LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 高校1年生編
 Part3

 憂鬱な朝を迎えた。
 毎朝の恒例行事で、唯一の幸福な時間を奪われる。
 深い眠り レム睡眠による夢を見ている状態ではない。
 通常この場合 心落ち着く幸福で安らかな睡眠を奪う けたたましく全ての幸福を破壊する暴力的雑音、騒音・・・・ ちまり目覚まし時計のすさまじい騒音・・・・ のはずが、かなり異なっている。
 何かが、急に、そう湿った生暖かい何かが、唇に触れ塞ぐよう押さえつける。
 同時に、唇を上下にこじ開けられ何か? 湿った生暖かい空気が、無理やり侵入と同場に、猛烈な勢いで、口内から吸い取り始める。
 まるで血ではないが、生きる生気を 生命をも貪り吸い取るように・・・・
 恐怖で身体が強張り 何も抵抗出来ない。
 ただ奪い取られるがまま。
 このまま生気を 生命をも吸い取られ 死んで行くのか?
 まだ朦朧とし はっきりしない意識の中で。
 ようやくそれが終わる 何とか? 無事・・・・・ と思うと同時に、また別の異なる感触を持つ何かが、また同じ攻撃を繰り返す。
 毎朝の恒例行事。
 目覚めの由美と詩織のディープキスで、全てを吸い取られ ミイラの様な干からびた身体。
 「早く着替えなさい 時間余り無いわよ」
 由美の元気の良い声が響く。
 1段と気分が落ち込む。
 ネグリジェのまま・・・ それも何でこんなに可愛い まるで少女趣味を着たままベッドから起き上がり ハンガーに掛けられている制服を眺める。
 真美は、大きくため息ついた。
 「あー・・・」 嫌々なのは誰の眼にも明らか。
 今日 入学式に着ていく・・・ いやこれから3年間着る事になる高校の制服。
 真美が、男だった時代 それも高校生の頃の女子の制服は、セーラー服が定番で、1部ブレザーであったが、それは遠い昔話。
 もし高校の女子の制服が、セーラー服だったら 多分卒倒しただろう・・・
 不幸中の幸い? ブレザーなのが、せめてもの救い 他だし女子高生人気ベスト5に入る有名デザイナー作で、萌系 学園、ラブコメ、恋愛系などに出てくるような 超可愛い制服。
 最初 指定のデパートで、サイズ合わせの試着時 こんな・・・まるで子供サイズの様な・・・ 小さい・・・ はたして着れるのか? とさえ思った。 だがブラウス、ブレザー共に、ほんの少し大きいぐらい 改めて身体が、女性化によりかなり小さくなったのを実感させられた。
 この制服が届けられてから何度も着る練習をさせられた。
 こんな可愛い制服を着る美少女を見るのは、楽しいが、はっきりと言っておっさん趣味 だが自分が着て見られるのは、気が引ける。
 ここにいる2人 早くもデジカメ、携帯電話を構えている。
 散々練習させられた 女の子としての身だしなみ ネグリジェを脱ぎ 下着のブラ着用 白を基調に可愛いデザインが施されたブラジャー。
 下着からその日着る衣服は、全て由美か、時々詩織のコーディネート 一切の反抗、自由な選択は、許されない。
 下着のブラ、ショーツは、いつもお揃いのセット物・・・
 ブラを胸にあて後ろのホックで留める。 何となくだが、胸の男には無い膨らみがやさしく包み込まれ安定した感じがする。 自分の身体が女になった実感 慣れたくない。
 初めてブラを強制的に着用させられた日の事を思い出す。
 まさに暗黒の歴史。
 必死の抵抗も空しく、まず一糸纏わぬ裸にされ 思わず赤面 女になった身体を他人に見られ異常に恥ずかしい 思わず両手で何故か? 女の子らしく胸を隠しそのまま者がしゃがみ込み相手を睨む。
 「な・・・な・・・何をするの?」
 その一瞬の隙を狙われた。 身体を詩織姉ーに後ろから羽交い絞めされ まさにダークサイド(暗黒面)のどす黒いオーラを全身から吹きあがる炎の様に揺らめかせながら 異常で、不気味な何か? 不敵で、これから行う事を異常に楽しむ冷酷な笑みを浮かべたママにより強引着用させられた。
 「さあー諦めて覚悟・・・・・」
