)が入り砕けてしまえば、再度結合するのが難しくなる。 各勢力に、分裂し対立する。 その点に掛けるしかない・・・・ そう結論に達する真美。

 「何? 難しい顔して、真美ちゃん何を考えているの?」 覗き込む様顔を見つめる詩織。 こう時 いつもそうだ、真美は、難しい三村隊長、軍の士官大学卒の佐々木さんぐらいしか・・・・後 おばあちゃまぐらいか? しか解らない超ハイレベルの軍事戦略を考えている。 時よりその戦略を披露し、少し修正されるが、基本的にそのまま採用されて勝利をもたらしている。 いったいどう言う頭脳をしているのか? あの容姿、スタイルなどから絶対想像出来ない。 多分、いや間違いない この圧倒的不利の状況下 負け戦が目に見えた状況下 数少ない僅かな勝機の可能性を見出しているに違いない。 ちんぷんかんの意味不明の はたして、この言葉 日本語? いや この地球上にある言語? と思わせる難解の言葉等 意味不明? 理解不可能。 こんな難しい言葉、つい数日前 高校を卒業したてでは、とても無理。

 「・・・・」 言葉を失う詩織。 ただ詩織の頭脳 全て周囲に弾け飛ぶ大惨事 本人の予想通りの結果。
 全く理解出来ない。 唯一解った事 SSS級妖魔だけを1点集中で、全戦力を持って倒す・・・・ それだけ。

 「それで勝算はあるの?」 最も重要な点 机上の絵空事で困る。 真剣に真美を見つめる詩織。

 難しい表情を浮かべる真美。 「これ 現状 数少ない情報を元に、構築した軍事戦略 多分に、禁句の ・・・たら、・・・・れば 入り ほとんど全てと言っていい 希望的観測 勝算なんて・・・ ないわよ もっと沢山の正確な情報がないと・・・・」 言葉を濁す。 だがその為の情報を入試する情報源も 何と言っても残された時間もない。 絶体絶命の状況下。

 そんな時だった。 真美が軟禁されている部屋に、だれかが、ドアをノック? いや激しく叩き付ける音が、部屋中に耳障りな轟音となって響く。 同時に、断りもなくドアは、まるで断末魔の悲鳴の様な音を上げ強引開けられる。 余程急いている。 3人武装兵が、手に持つ小型の自動小銃の銃口を向け強引に部屋へ突入 銃口の向けられた先は、そう真美 真美を狙っている。 慌てて詩織が、真美を庇う様立ち上がり真美を庇う いつでもベルトのフックにぶら下げている詩織専用のライトソードを抜ける構え。 軍上層部のお偉い様 更にその上に君臨する政治屋のバカ共が、唯一絶対の己が生命の権力等を守る為 真美の暗殺を企てた。 そう瞬時に判断した。 同時に、ラディエンスの力を解放直前まで高める。 もしもの時は、ラディエンスの力を解放 3人の武装兵と戦う。 対人絶対禁止のラディエンスを力の使用 だが、そんな原則守っていられない。
 こんな至近距離 マッハ(音速)の銃弾を 例えラディエンスの力を解放しても避ける事など不可能 その程度解っている。 だがただ黙って真美ちゃんを殺させはしない。 固く思う詩織 その両目は、全く隙の無い鋭い眼光で、3人の武装兵を睨む。

 「星沢 真美 黙って我々に同行してもらう 司令部からの厳命だ、我々と一緒に最地下にある作戦司令部まで行ってもらう 下手な事をすれば射殺しろとの厳命だ ここに指令書がある」
 中央に立つこのプラトーン(小隊)の隊長らしき人物が、自動小銃を持たない左腕を突出し指令書を これを見よと言わんばかり広げ突き出す。

