LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)


 融合 Part9

 余りに多くの内容の為 全ての内容を記述する事が出来ない。 よって重要な部分のみを記述しよう。
この会議は、長時間に及び、何度も休憩が入り 翌日まで持ち越される程であった。
出席していた最高幹部からは、何度もため息漏れた。
まず、ネクストノイドについてである。
元々ネクストノイドに改造、進化出来るホモサピエンス・サピエンスは、限られた適性率の高いDNAの所有者だけであった。
現在DNAに異常がある者以外可能となり 大増産中である。
この点については、ヤーナは、早急に新たな対策を求められる事となった。
ネクストノイドに、改造、進化を加えるホモサピエンス・サピエンスを 浩司も目撃したポットと呼ばれる場所に入れる そのポットに、ある液体を満たすのだが、それは、別の生命体のDNAの1部を 改造した特殊なDNAを運搬する、触媒となるDNAウィルスに満たされた液体であった。
HIV(AIDSウイルス)などと同じ原理である。
"予断であるが、ウイルスは、生命体の体内に侵入すると、その中にある細胞の細胞壁の表面に付着 細胞内に自身のRNAもしくは、DNA(ウイルスは、RNAか、DNAのどちらか片方だけしか持っていない)を注入 宿主細胞内で自身のコピーを作り出す。
だが 何かの偶然的な要素によって、ウイルスのRNAもしくは、DNAの1部が、細胞内にあるDNA、もしくはミトコンドリアDNAに取り込まれる可能性もある。 ウイルスのRNAを取り込んだDNA、もしくはミトコンドリアDNAも正常なDNA、もしくはミトコンドリアDNA同様2つに分裂し コピーを作り出す。
しかし正常なDNA、もしくはミトコンドリアDNAと違い ウイルスのRNAもしくは、DNAを取り込んだDNA、もしくはミトコンドリアDNAを持つ細胞である。
生命体に取って危険な異分子である為 生命体内ある各種防衛機能が働き 異端の細胞を死滅させるか、もしくは、異端の細胞が、ガン細胞化し体内急激に増殖し生命体そのものが死を迎えるかであるが、1部 ウイルスのRNAもしくは、DNAを取り込んだDNA、もしくはミトコンドリアDNAが休眠状態で発芽しなかった場合 生命体内ある 各種防衛機能も働かず、細胞もガン細胞化しない そのまま増殖し、子、孫へと遺伝する 子、孫などは、ウイルスのRNAもしくは、DNAを取り込んだDNAそのものが、正常なDNA、もしくはミトコンドリアDNAである。
ウイルスのRNAもしくは、DNAを取り込んだ部分が発芽した場合 別タイプの種としての生命体に変化もしは進化する可能性が考えられる これが、ウイルス触媒による進化仮説である。"
ポットの中に、液体が満たされると、身体の至る場所から改造を加えた特殊なDNAを運搬する、触媒となるウィルスが、体内に侵入し 手当たり次第 細胞の細胞壁表面に付着し、改造した特殊なDNAを 細胞内にあるDNAに加える 元々あるオリジナルのDNAに、改造を加えた特殊なDNAを加えるのだ。
それにより、1つの基本構造に、2つの異なった特性を持つDNAとなり、1方の特性を発芽させる事により、肉体、外観を変化させる変身が、可能となる。
今までは、限られた適性率の高いDNA所有者以外、改造した特殊なDNAを加えると、元々のDNAが、コピーミスを起し ガン細胞化し死に至っていた。
たとえDNAのコピーが、正常に行われても 肉体、外観などの変身は、長時間を要する。 場合によっては、改造した特殊なDNAが、機能しない場合もある。
その欠点を克服させる為 体内に、大量のナノマシーンを投入する。 体内に投入されたナノマシーンが、改造した特殊なDNAを機能させ 肉体、外観を変化、変身させる。
それには、大量のエネルギーを必要とする。 人間の本来供給出来るエネルギーでは、とても足りない そこで、ネクストノイドのもう1つの特徴である 頭の額に打ち込まれた直径1cmのネクスタルである。
物質は、エネルギーから生み出される 肉体、外観を変化させるには、大量の物質の元になる 大量の原子が必要とする 更にその元である素粒子もだ ネクスタルは、多重宇宙の1つ 超高エネルギー状態である宇宙の1つと4次元ワームホールによって、常時繋がっており 膨大なエネルギーの供給を受けている。
そのエネルギーによって、瞬時に、必要な大量の物質を生み出し 肉体、外観を変化させ 瞬時の変身を可能としていた。
また元のの姿に戻る時は、余剰となった物質をエネルギーに変え ネクスタルから4次元ワームホールを通し 元の超高エネルギー状態の宇宙へ送り返していた。
変身時に、ネススタルが、光るのは、エネルギー供給量を一気に上げる為である。
そして、変身後の驚異的スピード、パワー、各種エネルギー弾などの エネルギーの供給源にもなっていた。
頭の額に打ち込まれているのには、理由があった。 ネクスタルは、直接 脳と繋がっており、脳からの指令で、体内のナノマシーンが、変身したり、変身を解除したりのDNAのコントロールを行う為である。
エルの開発した 驚異のテクノロジーである。 まだそれだけではない ネクスタルには、テレパシーによる通信機能もあり お互いの連絡を可能とし、浩司からの報告の中にもあった 上位の者が、下位の者を 強力なテレパシー能力によりマインドコントロール(精神支配)する機能も持ち合わせている。
ナノマシーンにも、更に特徴があった。 体内に侵入した ウィルス、微生物などを調べ、ネクスタルが、人体にとって、悪影響、危険と判断すると、体内のナノマシーンに、指令を出し、それらウイルス、微生物などを攻撃、破壊する。 ケガなどを負った場合は、自己治癒及び、ある程度までならば、再生能力も有し、細胞が、ガン化した場合 ガン化した細胞を元のDNA配列に戻す機能まであった。
まだ他にもあるが、それらの機能により寿命が、約10倍にも伸びる結果をもたらし 更に老化までも防いでている。
外観などは、改造前のまま維持出来る。 他だし若返る事は出来ないが・・・
医学に用いた場合 革命が起きる程であった。
エルの驚異のテクノロジーよって開発されたネクスタルの記述には、まだ先があった。