 嫌がり抵抗も空しく、肩ひもを両腕に通され ブラを胸に当てられ 背中のホックを閉じられ・・・
 女の物の下着 男の俺が、俺は、そんな変態では・・・・
 などと精神面での葛藤。 男としての大事なプライドが・・・・
 胸が少し締め付けられる変な感覚・・・・
 「もう女の子なんだから 下着による補正は、大事だよ 補正しないと、すぐ形が崩れるのだから・・・ 真美ちゃんは、型の良い素敵な美乳なんだらね・・・・・」 などなど・・・・・ 頭ごなし言われ続けた。
 あの日目覚めて以来 今まで男にはない胸の膨らみと重み 肌触りの良いブラで、やさしく包み込まれる事で、揺れが収まり安定するのだが、男としてのプライドが、全てズタズタに切り裂かれた気分に陥る。
 その後 何度も着用する練習をさせられた。
 だが、未だに女性用の下着 精神面で、大いなる抵抗があり慣れない・・・・ いや慣れたくない・・・・
 だが、胸の男にない膨らみと、重みが安定するのも事実・・・・・
 早く元の男に戻りたい。
 そして、新調の制服を着る。
 そして、由美に毎朝の恒例の髪のブラッシング ウエスト付近まで伸びた甘いライトブラウンの少しナチュラルブローの掛かった長い後ろ髪の1部を束ね 今日は、白に、ピンクの小さなハート柄のリボンで結ぶ。
 (真美は、この長い髪 結構面倒で、肩近くまでカットしょうとしたのだが、「星沢家に生まれし女子は、結婚、出産までロングヘアーの家訓があります・・・」と、由美に言われ 髪の先のカット以外認められなかった。 真美は、今でも自分を男だと思っている。 男と結婚? 出産? 想像を絶する)
 毎日、由美の気分で、各種各色のリボンからパレッタまで色々。
 その後は、読者の予想通りの展開、由美と、詩織とのツーショット写真の記念撮影会、部屋は出れば、「可愛い・・・」などの歓声上がり やはりメイド達の写メの嵐。
 恥ずかしい・・・ 出来れば どこか知らない場所へ逃亡したい・・
 あー この身体 呪ってやるー 真美のいつもの朝・・・ではなく特別の朝の光景であった。
 朝食を済ませ詩織が、先に学校へ行く。
 それにしても気になる この制服 明るめの非常に可愛いデザインのブレザー その下に、紺色のボタン3つのベスト 白のシャツ 首には、ピンクを中心としたリボンタイ スカートは、水色、ブルーの2色のチェック柄のプリンツスカート 他だし現在女高生の定番の超ミニ そして、膝下までの白のハイソックス 全身映し出す大鏡で、自分の姿を見た時は、さすがに可愛いと思った。
 他だしこれが自分でなければだ。
 こう言うもの 可愛い少女が着ているのを見て楽しむもの いわゆるおっさん趣味 自分が着て注目され楽しむものではない。
 どうしても女装しているみたいで気が引ける。
 女装趣味などない。
 いよいよ学校へ行く時間になった。
 どうしてもこの超ミニのスカートが気になる。
 事実 真美が拓真だった頃の高校生 女子高生と言えば、定番がセイラー服で、黒のスカートの長さは、現在と正反対 長め 中には、クルクルパーマに、長いスカートの先を地面に引きずっていた。
 これだけ短いと、太ももは、良く見えるし、それにスカートの中のショーツまで見られそうで、気になる。
 何より 下半身の回りを僅かな布で覆っているだけ、心伴い・・・
 今時の女子高生 旬の物だからと言って、良くこんなミニ穿けるものだと感心する。
 詩織など 確かに、真美より身長も高いが、まだ少し短いスカートを堂々と穿きこなしている。
 「この方が、可愛いし みんなに注目され 快感よー」 などと逆にアピールしている有様。
 確かに、詩織は、この方が可愛く似合っているのも事実 身長168cmと、女子としては、高身長で、スレンダー体型 何よりも高校生離れ・・・いや日本人離れした まるで外国人のトップモデル並のプロポーションの持ち主 初めて見た時 薄暗い場所で、緑色を中心とした迷彩戦闘服を着ていた為 全く気づかなかった。
 それにしてもどんな精神構造をしているのか?