 3人の武装兵を睨む詩織を無視するかのように、真美は、平然と席から立つ。 その表情には、恐怖、怯え等など全くない 逆に何ら感情すら浮かべていない。 無表情。

 「詩織姉ー」 呟く真美。

 「このままここで待っていて」 横を通り過ぎる時 小声で言う真美。

 「でも あそこ決して安全とは・・・・」 心配顔を浮かべる詩織。 もはや信頼出来る見方は、ここ軍内部でも 生死を共に戦ってきた妖魔ハンターの仲間だけ・・・・ そんな思いが過る。 後は全て敵? ここは敵陣の真っただ中。 決して考え過ぎではないだろう。 敵の見えない圧倒的力に怯え 自らの妄想で作り出した恐怖に怯え正常な判断力を失う・・・・・ 良く権力者共が陥るパターン。
 全て真美ちゃんの受け売りであったが・・・・
 そんな事よりも 信頼の置ける仲間の妖魔ハンターに、早く連絡を入れ 現状を報告 真美ちゃんをどのように守るか? 腐心する詩織。
 だが、詩織は、この時点大事な事を忘れていた。 仲間の妖魔ハンター以外 最も信頼出来る絆 そう家族と言う1番のコア(核)なる存在を そしてその家族が、どれ程の膨大、莫大な権力を持っているか? そして、詩織の家族 中崎家は、ここ日本では、かなりの政財界に、影響力を持ち 更に母である良美 良美は、真美の母 由美の妹である事 血の繋がった姉妹 そして、母のいた 真美の母である星沢家 日本どころか? 世界有数の巨大財閥であり その影響力は、全世界に及んでおり 下手に星沢家に楯突くと、例え一国の元首 総理大臣だろうが、大統領だろうが、その国での権力者としての権力、地位が危うくなると言う程の絶対的権力を影から持っていると言う事実を。
 1部 自らの妄想で作り出した恐怖に怯えた跳ね返りの政治屋、軍部のお偉い様の1部が、起こした ちょっとしたクーデター紛い等など、簡単に制圧してしまえる事を。

 大人しく、両腕をプラトーン(小隊)の隊長の前に、突き出す真美。 にっさっと不敵な笑みを浮かべるこのプラトーン(小隊)の隊長。

 どう言う行動を取るか、相手のプラトーン(小隊)の隊長の行動を完全予想していた。
 弩ハデに武装で、この部屋に突入した。 答えなど単純。

 相手のプラトーン(小隊)の隊長を 少し憐みの表情で見つめる。
 上からの命令に絶対服従タイプであり 上からの命令に対して、相手を屈服させ それに喜びを覚えるタイプ・・・・ 所詮この程度。
 そう思う真美。
 真美が、素直に従う態度を見せた事で、妙な嫌らしいばかりの まるで真美を変な快楽に溺れ舐めずり回すように眼でみている。
 このプラトーン(小隊)の隊長に取って勝利であった。
 プラトーン(小隊)の隊長に取って、唯一絶対である上からの命令と言う絶対権力により相手を屈服させた。 これ以上の快楽などない。

 真美の両手には、特殊な合金により頑丈に出来た電子錠つきの手錠が、冷たく無機質な金属的鈍い光を発しながら嵌められる。

 最地下に設置された統合最高司令部に、エレベーターに降りる真美 ここが、我が国の軍の最重要中心部 全てここに各情報が集められ一元管理され 各部隊などに指令が飛ぶ。 最も重要な拠点。
 一応 過去何度かここに来ており 大体の構造は把握している。
 両腕に嵌められた電子錠つきの手錠の内側 そう肌にふれる部分に、針などに仕込まれた毒などの暗殺に用いる機能は隠し仕込まれていない。 突如の病死に装った暗殺などの姑息な手段を用いる様子はないようだ。
 敵 妖魔に対する貢物にでもする気かも知れない。 真美を差し出す対価として、妖魔が支配する新たな秩序の社会でも 自分達だけのあらゆる特権などの保障させる為の・・・・ 下らない下劣で、劣等な奴等・・・・・
 狭い閉ざされたエレベーター内でも 後ろの3人の兵士の持つ小型の自動小銃の銃口が、背中に付き付けられ その息遣いから ちょっとでも下手な動きでもしたら 右人差し指にかかるトリガー(引き金)を引く気でいるのが、少し緊張を漂わせる荒い息遣いで、手に取る様に解っる。
 相手が、まだ現役女子高生 だが、最新の強力な火力を装備するハイテク兵器も通用しない妖魔を相手に戦い勝利した まさにバケモノ 緊張するなと言っても無理がある。
 まとも正面から戦っても勝ち目などない。
 後ろからドスーン まさに、犬の戦い 航空戦の基本 ドッグファイト 後ろを取った方が、圧倒的有利。 基本戦術だけは、やはり叩き込まれているのか? その点だけ良くわきまえているようだ。
 だが、この様な光景 他人が見たら実に滑稽にみえるだろう。 そう思う真美。
 グレーを中心とした戦闘服を着ているものの まだ年端も行かない10歳代のいかにも華奢な現役女子高生 それに対して、鍛え上げられた強屈な それも小型の自動小銃を持つ兵士が、3人も銃口を背中に押しつけ 少し緊張した まるで、凶悪なバケモノを見る眼で、少し怯えた表情を浮かべている。 両腕には、特殊な合金により頑丈に出来た電子錠つきの手錠を嵌められている。
 事情を知らない人達が見たら どう思うか?