その開発過程である この記述は、このデータを書いたDr.中井のまだ研究段階の私案であり まだアポリス内の だれにも知らされていない秘密でもあると注釈が付けられていた。
ネクストノイド開発と同時に、そのエネルギー供給源となる物も開発が進められていた。
その参考にした物が、レジェンスと呼ばれる 全く不明の物であった。
その瞬間 浩司とみなっちの表情が、少し変化した事に、マークは、気づいた。 "浩司殿 レジェンスについて、何か知っておるみたいじゃのうー" ふっと思った。
人工的に、レジェンスと言う物を作り出そうとした過程で、偶然 多重宇宙の1つ超高エネルギー宇宙と繋がる4次元ワームホールを作り出せる物が、出来上がった。 それを改良し出来上がったのが、ネクスタルである。
ネクスタルは、別の、エネルギーなどの供給源を作る過程で出来た、偶然の産物であった。
ネクスタルを ネクストノイドの全エネルギーの供給源として、利用する事になった。
レジェンスの人工的開発には、成功せず、そのレジェンスとは、どう言う物なのか? 全く不明 他だしエルの地球到来の目的の1つに、このレジェンスと言う物を捜査していた形跡がある・・・と記述が加えられていた。
つまりレジェンスとは、人工的で無い、何か? である。
そのネクスタルは、色によって、最大供給出来るエネルギー量が違う。
ネクストノイドには、大きく分けて、3階級有 頂点に立つアピリムのネクスタルの色は、不明だが、次の8大将軍と呼ばれる デストロは、浩司の報告通り エメラルド 下位のグロテノスは、赤であった。
ネクスタルの色による力の差は、歴然としていた。 上位へ行くほど、供給出来るエネルギー量が、大きくなる。
ネクストノイドの開発目的は、エルの惑星、衛星上などにおける 局地戦用制圧目的の戦闘用 生体兵器であった。
つまり 戦争の為の兵器、武器である。
そして、我々人類は、生体兵器ネクストノイドの素体ベースとして、元々地球に生存していた、現在種ホモサピエンス・サピエンスの直系の前の種 ホモサピエンスのDNAを操作し 作られた改造種であった。
今から20万年以上前のある日 宇宙のある場所から 大宇宙船団が、地球に降り立ってきた。 そう 新たな生体兵器開発を主目的に、その素体ベースとなる 生命体を求めやってきた エルと呼ばれる 異星人もしは、宇宙人 浩司の言い方では、EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の多分 複数種の連合であった。
地球に降り立ったエルは、そこで、我々のホモサピエンス・サピエンスの前の種 ホモサピエンスに注目した。
環境適応能力の高さ、知能の高さ、集団性、順応性、従順さ、繁殖力の高さ・・・ 何よりもその攻撃性、戦闘性など、多くの利点があった。
エルの求めていた 生体兵器としての素体としての優れた特性を 多く持ち合わせていた。
当初 ホモサピエンスに、他の生命体のDNAの1部を改良した 特殊なDNAを 触媒となるウイルスにより体内に入れたが、新たなDNAを加えられた細胞は、全てガン細胞となり急激に全身に広がり死亡 最初の実験は、全て失敗に終わった。
次に、ホモサピエンスのDNAを 他の生命体のDNAの1部を改良した 特殊なDNAを組み込める用 改造 その時に、1部のエルのDNAを 組み込んだ形跡があった。 元々 ホモサピエンスと、1部のエルは、外観、肉体の構成、生殖機能など全く同じ、もしくは、非常に近く 特に、DNAの二重螺旋構造の配列など、全く同じで、1部のエルのDNAを組み込む事により 1部エルとの異種交配も可能にする為でもあった。
それにより、生体兵器の素体ベースに適した 新たな生命体を作り出そうとした。
何度もの失敗を繰り返し 完成したのが、現在種ホモサピエンス・サピエンスの共通の祖先 ミトコンドリア・イブと呼ばれる ニグロイドの女性であった。 外観など、ホモサピエンスと同じであったが、DNA 特に、細胞内にあるミトコンドリアDNAが、大きく変化していた。
ミトコンドリアDNAは、母親から生まれた子に、100%と受け継がれる特性を持ち 約1万年に、1度しか変化しない特徴がある。
エルは、この点に着目し、ミトコンドリアDNAを操作し、1部エルのDNAを書き加えるなどして、他の生命体の1部を改良したDNAを加えられる用 作り上げ完成したのが、ネクストノイドに適した 新種のホモサピエンス・サピエンスの共通の先祖ミトコンドリア・イブであった。
これにより、従来のホモサピエンスとの交配がもとより、1部エルとの交配も、可能となった。
(ミトコンドリア・イブは、多産で、13人もの女の子を生んだ言う 仮説もある)
それによりミトコンドリア・イブの子孫に、1部のエルと、何世代に渡って交配させ 結果モンゴロイドが、誕生 そのモンゴロイドに、更に1部のエルと何世代に渡って交配させ 誕生したが、1部のエルと外観まで、そっくりのコーカソイドであった。
それでも、全てのホモサピエンス・サピエンスに、他の生命体の1部を改良したDNAを加えられる事が、出来なかった。
適性率の問題であった。 それに交配を重ねる事に、やはり適性率が、下がる傾向にあった。
中には、突然 高適性率を持つホモサピエンス・サピエンスが、誕生する事もあり、非常に不安定であった。
エルの時代 この問題を解決に至らず、解決したのは、エルではなく、エルのテクノロジーを利用し、更に発展させようとしている アポリスであった。
1部エルとの交配は、更に強力な生体兵器の素体ベースとなる ホモサピエンス・サピエンスを誕生させる目的であった。
1部エルとホモサピエンス・サピエンスの女性との交配で、ネピリム(半神人)が誕生する。 更に、このネピリム(半神人)のなかで、女性が誕生すると、そのネピリム(半神人)の女性と、別の1部のエルと交配させる それを何度も繰り返した その結果 極めて稀で特殊なDNAを持つホモサピエンス・サピエンスが、コーカソイドの中から誕生した。
それが、最強の生体兵器となる "アピリム" であった。
アピリム程ではないが、稀に特殊なDNAを持つホモサピエンス・サピエンスが、ニグロイド、モンゴロイド、コーカソイドの中から誕生したのが、デストロだ。
デストロの場合、1部エルと交配をしなくとも、ホモサピエンス・サピエンス同士の交配 両親のどちらかが、ネピリム(半神人)の直系の子孫であれば、稀に誕生する。
