LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 高校1年生編
 Part4

 入学式を終えた翌日 いつもの憂鬱な朝 憂鬱な1日の始まり。
 いつものパターンで叩き起こされ ミイラ化・・・
 着替え朝食を済ませる。
 今日からは、車ではなく地下鉄での通学。
 由美の教育方針。
 人との触れ合い 特に、一般庶民とかけ離れないようにと言う配慮で、地下鉄通学。
 実は、輝星高校の生徒のおよそ20%程度が、車での送り迎えに過ぎず。
 残り80%の生徒が、地下鉄、都バス、徒歩、自転車での通学であった。
 全校生徒の約60%を占める 地方出身の生徒は、学校近郊の高級マンション住まいか、詩織のように、都内に住む親戚、知人などの家からの通学である為でもある。
 ここの星沢家から徒歩約3分の所に、もより地下鉄の駅があり 地下鉄乗車3区間目の駅下車、乗車時間約10分 そこから徒歩約5分kの場所に学校がある。
 「いってきまーす」 元気の良い詩織の声。
 「いってきます」 憂鬱な声の真美。
 「いっていらっしゃいませ」 こちらは、元気の良いメイド達の合唱が響く。
 自宅の巨大な正門を出て詩織と2人 駅へ向かう。
 自宅から約3分の場所にに、最寄の駅があり 大きな幹線道路の地下にある。
 T-メトロ 2つの路線の駅となっている。
 朝の通勤通学ラッシュに掛かる時間だが、学校は、都心と反対の郊外に向かう為 ラッシュと言ってもそれ程混雑していない。
 ただ 輝星の制服以外の2つの制服の生徒も乗車していた。
 「あの黒のロングのワンピースの制服・・・」 それを見て詩織が説明を始めた。
 黒のロングのワンピースの制服は、私立聖セレナ女学院高校 別名究極のお嬢様花嫁修業高 別名通り良家のお嬢様の為のミッション系花嫁修業の為の高校である。
 何でも ここの生徒は、高校卒業までに、親の決めた許婚 もしくは、お見合いをして、将来の相手を見つけると言う。
 一応 その上に短大もあるが、20歳前後で、親の決めた許婚もしくは、お見合い相手の結婚する者が多いと言う。
 制服は、黒を中心したセーラータイプのロングのワンピース。
 超ミニの輝星と違い 足が完全に隠れるロングスカートが特徴 清楚なお嬢様を演出している。
 ちなみに、ここの生徒の中には、輝星高校の受験に失敗 ここ聖セレナへ入学した者が、少なからず存在する。
 ここは、成績より家柄、親の社会的地位などが、最も重視、優先され 学業よりも上流階級の作法、マナーなどを学ぶ学校でもあった。
 そして、もう1つは、懐かしい真美が男だった時代の高校生の頃の男子の定番 詰襟・・・いわゆる学ラン。
 こちらは、全国にその名を響かす名門私立竜虎高校。
 男子校の文武両道の超名門高で、政財界、スポーツ、芸能、古典芸能・・・に至るまで、毎年優秀な人材を 数多く輩出する。
 文武両道の優秀な中学生を全国からスカウト 全寮制で更に鍛え上げ 大学、社会に輩出。
 特に、優秀な生徒には、学費、寮費免除の特待生制度があり 輝星と違い、親の社会的地位、年収など、全く関係無い。
 本人のやる気と、実力、努力を 徹底的に重視する。
 ここを卒業したOB 特に、社会的成功を収めた者が数多くおり、毎年莫大な寄付金が、多く集められ そのお金で、学校を運営している。
 硬派としても有名である。
 輝星、聖セレナ、竜虎の3高校の生徒が、同じ駅で下車。
 地下鉄に乗車中から、詩織に、輝星以外の 特に竜虎の男子生徒の恐る恐るの態度で、何やら手紙? ラブレター? を渡す生徒が数人いた。
 そして、隣にいる真美を見ると、口を大きく開け呆然とした表情を見せる。
 「こちらは、妹と言っても従姉妹の星沢 真美ちゃん 宜しくね」
 笑顔で、言う詩織。
 何だか、悪い予感が・・・

 改札を出て、もよりの出入口に向かう。 ここで3校の生徒は、別れる。
 聖セレナは、駅の出入口に待っている専用バスで、学校へ向かう。
 そして、竜虎は、輝星とは、正反対の方向に学校があり そこまで徒歩約15分。
 階段を上がり出入口を出る。
 思わず真美は、我が眼を疑った。
 1年生から3年生までの輝星の生徒 その中には、他の聖セレナ、竜虎の生徒も混じっている。
 多数の男女が引き締めあっていた。
 特に、女子生徒が多い 中にはどう見ても小、中学生もいる。
 「ようー 皆さんお早うー」
 詩織の元気の良いあいさつが響く。
 「お早うございます 詩織お姉様ー」 黄色い歓声が沸き起こる。
 まるで、超人気アイドルと、その親衛隊。
 ここで、他の聖セレナ、竜虎の生徒は別れる。
 この一団を引きつれ 集団で、学校へ向かう。
 やはり注目は、隣で、まるで場違いのオロオロした態度の真美に集まる。
 余りの集団に、飲み込まれている。
 この事を聞くと、「ここ輝星に、去年入学してから いつの間にか、こうなっちゃったー」 まるで何事も無いように返事する。
 どうやら 注目される事に、快感を覚えるらしい・・・
 「ところで、詩織お姉様 隣の子 あの・・・」 何人かの女子生徒が、真美に注目する。
 「そうよ 話題の新入生 昨日 入学式で、過去最大の歓声が起こった あの星沢 真美ちゃん 私のおば様の娘にして、私の従姉妹 そして、私の大事な妹 みんな宜しくね」
 にこやかな笑みを浮かべる詩織姉ー。
 早くも 男女問わず、真美を巡る争奪戦が、発生模様 お互いに火花が飛び散る。
 "と・ほ・ほほほほ・・・・" 何故か? 途方にくれる真美。
 "この先 どうなるのであろう・・・?" 心配ばかりが先に立つ。
 この集団に揉まれ 色々質問攻めに会い。
 全ての精神力を使い切り 何とか学校に到着。
 ・・・??? 真美は、思わず大きく眼を見開いた。
 ここの集団以上の生徒が、校門の中で、待っていた。
 全員 お目当ては、どうやら詩織らしい。
 「お早うございます 詩織お姉様」 元気の良い朝の挨拶が響く。
 「お早う みなさん」 相変わらずハイテンションの詩織。
 続いて、ここへ来るまでの会話が繰り返す。
 「真美様 まるで少女マンガに出て来る 絶世の美少女・・・」
 「真美様 素敵 こっち向いて・・・」
 「私 詩織お姉様親衛隊と、真美様親衛隊 両方兼任・・・」 などの歓声が至る場所で起こる。
 周囲から色々質問攻めに会い もはや生きる屍状態化した真美。
 とにかく、この年齢の女子の会話は、すさまじい・・・ の一言 とても、約1ヶ月前まで、男 それもくたびれた40歳代中盤の元拓真 現真美にとっては、想像を絶する別世界の会話にしか聞こえない。
 こんな毎日が、朝から続くと思うと、この身体と精神力 いつまで持つのか・・・?