 頑丈さだけが取り柄と言わんばかりの超特殊合金で出来た扉が、左右に開く、かなりの重量があるはずなのに、その重さを感じさせない様に、軽快に素早く開く。

 「さあー 早く中に入れ」 後方のプラトーン(小隊)の隊長の構える小型の自動小銃の銃口に、背中を突き飛ばされる。

 こう言う時だけは、威勢がいい・・・・ この手のタイプの常套パターン。
 真美は沈着冷静に相手を見ている。
 もしもの時は、ラディエンスの力を解放すれば簡単に逃げられる。 余裕もあった。 現在愛用のワン・オブ・ウェポン(単一仕様武器)であるライトソードは、取り上げられ どこかに保管されているはず。 だがあれがなくても 真美自身が持つラディエンスの力 戦闘形態をレベルアップすればいいだけ。 まだ たった1度しか使用していない 究極の最終戦闘形態まで上げれば、こんな最地下に設置された統合最高司令部など、跡形も無く消滅させる程のエネルギーを 真美自身が放出出来る。 使えば無関係なここで働く人達まで巻き込む。 脅しに使うには、利用価値がある。
 だがやる気など全く無い 今は、このクーデターもどきを起した 政治屋、軍部のお偉い様を見極める。 多分少人数。
 それさえ叩けば、ゲームセット、ゲームオーバー。 後の雑魚は、SPに任せばいい。 どうせ散り散りになって逃げるしか能の無い小者。

 「さてとー・・・・」 内心呟きながら最下層に設置されている統合最高司令部を見渡す真美。 何回か? ここに来ている。 正面には、巨大なマルチスクリーン。 必要に応じて、いつくもの画面に分割出来るタイプ。
 その巨大なマルチスクリーンを正面に何列にも整然と配置されている多数デスク・・・・ まあー良くある基地作戦司令部の構造。 デスク1つ1つには、各機能に特化したコンピューターが1台、1台設置されている。
 その前で、刻々と送られてくる各データ。 その表示されるデータと見た目ではただの睨めっこ? している担当男女の兵士達。 果たして敵? 味方? 周囲の壁には、不審者、不審な動きをした者に対して、発砲の許可でも得ているのだろうか? 眼を光らせ監視している。
 敵、味方の色分け一目瞭然 例え同じ制服を着ていても簡単に見分けが付く。 敵は、そう下らない革命ごっこのマネ事をしているのは、まだ正体を現していない一握り、つまり数名のお偉い様。 まあ同士と呼べるのは、後ここで武装し周囲を監視している兵士。
 ここで、各デスクで、コンピューターのデータと睨めっこしているのは、今 敵? 味方? どっちつかずが大半 我が身可愛さから態度保留 状況に応じて、色を変える。
 見方を変えれば、オセロゲームの状況 次 盤面つまりオセロ盤のどの場所に、どちらの色のピース オセロゲームの場合黒、白の石を置くか? それによって、どちらに色に大半が変わってしまう・・・・・
 状況の把握 ある程度終えた。 後 手持ちのピース 石 こちら側を多く獲得するか? 確かに現状は、ワンサイドゲームの状況 このままコールドゲーム? だが、次の一手で、激変する場合もある。 まるでオセロゲームの様に・・・・

 そう思っていると、どうやら仕切っている本丸ご登場のようだ。

 真美の前に、まさにただの空威張り・・・としか見えない図体だけは、確かに大きい それは身長ではなく、腹回りを中心として横幅 男としては、かなり小柄 身長163cm程度 他だし体重は、推定100kgオーバー?
 大きく前髪が、後ろに後退した円形の脱毛 顔中には、大量の脂汗を浮かべている。
 ある自称 あくまでも自称与党大物国会議員と呼称している田中 67歳 真美は、何度か? 公式レセプション 星沢家のだが、会った事があった。 少し簡単な会話だけは、マナー上ある程度。 その時の評価は、ただの小心者。 だれかの影に隠れ その盾に、周囲に威張り散らす・・・・ それしか能が無い その程度の男。