 見る方がいいが、見られる側になると、特に気になる。
 車に乗る前 執事の中本まで、デジカメで撮られた。
 「これは、我が家の家宝にさせていただきます 真美お嬢様」
 にこやかな笑顔であった。
 車で、15分程度で、学校に到着。
 ここは、首都郊外にある。
 巨大な学校の敷地面積 どれくらいの広さがあるのやら・・・
 後部座席の隣座る由美と共に車を降りる。
 豪華絢爛 贅沢の限りを尽くしたような校舎、付属の施設 臨時駐車場になっている 1周400mある広大なグランドから学校の正門の受付へ向かう。
 中本は、運転手専用の控え室に向かう この辺は、さすがにお金持ち専用の学校 今日入学式を迎える父兄で、車で来る人は、全員お抱えの運転手付きである為。
 正門の入ったすぐ脇に、臨時に作られたテントがあり 学校の教師や職員が受付を行っていた。
 由美と共に受付を行う。
 クラスと出席番号が言われる A組の23番 男子からあいうえお順の為 女子では8番。
 この年も定員に満たなかった もちろん成績などで、合格ラインに満たし者が、この人数しかいない為だが、一定レベルに達しなければ、例え定員割れをおこしても定員まで、入学希望者を受け入れない。
 今年度の合格者は、男子は、定員の60人 女子は、定員割れの56人 全員で116人 それを4クラスに分けた。
 つまり 1クラスの定員は、30人 実際は29人少数精鋭教育である。
 先程から周囲のヒソヒソ話しが気になっていた。
 「あのお美しい母と娘は?」
 「この学校の理事でもある 星沢理事と、その1人娘・・・」
 由美は、朝から上機嫌 笑顔が絶えず他の理事達と娘談義に大盛り上がり。
 ちなみに由美のファッションは、カッコイイ女性用ビジネススーツ いかにもやり手の女経営者。
 講堂兼体育館に入った。
 言われた通り A組の女子 前から8番目の席に座る。
 早くも何人かの新入生が座っている。
 やはり皆 良家のお坊ちゃま、お嬢様風 全身から出るオーラがまるで違う。
 まるで、この身体同様 全くの場違いの世界。
 私の・・・(とにかくここ約1ヶ月に及ぶ ママと詩織姉ーの女子教育は、まるで、熱血スポ根マンガの代名詞 梶原 一騎原作 巨人の星の如くすさまじいものであった。 言葉遣い微妙な仕種など徹底的に直され続けている) 左隣1つ前に座っていた 身長175cmありそうな 今流行の美男子 まさに少女マンガに出てきそうな超イケメン 普通以下の男に取って、敵以外何者でもない 爽やか系が、私の顔を見て、これまた男同士なら絶対嫌われる笑顔を向ける。
 「初めまして、俺 小林 祐樹(こばやし ゆうき) 君みたいな可憐な女の子と、一緒に、それもクラスメイトになれるなんて、光栄です。 ところで君の名前は?」
 まさしくナンパ それも虫唾が沸くような笑顔とセリフ。
 だが、先程から理事会席に座る 魔物からの身体を貫く鋭い視線を感じている。
 我慢である。
 「私 星沢 真美と申します」
 真美は、叩き込まれた営業用笑顔をそつなく浮かべ返事する。
 「星沢 真美さん・・・ あー噂になっている 星沢理事の娘さん?」
 「噂って・・・?」
 「星沢理事の1人娘が、今年度入学する事になった それも想像も絶する可憐で、美しい美少女 もはや在校生 新入生の間で、噂でもちきりになっている・・・」
 いつ そんな話しになったのか?