アピリムの場合は、ネピリム(半神人)の女性と、 1部エルとの代々交配を重ねて行く中で、極めて稀に誕生する。
素体ベースとして、優れた特性は、ネクストノイドへの改造後 より強力なエネルギー利用を可能とした。
より強力なエネルギー利用による 戦闘能力、エネルギー弾などの大幅パワーアップを意味する。
ネピリム(半神人)とは、最強の生体兵器としての、素体ベースとなる ホモサピエンス・サピエンスを誕生させる為の 交配実験で誕生した実験体であった。 つまりネピリム(半神人)の中から 極めて稀に、生体兵器ネクストノイドの最強の素体ベースとなる アピリムが誕生する。
ここまでの話は、浩司が、ネット上に、公開していた独自の考古学上の自説と 基本的には同じであった。
他だし、生体兵器などの部分については、以前 マークからこの話を聞くまで、知らなかったが・・・
浩司の科学に対する 優れた一面でもあり、非凡な才能であった。 僅かな資料などからの分析、解析能力の高さを示している。
現在 目撃されているEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の中で、ヒューマノイドタイブも3例の報告がある。
"ノルディック" "オレンジ" "ウンモ" と呼ばれている 3タイプである。 いずれも外観は、コーカソイドに、そっくりであったが、この件については、何ら言及されていない。
目撃例の最も多いのが、小柄な "リトルグレイもしくは、グレイ" と呼ばれているタイプで、"ラージノーズグレイ"と呼ばれるタイプのDNA操作によって生み出された、人工生命体だとも言われている。
リトルグレイもしくは、グレイについては、1947年 アメリカ合衆国ニューメキシコ州 ロズウエル近郊に墜落したUFOに乗船していたと言われる あの超有名なロズウエル事件である。  UFOの残骸とリトルグレイもしくは、グレイは、その後 これも超有名な秘密基地エリア51に運びこまれ研究されていると言う・・・ (余談です)
正面のマルチスクリーンには、浩司が、龍(ロン)の孤島基地から 持ち出したCD-RWに収められていた、各種画像、研究データが、映し出され、アンダーソン博士により、詳しい説明が付け加えられていった。
そして、ある程度の開発が、成功 ネクストノイドの最強体である アピリム及びデストロの開発成功に至った。
それが、今から約1万2000年前のある日、突然 この計画は、破棄された。 原因は、不明 アピリムによるエルへの反逆の可能性も否定しきれないが・・・ 開発した全ネクストノイドの抹消処分と、地球上に、広く散らばっていた ホモサピエンス・サピエンスの抹消処分が、同時に行われ その際 当時小氷河期と呼ばれた 寒冷時期であったが、大量の氷河の融解などの気象コントロールで、地球上の至る場所で、大洪水を起こした可能性が、高いと言う 記述がなされていた。
これが、多分 世界の至る場所に残る 洪水伝説であろうと・・・
浩司の この部分の自説は、ピエールとの最初の会談で、大口論となった時に、ある程度述べている。
その際 かなり急な撤収であったらしく、ここ聖なる場所、アポリスの複数の地下基地(巨大な宇宙船の残骸)など、そのまま残して行ったと言う。
全ネクストノイドの、全滅に成功したが、何故? アピリムだけ生き残れたのか? それに、別の1部エルにより 大洪水計画は、事前に、ある程度のホモサピエンス・サピエンス側にも伝えられ 大きな方舟を作り 全滅を防いだのか? 多くの謎を残していた。
「ここまでとは・・・」 思わずマークの口から漏れた言葉であった。
この会議に出席していた 幹部の何人から 何度もため息が漏れ 出されていた水やジュース、コーヒー、紅茶などを飲み干し お代わりする者もいた。
ある程度の事は、(初参加の浩司、みなっちを除いて) 知っていたが、ここまで詳しい話は、全員初耳であった。
後ろの席の異変を 何となく感じた浩司は、後ろの席へ振り返った。
ここまで、黙って聞いていた みなっちを始め 数名の女性秘書官は、各種画像、アンダーソン博士から付け加えられた報告に、気分を悪化させていた。
「ちょっと待って下さい」 思わず浩司は、声を出した。
「どうしたのかね?」 会議を止められ、副議長席から ピエールが聞いた。
「後ろの・・・」 浩司の言葉に、全員 浩司の後ろの席の秘書官に、注目が集まった。
みなっちを始め 数名の女性秘書官の顔が、真っ青になり 今にも倒れそうになっていた。
慌てて、他の評議員が、会議室の外で待機していた 女性職員を呼び寄せた。
女性職員によって、数名の女性秘書官が、別室へと連れて行かれる。
ここにいた、医療部最高責任者 ワグナー医師が、別室で診察 すぐに、別の医師と数名の看護婦が、呼びだされ、応急医療器具持ち現れた。
やはり 画像、報告が、彼女達には、とても耐える事も出来ない衝撃的な内容であった。
人間をグロテノスに改造する 数々の画像など、とても見るに耐えない、すさまじい画像ばかりであった。
人間の尊厳など、全く無視 物以下の扱いである。 残忍などの言葉では、言い表せなかった。
そして、現在実用化した各種タイプのグロテノスの、そのコードネーム(名称)、画像、特徴 各種武器なども 細かく説明された。
それらを見た 数名の女性秘書官は、気分を悪化させてしまった。 とても精神的に、耐える事が出来なかった。
特に、みなっちは、信仰する神によって、惑星、衛星上などにおける局地戦用制圧の為に開発された 生体兵器の素体ベース つまり戦争の為の兵器、武器の素体として、人類が改造され作り出されたなど、絶対信じる事が出来なかった。
それに、神が、人間の女性と交配し ネピリム(神々と人間の女性の間に生まれた半神人)と呼ばれる人間? まで作ったなど・・・
とても まともに聞く事も、耐える事も出来なかった。
"よくこんな話 こーちゃんを始め マークさん、ピエール神父や他の人達も、まともに聞いていられの・・・? ここにいる人達 みんな どうかしている・・・ 神様が・・・ 私達人間を 戦争の為の道具、兵器、武器として、作ったなんて・・・" ソファに寝かされ、天井を見上げながら みなっちは思っていた。
特に、話の内容の基本が、いつも浩司の言っている事と 余り変わりがなく、より詳細で、多数の証拠まで、提示されていた。