 ここで、もう1つの悲鳴が上がった。
 マイカー通学の女子生徒が1人車から降りる。
 実は、詩織と人気を2分する ボーイシュな女子生徒であった。
 名は、奥寺 薫(おくでら かおる) 身長170cmのすらっとした長身 ショートヘアー やや細身のスタイイリッシュ体型 まさしくタカラズカの美形男役。
 益々ヒートアップする生徒。
 薫が詩織を見つけると、笑顔を浮かべ詩織に近づく。
 「これは、詩織お姉様 お早うございます 今日もここで会うとは奇遇・・・」
 かなり嫌味が篭っている。
 嫌そうな表情を浮かべる詩織。
 「これは、薫お兄様 ごきげん麗しく」
 こちらもかなり嫌味が篭っている。
 薫は、ボーイシュな顔立ちなどから 薫お兄様と呼ばれている。
 2人の目線に、早くも火花が飛び散る。
 どうも仲が、余り良くないみたい・・・。
 「とこで、隣の子 昨日 入学式で、話題騒然となった・・・」
 薫は、まるで、真美を引き込むような笑顔で迫る。
 慌てて詩織は、真美の頭を両手で抱え自分の胸に抱きしめる 「そう この子 私がお世話になっている おば様の子よ 私とは従姉妹同士の妹分なの 手出し無用!!」
 絶対に渡さない強固な意志を感じさせる。
 "これって? 何なの?" この展開に、ついて行けない真美?
 ここでも 真美を巡る激しい、まさに骨肉を争う如き争奪戦が、繰り広げられている事に気づかない。
 真美自身 そのまさしく神々しいばかりの美しさを持つ この世の者とは思えない絶世の神秘的な美少女。
 美しさばかりでなく、どこか愛らしさ、可愛らしさも持ち合わせ 会う者全てを魅了し、虜にしてしまう。
 更に、この年齢としては、かなりスタイルがいい方であるが、現在成長過程 華奢で、抱きしめると倒れてしまいそうに感じ その為 男女、年齢関係なく、守って上げたい・・・と言う 保護欲を掻き立てられる。
 だが、真美自身 この様な不思議な魅力を持つことに、全く気づいていない。
 真美本人に取って、迷惑な魅力でもある。
 本人は、早く元の男に戻りたい その一心 こんなに周囲に騒がれたくない。
 「ほらー 薫お兄様が、ちょっかい出すから 真美ちゃん怯えて震えてるじゃないの・・・」
 詩織が、薫を睨む。
 呆れたポーズを取る薫。
 「この子が、だれを選ぶかは、本人の自由意志 詩織お姉様の決める事ではありませんよ」
 鋭い対立が続く。
 そこにまた 今度は女子生徒の黄色い歓声が、木霊する。
 2人の男子生徒が、間に入る。
 ここの輝星の3年生で、1人は、入学式の時 生徒会会長で挨拶した 滝川 弘樹(たきがわ ひろき) 身長180cmの長身 この学校では珍しく文武両道 主席にして、社交ダンス部キャプテン 全国大会上位入選のキャリアを持つ。
 またルックスは、少女マンガに出て来る超イケメンの超甘いルックス 現在の男子アイドル歌手など、比較にもならない。
 もう1人は、小学校以来の親友にして、生徒会副会長 次席にして、社交ダンス部副キャプテン こちらは、確かにハンサムであるが、どちらかと言うと、昔からの男らしい引き締まった顔つき 身長177cm 鍛え抜かれた鋼のような体型 名は、菅野 大樹(すげの だいき)。
 女子生徒人気NO1と、NO2のイケメン揃い踏み。
 ぽかんと 開いた口が塞がらない真美。
 「登校時から 校門でケンカみっともないですよ」 やさいしい口調で話す弘樹。 白い歯が、何故か? 光る・・・・?