 真美は、驚くばかり。

 あっと言う間に入学式が始まった。
 型どおりの式が進行する。
 校長、理事長、貴賓、生徒会会長などの祝辞が続く退屈な式 思わずあくびが出そうになるが、何とか噛殺す。 新入生の後ろの席には、在校生が着席している。
 全員 新入生の品定め余念がない。
 いよいよ 新入生1人1人の紹介が始まる。
 名前を呼ばれると立ち上がる。
 名前を呼ぶのは担任。
 A組の担任 26歳の独身女教諭 国内最高峰の大学を現役で合格 卒業後 アメリカ・・・ いや世界でも超有数の大学の大学院へ2年間留学し卒業 留学の経費は、国内最高峰の大学生時代 スカウトされた星沢コンチェルからの奨学金で賄われており、帰国後 ここ輝星高校の教師となり 今年初めて、担任を担当する事になった。
 高校教員免許は、国内最高峰の大学時代に取得しており、博士号も持つスーパー才女。
 名前は、大倉 桃花(おおくら ももか) 美人で抜群のスタイルの持ち主 才色兼備とは、この人の為にあるような言葉である。
 (それも見事なまでの巨乳・・・ 多分Fカップは、ありそうな・・・)
 まさに、やり手の若手キャリアウーマン ファッションも高級女性用ビジネススーツを自然に着こなしている。
 ちなみに担当は、英語。
 「A組 出席番号1番・・・」 大倉教師の声が、マイクを通じて、講堂兼体育館内に響く。
 「出席番号7番 小林 祐樹」 小林が立ち上がった。
 その瞬間 新入生、在校生の女子 1部の新入生の母親から 大きなため息と、歓声が起こる。
 いよいよ女子の番である。
 「出席番号17番 女子2番 一条 彩(いちじょう あや)」
 前から2番目座る 少女が立ち上がった。
 お尻まで伸びた長い黒髪 まさしく良家のお嬢様を体現しているような清楚で可憐な美少女。
 それに身長は、165cmと、すらっとした見る者を魅了するやや長身 やはり新入生、在校生の男子、父兄からも 大きなため息が漏れてくる。
 いよいよ 真美の順番が、やってきた。
 「出席番号23番 女子8番 星沢 真美」
 真美は、立ち上がった その瞬間 この講堂兼体育館内は、割れんばかりのどよめき、歓声が沸き起こる。
 新入生、在校生、父兄、貴賓席にいる者全てから・・・
 まさしく神々しいばかりの美しさを持つ この世の者とは思えない絶世の神秘的な美少女。
 美しさばかりでなく、どこか愛らしさ、可愛らしさも持ち合わせ ここにいた者全てを魅了し、虜にしてしまう。
 余りのどよめき、歓声などで、驚きと恥ずかしさの余り 頬を赤らめ着席する真美。

 最後に、新入生代表の挨拶が行われた。
 挨拶をしたのは、あの小林であった。
 と言う事は、小林が、この新入生で主席だと言う事である。
 入学式が無事終了 新入生は、担任に案内され それぞれの教室へ向かう。
 教室では、担任に、窓側から男子の出席番号の1番から5番まで、前から座り 次に女子の1番から5番 そして、また男子 女子の順に座るよう言われた。
 真美の席は、窓から4番目の前から3番目 丁度真ん中 嫌な席。
 まず担任の自己紹介の後 窓側からの席順に自己紹介を始めた。
 やはり 地方出身が多い。 このクラスで約60%は地方出身。
 真美の順番になった。
 この日のこの時の為 用意され暗記した自己紹介を始める。
 「初めまして、星沢 真美と言います。 都内出身 中学までの義務教育課程は、教育基本法特例条項による専任の家庭教師の教育で、行っていません 初めての学校です。 何も解かりませんので、よろしくお願いします」
 頭を1回少し下げ着席した。
 こう言っておけば、中学時代までの事を聞かれなくて済む。
 そうして、後は、担任に案内され学校内の至る施設の案内、教室に戻ってからは、明日からの授業の時間割 生徒手帳の配布 学校での注意事項など書かれたプリントを手渡された。
 今日は、午前中で全て終了。
 明日から本格的学校生活が始まる。
 帰りがけ 2人の女子生徒が真美に近づいてきた 1人は、あのまさに良家お嬢様風の一条 彩 そして、もう1人は、真美の前の席に座っていた 小柄で、まだ小学生と間違えられそうなロリ顔の橋口 香。