もはや 全て真実として、受け止めなければならなかった・・・ 神が宇宙人である事も・・・
ここで、一時会議は、中断となった。
会議に出席いた人達は、隣の席にいた人と、この件について、雑談を始めたり、トイレに行く人、浩司など極少数派は、喫煙ルームで、タバコを吸い始め そこで、雑談を始めた。
ちなみに、ここ聖なる場所の 成人のうち 浩司を含むスモーカーは、約10%以下 評議員11人中で、僅か3人。
聖なる場所では、指定された場所以外、全面禁煙 自宅では、自由であったが、浩司のようなスモーカーにとっては、肩身の狭い場所であった・・・
この話を聞かされ、少し呆れた表情を見せた浩司に対して、みなっちは、「この際 健康の為に、タバコ止めたらー・・・」 と言われていた。 みなっちは、ノースモーカーである。 いつも浩司の健康に、細心の注意を払っている。
それでも 止めないのが、浩司の頑固な一面でもあったが・・・
喫煙ルームに向かう前 みなっちの様子が気になり別室へ入ろうとしたが、ドアの前にいた、女性職員に、止められた。 「治療中につき、関係者以外立ち入り禁止です。 評議員待遇と言っても例外は、認められません」と言われ、仕方なく喫煙ルームへ向かった。

余りにも衝撃的な内容であった。
会議は、約45分にわたって、中断となった。
喫煙ルームに、マークが現れた 浩司を見つけ出すと、側により話かけてきた。
浩司は、慌ててタバコの火を消そうとしたが、「別に構わんよ・・・」 ちなみに、マークは、ノースモーカーである。
「どう思われるかね? 浩司殿」
「今までの話は、ほとんどエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の 驚異のオーバーテクノロジーを中心した話ですよね・・・」
「それが、どうしたのかね? 我々取っては、そのテクノロジー・・・」 マークは、浩司の言った意味が、余り理解出来なかった。
浩司は、両手を少し上げた。 「いや別になんなんだけど、これだけのテクノロジーを持つアポリス・・・ 何故? 今までに、この地球・・いや人類を表から支配していないのかなあー? と思って・・・ チャンスなど、何度もあったのに・・・」
「絶対数が、不足している言う事じゃが・・・」
「それだけの理由ですかねー・・・」 浩司は、近くの窓から外を眺めた。
浩司の表情に、マークは、何か? 別の事を考えているように思えた。
「ところで、浩司殿・・・」 マークは、話題を変えようとした。
会議を再開する 音が鳴った。
「この話は、また後程じゃな・・・」 マークは、そう言うと、会議室へ戻り始めた。 浩司もその後に続いた。
別室で、休んでいる みなっちを含む数名の女性秘書官を除いて、会議は再開された。
次に、このネクスタルを 更に別目的で、改良し、ナノマシーンとの相互コントロール機能を 別の物に加えた物についてであった。
8大将軍の1人 ギルが、あの古代ピラミッドだったと言う 山の中にある地下基地で、取り出し アピリムに献上しようとしていた物であった。
地球に降り立ったエルとは言え 地球の環境に、1部のエルを除いて、適応が不可能であった。
特に、問題となったのが、ウイルス、細菌などの微生物である。 感染すると 死に至る。
ワクチンを完成しても、直ぐに、耐性タイプが現れる。 現在 人類が、抱える問題と同じであった。
1部 人間の女性と交配したエルは、このウイルス、細菌などの微生物に対して、免疫、耐性能力の高いタイプと思われる。
そこで、未知の金属の素体に出来た、極めて機密性が高い 宇宙空間などにおける船外活動用のスペースジャケットを着用し、地球上で、活動していたのだが、そのスペースジャケットに、ナノマシーンを入れ 自由自在に変形を可能にした。
エルとは言え 複数の異星生命体の集まりである可能性が高いのは、この為であった。
各々全くタイプの違う個体である。 多数の種類のスペースジャケットが、必要になるが、ナノマシーンを素材の金属内に入れる事で、1種類の標準タイプを作り出せば、自由自在に、変形し 各個体に合わせる事が出来る 汎用性の高さであった。
このメリットは、非常に大きなものであったらしい。
更に、自由自在に変形出来る、メリットを生かす為 各種武器に変形させる事を思いついた。
そのエネルギー源及び コントロール装置として、ネクスタルの改良タイプを利用する事になった。
レアスタル呼ばれていた、これら機能を取り込んだ、新たなスペースジャケットが、完成した。
汎戦闘用パワードスーツと言った方が、より適切である。
これを アポリスでは、B,P(バトルプロテクター Battle Protector 戦闘用防具)と呼んでいた。
後に、ピエールは、これを 神々が装着していた事から、"神々の鎧"と呼ぶ。
その性能もまた 驚異的であった。
B,Pを装着すると、装着した生命体 本来が持つ 各種運動、パワー、戦闘能力などを大幅・・・いやケタ違いに増幅させた。
防御力もかなりであった。 ある程度の耐熱、耐圧に優れ、少々のエネルギー弾など、耐える事が出来る。
攻撃力は、B,Pの1部を変形させる事により、複数の武器に変え エネルギー弾まで、使用可能であった。
反重力を利用し、空も飛ぶ事も出来、レーダーの1種か。敵、味方を索敵、識別能力、SVL通信能力など・・・
装着した生命体に合わせ、生命維持機能など、各種性能が、搭載されてた。
これを装着する事により、ネクストノイドへの改造を行うなくとも、強力な、戦力、兵力などを手にする事が出来る 優れ物であった。
これは、戦闘用であって、目的に応じて、各種タイプが、存在したらしい。
現在 地球上で、2個のB,Pが確認され、それも戦闘用であった。
ギルのいる 日本国内G県の山深い奥地の 古代ピラミッドだったと言う山の内部基地に保管されていた。
元々は、東アジア担当の龍(ロン)が、発見したが、現在 中東担当のギルが、担当している。
他だし シールド内に、保管され 取り出す事が、出来ず、だれも装着していない。
これを 盗み出し、ヤーナ側の、だれかが装着すれば、浩司の様な強力な戦闘力を持つ人間が、最大2人増え、大幅な戦力向上を意味した。
この瞬間 会議室内いた、浩司の様な少数を除く 多数の人達は、ざわついた。
逆に、アポリス側が、取り出すことに、成功し 戦闘能力の高いネクストノイドなどが、装着した場合 想像もつかない・・・。