 その後ろには、少女マンガ風の美しい赤いバラの花が、燦然と咲き乱れているようなオーラが発している。
 多分 真美自身 錯覚が見えたのだろうと思った。
 こんな男 いや男自体興味がない。 つい1ヵ月程前まで、れっきとした男であった。
 「他の生徒の邪魔にもなります 早く教室に」 今度は、大樹。
 仕方なさそうに、詩織、薫は、従う。 どうやら相手が悪いと見ている。
 それに1学年上の先輩でもある。
 弘樹、大樹に促され ここに集まった生徒は、それぞれの教室に向かう。
 最後に、弘樹、大樹共に、真美の前に現れる。
 「俺 滝川 弘樹 3年生」
 「俺 菅野 大樹 同じく3年生」
 2人が挨拶する。
 「星沢 真美ちゃんだよねー 以後よろしく」 2人は、さわやかな笑顔で、声を揃えた。
 「星沢 真美です。 あ・・・あのー よろしく・・・」 理由が解からず、雰囲気に圧倒される。
 その間 詩織の鋭い視線が・・・ (人はこれを眼(ガン)を飛ばすと称する・・・) 弘樹、大樹の2人に、飛んでいた・・・

 玄関の下駄箱と言っても またこれが豪華絢爛 扉を開ける方式になっており 扉を開ける 4足の靴が入るようになっている。 通学用の黒のシューズから校内用の白のシューズに履きかえる。
 だが、この扉を開けると、地面に数通の封書? らしき物体が落ちてくる。
 拾い上げると、宛名に、星沢 真美様の手書きの文字。
 それも筆跡から 男女両方。
 "これって まさか ファン・・・ いやまさにラブレター・・・"
 真美が男時代 1度も貰った事の無い物・・・
 慌てて、周囲を観察 だれもいない。
 だれにも見られない、知られない様 カバンの中に隠す。
 昨日 入学式を終えたばかり。
 いくらなんでも・・・ 
 どうも 調子が狂う事が続く・・・
 その後 日を追う毎に、レター数が増え続け、それも差出人が、男女問わず、小学生、中学生、他の高校生、大学生、一般社会人、サラリーマン、OLまで広がるのを この時点 真美は、知る由もなかった。

 教室に入った。
 「真美 お早う」 清楚で可憐な乙女の声 そう昨日友達になったばかりの彩が、真美を見ると、笑顔を浮かべる。
 本当に、天使の様な笑顔。
 今の身体(少女)でなく 元の男だったら どんなにうれしいか・・・
 「真美お姉様ー」 後ろから声が聞こえると共に、思い切り後ろから抱きつかれた。
 香である。
 周囲の注目が集まる。
 他の男子クラスメイトの視線が痛い。
 願望の眼差し。
 思わず赤面する真美。
 何とか、後ろから抱き締めるの止めるよう真美が言うが、「香の事 嫌い?」 などと言って離さない香。
 真美には、見えないが、幸せそうな笑顔で抱き締める香であった。
 「ところで、真美 朝から大変でしたね」 今朝の校門での一騒動。
 少々うつむき加減の真美 どうやら相当驚いた感じである。
 おや? と言う表情を綾は見せた。
 「真美 詩織お姉様と、一緒の屋根の下で暮らす従姉妹同士でしょう? 詩織お姉様に、この学校の朝の恒例行事 聞いていない?」
 「えー? 何も・・・」
 事実 真美は何も詩織から聞かされていない。
 綾が説明を始めた。
 昨年 新入生として、詩織が入学した。
 清楚で神秘的、腰近くまで伸びた長いロングヘアー 何と言ってもその抜群のスタイル 高校生離れ・・・ いや日本人離れしたプロポーション もはや完成形に近づきつつあった。 身長168cmの長身 すっらっと伸びた手足など・・・ それにお姉系キャラ 美形でありながら愛嬌のある笑顔 何事にも屈しないバイタリティー 天然有・・・ など一躍輝星高校のスターとして、人気爆発。
 同時に、同期入学の薫も タカラズカ男役真っ青のキャラで、こちらも人気爆発。
 輝星の女子生徒のトップアイドルとなる。
 この2人 顔を会わせる事に、衝突を繰り返している。
 仲が良いのか? 悪いのか? いつも2人でつるんで行動する。
 ライバルなのか? 親友なのか? 悪友なのか? 全く不明。
 昨年のいつ頃か? 定かでないが、2人に自称親衛隊らしき組織が極秘裏に結成され 毎朝、校門での朝の挨拶が始まった。
 何故か? 2人は、ほぼ同じ時間に、登校し、あの騒ぎを起こしている。
 学校側も 見て知らん振り 本人の自主性と、自由を重んじる校風・・・ が現在の定説などなど・・・
 彩の説明に呆れ顔の真美。
 彩には、3歳年上の兄がおり 今年の3月に、この学校を卒業 現在某有名国立大へ現役合格組 この学校について、色々聞かされていると言う。
 始業ベルが鳴る。
 朝のホームルームが始まる。
 さすがに 抱きついていた香も その手を離し 席に着席する。

 今日の1時限目は、何と最も憂鬱にさせる身体測定。
 昨日 渡されたプリントにも明記されており 体操服を持参するよう 書かれていた。
 1年生全員 同時に行う事になっている。
 ホームルーム終了後 全員 講堂兼体育館の1階にある 更衣室に向かう。
 体操服の入ったバックを持ち 1年生女子更衣室の前で、思わず立ち止まる真美。
 この先は、禁断の・・・それも女子高生の更衣室 つい1ヶ月前まで男 それも40歳代中盤だった真美には、余りにも刺激が強過ぎる。
 予断だが、真美は、毎日 由美と詩織の3人で、自宅の銭湯程の広さがある巨大なバスルームに入っており 女の裸に一応免疫らしきものが育まれているはずであったが・・・ この件については、いつの日か記述しよう・・・
 それに女の裸は、この年齢まで(40歳代中盤)まで、何度も見ている。
 耐性があるはず・・・
 だが、うら若きピチピチの現役女子校生 やはり刺激が違う。
 それに、もし適齢期と呼ばれる年齢で、結婚し子供が生まれ、女の子であったならば、丁度この年齢くらい。
 自分の娘 それも年頃に差し掛かった娘の裸を見て、喜ぶ父親などいない。
 今 この更衣室で着替えているのは、そんな年齢の女の子達ばかり。
 思わず恥ずかしさの余り赤面してしまい。 フリーズ。 思考、動きも。
 それに、自分の女になった身体 見られたくない心理も働いている。
 毎日のバスルームも 出来る限り自分自身の身体を見ない様にしている。
 
 「何をしているの・・・」 彩に右腕を引っ張られ強引に女子更衣室へと連れ込まれた。
 やはり 超お金持ち学校 設備にも大金がつぎ込まれている。
 60人分の専用ロッカー それも扉付きが、数列となって整然と並べられており ロッカーには、A組女子出席番号1番からネームプレートが張られており ロッカーも1人1人がかなりの大きさになっている。
