LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)

 第4章 決戦 Part8

 「ビリーのやつ あれ程注意したのに、自ら墓穴を掘るとは・・・・・」
この戦いを近くで見ていたデューク。
ビリーは、自らの力を過信する傾向があり 良くその点に付いて注意をしていたのだが・・・・・
「やはりキャラン(浩司)を倒すのは、この私しかいない」
不敵な笑みを浮かべ、すこし安堵と、何とも言えない自己嫌悪感の入り混じった複雑な表情を浮かべるキャラン(浩司)を見つめる。
ホバーリング(空中停止)状態を続けているものの 全身で大きく呼吸し かなり疲労困憊の様に見える。
珍しい事でもあった。
全く疲れも知らないタフガイ・・・・ そう思っていたが、いつも戦闘は、短時間勝負が多く スタミナに問題を抱えているのでは? と言う疑念があった。 どうやらそうらしい・・・・・
必要と思われる 多分 キャラン(浩司)の戦略上 ギル爺が言う通り キャラン(浩司)は、数少ない戦略家としての資質を育んでいる。 物事の視点、考え方・・・・ キャラン(浩司)自身 自らの戦略を明かしていないが、今までの戦闘 間違いなく何かの戦略上の目的が、見え隠れしている。
その戦略上の目的の為の戦闘だ。
不要と思われる戦闘を極力避ける傾向があったが、そればかりではなさそうであった。
やはりスタミナ面に、問題を抱えている・・・・ そう考えた方が、辻褄が合う。
精神面、肉体面 両面に対して、スタミナの問題を抱えている。
元々アマチュアでこそあったが、アカデミックで非凡な才能を持つ 宇宙物理学などを中心として各方面に精通する研究家・・・・ 戦闘員タイプではない。
早朝 そう日の出から始まった戦闘 もはや精神面、肉体面 両面に対して、そろそろ限界。
よくここまで持ちこたえた思うほどだ。
それも たった1人と言っていい状態で、比較の対象すらならないほどの、圧倒的多数相手に戦ってきた。
この私ですら はたして、ここまで持ちこたえられるか?
あれ程の巨大なエネルギー 長時間持ちこたえるのは至難の業・・・・・ ギル爺が言う通りかも知れない。
千載一遇のチャンス・・・・ だが手負いの獅子程怖いものはない・・・・と言う格言もある。
下手な手出しをすれば、逆に噛まれる危険性がある。
常に戦いはクールでなければならない。
そして、大胆さ、慎重さを両方兼ね備える・・・・・ それら全てを兼ね備える偉大なお方 それは、我が主君であるアピリム様のみ。
全てにおいて調和が取れ完璧。 常に神々しいばかりの眩い輝きを放つ偉大なるお方。
そして、そのアピリム様をお守りする聖なる騎士 それこそが、この私。
アピリム様の行くてを阻む反徒 キャラン(浩司)を倒す これこそ私の聖なる使命。

 デューク ヨーロッパ担当 元々ヨーロッパ屈指の名門貴族の1つの出身 騎士道を重んじる家訓を幼い頃より叩き込まれていた。
「キャラン(浩司) 次の相手は、この私」
ゆっくりと空中移動で、キャラン(浩司)に近づく。
宮廷文化独特の洗練された上質の身のこなし 礼儀作法 キャラン(浩司)の前に立ちはだかると、腰にぶら下げていたレイピア (rapier) を 右手で抜き構える。
レイピア=細身で先端の鋭く尖った刺突用の片手剣 16〜17世紀頃のヨーロッパで、主に護身あるいは決闘の際用いられ武器 デュークの愛用武器であり 騎士道精神の象徴でもある。
そして、左手には、併用して使われるパリーイング・ダガーと呼ばれる敵の攻撃を受け流す短剣 マンゴーシュ(main gauche)。
「さあー その腰のフックに下げている武器を抜け」
鋭い看抜いた物全てを凍りつかせる眼でキャラン(浩司)を睨む。
現状素手の敵に勝ってもフェアではない。
デュークの本質である騎士道が、それを許さない。

 前近代的・・・・ そう思いつつも複雑な表情を浮かべ 徐に腰のフックに下げている愛用の高周波セイバーを右手取り 両手で構える。
バトンのスイッチの1つを推す バトンの先から鋼色に輝く剣を瞬時に伸びる。
日本刀の様な形状。
だが、もつ1つのスイッチを押していない 剣の周囲に青白い輝きを発する高周波は発生していない。 ターゲット(目標物)を原子レベルから切り裂く高周波 だがレグのオーバーテクノロジーに開発された高周波セイバーは、セイバー・・・・つまり片面の刃そのもののですら驚異の切れ味を誇っている。
何か?深謀遠慮な思惑でもあるのだろうか?
元々キャラン(浩司)は、戦略家としての資質を育んでいる。
奇策を用いる策士 つまり戦術用兵家ではない。
正攻法の相手をオ大幅に上回る大兵力を整え・・・・ のはずだが、その為の準備を整えず・・・・ 正反対の1匹狼・・・・
全くの矛盾の塊・・・・

 鋭い相手を射抜く目つきで敵 デュークを睨み返すキャラン(浩司)。
「そこをどいてもらうぬかなあ?」
一応 礼節を重んじて、いつもとは違う最終勧告 いつもなら {死にたいやつからかかきて 死にたくなければ逃げろ 後追いしない・・・・」 等の捨てゼリフを吐くのだが、いつもと種が異なっていた。
話せば解り合える相手ではない だが、デュークの今までの行動は、例え対外的意味に置いてのパフォーマンスであっても 余り非難出来るものではなかった。
騎士として、武勲を立てることや、忠節を尽くすことは当然であるが、弱者を保護すること、婦女子に対する献身 倫理規範、無私の勇気、優しさ、慈悲の心、、それぞれ慎重さ、節制、正義、不屈の精神、謙虚、思いやり、礼儀、献身、慈悲、清らかさ、平和、忍耐などが、数多く見受けられていた。
余り戦いたくない・・・・ 本音であった。
"がさつで、粗野で、毒舌ばかりまき散らす皮肉家のだれかさんと大違い!!!" "みなっち談"
"あのー・・・・この方が、人間らしいかと・・・・・ (トーンダウン) "浩司談"