ここで、今日の会議は、終了した。
これらの検討については、翌日に持ち越された。
B.Pの話の時 ピエールのちょっとした 表情の変化に、マークは、気づいた。
"ピエール神父 この件について知っておるみたいじゃ・・・ いや意図的に、情報を抜き取っていたのは、この件ではなかろうなあー・・・" ある疑念を抱いた。
B,Pについては、浩司は、余り関心がなかった。 元々ハードウェアーに対して、信仰心を持たない。
第2次世界大戦中 当時最新鋭のテクノロジーを誇ったナチスであったが、アメリカ合衆国、イギリスを中心とした連合国側の、大幅な物量面を中心とした 兵力差などには、やはり対抗出来ず、敗北している。
少々のテクノロジーの差など、大幅な物量面を中心とした、兵力差があれば、補える 戦略の基本である。
"いかん、いかん・・・" 浩司は、自分を戒めた。 軍事的戦略など、歴史的戦略・・・ つまり歴史が、どう動くのか? どう望む方向へ動かすのかに、重点を置く浩司に取っては、絶対 選択出来ない、避けなければならない 選択であった。
"勝利ばかり考えると 人間 途方もなく卑しくなる・・・" 浩司の思考には、軍事面での、あらゆる戦略が、思い浮かんでいた。
もう1つ 理由があった。 後に知る事となるが、B,Pとは言え レジェンスと融合している 浩司の物の数ではなかった。
"それよりも みなっち・・・" やはり浩司の最大の関心は、みなっちの状態であった。
会議は、途中打ち切りとなり、明日に持ち越された。
会議室を出ると、浩司は、真っ先にみなっちのいる別室に向かった。
今度は、別室には、問題なく入れた。 別室では、みなっちは、ソファに座っていた。
「大丈夫か?」 浩司は、みなっちを見つけると すぐに声をかけた。
まだ 少々顔色は悪いが、みなっちは、「もう かなり良くなっている お医者様に、ここまで来れば大丈夫だって・・・」
「会議は、終わった さあー帰ろう」 浩司の一言に、みなっちは、小さくうなづくと立ち上がった。
2人は、別室を出た。
「今日の夕飯 俺が作ろうか・・・?」
「大丈夫よ 私が作るから・・・」
2人は、自宅へ向かった。
浩司は、"明日の会議は、このB,P奪取プランと、だれが装着するのか・・・? になるだろうなあー" ふっと思った。

翌朝AM8:00 会議が再開された。 自宅を出る時、浩司は、昨日の事が心配で、みなっちに言った。
「昨日の事が、心配だから 今日は、別室で待機しててもいいよ 俺から頼んでおくから・・・」
「もう大丈夫だって・・・ 今日は、耐えてみせるから・・・」 みなっちは、そう答えた。
冒頭 浩司の予想に反して、対グロテノス攻略方法から始まった。
今まで、攻略方法すらなかったのだが、詳しいデータから ある程度の弱点を突き止める事に成功した。
そして、グロテノスの弱点として、頭の額にあるネクスタルであった。
体内のナノマシーンから、各種コントロール、エネルギー供給まで行っている ネクスタルを物理的に、破壊出来れば、ネクストノイドを倒す事が出来ると、結論が出された。
他だし 直径1cmの大きさである。 過去 小さな小競り合いで、偶然、軍用ライフル M16A2の7.62mmNATO弾の弾丸が、変身後のグロテノスに命中した事など、過去数例ある。 しかし相手は。少しひるんだだけで、大して効果がなかった。
今までにない 強力な威力の弾丸を発射出来る、拳銃タイプ(強力なMagnumクラス程度の威力では、問題外)か、ライフルタイプ、もしくは、機銃タイプ それも強力な貫通力を誇る劣化ウラン弾クラスか、それ以上の威力が必要とした。 少数の幹部しか知らない 現在開発中の新兵器 強力なエネルギー弾を発射出来る 新型エネルギーライフル銃が、その可能性を秘めていた。 しかし 動く相手 それも超高速に動く相手もいる 額の直径1cmのネクスタルに、命中させるなど、神業に等しい・・・
現実的には、相手を、完全に戦闘不能、止めを刺すまで、蜂の巣状態まで、一斉射撃を浴びせる事が、最も現在可能性が、高い方法だった。
新型 エネルギーライフル銃に、ついて 詳しい説明も行われた。
有効射程距離 約300m 外観は、軍用ライフルタイプによく似ていた。
下部のエネルギーパックを 装着し使用 トリガー(引き金)上部の左側に、3段階の切り替えスイッチがあり 単発、連射、数秒間の放射が、可能である。 仮のコードネーム ER01T(イーアールゼロワンタイプ)と呼ばれていた。 その後 ヤーナの歩兵標準主力エネルギーライフル銃となる。 その威力も全面のマルチスクリーンで、表示された。
一応 変身後のグロテノスに対して、理論上効果があると言う・・・
その表示を見ながら ふっと浩司は、思った。 "バリヤーに近い 装甲(甲羅)を持つ カータルでは、多分 新型のエネルギーライフルのエネルギー弾でも弾いてしまうだろうなー それに、龍(ロン)のバリヤー・・・ 他にも同等の力を持つとされるデストロ・・・ 多分バリヤーを張れるだろう・・・その程度では・・・" 実際 ネクストノイドとの直接の戦闘経験を持つ浩司であった。 数字では、語れない物を感じていた。
後は、浩司のやったように、相手を完全消滅させるような、更に強力なエネルギー弾も、最も有効に思われた。
これ程の威力は、現在のテクノロジーでは、核兵器以外無く この後 すぐ大問題となる。
大出力レーザーでは、持ち運びが出来ない。
更に、相手のスピード、パワーに互角以上の能力を引き出せれば、レーザーメスより、高出力の電磁メスもしくは、分子、原子の段階から切り裂く事の出来る 高周波を発生で出来る剣のような武器を開発、使用出来れば、有効とされた。
未来兵器思わせる武器類であったが、エルの残されたテクノロジーを利用し、現在、エネルギー弾を発射出来る ER01Tについては、ほぼ完成し、各種のテストが、近日中に、行われる予定であった。 そして、電磁メスについては、まだ開発途中と 報告がなされた。
核兵器の件が、出された時 ここまで黙っていた聞いていた 浩司、永井の日本人が、強烈な核アレルギー反応を見せた。
特に、永井は、猛烈に反対した。 永井は、2度目の実験場にされたN県N市近郊で生まれ育ち 幼い頃から 各種悲惨な状況の資料などを 数多く見て育っていた。