 ロッカーを開くと 扉の裏には、顔全体が映し出される鏡が付いており ロッカーの中には、ハンガーがいくつか用意されている。
 大企業の女子更衣室よりプロのスポーツ選手専用のロッカー。
 全1年生が早くも着替えを始めていた。
 独特の若い女性が発する甘いフェロモンが充満。
 何故か頬を赤くする真美 眼のやり場に困る。
 それもそのはず、まだ昨日の入学式を終えたばかりのピチピチの高校1年生女子 やはり成長に、かなりバラ付きがある。
 もはや 大人の女の身体に完成が近付いている者から まだ成長が始まっていない者まで、バラバラ 真美は、成長が始まった段階。
 それに合わせ各人の下着も色とりどり やはり胸が大きく膨らんでいる子は、もはや下着と言うより 大人の女の高級ランジェリーと言った ちょっと背伸びした大人びたデザインの下着を着用している。
 逆に、成長段階 これからと言う子は、年齢相応のデザインのまさに、ティーンズ向けの可愛い下着 それでもブランド品であるが、真美の今日の下着は、セット物の白を中心に、ピンクの小さなハート柄が、いくつかデザインされている可愛いティーンズ向けのブラパンセット。 朝 相当恥ずかしそうに着用していた。
 やはり少し前まで男だった部分が抜けきらない。
 「早く着替えないと・・・」 彩に注意され 真美も着替えを始める。
 何故だか、無数の鋭い視線が、真美の身体を貫くの感じる。
 恐る恐る 周囲を見渡した。
 ここにいた全員が、真美の着替えに注目している。
 それも ライバル視する表情でない。
 憧れのスターを見る願望の眼差し。
 ここで、詩織のアドバイスを思い出した。
 "着替えは、テキパキ素早く そうしないと、周囲の女の子の餌食よ・・・"
 つまり オモチャにされ身体の至る場所を触られまくる・・・ そう言う意味。
 意を決し 真美は、バックからスポーツ用のブラパンセットと体操着、白を中心に、別色のライン入りの本格的陸上競技用のレディース(女性用) ランニングパンツ(ショートパンツ)を取り出す。 素早く制服を脱ぎ、リボンタイを外しブラウスを脱ぐ 上半身 ブラ1枚 思わず赤面 とても恥ずかしい 意を決し素早くスポーツ用のブラに変え 白の半そでのライン入り体操服を着る。
 超ミニのスカートを穿いたまま ショーツを脱ぎ スポーツ用のショーツに履き替え 更にランニングパンツ(ショートパンツ)を穿き 超ミニのスカートを脱ぐ、そして、更にハイソックスからスポーツ用のソックスに履き替える。
 そして、今度は、その上から上下お揃いのジャージを着る。
 2、3時限目は、体力測定になっている その為・・・
 周囲から思わずため息が漏れるのが、聞こえてくる。
 真美は、詩織と違って、まだ身体は、大人の完成に近づいた体型ではない。
 年齢から考えれば、かなりいい方である。
 まだ生育途上なのは、だれの目にも明らかだ。
 だが、それでもかなりイイ 見る人を魅了する輝きを放っている。 これから完成すれば、だれの目にも羨む程の美しいプロポーションになるのが明らか。
 憧れと、羨望の囁き声が響く。
 無視。
 ブラをスポーツ用に変える瞬間 更衣室内が、ヒートアップしていた。
 真美のまだ成長段階であるが、美しい型の まさに美乳の胸が露になった瞬間 周囲から大きなため息が漏れる。
 無視。
 半袖の白の体操服を着る そして、白で、別色のライン入りの本格的陸上競技用のレディース(女性用) ランニングパンツ(ショートパンツ)を穿いた時 思った もし昔懐かしいブルマだったら卒倒していた。
 まだ真美は、自分が男だと思っている。
 ブルマなど、見て楽しむもの 自分が穿いて、周囲の目に晒すなど想像も出来ない。
 この学校は、ランニングパンツ(ショートパンツ)。
 だが、ブルマと余り変わらない気がする。
 現在の主流は、女子高生は、ハーフパンツだと聞かされている。
 そして、ソックスをスポーツ用に履き替え オレンジ色を中心とした上下のジャージを着た瞬間 ほっと一息。
 何とか素早く、邪魔されず着替えられたと思った。
 鏡をみながら 今朝由美が束ねくれたリボンを解き 黒のヘアーゴムで、長い後ろ髪全てを束ね結ぶ。
 何か満足した様な甘いため息が、周囲から漏れてくる。
 その声に誘われるよう真美は、更衣室を見渡した。
 ここにいた全員 潤んだ瞳で、瞳の奥には、星とハートマークの輝き・・・ 着替えを停止した状態で、真美を見つめていた、
 中には、下着のままの姿の子や、上半身裸、ショーツだけの姿の子もいる。
 「着替え早い もっとゆっくりご鑑賞したかったのに・・・」
 「でも 素敵なプロポーション 憧れる・・・」
 など 様々に感想が聞こえてくる。
 彩もスポーツ用のブラバンのまま 憧れの瞳で、真美を見つめている。
 実は、彩の方が、現時点 スタイルは、真美よりいい 詩織と同様 もはや大人の女のプロホーションに完成が近づいている。
 何よりも、胸などBカップの発育途上の真美と違い CいやDカップの美しい美乳・・・
 ウエストも細く括れ お尻も大きく張り出し丸みを帯びている。
 トップモデル並み。 だが余り注目されていない。
 余りにも真美に注目が集まり 存在が霞んでいた。
 ちなみに真美もウエストが細く括れているが、お尻は、骨盤の広がりが余りないのか? 身長、体型から考えれば、少し小さめ。
 それでもお尻は、美しい曲線丸みを帯び始めており お尻が小さい為 足は、すらっと細く 身長から考えると長い。
 もう1人 大きな口を開けていたのは、香。
 ロッカーも真美の隣 まじか鑑賞出来る ラッキーにあやかっている。
 他の子と同様 真美を憧れと、羨望の眼差しで見ていた 他だし上半身は裸のショーツ1枚の姿。
 身長147cmと小柄で、顔も小学生と間違えられそうなロリ顔 体型も同様 まだ 成長も始まっていないように見える。
 胸もようやく少し膨らみ始めた程度 体型も小学生高学年程度 お尻も同様であった。
 いわゆる幼児体型。

 A組と、B組は、保健室 C,D組は、別室に分かれた。
 保険室内は、窓をカーテンで仕切られており 外から見えない。
 この学校担当の女校医と、臨時に呼ばれた女医が担当 出席番号順に、身長、体重、スリーサイズ等 測定されていく。
 もちろん男子は、また別室。
 ここでも真美は、注目の的 スリーサイズの測定や、聴診器など、この学校担当の女校医であったが、何故か? 瞳の奥の輝きが異質に見えたのは気のせいだろうか?