 「敵ながら賞賛に値する」 小さくまるで自分自身に語りかける様独り言を呟くデューク。
テロリズムによって「歴史を変えることはできない」 よって、あえてたった1人で、正面からの戦いに臨んだ。
見上げたもの・・・だとデュークは思う。
まるで、風車を悪しき巨人だと思い込み、風車に向かって突進したドン・キホーテの様に見えるが、戦術的勝利で戦略的不利を覆す事ができない事をよくわきまえている。
まだはっきりとしないが、何か? 戦略的目的の為に、ここまで戦い続けているはず。
ここまでの戦いに敬意を払い、尊敬と礼節は常に心がけ、賞賛すべきである。
たった1人と言って良いと言う状態で、ここまで勝進んできた。
たが、悪運もここまでだ。
この私が、キャラン(浩司)に引導を渡す。
自信、決意に満ち溢れた瞳で、キャラン(浩司)を睨む。
構えに入る 西洋の戦いを始める前の、儀礼、礼儀作法は、決して忘れていない。 敵に対する敬意でもある。
貴族趣味的とも言えるが、このマナーの正しさは、絶賛すべきものであり 若い女性に、ルックス、スタイルと並んで、マナーの良さが、絶大な人気を博している所以の1つでもあった。
それに、博愛の精神の象徴だろうか? ネクストノイド及び改造又待ちの特権階級以外の 少数派でありながら 抑圧階級の進化も出来ない劣等種と蔑まされ あらゆる差別を受けるホモサピエンス・サピエンス(旧人類)に対して、目立った差別的発言、態度を取らない事でも有名であった。
だが、この様な考えは、死んだミュースキャット麻子など1部少数派であった。
本領は、何と言ってもその秘めた戦闘能力 噂では、アピリムに次ぐ実力で、デストロ最強の刺客。

 「なめているのか?」 高周波セイバーを握り構えるキャラン(浩司)を見て、デュークは呟く。
その構えシロートよりは、少しはマシ程度にしか見えない。
構えが隙だらけ。
まだネクストノイドのデストロへの改造前 まだ10歳代の頃 レイピアの剣術を磨く為為 世界各地を渡り歩いた。
自己の剣技を磨くための武者修行、異種格闘戦。
特に、感銘を受けたのは、剣術最強の呼び声高い 日本の武士道の基本にもつながる剣道。
各流派があるが、どれもが実戦で鍛え上げられ非常に洗練されていた。
特に印象に残ったのは、居合抜き 1番印象に残り 最強ではないか? とさえ思った。
その時の対戦相手は、各達人と呼ばれる人々は、全く付きいる隙を見せない構えであった。
それに比べキャラン(浩司)は、全くのどシロートではない。
多少サマになった構えであったが、多少の心得・・・程度 シロートよりマシか?
構えだけで、ある程度相手の力量を推し量る事が出来る。
それ程実戦経験が豊富でもあった。

 実はキャラン(浩司)は、デュークに見抜かれた様に、子供 小学生の頃 剣道を少し習った程度の経験しかなく、レジェンスとの融合 そして、レグの数々のオーバーテクノロジーの寄与 それらの武器を実戦と言う舞台で、鍛え上げてきた。
剣道も 基本的構え 足さばき 面、胴、小手などの技は使えるものの ほとんど全てが、実戦で鍛え上げた いわば我流。
洗練されているとは言い難く品位に欠け問題外。
それでもここまで戦えてこられたのは、単に、融合しているレジェンスのエネルギー、能力によるものでしかない。
敵の動きが、まるで止まっているいるかの様にスローに見え対処が容易である事、敵の動きにより考えるより先に自然と身体が、適切に動くなど・・・・ある。

 両者 一瞬の間合いの後 眼にも止まらぬ高速のスピードで戦闘が開始される。
激しくぶつかる日本刀の形状の高周波セイバーと、細身のレイピア。 ぶつかる事に、周囲に激しい時空間を そのものを揺らすとさえ思えるソニックブーム(衝撃波)を伴う火花が飛び散る。
「・・・・ここまで、どのような基本戦略構想に乗っ取った戦闘なのかは知らぬが、徹底的奇襲攻撃によるゲリラ戦術・・・・ 見上げたものであり 賞賛に値する、まるで、チェ・ゲバラを彷彿させるようだが、物量を中心とする正面決戦に臨んだ時点 キャラン(浩司)貴様の命運は尽きた たった1人で、よくここまで勝進んでこらえれたものの その命運もここまで、今 私の手で、引導を渡してやろう・・・・」
激しく剣技戦最中に語るデューク。 自信に満ちた余裕の表情を浮かべている。
両手で、高周波セイバーを振るキャラン(浩司)に対して、まだデュークは、利き腕の右手のみ。
剣技の違いもあるものの 片手で、互角以上と言う 自信の表れでもあった。

 「チェ・ゲバラか・・・・」 だれにも聞こえないような小言を呟くキャラン(浩司)。
チェ・ゲバラについては、少し知っていた。
チェ・ゲバラ(Che Guevara) (本名 エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(Emesto Rafael Guevare de la Serna) キューバの革命家の1人で、ゲリラ。
まるで、頑固、石頭の応用の利かない、ピューリタン(清教徒)と思わせる程の教条主義的、原理主義的理想主義者 自己犠牲的な清廉で理想に燃えた革命家 自己に課す厳格な規律を周囲の者にも求める・・・・ などが、キャラン(浩司)が描く人物像であった。
1967年10月9日 前日捕えられたゲバラは、南米ボリビアのイゲラと呼ばれる寒村の小学校で銃殺されるのだが、最後に残した最期の言葉は、銃撃を躊躇する兵士に向けて言い放った「落ち着け、そしてよく狙え。 お前はこれから1人の人間を殺すのだ」だったと、公式に伝えられている。
他だし余り良い評価はしていない。
いかなる大義、主義思潮、事情があろうと、人殺しは、人殺しでしかない。
革命の名の下 大量に処刑した事実は、決して覆す事は出来ない。 戦闘行為であっても・・・・
「互いに、大量殺戮者・・・・・」 変な親近感?
確かに、チェ・ゲバラのゲリラ戦術は、少し参考にしていたのも事実であったが・・・・
周囲は、全て敵だらけ・・・・ 取りえる選択など余りにも少なかった。
「余り良い褒め言葉ではないなあー・・・・・」 呆れながら思うキャラン(浩司)。
戦術に溺れる事なく、戦術的勝利で戦略的不利を覆す事ができない事をよくわきまえている。
1人で大軍に勝利する事を繰り返しながらも、それを邪道と自覚し、あくまで戦の本道は敵より多数の戦力を準備する事と、それを支える兵站を整えることが重要であると深く理解している表れでもある。
その為の用意周到な準備 一緒に戦う仲間を増やす・・・ などを怠ってきた1匹狼の資質でもあるが、キャラン(浩司)らしい側面でもあった。

 レイピアによる基本剣術は、相手を突くことである。刀身が細すぎる為、普通に斬っても、下手に突いても、曲がったり、折れたりする事が多く、それ故、擦り斬りなどの刀身に負担が掛からない剣術が発達した。
その為 鋭く懐に踏み込まれ・・・・と言っても ここは空中であるが、間合いに入られ 鋭い突きの攻撃が繰り返される。
それを高周波セイバーで、寸前の所を払うのだが、デュークの持つレイピア やはり予想通り エルのオーバーテクノロジーにわる産物 超硬質な未知の金属で出来ている。
簡単に、折れたり曲がったりしない。