アンダーソン博士、ワグナー医師も 科学に従事する者として、人類、いや地球上の全生命に対する冒涜として、反対に回った。
結局 核兵器、化学、細菌兵器などの無差別大量破壊兵器については、浩司を含む 最終議決権を持たない 各担当部 最高責任者 数人の猛反対にあった。
途中 C宗教側から 浩司の瞬時にグロテノスを消滅させる 脅威の特殊能力について問われたが、一向にお構いなし、浩司は、無差別大量破壊兵器の開発、製造、使用について、強固に反対した。
研究、開発、所有すれば、使用しなくとも抑止力になると言う意見も出された、実際 核兵器を保有する超大国と呼ばれる国々は、これを拠り所にしている、しかし浩司は、お構いなしに反論した。
こうなると、浩司には、日本人の悪い癖の1つである 遠慮などと言う生易しい言葉などない。
「新たなハードウエアーによる新型大量破壊兵器が開発され、抑止力のみで、使用しないと 権力者は常々語っているが、実際守られた例など過去 存在しない 兵器とは使用する為にあるものだ、あれば必ず使用する 使用すれば、必ず、全面核戦争へ突入する。 残るのは、放射能に汚染され、全ての生命体が死滅した地球・・・」 などと一切認めない強硬さであった。
核兵器を始め 無差別大量破壊兵器など 下らない時代遅れの巨艦大砲主義とこき下し、あらゆる論点を用いて、全て強引に、論破してしまった。
それに呼応し、永井が、核兵器の使用に、悲惨な状況を事細かく説明し、アンダーソン博士、ワグナー医師は、科学者の立場から、使用後のあらゆる影響について語った。
特に永井は、「もし核兵器を開発、所有するならば、この場で、最高司令官職を辞任し、ヤーナからも離脱する・・・」 と言う 最終通告つき脅しまで飛びだした。
永井のヤーナに対する今までの貢献度、実績を考慮せざる得ず、今 永井にヤーナを辞められたら、核兵器以上に、大きな損失になる。
永井以外 ヤーナの軍事部門を統括し運用出来る人材は他にいない 永井は、それ程ヤーナに取って重要不可欠な人材であった。
最後に、旧島民、C宗教側の評議員からも反対者が現れ、否決された。
これにより、ヤーナは、核兵器及び無差別大量破壊兵器の開発、製造、使用を禁止した。 結果、後のアポリスとの全面戦争突入時、核兵器及び無差別大量破壊兵器を使用する事がなく 核兵器などによる悲劇だけは、回避される結果をもたらした。
一方のアポリスにとっても同様であった。 バリヤーを張れないグロテノスでは、核兵器の直撃を受ければ耐える事は出来ない。
その為 浩司の予想通り、使用させない為の複数の戦略があり 核兵器そのものを無用長物にしていた。
それに、ネクストノイドは、それ自身強力な生体兵器である 核兵器など無用だ。
結果 両勢力共 核兵器を使用した 人類史上最も愚かな勢力のレッテルだけは、張られなかった。
この核兵器の議論中 浩司は、ここ聖なる場所のメイン動力、エネルギー源である 反物質反応炉 つまり反物質を利用した 反物質爆弾の製造を言い出さないかと、内心ヒヤヒヤであった。 どうもアンダーソン博士も これについて気付いている。
あの龍(ロン)の孤島基地で、反物質反応炉が、暴走を起し 孤島は、完全消滅 周囲数10km圏内は、壊滅的打撃を受けている。
核兵器など問題にならない強力な破壊力だ。 物質の質量そのものを 完全に光、熱、それに伴うソニックブーム(衝撃波)などに変換してしまう・・・ それも質量のケタ外れのエネルギーを一気に放出してしまう。
アルバート・アインシュタイン博士の特殊相対性理論の基本の1つである 物理学史上最もシンプルで、最も美しい方程式 E=mc2で、エネルギー量を表す事が出来る。
この件について、だれかが言い出した場合の反論まで、想定していたが、だれ1人として、言い出す者はいなかった。
浩司は、内心そーっと胸を撫で下ろした。 アンダーソン博士も同様の様子である。
浩司は、論争について、かなり場慣れしていた。 元々極端な宗教嫌いで、よく街中で、C宗教の勧誘者を 皮肉たっぷりに、叩きのめしていた輝かしい?実績を誇る。 (その為 よくみなっちに怒られ、やり込められていたのが、浩司らしい一面でもあったが・・・)
ピエールと大口論になった時も ピエールを上回っていた。
この大論争を 1人 何も発言せず、芳しく思わず眺めていた男がいた。 ピエールである。
ピエールは、アメリカ合衆国 バイブルベルトと呼ばれる 中西部出身であった。 エリート街道をひた走るサラリーマンの中流階級の上の家庭に生まれ育ち、何不自由のない子供時代を過ごしてきた。 両親共 熱心なC宗教の信者で、幼い頃から特筆すべき才能を見せていた。 勉強、スポーツ共に、飛びぬけて優秀で、万能、日本で言う 神童と騒がれていた。 全て神の与えてくれた才能と自負し 両親からも、全てを与えてくれた神に、感謝しなさいと良く言われていた。
中学卒業後 あらゆる面で、飛び抜けて優秀であった為 有名な複数の大学からスカウトが訪れ 飛び級で、大学への進学を熱心に勧められたが、ピエールは何故だか拒否 他だし 同時に、スカウトに訪れていた複数のアメリカ合衆国内の超有名なエリート高校の1つへ進学した。
超有名なエリート高校も主席で入学 その座を明け渡す事無く主席で卒業 卒業時に、全米で、最も優秀な高校生の1人に選ばれ そのままC宗教 最高ランクの神学校へ主席で入学 1度もその座を明け渡す事なく卒業した。 C宗教 始まって以来のスーパーエリートであった。
何故? その後 エリート街道を歩まず、非主流派の中の少数派 それも黒魔術や、悪魔崇拝者などの処分を裏稼業とする団体に属したのか? 後に語られるが、その後 ヤーナ入りしている。
そのピエールに取って、この様な、論争など、永遠に何も生まない無用長物に思えた。
唯一絶対の神々の下 1つの意思によって統一され整然とした秩序正しい社会が実現し、その中で、社会の一員としての人類が存在し そして、目指す目標こそ神々への道であり この様な社会が実現してこそ、人類が神々への道の第1歩と考えるピエールに取って、浩司の様な人物は、1つの統一された意思、調和を乱す、異分子の様に思えた。
ピエールに取って、目指すべき理想の社会は、神々の完全支配下で実現されるミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)である。