 この女校医 まさか? レズビアン? それもタチ・・・?
 気のせいである事を願いたい。
 注目され 神経をすり減らし ミイラ化し ようやく身体測定が終了した。

 続いて1周400mの広大なグランドに出た。
 2,3時限目は、体力測定。
 もちろん別室で身体測定を受けていた男子も合同。
 体育担当の教師以外 担当の授業の無い教師も手伝いに来ている。
 まずクラス事に、身長の高い順に整列。
 2人1組になって、柔軟体操を中心にアップを行う。
 真美は、同じA組の工藤 加奈とペアを組んだ。
 もちろん このグランドには、同じ1年生の男子もいる。
 やはり真美に注目が集中 特に、グラントに出るとき あの小林に、「体力測定 真美ちゃんがんばって」 といきなり親しげに声を掛けられていた。
 更に視線が増す。
 ちなみに、女子の1部は、小林に熱い視線を送る者もちやほや・・・
 ペアを組んだ加奈は、身長は、真美より1cm低い154cm だが細身で華奢、スレンダー体型で、洗練された都会的な真美と違い デブ程でないが、少しぽっちゃり系 ルックスもあか抜けない田舎娘 自己紹介の時 東北地方の小さな地方都市出身だと言っていた。
 親は、そこでは、古くからの名士の家系。
 真美とペアを組んでの柔軟体操中 無口で、恥ずかしそうに、ずーと下を向いたまま赤面していた。
 クラス事に、100m、走り幅飛びなど順番に、種目を回り 基本的データを取られる。 2時限目は、瞬発力、短距離、柔軟性が中心
 3時限目、長距離、遠投などのスタミナ、パワー系。
 真美は、瞬発力、短距離、柔軟性など 上位に入った。
 その流れるような美しいフォームに、周囲の者は、全員うっとりとした表情で、真美を見つめている。
 長距離は、平均よりやや上 他だし遠投の数字に愕然とした。
 男時代 肩の強さには自信があり 何故か野球部には所属せず、草野球専門であったが、超速球投手のエースとして君臨 高校野球の審判の資格を持つ知り合いには、近郊の高校のエースの速球より、比較にならない程 遥かに速く、球威も上 スタミナも十分 他だしノーコンが問題と言われていた。
 噂では150km/hクラス 鍛えれば160km/hを超え メジャー・リーグも夢でないなどと囁かれていた。
 だが 遠投では、全国平均より上程度 余りの数字に愕然。
 だが、女子としては、総合力、運動神経、反射神経共 かなり良い成績。
 女子で、最も成績が良かったのは、彩であった。
 真美同様 長距離、遠投以外、各項目 トップクラス。
 ちなみに、男子で、優秀であったのが、やはり小林 長距離、遠投以外 各項目トップクラス だが、学年総合1位ではなかったが、まさに文武両道 おまけに、ルックスと何物も持ち合わせている。
 真美が柔軟体操、アップを終え ジャージを脱ぎ 半袖の白の体操服、ランニングパンツ姿になった時 女子どころか、やはり男子、教師陣までも注目され 歓声が起こった。
 もはや耐えるしかない。
 そんなこんなで、体力測定も終了 更衣室に入る。
 またも真美を躊躇させる。
 更衣室の奥に、同時60人が入れるシャワールームが完備されている。
 さすがに超お金持ち専用高校 そして4時限目 身だしなみの時間となっている。
 普通の高校では、考えられない シャワーを浴びた後 身だしなみを整える為 あえて1時限をあてている。
 その為 体育は、週2回しかなく 4時限目と、6時限目はない。
 汗など汚れた体操服、下着を脱ぎ バスタオルを身体に巻き バスルームに直行する。
 プライバーシー保護の為 1つ1つ仕切られているが、頭の部分と、膝から下は、見えるようになっている。
 持参したボディソープを使い 汗と汚れをシャワーで流し落とす。
 ここでも真美は、注目される。
 うっとりとした視線を浴びつつ 女の肌は、柔肌と言う事で、由美と、詩織に、毎日身体の洗い方をご丁寧に習っており 何とかそつなくこなした。
 シャワーを浴びた後 またバスタオルを身体に巻き ロッカーへ 持参したドライヤーを取り出し ロッカー内にあるソケットに差込 髪を ブラシを使いながら乾かす。
 だが真美は、ロングヘアー 傍目から見ても要領が悪い。
 いつも自宅の風呂上り 由美か、詩織か、メイド達に、髪を乾かし整えてもらっていた。
 本人は、面倒なので、大幅カットしたいのだが、由美が許してくれない。
 「どうも お困りのようね」 やさしい声を掛けられる。
 バスタオル1枚身体に包んだままの彩である。
 少し大人びた色香を漂わせている。
 何故か? 真美だけがうっとり・・・
 彩は、真美より更に、ロングヘアーなのだが、要領良く 早くも乾かし整えていた。
 「うーん どうも髪 乾かすの苦手で・・・ いつもママか、詩織姉ーか、メイド達にやってもらっているの・・・」
 少し困った表情を浮かべる。
 「それなら 私が、やってあげますわ」
 そう言いつつ 真美からドライヤーと、ブラシを受け取り 真美の髪を丁寧に乾かし始めた。
 周囲が、羨望の眼差しで、2人を見つめる。
 2人の絶世の美少女 絵になる光景。