 何となくだが、気が合いそうな感じてもあった。
 「初めまして」 一条 綾が、真美に近づきながら言う。
 「私 先程自己紹介した一条 綾と言います」
 まるで天使の様な笑顔を向ける。
 「星沢さんって、初めての学校なんですって、色々解らない事 おありとか思います 私で良ければ、教えて差し上げますよ」
 「ありがとう 一条さん」
 戸惑いながら答える真美。
 「一条さんなんて、他人呼ばりしないで下さい これからは、綾と呼んで下さい」
 「綾さん・・・」
 「さんもいりません 呼び捨てにして下さい」
 やさしく微笑む綾。
 こんな美少女 実は、真美の方が、更に上を行く美少女であるのだが、男時代 学生時代でも こんな美少女に、親切に声をかけられたことなどなかった。
 いつもゴミ以下の邪魔者扱い。
 戸惑う真美 「私の方こそ 真美と呼び捨てにして下さい」
 少し赤面しながら答える真美。
 そこへ 小柄で、ロリ顔が特徴 髪をツインテールにしリボンで結ぶ 橋口 香が割り込んできた。
 「私の真美お姉様ー」
 そう言いつついきなり両手を広げ真美に抱きつく。
 実は、真美には、見る人により姉系にも見え、妹系にも見える両方の属性を持つ不思議で、神秘的な魅力の持ち主でもある。
 星沢家内では、間違いなく妹系であるのだが・・・
 ちなみに、ここにいる彩は、姉系。
 そして、この場にいない詩織は、完璧なまでの姉系。
 いつも真美を 「妹は、姉の子分 姉の命令に絶対服従・・・・」 などと言って、世話を焼いている。
 美しいもの、可愛いものを 愛でたいと言う女性特有の心理なのかも知れない。 それも真美のママである由美は、更に露骨であった。
 由美は、自ら産んだ2人の娘が、まだ幼い頃殺され その精神的ショックから2度と子供を産めない身体になった。
 そして、真美を実子として、手に入れた。
 今まで鬱積し溜まっていた子育てに対する愛情の全てが、真美に向けられている。
 向けられている真美は、迷惑以外何ものでもない。

 3人の話がとんとん拍子に進んだ。
 お互いの携帯電話のTELナンバー、メルアドを交換、登録する。
 実は、真美は、この携帯電話以外 もう1つ所持していた。
 星沢家の娘として、迎えられたと同時に、運命、宿命も背負う事になった。
 それは、ラディエンスの力を持つ者の運命、宿命でもある。
 まだ15歳 それに今日から高校生・・・ と言う事でアルバイト契約でもあったが・・・
 国家及び防衛省 最高機密 対妖魔特殊部隊 別名妖魔ハンター専用の連絡用携帯電話である。
 専用の特殊な電波回線によって結ばれている。 使い方は、現在の携帯電話と全く同じ。
 緊急出動時などの緊急時や、部隊間、本部との連絡のみの使用となっている。
 だが見た目は、年頃の女の子らしい可愛いデザイン。
 交換に使ったのは、プライベート用。
 その後 写メの撮りあいは、ご愛嬌。
 「いけない・・・」 突然真美は、左腕のブレスレットタイプの高級腕時計を見て叫んだ。
 女の子になってから これ程楽しい会話は、初めて。
 「ごめん まだこれから大事な用事あるんだ」 真美は、立ち上がった。
 少し会話の後 「まだ明日 学校で・・・」 そう言い残し教室を飛び出す。
 グランドの臨時駐車場で、由美の雷が落ちたのは、言わずと知れた事。

 その後 1度自宅に戻り 軽い昼食の後 学校の制服のまま 都内の中心ビジネス街の1つに向かった。
 今度は、由美の運転する国産の超高級車。
 由美曰く 「ロールロイスでは、目立つ・・・」 十分この国産高級車でも目立つのだが・・・
 某ビルの地下駐車場に入る。
 何度か、ここへ来ている。
 車を降り専用のエレベーターの前に止まる。
 由美が、特殊なカードを差込 暗証ナンバーを押す。
 エレベーターの扉が開く。
 真美と、由美は、エレベーター乗り 某階へ向かう。
 そこは、国家及び防衛省 最高機密 対妖魔特殊部隊 別名妖魔ハンター専用の本部。
 何故? 防衛省内に、本部がないのか?