当の浩司の方は、何度も語られている様に、典型的 自営業者の家庭に生まれ育ち 1匹狼的な資質を育んでいる。
社会の一員などと言う考えなど浩司には無い 個と言う存在が、多数集まり 人それぞり言いたい事を言い合っていればいいさ、他だし 人として、守らなければならない最低ルールだけ守っていれば、後は、自由、お好きに・・・
この様な有様である。 極端な言い方をすれば、無政府、無国家主義者と評される事もあった程である。
"国家が消滅として、最も困るのは 国家に寄生する権力者(寄生虫)機構中枢の連中であり 彼らを喜ばせる為に「人間」が犠牲になる必要など 宇宙の隅まで、その理由を決して見つかるはずが無い" 銀河英雄伝説 自由惑星(プリープラネッ)同盟軍 黒髪の魔術師いやペテン師 ヤン・ウエンリー元帥語録参照 (田中 芳樹著)
などと嘯く程の極端な権力嫌いである。
ピエールの目指したのは、唯一絶対の神々の下 1つの意思によって統一され整然とした秩序正しい社会の実現であった。
浩司とピエールでは、全く接点がなく、お互いに相容れない存在であった。 全ての面において・・・
結局 歩兵用携帯可能な武器以外 対グロテノス用に使用する予定のER01T以外 何ら進展がなかった。
ハードウェアーに対して、信仰心を持たない浩司であったが、何故か? 強力な弾丸を発射出来る 拳銃タイプ エネルギー弾を発射出来るライフルタイプ、電磁もしくは、高周波を利用した剣について、漠然とだが、引っかかる思いがあった。
"単なる SFマンガなどの見過ぎ・・・" 自分に、そう言い聞かせた。
UFOについては、何ら武器が搭載されておらず、元々荷物、生命体用の運搬、輸送に利用されていた事が、判明している。
後方の支援活動以外 使い道がなかった。
それに、あのUFOは、惑星、衛星用の反重力推進システムの為 宇宙空間での飛行が、不可能であった。
これで、午前中の会議は、終了した。

会議室にいた全員 各々 昼食を取りに、幹部用食堂へ向かった。
浩司とみなっちが、2人 食堂とは、別の方向へ向かって歩き出したので、不思議に思ったスティーブが、声を掛けた。
「浩司さん 食堂は、こちらですが・・・」
「実は、今日 お弁当 私が作ってきたの」 みなっちが、先に答えた。
「お昼は、中庭で、食べる事に決めていたの」 またみなっちが言った。
昨日 別室の窓から 昼休み中庭で、お弁当を食べる友人同士のグループや、恋人同士? 新婚ホヤホヤ? のカップルを見たみなっちが、羨ましく思った。 明日も朝から会議の続きがあるを知ると、昼食は、お弁当を持参して、こーちゃんと2人 あそこで食べようと思い決めた。
「それは、それは、羨ましい事で・・・ 午後の会議の時間には遅れないでくださいね」 そう言い残し スティーブは、食堂へ向かった。
食堂で、マークを見つけると、スティーブは、マークを窓側の席へと案内した。 窓からは、中庭が見下ろせる。
「どうして、今日は、この席なんじゃ?」 マークは、何気なくスティーブに聞いた。
「見て下さい。 マーク長老」 2人で中庭を見下ろした。
いつもと同じ光景であった。 ここ本部で働く 仲の良い職員同士のグループ、恋人? 新婚ホヤホヤ? のカップルなど、ここで持参したお弁当を食べる光景であった。 いつもマークは、この光景を微笑ましく思っていた。
ここで、友人同士が、ジョークを飛ばしながら語らい カップルは、愛を温め合う すばらしい光景だと思っていた。
カップルの間に、やがて新たな生命が誕生、成長し この様な場所で、愛を温め合う。 永遠に続くと思われる、人間の美しい営みだと思っていた。
「あそこ・・・ あそこですよ・・・」 スティーブが、指差す方向を見た。
そこには、初顔のカップルの姿があった。 浩司とみなっちである。
他のカップル同様 仲つつましく、お弁当を広げ食べる姿である。
ごく自然で、どこにでもいるカップルである。
生身の人間でありながら、信じる事の出来ない、驚異の戦闘能力を持ち 先程は、C宗教側を中心とした 核兵器を中心とした大量破壊兵器所有にこだわる者達を 論戦撃破した同一人物だと、とても思えなかった。
"浩司殿は、不思議な人間じゃのう・・・" マークは、そう思った。

芝に、シートを被せ みなっちは、持参したバスケットを開けた。
ここには、天然の芝が張られ、木々や花々が生い茂る 美しい光景である。
芝の上は、立ち入り自由で、シートさえ被せば、食事をしても良いとなっていた。 他だし禁煙。
バスケットの中から おにぎり1つ浩司に渡した。 「今日は、こーちゃんの大好きな、しそ風味の味付け昆布入り・・・」 うれしそうに微笑むみなっち。
「ねえー おいしいでしょう?」 みなっちは、浩司の顔を覗いた。
「あっー おいしいよ 口の方を合わせているから・・・」
この浩司の一言に、みなっちは豹変 「な・に・か・い・っ・た・・・!!」 鋭いみなっちの視線が飛んだ。
「ジョーク ジョーク・・・」 浩司は、笑い飛ばした。 浩司の悪い点である。 余分な一言。 (単なるノロケです 悪しからず)
この後 浩司は、ヤーナに所属していた時期 ここで、みなっちと2人 お弁当を広げ 昼食を取る姿が、よく見かけられた。

 午後の会議が、始まった。
浩司もみなっちも時間までに、会議室のそれぞれの席に着席していた。
浩司の予想通り 午後の会議の中心は、やはりB,Pの奪取プランと 成功時に、だれが装着するかだった。
現在 8大将軍の1人ギルのいる G県の山深い山間部の奥地にある 古代ピラミッドだったと言う山の内部にある エルの残骸宇宙船基地 内部の構造は、ある程度把握していたものの 詳細は、不明であった。
諜報部 最高責任者は、コネリーであった。 彼は、イギリスの上流階級出身のコーカソイド イギリス紳士らしい、洗練された振る舞いは、女性に人気があった。 映画007のモデルで、つい最近その存在が、公式に認められた 対外諜報担当のMI6(別名SIS)出身である。
現在まで、数人のスパイを送り込んだが、全て失敗 最も信頼を置く 川村は、浩司とみなっちの件が、ある程度片付いたので、現在 ピエールを中心とした評議会の ある作戦実行の命令に従い、中東のI国の 世界3大宗教の聖地 E市に向かい 新たな任務に就く予定であった。
実行部隊として、永井最高司令官を中心に、精鋭部隊を編成 3班に分かれ 急襲する計画が練られていた。