 2人だけが別世界。
 まるで芸術作品を思わせる光景。
 「それにしても 地毛で、この甘いライトブラウンなんて羨ましい・・・ それに、張りも潤いも十分 毛先にかけてナチュラルに少しブローがかかっているなんて、理想的・・・」 真美の髪を乾かしながら うっとりした表情を 彩は浮かべていた。

 そろそろ4時限目の終了する時間が近づいた 更衣室にいた全員 制服に着替えが終わっていた。
 真美も 後 朝の様に、後ろ髪の1部を束ね由美がしてくれいるようにリボンで結ぶだけ。
 始めようとすると、隣の香が、真美の顔を見て微笑む。
 「真美お姉様 香がしてもいい?」 そう言いながら リボンを取り 真美の後ろ髪の1部を丁寧ブラッシングしながら束ね 丁寧にリボンで結んだ。
 香本人は、満足の笑みを浮かべうれしそうである。
 だが、周囲の香に対する視線が、異なっていた。
 敵意、憎悪むき出し もし綾が、同じ事をしたならば、反応が全く違ったはず、憧れのうっとりした表情、視線を送ったはず。
 だが香本人 気づいていないのか? まるで無視。

 1度教室に戻り クラス全員で、食堂へ向かう。
 ここもお金持ちの為の高校 普通弁当持参か、購買部、学食がある高校もあるが、輝星は、かなり異なる。
 校舎とは、別棟の専用の食堂で、全校生徒が同時に、昼食を取る 昼休みも通常50分間に対して、輝星は、70分間もある。
 その為 朝のホームルームは、通常8時40分 1時限目は、8時50分開始に対して、20分も早い ホームルーム8時20分 1時限目8時30分開始となっている。
 食堂と言っても 高級バイキング方式のレストランと言った方が正確。
 約450人が、同時に食べられる程の広さがありがあり 周囲は全面ガラスに覆われ 周囲の景色の見渡しも良く 内部も贅が尽くされ 観賞用植物などが並べられており優雅な気分で食事が出来る。
 1人1人の生徒が、専用のトレンチで、数十種類にも及ぶ料理の中から気に入った料理を選び 4人掛けをテーブルを中心とした テーブルに座り昼食を取る もちろん教師や、ここで働く職員も同様。
 もちろん食費は、授業料、必要諸経費に含まれているので、支払う必要はない。
 和洋中専門の1流のスカウトされた料理人が作る本格料理。
 数種類選び 真美は、綾、香と共に、4人掛けのテーブルに座る。
 由美と、詩織に、女の子なんだから バランスの良い内容を・・・ と言われ 肉、生野菜などバランスを考えた物を選んだ。
 男時代と違い、量は、かなり少ない 男だったらこんな少ない量では、もたない。
 だが、女になってからは、この量で十分 やはり胃袋が、男時代より相当小さくなっている。
 真美達が座る席を中心に、他の生徒が集まり出す。
 少しでも 真美の近くにいたい生徒の数が、非常に多く 何らかのきっかけ掴み 知り合い、いやそれ以上の存在になりたいらしい・・・
 真美達の座るテーブルに、1人の上級生 2年生が、強引に座った。
 詩織である。
 「ここ空いているから お邪魔するわね」 全く屈託がない。
 美少女生徒数人のうち 3人が同じテーブルに着席している。
 食堂内にいた 全ての者が、一斉に注目。
 注目度が、更にエスカレート。
 教師陣まで、注目し ヒソヒソ話を始める有様。
 「初めまして、私 真美ちゃんの従姉妹で、真美ちゃんの家にお世話になっている。 中崎 詩織 2年生 よろしくね」 笑顔を浮かべる。
 「よく存じています 詩織お姉様 私 一条 綾 真美さんのクラスメイト」
 綾は、丁寧、優雅に挨拶する。
 こんな挨拶でも 笑顔を浮かべ良家のお嬢様らしく 清楚で可憐 全く隙がない。
 「私 橋口 香 同じく真美お姉様のクラスメイトです」 うれしそうに微笑む。
 「昨日 真美ちゃんから聞いた 出来たばかりのお友達ね」
 少し詩織の眼付が変わる。
 どうやらライバル視している。
 「真美ちゃんは、私の従姉妹で、妹分 奪っちゃダメよ」 早くも先行攻撃。
 「おやおや・・・」 そこへ薫も現れ参戦。
 「まだ 真美ちゃんは、だれの物と決まった理由はありませんよ」 一言を釘を刺す。
 「ちょっと待ったー!!」 今度は、男2人の声が飛ぶ。
 あの3年生の弘樹、大樹。
 2人共 さわやかな笑顔を浮かべ 真美の席に近づく。
 「俺達 2人を忘れてもらっては、困る」
 そこへもう1人参戦。
 「俺も・・・」 クラスメイトの小林であった。
 ここ輝星高校の誇る 美男子、美少女が集う。
 目的は、更に上を行く まさしく神々しいばかりの美しさを持つ この世の者とは思えない絶世の美貌を持つ神秘的な美少女。
 美しさばかりでなく、どこか愛らしさ、可愛らしさも持ち合わせ ひと目見た者を魅了し、虜にしてしまう 真美。
 お互い 激しい火花が散る。
 全く食事中と言うのに、気が休まらない 1人渦中の中心にいながら無視 まるで他人の騒動と言う表情で、黙々と食事を取り始める。
 はっきと言って、巻き込まれたくない。
 何故? ここまで熱心なのか? 理解出来ない。
 そこへ またもう1人参戦?