 「いつまで持ちこたえられるかな?」 不敵な、余裕の表情を浮かべるデューク。
まさにフェンシング、鋭い踏み込みと同時に、鋭い突き それも余りの速さに、数本のレイピアが、同時に襲い掛かっている様に見える。
それを何とか高周波セイバーで払いのけるキャラン(浩司)。 だがどう見ても後手に回っており防戦一方。
剣技に対するレベルの差を思い知らされる。
何とか、少し距離を置こうとするが、それを許さず、常に、必殺の間合いに入り込むデューク。
キャラン(浩司)の本来の戦闘方法である 各種エネルギー弾を使用した戦闘を取らせない為でもある。
有利な近接、至近戦闘で、追い詰める戦術であった。
各種戦術をたて、それをどのように運用するがが、戦略 と言う西洋ヨーロッパ的 まさにヨーロッパあり、盛んなサッカーの用いた考え方でもあった。
対するキャラン'(浩司)は、元々東洋 日本人であり 根底にある軍事思考は、まず 戦略なくして勝利なし 戦争全体像のグランドデゾインを描き 何を持って勝利とするのか? まず考える その為の必要なもの全てを取りそろえのが戦略であり 戦略を補完する為の各種技術的方法が、戦術と言う考えであり キャラン(浩司)の大好きなスポーツである野球的な考えでもあった。
きさに、両者の根底的考えの相違でもある。
戦略を重視する野球に対する 戦術を重視するサッカーの相違でもある。
士官大学時代 有名なエースストライカーであったデューク 対するキャラン(浩司)は、最も底辺である草野球チームのノーコンと言う問題点を抱えながらも スバ抜けたスピードボール 抜群の球威、スタミナを誇る超速球投手のエース。 ちなみに3番バッターの右投げ左打ちの中距離、長距離を両方の特性持つバッターでもあったが・・・・ その割には、結構荒いバッターでもあった。

 その頃 ユニキュラーとの戦闘に、苦しむG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)を装着するピェール。
ナノマシーンが、注入された未知の超合金の全身を覆うまさに、巨大な西洋の鎧を彷彿させる。
更に、顔面もフェイスマスクに覆われている為 その表情を伺い知る事は出来ないが、かなり焦りの色を浮かべているのが、容易に想像出来た。
ユニキュラーも ビリーの最終BS(バトルスタイル)である ハイパーウフガーに変身した時と同様 別形態への変身である最終BS(バトルスタイル) ハイブリットユニキュラーに変身 G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)と同等までに巨大化 更にハイパーウルフガーが、対キャラン(浩司)戦に使用した「HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速ではないぜ。 ネーミングに偽りあり・・・・」と皮肉った HA展開 確率論的にしか予想出来ない 不確定性の場所に現れ 瞬時の攻撃で、また別の場所に瞬時に現れ攻撃を繰り返していた。
大きなダメージこそ与えていないもののボクシングのボディブローの様に、少しずつダメージを蓄積させる戦法を採っていた。
G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)に搭載されている驚異のオーバーテクノロジーのスーパーコンピューターをもってしても それがピエールの信じる神々によって創られたスーパーコンピューターを持ってもしても G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)を中心に、半径一定距離以内の至る場所に、確率論的に表示されるだけで、それも毎秒ごとに目まぐるしく数値が変化する。
それを信じて、数カ所に同時に攻撃を行っても、全く見当違いの場所に現れ 全て空振りに終わる有様。 まぐれ以外全く期待出来ない。
「良く この様な攻撃を耐え見破り 浩司さんは、敵に打ち勝ったものだ・・・・」 少し感心するピエール。
先程 ハイパーウルフガーもキャラン(浩司)に、同じ攻撃を加えていた。
だが、キャラン(浩司)は、直ぐに、この原理を見破り 直ぐに対策を取り打ち破っている。
G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)内に搭載されているスーパーコンピューターは、量子論の不確定性原理 原子核の周囲に存在する自由電子の応用と、答を導き出している。
だが、具体的対策方法については、解答に出ていない。
全方向へのエネルギー膨張させ その中に取り込まれた敵を消滅させるような兵器は、G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)に搭載されていない。
エネルギーのムダ使いであり エネルギーを1点集中させる事に比べ効率が悪すぎる。
元々ピェールは、G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)は、自ら信じる神々によって製造され 神々自身が装着した最強、無敵のユニバーサル・ウエポン(万能兵器)と言う信仰心と同様の過信を持っていた。
どんなに最強のハードウエアーでも、所詮は、ハードウエアーでしかなく それを運用するソフトウエアー つまり運用する人間の能力次第・・・・ と考えるキャラン(浩司)との 決定的思考の相違でもあった。
超エリートの鏡とも言えるピエールであったが、ある重要な事に気付いていなかった。
ピエールの本質・・・・ いや宗教などと呼称する物を熱狂的・・・・ いや盲信的とも言えるのだが、共通の特徴とも言えた。
神々と呼称する物は、唯一絶対と言う過信 絶対の究極。
つまり神々などと呼称するエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の今から約1万2000年前に、原因は謎だが、この地球に残していった兵器である・・・・と言う事を・・・・
生体兵器であるネクストノイドも同様であるが、それを研究している今戦っているギルを中心とした科学者は、それをベースに日々研究、改良を重ねてきた。
本来の戦闘スペックは、ネクストノイドの方が、劣っている事実が、存在していた為でもあるが、今から約1万2000年前に残された兵器と言う事実が、そこに存在していた。
これだけの時間があれば、テクノロジーは、比較にならない程進歩する。
過去の遺物的ローテクノロジー。
神々などと呼称するエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)自ら装着した最強、無敵のユニバーサル・ウエポン(万能兵器)であるG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)こそ絶対と言う自らの信仰心同様盲信しており 使用方法以外、研究、改良を怠ってきた。 いやそれすら不要だと信じていた。
もはや今から約1万2000年前の過去の遺物的ローテクノロジーと言う事実にさえ気付いていなかった。

 「テクノロジーは、特に、戦時下に置いて、急速に進歩するものだよ ピエール神父」 ハイブリットユニキュラーの嘲笑する声が至場所から同時に、聞こえてくる。
常に、瞬時に移動し場所は、確率論的に変化するだけで、特定出来ない。
「神々自身が装着したこの偉大なG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)に敗北の2文字はない」 言い切るものの 対応方法が立てられない焦りの裏返しでもあった。
こりまま生振り殺し・・・・・
だが、そんな事を考えている余裕などない。
もはや残された時間は、僅か。
もうすぐなのだ。
その前に、偉大な神々の反逆者たる悪魔であるアピリム そして、ネクストノイドをこの地球から一掃する事こそ 聖なる務であり 神々が与えた試練。
来たるべき偉大なミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)の実現の為に。
自らを奮い立たせるピエール。