 それは、国家及び防衛省 最高機密であり その存在そのものが、超極秘である為。

 本部のオフィスに入る。
 一見 どこにでもある平凡なオフィス 机が整然と並べられ 机の上には、1台、1台 専用のPCが置かれている。
 由美の後に、続いて真美が入る。
 「きゃー!!」 真美は、小さな叫び声を上げた。
 この辺だけは、ようやく年齢相応の女の子らしくなっている。
 突然 目の前に、顔に、幾筋かの傷のある いかにもプロの戦争屋 それも最前線の修羅場をいくつもの渡り歩いた歴戦の猛者と言った(事実である)すごい顔の丁度50歳程度の男の顔が、真美の目の前に、何の前触れも無く現れた。
 驚きの余り 真美は、小さな悲鳴を上げたのだ。
 「これ まだ年齢もいかぬ女子(おなご)をからかうものではないぞ 隊長」
 今度は、凛とした大人の女 それも雅なまでの色香を持つ声が響く。
 隊長と呼ばれた男 まさしくこの妖魔ハンターの隊長でもある。
 名前は、三村 健一(みむら けんいち) 年齢52歳 身長185cmのいにも職業軍人らしい鍛え抜かれた鋼の肉体の持ち主。
 元々戦場を渡り歩くワイルドギース(プロの傭兵)であったが、ある時 本来持つ特殊な霊能力を知られ この妖魔ハンターにスカウトされた。
 顔の傷は、ワイルドギース時代の負ったもので、妖魔になんか傷1つ付けられていない・・・と豪語する。
 逆に、ワイルドギース時代 最前線 それも歴史に残るような大激戦の渦中 1兵士として、いかに奮闘 生き残ってきたかを証明もしている。
 そして、凛とした大人の女の声の持ち主は、日本の古都 古(いにしえ)より代々伝わる某神社の巫女 服装を見ても 白の羽織に、赤の袴姿の巫女の正装。
 裏では有名な退魔師の家系で、代々星沢家同様 女の子しか産まれない特殊な家系 この妖魔ハンターきっての霊能力の持ち主と言われる 名前は、神楽 零夜(かぐら れいや) 代々伝承する霊能力は、特に、特殊な霊獣を1体を 普段は、封印しているが、戦闘時 封印を解き 自らの思い通り動かす。
 1度 真美は、その戦闘シーンを見て、思わず驚愕した。
 年齢は、33歳 まだ未婚の独身 一応フィアンセ? らしき人物が、この部隊にいる・・・ 多分 いつも夫婦喧嘩ばかりしている。
 いつも巫女服を着用し、お尻まで伸びたストレートの長い黒髪を 後ろで1つに束ね 凛とした雅な古典的日本美人でもある。
 「そんな顔 いきなり目の前に見せられては、だれでも驚くぞ」
 零夜は、優雅に、真美の頭を抱く。
 そして、さりげなく携帯電話を取り出し そのまま写メ。
 「ひどいぜ 零夜 この隊長たる俺が、学生服姿の真美ちゃんとのツーショット写メ 1番と決めていたのに・・・」
 確かに隊長の三村は、顔は、強面である だが、普段のその瞳は、やさしい いつも部下を大事に思い 大切にしている。
 三村は、本気でくやしがり 真美を零夜から強奪 三村これ以上無いニコニコ顔 真美引きずった笑顔で、ツーショット その後 真美の頬に強引にキスをしょうとしたので、真美の強烈なビンタを喰らう。
 自業自得。
 その様子を呆れて見ていたのは、由美 どうもこの部隊 戦闘時以外 たるんでいる。
 実は、今日 学校の入学式の後 その制服姿を見たいと、この部隊全員一致のリクエストにより ここ本部にやってきた。
 真美の意思は、全く無視 多分ある程度トラブル発生は予想していたが、ここまでは予想外。
 真美は、星沢家の実子となってから この部隊のアルバイトであったが、所属となり 何度か、ここ本部にも来ている。
 当然 部隊員と顔見知りとなり 数回 C,D級であったが、妖魔との実戦も経験と言っても 後方待機であったが経験している。