 そしてその傍ら 「あのごますり士官・・・・」 思わず声を上げそうになった。
 一応階級こそ 将軍 つまり少将だが、ただ大物に擦り寄り ごますりだけで、ここまで出世した ある意味ミラクルマン(奇跡の男) 緒戦の妖魔軍との戦いで、最も手痛い敗北を期していた部隊の指揮官。 死傷率70%に達する驚くべき味方殺し・・・・ よく軍法会議に掛けられなかった。 驚異の政治力と、生命力の持ち主。 このごますり士官の下にいた多数の兵士達を ただの犬死させた元凶 名は、藤田。 59歳。 「低能と言う言葉、サンプルは、こいつの為にだけある」 まだ妖魔ハンターに入ったばかりの頃 隊長の三村と共に、この司令部に、挨拶に来た時 決して、人当たりの良いとは、正反対の性格?である三村が、真美の耳元で、軽蔑、蔑視で語っていた。 とにかく嫌っていた。
 ある時 妖魔との戦闘で、「多くの部隊の兵士を死傷させた上官、指揮官程苦労している・・・・」 などとうそぶいた事があった。
 さすがにこの言葉に、頭に来た三村は、詰め寄りあわや乱闘直前の騒ぎになった事があった。
 それ以来 更に犬猿の仲。
 「可愛い部下を大事にしないやつに、上に立って命令する資格すらない!!」 三村は、特に、部下を大事にする。

 そして、その周囲を警備の為固める武装した警備兵が数人。 更に後ろに、真美同様両手に、特殊な合金により頑丈に出来た電子錠つきの手錠を嵌められた数人の男女 そう真美の母由美 そして、詩織の母 由美の妹の良美 更に、妖魔ハンター室長の小夜子、隊長の三村、されに1番後ろには、父 義人の5人。
 5人共 背中に銃口を突きつけられた状態。
 だが、それを見ても顔色1つ変えない真美。 ある程度想定していた範囲。
 それに、5人がこの司令部に連れて込まれた時 小夜子が、真美の顔を見つめアイコンタクト? 目元が笑った。 どうやら何か策?がある。 現役最強の霊能力者小夜子 こんな程度ピンチですらないと言った眼つきであった。 それに三村など、大胆、豪胆 上を向いて、余裕の口笛で、音楽を奏でいてる。 こちらもチャンス待ち。 考えている事は、真美同様 人暴れ? 結果は、真美同様 この最地下層に設置された司令部 瓦礫か? 間違いない。 その後 国防 一応バックアップの施設はあるが・・・・ ちょっと考え物?

 下らない能書きをほざき大演説する田中と、藤田 もはや皇帝気分? 顔を真っ赤に紅潮させ 早くも革命の真似事成功した気分に、自惚れと、自己陶酔に酔いしれている。
 「・・・・これで、我が国及び、我が国の国民は、救われる たった1人 妖魔が指定したこの女・・・・」 真美を指さす田中 その眼は、異様な光を帯びている まさに自己陶酔の世界。
 「・・・・ この女さえ引き渡せば、和平交渉に応じると、申し出てきた たった1人の犠牲で、全世界は、救われる・・・・・」 もはや手の付けようが無い程の愚かさ。

 ある時の国政選挙で立候補した時の 超??? 有名なあの演説・・・いや戯言? 「・・・・たった1人の国民を守れなくて、全国民を守る事など・・・・」と大袈裟にうそぶいていた。 あの発した言葉 いったいどこに行方不明になったのやら 物忘れが激しのか? もはやボケが回った? いやこの場合 国民とは、自ら以外国民の範疇に入っていないのかも知れない この国の国民は、藤田たった1人?

 もはや心と思考回路は、真美ではなく? 元々本来の氷室 拓真に戻っていた。 各種皮肉と言う超絶スパイス入りの超激辛毒舌のオンパレード?
 内心 うそぶいているだけであったが、この場合真美を妖魔に渡すのではなく、真美を殺す。 真美を引き渡しSSS級妖魔の子を産めばどうなるか? 後の憂いを立つのが、今 この状況で、最もベターな選択であるはず。 まあ知恵もないだろう それに、この最重要機密を知っているのは、ほんの数人。 情報の重要性 情報を制する者は、世界を制する・・・・ まさに格言。 「敵を知り己を知らば百戦して危うからず・・・・」 兵法の基本。