 担任の大倉であった。
 「今は、食事の時間 早く着席して」 一言に、バツが悪そうに素直に従う。
 やはり教師 相手が悪いと見ている すごすご退散する。
 「星沢さん 食事が終わったら 1人で、職員室の私の所へ来てね。 必ず1人でね」 何故か、1人を強調 最後に片目のウインク 何故だろう・・・ 悪い予感。
 瞳の奥に、何か星の輝きがある・・・ そんな感じ・・・
 別に、何か悪い事した理由ではないはず・・・ 周囲が勝手に騒ぎ出し 被害者に過ぎない・・・ そう思った。
 真美自身が持つ魅力に取り付かれ 我が物にしたい欲望の結果でもあるのだが、真美自身 全く この辺は、鈍感。
 自身 少しは、可愛いと言う程度の自覚はあるが・・・
 周囲が、勝手にオーバーに騒ぎ過ぎだと思っている。
 真美本人 静かに、目立たなく過ごしたい。

 楽しい・・・ いや独特の緊張感が続く昼食を食べ終わり 担任の大倉教諭に言われた通り 職員室の担任の席へ。
 「こちらへ」
 大倉教諭に案内され 別室の席に着席する。
 「星沢さん」
 何とも言えない表情で見つめられ かしこまる真美。
 「あ・・・はい」
 「入学式が終わって、今日初日から大騒動 その中心だれか? 解かっていらっしゃる?」
 下にうつむき 小さくなる真美。
 決して、真美自身何もしていない 周囲が勝手に騒ぎ立てているだけだ。
 「自分は何もしていなのに、周囲が勝手に騒ぎ立てているだけだと思ってるでしょう」 図星。
 「でもねー 星沢さん あなたにも原因 それも最大の原因だとお気づき?」
 下をうつむいたまま何も答えない真美。
 「あなた 自分がどれ程 魅力を持つているか? 気づいていらっしゃる」
 真美は、小さく首を横に振る。
 確かに、少しは可愛いと思っているが、騒ぎ立てる程とは思っていない。
 「全くー」 少し呆れた表情を見せる 大倉教諭。 困った表情に変わる。
 「星沢さん あなた この世の者とは、思えない程の絶世の美貌を持つ 神秘的な美少女よ」
 そう言われても ピンとこない真美。
 まるで 他人の話にしか聞こえない。
 「みんな あなたの隣の座を狙い 独占したがっている 解かります」
 小さく首を横に振る。
 「まあー 仕方ないでしょう・・・」 大きくため息をつく大倉教諭。 確かに真美本人に非はないのは確かだ。
 生まれ持った天分・・・
 「それにしても・・・」
 大倉教諭は、何かを思い出すように話出した。
 「昨年 今 2年生の 中崎さんの時も この学校始まって以来と言われる 中崎さんを巡る大騒ぎだったのに、星沢さん あなたと来たら 比較にもならない程の超大騒ぎ・・・」
 困った表情を浮かべた。
 「2人だけの話ですが・・・」 前置きする大倉教諭。
 「私は、この学校に、スカウトされ赴任しました。 この学校での教師としての成績で、将来 あんたの家の星沢コンチェル総本部のポストが決まる契約です。 そして、重要ポストと引き換えに、3年間 この学校で、あなたの後見人と言うべきか、ボディガードを命じられました。 確かに、初めて、この学校 つまり昨日の入学式 あなたを見て、我が眼を疑いました。 こんな神々しいばかりの この世の者とは、思えない程の絶世の美貌を持つ 神秘的な美少女が、存在するなんて・・・ それに美しいばかりでなく まだあどけなさ、愛らしさ、可愛らしさなど、持ち合わせ 神秘的なまでの、人を魅了し、虜にする魔力まで、持ちあせている・・・ とても信じられない思いでした。 実は、私だって、あなたが欲しいと思う程です。 ですが、教師、生徒 越えられない一線があります・・・」
 "えー"と言う思いで、真美は、聞いていた。
 超えられない 一線って・・・ まさか・・・ 先生までもレズ・・・?