 「何を寝言をほぞいておる」
突如その姿を現したハイブットユニキュラー。
急に動きを止め 何かを考えている素振りを見せたるG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)を不審に思えた。
何か独り言を呟いている様子であった。
だがハイブリットユニキュラーの耳には、もちろん届いていない。
微妙な動きからG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)の心理を読み取ろうとしていた。
戦場に置いて、相手の心理を読み取る事も大きな要素でもある。
まだそれ程ダメージ それもあの強固な装甲に決定的ダメージを受けていない。
小さな掠り傷程度 あの装甲もエルにより開発された特殊超合金で、それに特殊超合金内には、大量のナノマシーンが注入されており 小さな掠り傷程度なら直ぐに、自己修復する。
今 行っている攻撃は、G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)そのものの破壊ではなく、精神的に勝ち目の無い戦いと思わせる いわば心理戦の要素が大きい。
どんな強固な難攻不落の無敵の要塞も 外部からの攻撃に対して、難攻不落のまま 内部分裂などにより自滅した例など、多数存在する。
G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)もしかり 外部からの攻撃には、難攻不落かも知れぬ。 だが、装着していのまは、あのピエールが信じる神々などと呼称する 我々の改造主でもあるエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)ではない。 ピエール自身 力に手にし溺れる者は、それ以上の力を持つ物によって滅ぼされる。

 「何故? 神々を信じないのだ Dr,ギル あなた程の偉大な科学者ならば、神々の偉大さを最も理解出来るはず・・・・・」
突如発狂したのか? とさえ思わせるG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター) 大声が周囲に響く。

 「負け犬の遠吠え・・・・・」 秘かに呟くハイブットユニキュラー。
思った以上に精神面での効果があったのだろうか?

 「同じ神々の大いなる意志 テクノロジーにより創られし者達 神々の御心が聞こえぬのかー?」
一瞬呆れた表情を浮かべるハイブッリットユニキュラー。
「またいつもの寝言・・・・・」
「今からでも遅くはない悔いを改めよ・・・・・ 神々が最後の審判を行うため降臨される・・・・ 滅びの時は近い・・・・ 神々を信じる者だけが救われる・・・・」
だが、その言葉に妙に引っかかるものがあった。
いつもと同様揺るぎない自信に満ち溢れた声ではあったが・・・・
所詮、下らない戯言、寝言のばずであったが・・・・
何か漠然とした 決して、今までの・・・・何を持って罪とするのか? 不明だが、悔いを改め信仰心などと呼称するものに目覚めたのではない。
何か言い知れぬ 巨大な・・・・ そう何もかも押しつぶす巨大な力 そう それもG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)から発せられたものではない。
遠い・・・・ 遥かに遠い場所から・・・・
何故かそんな気にさせられてしまった。

 G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)も その態度、自信、余裕から見てとる事が出来ないが、実は、キャラン(浩司)と比較しても 相対的により少ない手持ちのカードしか持ち合わせていなかった。
数少ないカードの中の最強の切り札となるべきカードを 今 この場で斬ってしまったのだ。
うかつにも 苦し紛れであったが。
使うタイミングを間違えていた。 まだ使う場面ではない。
こう言う最強の切り札となるべきカードは、最後まで残して置くべきである。
失敗に気付き、慌てて取りつくろうとしたのだが、周囲の空気は、いつものどんよりしたシラケた重い空気が、ただ漂っている。
吐いたセリフが、いつもの定番と変わりわなく、だれもが、真剣に耳を傾けようとしなかった為でもあるが。 いつものC宗教を中心とした 宗教の根源の1つ終末思想。
人々を不安に陥れ パニック状態にし まともな判断能力を奪い、都合の良い思想を 刷り込みマインドコントロール(精神支配) 思考を画一化したマリオネット(操り人形)を生み出す、数千年の長き渡り使用されてきた 進歩、変化もない 定番の常套手段・・・・・ 余りにも使い古された手段であった。

 怪我の功名と言うべきかも知れない。
もしこの時点 敵であるアポリスが、ある異変に気づいていたならば、この後の展開が少しは変わっていたかも知れない。
だが、たら、れば・・・・ などは戦場に置いて禁句である。
それに、地球衛星軌道上に展開していた軍事人工衛星は、全てキャラン(浩司)により破壊され 残っているのは、純民間用通信衛星が、数基。
それに、キャラン(浩司)の所有しているスーパーステル製軍事人工衛星ホッパーもアピリムより破壊され 残り1基 ほとんど全ての機能を この戦闘のデータ収集に回しており 迫りくる危機に対してまだ感知していなかった。 巨大な重力場の異常 3次元ワームホール発生と、そこを通り抜けてくる巨大な無数の質量を。

 キャラン(浩司)は、戦闘中にも関わらず、漠然とした不安感を感じてこそいたが、それも地球上ではなく、地球外の宇宙空間からの 何かは解らない その為 ホッパーの機能のほんの1部を確かに、太陽系内の索敵に回していたが、その索敵範囲は、たたが知れた範囲でしかなかった。
余り そちらに気を回すと、戦闘が疎かになる 気にこそしていたが、全神経をこの戦闘に集中させていた。
その為 だれも気付いていなかった。 迫りくる危機を。
まだこの時点 時間的余裕は、少しはあったはず。
迎撃態勢を取る為の時間を。
この地球人類に取って、最悪の絶体絶命の危機に、今生き残っている全ての残存戦力の統合を図り全残存戦力を持って対処すべきであった。
主導権争いなど、多々諸問題もあり一筋縄ではゆく問題ではなかったが。
今ここで争っているなど、この後の危機に比べれば、取るに足りない些細な問題に過ぎなかった。
この情報を唯一握っていたピェールですら この様な展開になるとは、全く予想すらしていなかった。
自らの狭い極小の範囲でしか、思考する事が出来ず、理想の幻想のみしか見る事しか出来ない。

 レジェンスの融合者であるキャラン(浩司)も。
全く予想すらしていなかった。
戦場での独特の匂いのかぎ分け嗅覚を持ち、融合している無限のエネルギーを持つレジェンス 各種驚異のポテンシャル・エネルギーを持つ だが、予知能力は、持ち合わせていない。
知りうる限りの情報を用いて、先の展開を思考するのは、ある程度の能力を有していたが、全く知りうるはずのない情報 予想外には、だれもが同じだが、思考するなど、不可能であった。