 内心 毒舌ばかりまき散らす真美。 危機的状況下でありながら 余りの余裕 実は、この余裕 ある確信に満ちた手応えを持っていた。
 欲しい手持ちカードが、必要なだけ今 揃えられていた。 数の上の不利差を完全に覆すだけの。
 それに、真美の父である義人 何やら企んでいる。 どうやらここのオペレーターシステム担当の兵士 と言ってもさすがに武器を所持していないが、ある程度 どうやら星沢家の息がかかっているらしい。
 口元 眼によるアイコンタクトを取っている。 状況を一気に覆す 大逆転劇 まさに、オセロゲームの最終局面で、たったの一手で、一気に色をほぼ自らの色に変えてしまう・・・・ 狙い。
 真美のパパである義人 現在最も優秀な経営者100人の1人に毎年選ばれる敏腕経営者 この手の駆け引き まさにゲームは、お得意、十八番(おはこ)?
 日頃築き上げた各方面の人脈、太いパイプ 大型プロジェクトの参入の為の高度政治力と、外交交渉能力 まさに、ポーカーゲーム 相手に顔色による心理を読ませず、相手の微妙な動きで、相手の心理を読み解く能力。 まさにある意味ゲームの達人。 真美の最も欠けている部分。 敵ではなく味方で良かったと思う。 敵に回したら最大の障壁、最強の敵。 間違いなく敗北を期する。
 間違いなく大人と子供以上の差 数にさえされない。 百戦錬磨の強者(つわもの) 今まで相手にしてきた交渉相手 半端な相手ではない。 歴戦の猛者(もさ)。 踏んできた場数が違い過ぎる。 ある意味 根回し ここぞの場面で威力を発揮する。
 ある意味軍事戦略の基本 多数を持って少数を叩く・・・・ 物量戦略 大軍を持って、少数を叩く、大軍を飢えさせず、効率よく運用する為の情報、補給線など・・・・ 
 真美が望んでいる妖魔界への まさに決死の突撃 1番の重要な点にあるにも関わらず、あえて無視 情報も補給線もない 出たとこ勝負のただの無謀。 行だけの片道キップ 途中死ぬことだけを望んでいる。 願わくば、妖魔の神々などと匹敵するSSS級妖魔と相討ち・・・・ それが真美に取って戦略上の勝利なのだが・・・・ 自ら死ねば、真美の持つラディエンスの力 それも究極の源流の力と、妖魔最強のSSS級の力の2つを持ち合わせた史上最強の半妖魔は誕生しない。 史上最強の半妖魔は誕生させない。 それが人類を妖魔の脅威から守るにつながる。 そう考えている。 その為 自らの生命など何の価値もない。 ただの無用なガラクタ以下・・・ でしかない。 つまらない威力だけが、ケタ違いの無用なハードウエアーのポンコツ・・・ そうにしか考えられなかった。

 ・・・・ん〜 今 まあー そんな事どうでもいい それよりも もうすぐだ。 まさに、オセロゲームの最後の1手で、今まで敵、相手が、ほぼ自分の色に染まりかけていた、まさに圧勝、野球のピッチャーの最高のピッチングパーフェクト・ゲーム(完全試合)の様な展開であったのが、たった1球で、全てが変わり逆転サヨナラ負けを期する様に、次の1手 そのタイミングを計っている 真美のパパ 義人 現在最高の経営者100人の1人に、毎年選ばれている敏腕経営者 最もタイミング良く演出効果の高い、最高の場面を計っている それもどう状況が動くか? 計算されている。 まさに人と言う駒を思い通り操るマジシャン(魔術師)。 多分この様な展開になると、事前の情報で把握していのだろう。 世界最大規模を誇る大企業群を率いる 世界7大財閥の1つ星沢コンチェルンのCEO兼社長 各情報が集まっている。 事前に、このクーデターの真似事を知り その為の対策を事前に用意周到に準備していた。 間違いない あの男 パパ義人の常套手段 星沢コンチェルンの持つ絶大な権力を使いこなせる 超優秀、有能な経営手腕 多分歴代最高の経営者の1人。

 これでは、人暴れして・・・・ など 真美の出番なし。 高見の見物。 そうしゃれこむ以外無し。 ここでどんちゃん騒ぎを起こし どさくさに紛れ 逃亡? 妖魔の現れる瞬間を待ち 開かれた4次元ワームホールに突入 妖魔界へ・・・・ のプランの1つ潰された。 諦めるしかない。 相手が悪すぎた。 パパ義人 絶対敵に回してはいけない相手。