 まだラディエンスの力を思い通りコントロール出来ない為でもあった。
 ラディエンスの力を持つ真美、詩織、時より出動するママの由美の3人の星沢家の者と、ここにいる妖魔ハンターの隊員の霊能力は、全く異質の別物の特殊能力である。
 早くも真美とのツーショットの写メ狙いの争奪戦が始まった。
 非常に和気藹々? の喧騒の中 「真美ちゃん来たかい?」 しゃがれた老婆の声が、奥の扉の向こうから聞こえてくる。
 「はーい」 元気の良い真美の声。
 「こっちへおいで」 老婆の誘う声に、写メ狙いの魔の手を逃れ 奥の部屋に入る。
 この部屋の持ち主は、室長とも呼ばれる この妖魔ハンターの最高責任者。
 妖魔ハンター創設時からのメンバーで、やはり代々退魔師の家系出身。
 全盛期には、最強の霊能者、霊能力の持ち主と言われた 伝説の人物。
 ママである由美は、若かりし頃 この人のお世話にもなっている。
 名前は、神楽 小夜子(がくら さよこ) あの神楽 零夜の祖母。
 年齢は、90歳だが、まだ若々しく活発な女性でもある。
 普段 男性隊員には、小夜子ちゃんと、呼ばせ 決して室長など呼ばせない。
 孫の零夜には、おばあちゃま 他の女性隊員、デスクワークには、小夜子さん、まだ10歳代であり アルバイト契約の真美、詩織には、孫の零夜同様 おばあちゃまと呼ばせている。
 小夜子は、自分には無い 全く異質の特殊能力 驚異のラディエンスの力を持つ 由美を我が子、そして、真美、詩織を 孫の零夜同様 自分の孫と思い 非常に可愛がっていた。
 「ほおほお やはり由美ちゃんの娘 可愛いのうー」
 机を付いたまま しわの多い顔に、満面の笑みを浮かべ、その瞳を細目 笑顔で真美を見る。
 小柄な小夜子 真美より更に小さく 身長は、145cmしかない。
 たが、その秘めた霊能力は、噂だが、全盛期程ではないものの 孫の零夜より上と言われている。
 ここにいるメンバーで、その霊能力を見た者はいない。
 「ここにおいで」
 小夜子に誘われるままソファに座る真美。
 いきなり真美の肩に左腕を巻きVサイン 右手で携帯 写メ 実は、小夜子も真美の制服姿の写メ狙いであった。
 最も この日に真美に、ここ本部へ来るよう言ったのは、小夜子であった。
 「おーっす」 元気のいい若い そう10歳代の女の声が響く。
 詩織も本部にやってきた。
 今日は、非番 と言っても詩織も真美同様 まだ高校生 学業優先 緊急時以外ローテーションで、主に土日祝、夏休み、冬休みが、ここ本部の待機となっている。
 この日 真美がここ本部に来る事を事前に知っており 1つ絡もうと、学校が終わった後 本部に直行したのだ。
 「みんな真美ちゃんとの写メ撮れた」 意地悪な笑みを浮かべる。
 まさしく今時のコギャル 先輩 それもかなり年上に対して、タメ口を叩く。
 「じゃーん」 プライベート用の携帯を取り出し 真美との自宅で取ったツーショット写真を見せびらかし始めた。
 実は、真美は、ここ妖魔ハンターに所属後 みんなの妹、アイドル扱い。
 だれが、1番可愛がるかの争奪戦状態。
 真美本人に取って、迷惑状態。
 一応男性陣より 同性と言うメリットを活かし女性陣が、有利に進めている。
 いつも女性陣のマスコット、オモチャ扱い。
 だが、ここ妖魔ハンター内でも ほんの1ヶ月前まで、真美が男であった事実をだれも知らない。
 室長の小夜子も・・・
 由美が隠していた3女と思い込んでいる。
 この日は、妖魔が現れず、ここ本部 和気藹々? の喧騒の中で過ぎていった。




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