 突如 何の前触れもなく「HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速に入り G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)に対して、しつこいボディブローの様な攻撃を加えていたハイブリットユニキュラーが、その実体を現した。
意味が理解出来ないと言わんばかりの戸惑いの唖然とした表情を浮かべている。
何度も、HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速に入ろうとするが、入れない。
どうやら故障などの原因ではないようだ。 額のネクスタルからの検査でも異常は見当たらない。
確かに、まだ未完成のプロトタイプウエポン 未知のブラックボックス化した高度オーバーテクノロジーである。
僅かだが、重力異常による外敵によるものらしい・・・・
「どうしたのだ?」 突然実体として、現れたハイブリットユニキュラーに対して、急に自信を取り戻すG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター) 敵が見えれば、対処出来る。
全く対応の出来なかった攻撃 だが、ピェールが信じる神々のご加護・・・・ いやミラクル(奇跡)なのだろうか? 厚き信仰心が生んだものか?
余裕が生まれるG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)。
だが、対するハイブリットユニキュラー 戸惑いの唖然とした表情こそ浮かべているものの まだ余裕が感じられていた。
「貴様の最大の大技は、神々によって齎されたミラクル(奇跡)によって、封じられたのだ」 もう勝ち目などない 自信に満ちた声が響く。
そま声に、何か面白いのだろうか? 先程の戸惑いの唖然とした表情から一変 突如大声笑い出すハイブリットユニキュラー。
「わしの手持ちの技は、これだけと思っていのね?」。
「何?」 単なるハッタリと思えない。
まだ何か? 見せていない複数のカードを持っている。
「何故? 我が名に、ハイパーではなく、ハイブリッを冠しているのか?」
余裕の表情を浮かべる。
「その意味 今 教えてくれよう」 そう言いつつ猛然と、襲い掛かる。
「こ・・・これは?」 一瞬動きの止まるG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)。
ハイブリットユニキャラーの戦闘スペックには無い技が炸裂した。
今まで、蓄積されていた各デストロの戦闘データにはない。
瞬時の判断が、命拾いであった。
まともに、直撃弾を喰らったら ある程度の大きな損害を待逃れなかった。
それは、かって、キャラン(浩司)が倒したデストロの1体 あのアジスのBS(バトルスタイル=戦闘形態)の変身後の ライマー最終大技 しし座ガトリンク。
ハイブリットユニキュラーの額のネクスタルが、輝きを増すと同時に、無数の強大なエネルギーを持つ光球が出現 全くのランダムな動きで、一斉に、G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)。に襲い掛かり そのまま自爆。
一瞬早くG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)。は、周囲に、MAXパワーのバリヤーを展開 何とか防ぐものの バリヤーが破られる寸前であった。
余りにも巨大なエネルギーであった為 各種機能の1部が、ブラックアウト。
自己種服には、ある程度時間ょ要する状態。
「もう1度 今の攻撃をまともに喰らえば・・・・」
焦りを浮かべる。

 「見たかね ピエール神父」 この程度の攻撃は。耐えられる そう読んでいたハイブリットユニキュラー。
爆煙が、晴れ姿を現し出したG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)。を 見ながら微笑む。
まだまだ楽しみたい そう言う表情であった。
「元々デストロの戦闘能力 つまりキャパシティは、非常に大きい 2つのデストロの機能を取り込む事が出来るのじゃよ」。
そうギルに最終切り札となるカードであった。
対キャラン(浩司)戦用に開発した新機能であった。
ハイパー化と、ハイブリット化 2つのプロトタイプ(試作型)が完成後 同じデストロであるビリーと、デュークに打診 好きな方を選ばせた。
パワー重視のビリーは、予想通りハイパー化を選択 更なるパワーアップによる、力ずくで、キャラン(浩司)を倒そうと試みた。
だが結果は、キャラン(浩司)に敗れた。
そして、もう1つ ハイブリット化 つまりデストロのBS(バトルメスタイル)への変身後の能力を2つ持ち合わせる事。
2つのデストロのBS(バトメスタイル)への変身後の能力を持つ まさにハイブリット。
デュークも こちらのハイブリット化を選択 だが、まだBS(バトメスタイル)への変身をしておらず、その秘めた戦闘能力を見せていない。

 その様子を見透かした様に語りかけるハイブリットユニキュラー。
「元来デストロは、その希少性からくる特殊性の為 各個体ともプロトタイプ(試作型)と余り変わらぬワン・オブ・アビリティー(単一仕様能力) 技も個体によるワン・オブ・パーツ((単一ハーツ)じゃ 少々能力を落としも大量生産も出来ぬし 更に格下のグロテノスにも搭載は無理じゃ 汎用性かけておるが欠点じゃ」
両腕を組み 眼を閉じ余裕の表情で語りかけるハイブリットユニキュラー。
真意を測りかねているG,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター。
単なる年寄りのグチに属する戯言なのだが・・・・
もはや勝利を確信 冥土の土産話でも聞かせているのか・・・・とさえ思ってしまう。
「・・・・だが、同じネクストノイドの格下のグロテノスとは、比較にならぬ程、大きなエネルギーのキャパシティを持っており その容量には、かなり大きな余故があるんじゃよ まだ技を詰め込める パワーアップなどじゃ そこへ、わしは、眼を付けたのじゃよ 容量一杯に詰め込めたらとなあー」
余裕の不敵な笑みを浮かべる。

 同じ頃・・・・

 セイバーと、レイピア 互いの愛用の武器。
それも現在のテクノロジーを大幅に上回る未知のオーバーテクノロジーにより造り出された武器。
激しい衝突のたびに、激しい火花が周囲に飛び散る。
突きの動きを中心としたデュークの攻撃を 両手に持つ高周波セイバーで、薙ぎ払うキャラン(浩司)。
「少しは、やるみたいですねー キャラン(浩司) だが、これはどうですか?」 余裕の表情を浮かべるデューク 更に動きがはやまる。
猛然と懐に飛び込む 今までとは、かり違う レイピアの動きが、更に早まり 無数のレイピアが、同時に、襲いかかってくる様に見える。
何とか防いでいるものの じりっじりっと後退を余儀なくされる。
「どうしました 防いでいるばかりで、反撃の糸口さえないのですか?」
余裕をデューク まだまだこり程度り攻撃など序の口と言わんばかりである。
ここまでの長時間の緊張感の続く戦闘 肉体面では、疲れ知らずも 精神面ではかなりの疲労が蓄積されていた。
それに、思うように上がらないレジェンスのエネルギー 動きが、かなり緩慢になっていた。
相手の得意攻撃での戦闘から 自身の得意攻撃への戦闘へ誘い込みたいのだが、うまくきっかけを掴めない。
うまくフェイントをかけ攻撃を仕掛けたいのだが・・・・・
さすがに百戦錬磨の強者(つわもの) こちらの心理を読んでいる。