 まさに、その場面が、今訪れようとしている。 役者は揃っている。 後は、タイミング 世紀の大逆転劇 そのタイミングを推し量る義人 ある種の高揚感。 絶体絶命の最大の危機を たった1手で、ひっくり返す。
 妖魔と、裏取引をしているあるグループの存在を入手した。 星沢コンチェルンが誇る アメリカ合衆国のCIA(アメリカ合衆国,中央情報局(ちゅうおうじょうほうきょく)、NSA(アメリカ国家安全保障局)、MI6(映画007で超有名なイギリス秘密情報部=公式名称SIS)などと比較しても遜色のない いや経済などに関しては、それ以上と噂されている秘密情報部 全世界に張り巡らされている情報網 内定を進めていた。 大事な そう義人に取って、最も大事な家族 妻であり星沢家当主でもある由美 そして今 1人娘として育てている真美 星沢家の宿命 妖魔との対決 全人類を妖魔の魔の手から守る戦い。 妖力と言う特殊能力を持つ妖魔と、互角以上に戦える星沢家代々女性だけが、伝える特殊能力 ラディエンスの力 婿養子であり男である義人には、そんな異能の特殊能力は、持ち合わせていない。 直接妖魔との対峙など出来ない。 だが、義人は、自ら持ち得る全ての力を利用 影から愛する家族を守ってきた。 妖魔により殺されたまだ3歳と、1歳の愛娘 その時の悲しみ、憎しみ 決して忘れていない。 いつの日か、必ず一矢を報いる。
 義人には、義人のやり方で。 そして妖魔同様 妖魔に組する存在 決して許しておけない。 炙り出し一網打尽にする。
 まさに今がその時 黒幕、本丸が今ここに集結した 今が最大のチャンス。

 結局・・・・ 真美はただの傍観者? 何もする事などなかった。 ただの哀れな人質 助けられる側? 傍目から見れば、哀れ? 悪の手に捕まった美しい美少女 それを救い出すため 数人もの勇猛果敢なナイト(騎士)により無事悪の魔の手から救い出される・・・・ なんか お決まりのワンパターン。
 それも一瞬にして形成が一気に逆転。 今まで銃口を突きつけた側が、瞬時に、更に多数によって、完全包囲され逆に多数の銃口を突きつけられ一網打尽。 即武装解除。 余りに呆気ない終焉。
 いきなり聖龍神が、この狭い地下司令所内に、その姿を現そうとした。 慌てた革命ごっこらしき事をしている側 手に持つ自動小銃などの軽武装など、全く役に立たない。 それどころか? あの巨大な聖龍神が、ここに現れたら・・・・ この地下司令所は、押しつぶされ 瓦礫の下敷き・・・・ 慌てた革命ごっこらしき事をしている側の兵士は、武装を捨て 慌てて我先にと出口に殺到 それは、小夜子の計算されたただのフェイント その瞬間 義人の息のかかった兵士が、隠していた小銃を取り出し、素早く逃げようとした革命ごっこらしき事をしている側の兵士を包囲 数の上では勝っている。 同時に、1ヶ所しかない出入口の鋼鉄できた扉の向こう側をガードしていた革命ごっこらしき事をしている側の兵士を いつの間にか制圧していた防衛軍の特殊部隊と、取り逃がしていた残りの妖魔ハンターに、呆気なく制圧されており 扉が開かれた瞬間まさに挟み撃ち。 全く呆気ない結末。
 まあこの辺よりも 真美に取って、最大の疑問は、革命ごっこらしき事をしている側を瞬時に、制圧下に置いたのより早く 間違いない あれは連携プレイではない。 露骨な命令違反? 真美を目指し一目散に突撃 1番目立ちカッコイイ場所で、如何にも正義のナイト(騎士)が、命がけで、救出・・・・ しょうとした防衛軍の特殊部隊 多数と、絶対に遅れまいとした妖魔ハンターの隊員 圧倒的多数 真美の周囲に、何重もの武装兵士の人垣のガード(防壁)が瞬時に出来上がり。 我先にと、自己アピール 体のいいナンパ? 