 「・・・職分は、良くわきまえています。 あなたのお母様・・・ いや会長から 娘を頼みますと、直接言われています。 この事だけは、信じて欲しい 私は、この学校内で、あなたの味方です。 どんな事からもあなたをお守りします。 ですから 今回のように、何か、困った事が起きたら まず私に相談しなさい」
 ただ 黙って聞くだけの真美。
 ママもかなり過保護だと思う。
 「それと、これは、教師としてのアドバイスです。 あなたには、不思議な、魔力とも言える 見る人全てを魅了し、虜にする力を備えています。 その事を良くわきまえて、周囲の人と接して下さい。 きっと将来 あなたが、困った時 助けてくれる力になります」

 真美は、教室に戻った。
 やはり 少し表情が暗い。
 「大倉先生に、何を言われたの?」 心配そうに彩が聞いた。
 「別に、怒られた理由じゃないの ただ・・・」
 「ただ・・・ 何なの?」
 「色々 注意や、アドバイス・・・」
 真美は、自分の席に着席すると、頬杖を付き 1度大きくため息をついた。

 5時限目が始まった。 6時限目までに、学級委員、副委員、書記、その他委員を決めなければならない。
 だが、クラス全員 全く違う中学出身で、オマケに出身地までバラバラ まだお互いを良く知らない。
 その為 大倉教諭のアドバイスで決まった。
 学級委員は、新入生代表を務めた 小林 祐樹 入試試験で、主席 体力測定も上位の文武両道 ルックスも甘い美男子 才色兼備。
 副委員には、男子の 渡辺 数馬(わたなべ かずま) 隣県出身 某大手企業の御曹司 学力より体力 スポーツ万能で、体力測定 男子総合トップ。
 書記には、一条 彩が選ばれた 入試試験 次席 女子1位 こちらも文武両道 彩色兼備。
 他の委員も決まった。
 真美は、何ら委員には、選ばれなかった。
 これは、クラス内での 微妙な駆け引きの結果 各委員は、男女2人1組である。 独占されるのを恐れた結果。
 とは言うものの 委員と言っても 保健と、風紀しかない。
 全授業を終え 最後のホームルームが終了。
 大倉教諭から 「今日の放課後から 全クラブ、同好会の入部受付があります 別に強制はありません・・・」の一言。
 真美の席に、彩と香が、集まる。
 「真美 どこかクラブか、同好会入部するの?」
 彩が尋ねた。
 どうやら彩は、真美が入部を考えているクラブか、同好会に、一緒に入る気持ちでいるらしい。
 クラス内の全員が、聞く耳を立てている。
 まるで、電波ジャックか、PCのハッキング。
 「まだ 何も考えていないしー それに、家の関係で、クラブ、同好会は、無理そうなの・・・」
 真美は、答えた。
 実は、極秘の妖魔ハンターのアルバイトと、あのラディエンスの力の訓練がある。 とてもそんな余裕などない。
 「真美お姉様が、入らないのなら香も入らない」
 いつも ニコニコ顔の香。
 「私も やはり家の関係もあるし 毎日 お稽古事も・・・」 優雅に微笑む彩。
 彩は、1週間 生け花、日本舞踊、ピアノ、バイオリンなどの稽古のスケジュールで埋まっている。
 結構 多忙。
 少しおしゃべりした後 「そろそろ詩織姉ーと帰宅の時間だし・・・」 真美は、席を立った。
 「私も」 彩と香も言う。
 彩も香も都内出身 2人共 運転手付きの自家用車それも高級外車での通学。
 3人は、教室から何故か? 騒がしい 異様な熱気を感じる廊下へのドアを開けた。
 3人は、この光景に思わず絶句。
 廊下一杯に沢山の人だかり。
 各クラブ、同好会のキャプテン、部長クラス・・・
 全員 真美のスカウト。
 真っ先に、男子サッカー部 キャプテン 「星沢 真美さんですね」
 何か? 迫られるような・・・ 思わず 顔が引き、身体も恐る恐る後退。
 「我が 全国制覇を目指すサッカー部のマネージャーに、君がマネジャーになれば、部員やる気100%UP・・・」
 上半身をお辞儀し 右手を差し出す。
 何だか、昔なっかしい"ねるとん" のノリ。
 「引っ込め!! フーリガン!! 1度でも試合に勝ってから物を言え・・・」 周囲からヤジが飛ぶ。
 ちなみに、創部以来 練習試合を含め全敗 引き分けもない 超弱小クラブ。
 続いて、白の練習用のユニフォームの姿の坊主頭が、真美の前に分け入る。
 「星沢 真美さん 我が野球部のマネジャーへ そして、俺達を 憧れの甲子園へ連れて行って下さい」
 サッカー部同様の姿勢で、右手を差し出す。
 「引っ込め 創部以来 初戦コールド負け続き!!」
 練習試合以外、公式戦 全て初戦コールド負け。
 今度は、女子生徒 「星沢さん あなたのように、麗しい華のある人こそ 我が校が誇る才色兼備揃いのチアガール部が、1番お似合い」
 「引っ込め 大根足ブス連!! その大根足見飽きた!!」
 「ブスとは何よ!!」
 続いて、今度は、ちょっとファンクぽい男子 「僕達 軽音楽部 つまりロックバンド 真美ちゃん 君の為のリードボーカル空いているよ」
 キザの一言。
 「馴れ馴れしい 引っ込みやがれ!!」 ヤジの嵐。
 今度は、女子生徒 「やはり この学校に似合うのは、皇室もたしなむ 我が女子テニス部」
 「大根足 用済み!!」 これもヤジ
 今度は、ヒップポップ系の男女2人 「ねえー 星沢さん 僕達と、ダンスしょう・・・」
 「ストリートでやれ!!」 ヤジ。
 ここで、2人の男子生徒が、真美の前に 優雅なステップで現れる。
 あの弘樹、大樹。
 まさに情熱の赤いバラを口に咥えているかのように、弘樹 「真美様 この私めと、Shall We Dance 是非 我が校 唯一の全国レベル 我が社交ダンス部へ そして、私めのパートナーに・・・」
 何故か? 瞳と、歯が同時に光る。
 ・・・など続々と各クラブ、同好会の代表が挨拶と、ヤジの嵐。
 各クラブ、同好会の代表が一堂勢ぞろい 全員 真美に対して、上半身をお辞儀し 右手を差し出す。
 壁まで後退 逃げ道の無い真美。
 ただ 余りの迫力に飲み込まれ 顔は引きつる。
 「あ・・・あの・・・私 家の関係で・・・」
 「ちょっと 待ったー!!」
 突然 女子生徒の大声が響く。
 人波を掻き分け 真美の前に立ち塞がる。
 「真美ちゃんは、私達 帰宅部 手出し無用」 詩織である。
 鼻息が、かなり荒い。
 強引に真美の腕を掴み 玄関へ走り出す。
 呆然と見守る 群衆。
 「ちょっと 遅いと思ったら やはりねー」
 納得顔の詩織。
 ただ 昨年の詩織の時より 規模がケタが違う。
 玄関で、通学用の黒のシューズに履き返る真美を見つめて詩織は言う。
 「解かっているでしょうけど、私達 部活なんて、やっている暇ないわよー」
 この意味は、鈍感な真美でも 理解出来る。
 妖魔ハンターは、生か死 どちらかしかない。
 死は、人類に、取って未曾有の危機が迫る。




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