 「この程度の実力で、私と勝負を挑むのは、まだまだ早計・・・・・」
余裕を見せる事で、相手をトラップ(罠)に嵌め 自分の思うように動かそうとする手慣れて老獪な心理戦。
だが、キャラン(浩司)も元々かなり強烈な嫌味と言うスパイスを含んだ毒舌をまき散らす 性格が、どう見ても真っ直ぐに思えない辛辣な皮肉家 うまくあしらい方をを心得ている。
この辺は、レジェンスとの融合以前から かなり鍛えられている。
「出直したいのは、山々だが、ちょっとばかり時間が足りなくてね・・・・・」 鼻で笑う仕草。
受け流すと同時に、カウンター攻撃を仕掛ける。
「それは、残念・・・・」 この程度 手慣れた返答 デュークまた やはりかなり場数を踏んでいる。
戦いは、パワー、技、そして心理戦・・・を 良くわきまえている。
正面からの力押しだけに、こだわったビリーと、一癖も、二癖も違う。
柔能く剛を制す・・・・ 柳に風折れなし・・・・
戦いには、柔らかさ、柔軟性も必要。

 そう思いつつも心理戦を巧み仕掛けるデューク しかしある疑念からこの様な行動を取らせていた。
今 目の前で戦うキャラン(浩司) いったいどんな戦法を仕掛けてくるのか? はっきりと読めないでいた。
全世界を支配するにいたったアポリスであったが、たった1人と呼べる状態で、無謀と思える反旗を翻えしてきた。
神出鬼没なゲリラ戦術。
戦力の1点集中を巧みに避け 戦力を分散 逐次投入の愚劣を強いてきた。
その為 まるで、薄皮1枚づつをはぎ取られるように、戦力を消耗させられた。
1体 また1体と、上位モデルのデストロを撃破させられる。
個としての戦闘能力 あのエルが探し求めてきたレジェンスの融合者。
その戦闘能力は、計り知れないのであろうが、所詮たった1人。
全て思い通りに、遊ばれている。 そんな気にさせられてしまう。
そして、この戦い 緒戦に置いて、意表を突く地球衛星軌道上の攻撃。
いったいどんな武器を トラップ(罠)を隠し持っているのか?
全くと言っていい程 情報は、隠されている。
不気味でならない。
それに、今 目の前で、振るっているあの高周波セイバーと呼ぶ武器 緒戦で使用した地球衛星軌道上に待機させていた見えない攻撃用人工衛星 これは、アピリム様により 全て撃破されたが、いったいどこで、入手したのか?
我々の知るエル以外の 超高度オーバーテクノロジーの数々。 エル以外のEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)から寄与されている事には、間違いがないが・・・・・
この宇宙に存在する生命体は、我々地球に住む生命体と、エルだけではない。
見知らぬ多数。無数の生命体が存在する。
エルと同等・・・・ いやそれ以上の超高度オーバーテクノロジーを持ち合わせているEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)がいても 全く不思議でもない。
いったいどんな経緯でコンタクトを取り 超高度オーバーテクノロジーの数々を寄与を受け その見返りの代価としてのどんな内容の密約を交わしているのか?
全く知りうる事が出来ない。
キャラン(浩司)のやつが、全人類の代表としての権利など持ち合わせていない。
そんな横暴な振る舞いをするのなら わざわざこんなたった1人での戦いなど望まない。
我々ネクストノイド以上の圧倒的兵力と、数々の超高度オーバーテクノロジーによる武装で、正面から侵略を開始するはず。
だが、全くその様な行動を取っていない。
キャラン(浩司)のやつの真意 戦略上の最終目的は、何なのか?
全く読めない。
キャラン(浩司)のバックに付くEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の最終目的は?
全人類、地球の支配ではない。
だが、それよりもまず眼の前のキャラン(浩司)を倒す事 この問題は、それからでもいい。
たった1人で、この戦いに臨み いくつかの隠し玉を持っていた。
まだ何か? 隠しているはず・・・・
色々な考えが脳裏を過る。
数々の隠し玉が、もはや何も残っていないのだが、相手を疑心暗鬼にさせるには、十分な効果をまだ残していた。
まだ何か隠している?
その為 デュークを最初から全力での戦いを躊躇させ まず相手の出形を見るような戦闘を余儀なくさせていた。
キャラン(浩司)の親友で、無償の援助を惜しまず、信頼し、一緒に地獄の底をはいずり回ってくれた今は亡き川村の残してくれた数々のトラップ(罠)による心理面での効果でもあった。
キャラン(浩司)自身気付いていないが、ある種のハロー効果とも言えるのかも知れない。
キャラン(浩司)本人取っては、いい迷惑であるのだが・・・・

 それでも剣技に置いて、1日の長・・・・ いやそれ以上の戦闘能力を誇るデューク 優位に戦いを推し進めていた。
だが、眼が慣れてきたのか? 剣先を巧み避け キャラン(浩司)が、必殺の間合いに入り込む。
元々スピードでは、ケタ違いの速さを持つキャラン(浩司)。 ようやく不安定に推移していたレジェンスのエネルギーが、安定し始めてきた。
上段からの振り下ろし 剣道の面。
間一髪に避けるデュークの長い髪の1部が斬られる。
さすがに、ここまでと悟デューク 左手でもう1つの武器を持つ パリーイング・ダガーと呼ばれる敵の攻撃を受け流す短剣 多くの場合左手で扱ったため、フランスでは左手を意味する「マンゴシュー(main gauche)」と呼ばれる。
「この私に、パリーイング・ダガーまで使わせるとは、さすがだなあーキャラン(浩司)」
そうデュークは、今まで格下の相手に対して、右手1本のレイピアだけで、勝ってきた。
同等の相手と認めた相手しか、パリーイング・ダガーを使用していない。
それも過去数人のみ。 剣聖と言われたある日本人の居合抜きの達人など。
動きに、全く無駄の無い華麗な剣裁きではない。
自己流、我流だ。
実戦的でもあるが、数々の修羅場を潜り抜けているのは理解出来る。
問題は、あのスピード。
本気でかからねば、対応出来ない。
右手にレイピア 左手に、パリーイング・ダガー 少し間合いを開け敵キャラン(浩司)に動きを探る。