 「星沢隊員 ご無事で?」  「お怪我はありませんか?」 「もう安心です、敵は、完全に制圧しました」など 周囲を何重にも取り囲む特殊部隊の兵士に、それも真顔で、質問攻めの まさにゲリラ豪雨?
 ゜それよりも 何故? 私の方ばかり・・・」 そうそのはず、真美の方ばかり特殊部隊の隊員の数が圧倒的に多い。 それも過剰と思える・・・程 いや勘違いではない。 まさに圧倒的に多い。 命令違反者 懲罰組だらけ? まさか? 懲罰覚悟の 恋は障害が多い程燃え上がる・・・? とでも思っているのだろうか? 元々40歳代の男 その気持ち決して理解出来ない事はない? だが男には、全く興味ない。 そう言いたい気分。

 何か? 先程まで、あれ程真剣に悩んでいた事 いったい何だったのか? ただの茶番に思えてしまう。 自ら妖魔界へ行き 死ぬ事を望んでいた シリアスな世界 これでは滑稽なコメディとしか思えない。
 作者の気まぐれ とても付き合い切れない・・・・・ 

 そんな事を考えていると、ある初老の人物が、この鉄壁と思える人垣を割って、真美の前に姿を現した。
 何度か、真美の・・・・ いや星沢家の家に訪れた事のある人物 パパ義人の持つパイプ ネットワークのキーの1人 顔は、常に、政治ニュースで良く見かける政権与党の大物衆議院。

 政治家嫌い、政治不信の真美に取って、簡単な社交儀礼以外 挨拶を極力避けてきた人物。
 「真美君 無事だったかね?」 真美に言わせれば、下心丸出しの笑顔。 巧言令色、美辞麗句など、聞きたくない。

 両手に嵌められていた超合金製の手錠が外されようやく自由の身になった真美の前に、まさに立ちはだかる政権与党の大物衆議院 与党内では、最重要の役職に付いており近い将来の総理候補と目されている。
 身長も180cmを超えており 体系もかなり大きい 小柄で華奢な真美に取って、目の前に立ちはだかる巨大な壁?
 子供は、3人全て女で、婿養子を貰った長女を除き、後は、財界の大物一族の家に嫁に出していた。

 「・・・いやー無事でなによりだよ」 満面の笑みを浮かべ語りかける。
 下らない社交儀礼が続く。
 ようやく 何か企んだ本題に入る。
 「実は、こんな時 こんな場所で、申し訳ないが・・・・」 語尾をわざと曇らせる。 見え見えの悪巧みのスパイスが、大量に含まれている。

 構える真美 相手は、政権与党の大物衆議院 与党内では、最重要の役職に付いており近い将来の総理候補と目される人物 余りそっけない邪けに出来ない。 だが決まって、こう言う時 ロクな話にならない。
 「・・・・こんな場所で申し訳ないが、わしに、子供は、3人いるが全て娘で、跡取りで、婿養子を貰った長女の子も 産んだ子は、2人とも娘 だが嫁に出した後2人の娘の中に、男の子が3人いてねー その中で、1人 わしが、最も眼をかけ 君と、丁度年恰好も合うのが1人いるんだよー 将来 わしの全てを譲ろうと考えておる。 そいつが、君とは面識があり 君を1度見た瞬間 一目ぼれしおった。 どうしても将来の契りを結びたいと・・・・ 多分 名前を聞けば、知っているとおもうが、そいつの名は、川崎 陽介 竜虎高校で、生徒会会長をやっていた時 君と知り合ったと・・・・・ 今は、国立のT大で・・・・」

 「・・・えー あの川崎君の母方の祖父?」 内心少し驚く真美。

 「・・・・それで将来わしの後を継ぐ条件なんて、立場が逆のはずだが、つけてきおった。 その条件とは、君との婚約 君と婚約すれば、後をついでもいいとぬかしおった。 それもわしを含めて、だれの手を借りず自力で、君と、結婚するとねー まあー頼もしいやら・・・・? 身の程知らずなのか? まあーこれも若さの特権なんじゃろうが・・・・・」 少し困った表情を浮かべる。 愛想の良い照れ笑い?

 「そこでじゃ 君の今置かれている立場 将来の事は、良く知っておるが、それでも・・・・」 「それでも」の部分やたら強調し、真顔で真美を見つめる。 「どうかわしの孫 川崎 陽介と結婚を前提に、付き合ってもらえぬかのー」 真剣な 多分これ以上無い真顔で言い寄られる。