 「i二刀流・・・・・」 だれにも聞こえない小声で呟くキャラン(浩司)。
別に驚くには値しない・・・と言った表情を浮かべる。
実在の人物で、時代劇でも よく取り上げられる宮本 武蔵も二刀流・・・ いや二天一流(にてんいちりゅう)が正確。
利き腕で右手に刀 左手に小太刀で戦う戦闘スタイル。
それに、西洋の右手にレイピア 左手に、パリーイング・ダガーで戦う戦闘スタイルは、良く知っていた。
それに、グロテノスの蟷螂に似たアギラは、両腕を鎌・・・・刀? 戦う戦闘スタイル。
少しは、腕がある・・・・ と認められた証拠? その程度の認識 少しは、本気になった・・・・と言うところか?
だが、まだBS(バトルスタイル)に変身していない。
本気を出す前に片付けられれば良いのだが・・・・
デュークを本気にさせ わざわざ苦労して勝よりも 楽して勝方が性に合っている。
出来る限り楽を・・・・
道徳を重んじる者 熱血スポコン系至上主義者などが、聞いたら目くじらを立てるであろうが・・・・・
イバラの道を歩み 苦労してこそ、勝利に意味、美酒、特に、人間的成長が遂げられる・・・・等 だが、今 ここは生命のやり取りをする修羅の掟の支配する戦場 勝、生き残る事が、最も重要。
道徳、熱血スポコン系至上主義者などと下らない論争などする気はない。
デュークの動きを読みつつも 一瞬を付き 懐、必殺の間合いに飛び込む。
レジェンスのエネルギーが高まり安定しているこの時こそチャンス。
防戦一方であったが、今度は、こちらから仕掛ける。

 鋭い、眼にも止まらぬスピードで、間合いに踏み込まれるデューク。
だが、想定済み その為の二刀流。
鋭い上段からの振り下ろし デュークは、素早く こちらも眼にも止まらぬスピードで対応 左手に持つパリーイング・ダガーで、受け流すと同時に、右手に持つレイピアの鋭い突きが、キャラン(浩司)の胸を襲う。
間一髪 何とか避ける。
少しバランスを崩しながらも左手1本で、高周波セイバーを持ち そのまま右手で、右足のスポンの下に隠していた 未知の超合金で出来たサイバイバルナイフを取り出し 今度は、デュークの胸に突く。
だが、またもパリーイング・ダガーで、うまく攻撃を受け流される。
少し間合いを取るデューク。
「まだあんな武器まで、隠し持っているとは・・・・」
油断ならぬ・・・・と言った表情を浮かべる。

 キャラン(浩司)もまた二刀流を選択した。
右手に高周波セイバー、左手にサバイハルナイフに持ち替え構える。

 小さく不敵な笑みを浮かべるくデューク。
一応構えが、それらしく見える。


 一進一退の激しい攻防が続く。
どちらも決めてに欠く。

 今度は、デュークが仕掛ける 先程同様 鋭い踏み込みから無数に見えるレイピアの剣先が襲う。
「何度も同じ手は・・・・」 呟くキャラン(浩司)。
だが、今回は、違っていた。
レイピアの剣自体が、まるで何かのエネルギーを帯びているかの様に、光を発する。
「高周波?」
いや違う 高周波独特のハム音を響かせていない。
それどころから、剣先からビームが発せられる。
さすがのキャラン(浩司)も こんな至近距離からのビームを避けられない。
数本のビームが、直撃?
だが、身体全体を覆うレジェンスのエネルギーが、バリヤーの役割を果たす。
ビームの威力が弱い為 何とか防いだ。
意識的に張るバリヤー程 防御力はない。
「BS(バトルスタイル)に変身していたならば・・・・・」
今のビーム レイピアに内蔵されているエネルギー源からではない。
デューク自身から発せられているエネルギーを集約して、発せられている。
まだ変身前 デストロと言え大きなエネルギーは、使用出来ない。
だが、まだレイピアは、エネルギーによる光を発している。
狙いは、キャラン(浩司)自身の反対から発するレジェンスのエネルギーフィールド 一応強力ではないが、バリヤーの役割を持つ 身体に直接ダメージを与えるには、あのエネルギーフィールドを突き破る必要性がある。
レイピアのままでは、エネルギー膜に触れると、弾かれる。 その為 デューク自身のエネルギーの1部をレイピアに集めている。
エネルギーレイピア? いやライトレイピアと、さしずめ呼ぶところだろうー・。
剣先から発射したエネルギービームは、弾かれた。 だが、全く効果がなかったのではない。
もう少し、エネルギー量が高ければ、エネルギーフィールドを破り肉体に直接ダメージを与えられたはず。
更に、エネルギー量を高めるデューク。
ライトレイピアの輝きが更に増す。

 「そっちがその気なら・・・・」
右手に握る高周波セイバーのバトンにあるボタンを押す。
同時に、剣全体から青白い光が発すると共に、独特の小さなハム音が響く。
本来の使い方 高周波を発生させる。 クォーク(素粒子)レベルから切り裂く威力を持つ高周波。
ク゜テノスなどの1部には、主要生体兵器として、爪などを長く伸ばし高周波を発生させるモデルがいるが、エルのテクノロジーでは、分子レベル 更に極小のクォーク(素粒子)レベルまで到達していない。
エルに比べ、レグの方が、更に遥か、この地球・・・・ いや太陽系が誕生以前の太古に誕生、滅亡したにも関わらず、そのテクノロジーは、更に進歩していた。
だが、この程度のテクノロジーのレベルの差など、この場合個人の剣技の技量による差の方により大きく左右される。

 それに、このライトレイピアは、その性能を格段威力を増す構造を備えていた。
通常レイピアは、剣先の先端部分で、相手を突き刺す武器であるが、両刃を備えた物や、三角形の断面形状を持った片刃のものなども存在する。
このライトレイピアは、基本的には、両刃であるが、ワン・オブ・アビリティー(単一仕様能力)そりのもの周囲に、高エネルギーをデューク自身から送り込んでおり エネルギーの発生している部分に、何らかの物体が触れた瞬間 どの物質を容易に貫通・切断する事が出来る他、レーザーやビームの類に干渉し弾道を逸らす事も可能となっている。 ケタ違いのポテンシャルを持っていた。
その為 自ら発生するエネルギーの大きさと、ケタ違いのポテンシャルにより 熟練した使い手以外 取扱いを難しい武器でもある。
デューク専用のワン・オブ・アビリティー(単一仕様能力)。

 ノルンから解析情報が、テレパシーで、キャラン(浩司)に伝わる。
「厄介な武器・・・・」 
「これで、まだ、BS(バトルスタイル)への変身前」
「デストロ最強・・・・ 看板に偽りなし・・・・?」 少し呆れ気味に呟くキャラン(浩司)。 攻略の難易度が、更に高まっている。
「高周波セイバーと、ライトレイピア 刃同士が、衝突した場合・・・・?」 素朴な疑問が脳裏を過る。
1つだけ解っている事 それは、互いの強大なエネルギーの衝突による 周囲の空間へく干渉波。
「矛と盾ではあるまいが・・・・・」

 先に、デュークが仕掛ける 更に、スピードを増した動き 得意の正面からの突き 今度は、至近距離からの剣先の先端からのビームの発射はない。
正攻法。
素早く反応するキャラン(浩司) 上段から高周波セイバーを振り下ろす。
狙いは、ライトレイピアの刃の部分の丁度中間点 叩き折ろうと試みる。
刃と刃の衝突 互いに、異なる巨大なエネルギーの衝突 激しい火花が飛び散ると同時に、衝突部分を中心に、大きなエネルギー干渉波が、まるで、巨大な波が周囲の空間を揺らす。
両者の動きが一瞬止まる。
折れない。
そのまま互いに、少し距離を置く為 素早く後退。
どうやら互いの武器の性能に、遜色はないようだ。
すかさず、互いに素早く踏込攻撃を繰り返す。
互いの刃が、衝突する事に、激しい火花が飛び散ると同時に、大きなエネルギー干渉波が、周囲の空間を揺らす。
その隙に、互いの左手に持つサバイバルナイフと、パリーイング・ダガーの短剣による攻撃を仕掛けるが、外され また 少し後退 距離を置く。
典型的ヒット、アンド、ウエー(一撃離脱)の攻撃を繰り返す。
簡単に、決着が付きそうではない。
伯仲した戦いであった。
無駄の無い華麗な動きのデュークに対して、無駄の動きが多いが、持ち前のスピードで、カバーするキャラン(浩司)。
ある点に、キャラン(浩司9は、気付いた。
戦闘に関して、独特の嗅覚 匂いのかぎ分けを持つキャラン(浩司)以外気付かないだろう。
確かに、デュークの動きは、華麗で、無駄の無い洗練され完成され戦闘・・・・ そう完成されている。
全てが、調和し1つの流れになっている。
いくつかの攻撃パターンを臨機応変に組み合わせているものの 全てが、1つの完成形になっていた。
そこに、付け入る隙がある。
動きが読める。
今度は、キャラン(浩司)が仕掛ける。
一直線に進まない。
ランダムな動き、一見全くムタな動きの様に見えるが、意味がある。
後ろ向きに、懐に這い込む。
そのまま反転しながら斬りかかる。
予想通り デュークは、レイピアで受け止め、パリーイング・ダガーを巧みに使い受け流す。
その一瞬の隙を突く。
左手に持つサバイバルナイフで、腹部目掛け突く。
「ん・・・・」 手ごたえが・・・・
僅か一瞬の差であったが、かろうじて、デュークは、巧みに避けていた。
右脇腹を サバイバルナイフは、かすめていた。
「やるなあー キャラン(浩司) 私の数少ない、盲点、死角を突くとは・・・・」 楽しそうな不敵に笑みを浮かべデューク。
「だが、まだまだ甘い・・・・」 そう言いつデュークは、右前足蹴りを キャラン(浩司)の腹部目掛け下から突き上げる様蹴り出す。
態勢を崩しつつ攻撃を仕掛けているキャラン(浩司) 避けきれないはず・・・・
だが、何も手ごたえがない そのまま右足ょくうを空を斬り つま先は、頭より高く舞い上がる。
スピードに勝るキャラン(浩司) 瞬時に、間合いから離脱していた。
位置を確認 デュークは、間を入れず連続攻撃を仕掛ける。
エネルギーを高め 周囲に、エネルギーの光体を 6つ発生 キャラン(浩司)目掛け発射。
剣技だけでは、あのスピード 勝ち目が少ない。
そろそろ本気でかからねば・・・ そう悟った。
エネルギー技を織り交ぜた攻撃に切り替える。
同時に遅いかかるエネルギーの光体を 全て高周波セイバーで切り払うキャラン(浩司)。
レジェンスからのエネルギー量が更に高まり安定している。 そのスピードは、更に高速化 BS(バトルスタイル)への変身前と言え、デストロであるデュークですら見切れない程。
「お遊びが過ぎた様だ・・・・」 小さく呟くデューク。
「キャラン(浩司)の母国 日本では、"獅子は兎を狩るにも全力を尽くす" もしくは、同じ言葉であるが、"百獣の王ライオンは、うさぎ1匹捕まえるのに、全力を尽くす・・・・・・" と言う言葉があると、聴き及ぶ どんな格下の相手であろうと、全力を尽くさねば、揚げ足を捉えられる・・・と言う意味であるそうだ。 窮鼠猫を噛む・・・ これも日本のことわざだが、猫に追い詰められた鼠は、反撃に出て猫を噛む・・・・ 実に意味深い言葉・・・・」
少し距離を置いた状態で、鋭い眼光で、隙あらば 狙いを定める。
「キャラン(浩司)は、我が主君に最強のアピリム様を 後1歩の所まで追い詰めた男 小手先のお遊びは、やはり礼節に欠き失礼であったか・・・・」
「やはり 全力を持ってからねば・・・・」

 動きが、静止する。
相変わらず、隙の無い構えを取るデューク。
だが、キャラン(浩司)に対して、間合いを詰めるどころか、徐々に開けている。
「逃げる気・・・・ なんてないよなあー」 ある意味期待を込めた様な口調で呟くキャラン(浩司)。
感じるエネルギー量は、高まっているのを感じている。
「BS(バトルスタイル)に変身・・・・」 更に呟く。
BS(バトルスタイル)に変身する瞬間 僅かだが無防備になる。 チャンスでこそあるが、やはり戦闘中と言っても礼節に欠く。
「更に、やっかい・・・・」 少し呆れて思う。

 デュークの額のエメラルドに輝くネクスタルが、エネルギーを高めながら光を周囲に発散させる。
エメラルドに輝く光に包まれるデューク。
身体が、急激に変化を始める。
エネルギーが、周囲に四散弾け飛ぶ。
ゆっくりと、その姿を現す。
背から大きな白い翼を生やしている。
だが、ギルのBS(バトロスタイル)とは、どことなく似ているが、やはり違っている。
ギルのBS(バトロスタイルも確かに、背中には、大きな白い翼を生やしているが、特徴的な、額のネクスタルが角の形に変形がない。
ユニコーン(一角獣)ではない、
まさに、伝説の自由に大空を駆ける白馬 ペガサス(天馬)似たフォルムを持つ。
ペガッサー。
「ふ・ふ・ふ・・・・・・ 驚くのこれからだ」 ペカッサーは、不敵な笑みを浮かべる。
更に、額のネクスタルが、光る。
光は、BS(バトロスタイル)に変身したばかりのペガッサーを包む。
更に、巨大なエネルギーが、周囲の空間を振動させる。
包み込んでいた光が、弾け飛ぶと同時に、現れたのは、外観的には、余り変化はない。
だが、身体全体が、約2倍の巨大化。
身体全体から発するエネルギー量は、さほど変化した様には、感じない。
だが、何かを秘めている。
とてつもない・・・・ そう感じるキャラン(浩司)。

 「そう これこそデストロ 最終形態 ハイブリッット・デストロである ハイブリット・ペガッサー」 自信に満ち溢れた声で、高らかと宣言する。




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