 余りの真剣さ 迫力に押されたじろぐ真美。 ただ顔 引きつらせ 少し後方にバック それ以外 思考がプリーズ。

 「・・・・もちろん強制は出来ないが・・・・ 1人の孫を想う哀れな祖父の頼み この哀れなわしを助けると思って・・・・」 懇願される困る真美。 毎度おなじみのあらゆる手を使った泣き脅し? 全ての責任は、真美 真美次第・・・・ こんな常套手段に常に屈しないはず・・・・
 だが今回は、条件が、つまり分が真美には悪い この政権与党の大物衆議院 星沢家との繋がりが深く、元々防衛軍出身 もちろん最高指揮官である総理、次の防衛大臣に次ぐ、文民(シルビアン)部門では、NO3 どうやらこの制圧作戦 陣頭指揮を執っていた? まず間違いない。 准将まで、30歳代後半の最短年齢のスピードで上り詰めた。 閣下と呼ばれる身であった。 その後 何故か? 政界へ鞍替え このクーデターの真似事の情報をいち早くキャッチ 一網打尽にする為 ある程度泳がせ パパ義人と、連絡、共同戦線を張り 一網打尽を狙った? ある意味命の恩人? いや迷惑千万の人物 このままクーデターの真似事している連中の予定通り事が運べば、妖魔に引き渡され・・・・ 速攻で考えた選択の1つであったのだが・・・・ 労せず妖魔界へ行けるはずであった?

 何故ここまで、妖魔界へこだわるのか? 真美自身よく解っていない。 真美自身 妖魔の神々にも匹敵すると言うSSS級妖魔を含む何体の妖魔を倒せるのか? 多分 間違いなく途中殺される。 それはそれでいい 真美自身の死は、SSS級をも超える史上最強の半妖魔と呼べる存在が誕生しない。 それは、それで戦略的に意味がある。 だが、今それよりも目の前の強大な敵? どう打倒するのか?
 「逃げるは勝?」 どうやってここから逃亡するのか? あの川崎 陽介の祖父の魔の手から? 非常に難易度の高いミッション(作戦) 果たしてミッションコンプリート(作戦成功)出来るのか?

 何とか しまりの悪いドタバタ劇が終わった。 詩織姉ーの乱入? 更に話がややこしく複雑化? それでも、川崎 陽介の祖父の魔の手から無事解放された?
 決戦の地 中東のI国 ハルマゲトの丘へ向かわなければならない。 妖魔との決戦。 話は、その後で、何とか決着が付いた?
 「私は、生きて無事帰れる保証など・・・・」
 「いや 数百体を超える妖魔は、たった一撃で倒す事の出来る君だ、SSS級の妖魔だろうと、敵ではないはず・・・・」 急に、昔の事でも思い出したか? 軍のトップクラス閣下の口調、思考回路が変わった。
 話が、更にゴチャゴチャ化した。
 「それに、現在主要国の残存戦力を 極秘裏に中東のI国 ハルマゲトの丘に向かわせている 君達のバックアップ、後方支援体制を整えつつある。 まあー事情の異なる者同士の寄せ集めだが、これでも無いよりはマシなはず。 我々の持つ現有兵器は、全く役に立たないが、それでも後方から支援攻撃ぐらいは・・・・・」
 まあー 一端の閣下の口調で、主な概念を説明 もう勝を想定している? はっきりと言って、真美は、この戦いほとんど、負けが確定している・・・・・ そう思わざる得ない。 戦略的に圧倒的不利 戦術的な勝利により戦略的勝利を覆せない…軍事上の常識・・・・・ 簡単に言えば、圧倒的戦力、戦闘員の数、確かに、舞台は、地球 地の利などは有利のはず、だが、ただ戦闘員の数が多くても意味など無い 個々の戦闘能力 通常戦闘力には、余りにも大差がある それを補う為の各種兵器などだが、これが全く通用しない この場合数の有利差など、皆無に等しい。
 唯一互角に戦えるのは、太古の昔から神秘の力 ラディエンスの力を受け継ぐ星沢家と、ラディエンスの力とは異質だが、同じく太古の昔から妖魔と死闘を演じてきた人類に取って、1部の人達が持つ 異能の特殊能力霊力を持つ霊能者だけ。 全部集めても 日本で100人にも満たない 50人いるか? まあー そんな事より 熱弁を振るう川崎 陽介の祖父 「・・・・君達 妖魔ハンターこそが、日本・・・いや全世界の人々の唯一最後の希望だ・・・・」 など巧言令色、美辞麗句を並べ立てている。 もはや政治家の本領発揮 戦うのは、こちら 血を流すのも・・・・・ どうせなら 「死んで来い その変わり2階級特進させてやる・・・・」 と言われた方が、まだマシ?




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