第1班は、急襲実行部隊、第2班は、陽動部隊、第3班は、予備兵力部隊であった。
成功時に、だれが、装着するか? 未決定のまま 計画実行日については、今後の情報待ち 基地の詳細な図面などが必要であった。
部隊人事に関しては、永井に一任された。
やはり予想通り だれが、装着するのか?でもめた。
エルの驚異のテクノロジーの産物であるB.P 大きな魅力であった。
報告で、レアスタルに個人情報をインプトするだけで、自由に装着、解除が出来、その戦闘力は、グロテノスを大幅に上回ると予想され ネクストノイドと違い、他の生命体のDNAの1部を改造したDNAを加える必要もない。
装着した者は、人類を救う救世主、英雄となれる。
甘美な麻薬に、心躍らなかったのは、たった1人・・・いや もう1人いた。 この会議の議長であるマークであった。
"老い先短い わしには、無用じゃよ・・・" マークは、この会議終了後 数人の側近の前で、こう語っている。
元々ハードウエアーに余り興味を示さない人物は、"・・・" 手に負えない物など こりごりと言った表情であった。
B,P以前に "レジェンスさえなければ・・・" 本音であった。
しかし会議出席していたNO2以上の最高幹部は、だれもが、我こそはと思いつつ 相手を牽制していた。
結局 奪取してからの話で、後の課題となった。
会議は、ここで、全て終了した。
この2日間に及んだ会議であったが、またもある情報が、意図的に抜かれていた。
それを知る者 2人を除いて・・・
もちろん、浩司、マーク、スティーブ、アンダーソン、ワグナーなどでは無い。
結局 新たな情報は、新たな対策への課題となった。
やはり、基地の情報と、現在開発中のER01Tエネルギーライフルが、完成しなければ、手の打ちようがなかった。
まとも正面からぶつかっても勝てる相手ではない。 それなりの準備が必要であった。
浩司は、会議が、終わると、みなっち共に帰ろうとした そこへアンダーソン博士に呼び止められた。
「どうですか、和田評議員待遇 私と共に、一緒に科学の研究をしませんか?」 思わぬ誘いに浩司は、一瞬と惑った。
元々科学者志望であった浩司には、夢のような誘いであった。
アンダーソンは、浩司の宇宙物理学に関する、独自理論、独自解釈などを ネット上で、拝見していた。
特に、重要なひらめきに関して、なかなか面白い考えを持っていると感じていた。
そこで、マークの許可をもらい 直接スカウトを試みた。
条件付であったが、浩司は、快くOKの返事を出した。
評議員とは言え、毎日会議がある訳でもない 評議員としての仕事が無い日は、主に、ゲスト研究員として、テクノロジー開発部の仕事を受け持つ事になった。
宇宙物理学など、卓上理論系には強いが、技術系 つまり工学系 物造りは、苦手。
主な研究課題は、エルと呼ばれるEBE's(イーバース=地球圏外知的生命体)について、考古学を含む、各方面からの見解であった。
こう言う方面は、大好きな浩司である。 あらゆる資料、データなどを駆使して、研究に没頭した。
いくつかの研究テーマを執筆中 それを読んだアンダーソンは、感心した。 宇宙物理学 特に、未完成の量子論の独自解釈であった。 予想以上の逸材だと・・・ 今からでも母校の大学へ入れて、知人の宇宙物理学の教授の下で、専門教育を受けさせれば、優秀な科学者になれる可能性を秘めていた・・・ 非常に惜しい人材だと思った。
浩司は、この会議の後に、週2日 2時間づつ行われる軍事訓練 (ヤーナでは、男性全員 この軍事訓練は、必須であった。 評議員と言えども、特例は認められていない。 他だしマークのような、高齢者、年齢15歳以下の子供、病人、怪我人は、免除されいた、女性の場合は、志願制であったが、軍事訓練を受けない者は、応急救命措置の実地訓練が義務付けられていた。 ちなみに、みなっちは、応急救命措置)で、余り良い成績を残していなかった。 1度も戦闘モードに入らず、軍事訓練を受けていた。 ヤーナは、対アポリスの軍事組織である。 好む好まないなど関係がなかった。
年齢から言えば、平均の上程度の運動能力、反射神経である。 鍛えられた職業軍人や、スポーツマンとは、比較にもならない。
いつも 永井が、その光景を見て、苦虫を潰していた。
"これでよく グロテノスを倒せたとものだと・・・" 疑問を感じられずいられなかった。
マークや、特に川村の報告とは、まるで、別人ではないかと思えた。
浩司の実戦を見るのは、その後 アポリスとの本格戦闘に入ってからである。
軍事訓練でも、ひたすらトップを走る ピエールとは、大違い。 50歳代中盤でありながら 20歳代前半以上のスタミナ、運動、反射神経能力を誇り 特殊部隊の隊員と比較しても遜色はない。 いやそれ以上かも知れない・・・
まさに、全ての面な置いて、完璧であった。
ピエールも、浩司同様 朝早起きであった。 早朝の神々に対する祈りなどを済ませると、数時間のジョキングなどを中心とした肉体トレーニングにも余念がなかった。
全てにおいて完璧を目指すのは、神々への道と考えるピエールに取って、当然だと思っていた。
この方面では、芳しくない浩司であったが、他だし 銃器類の取り扱い、射撃センスは、目を見張るものがあった。
軍人出身でなく、民間人である浩司が、よくここまで知っていると不思議に思っていた。
ある日 永井が、軍事訓練中、熱心に射撃訓練をする浩司に、何気なく聞いた。
「高校時代 クラスメートの1人に、ガンマニアがいてねー 洗脳されたんですよ・・・」 と言う答えが返ってきた。
射撃センスに関しては、決して努力だけでは身に着かない 天分の才能を 永井は感じた。
近々行われる予定の射撃大会に、浩司を出場させようと、永井は思った。
ハイレベルの競技で、浩司がどこまでやれるか? 興味が沸いた。
数日後 大会日が決定 告知されると、出場者募集中の射撃大会へのエントリーを熱心に勧め 浩司もこれを承諾した。
娯楽の少ない 聖なる場所において、年に1度開かれる射撃大会は、人気のイベントであった。
クラスは、男女別 軍人と一般人部門の4つのカテゴリーに分かれていた。
浩司は、男子一般人部門に、エントリー。
浩司は、ヤーナ内では、評議員待遇及び、テクノロジー研究開発部 ゲスト研究員である。 確かに軍事部門 最高司令官補佐の肩書きを持つが、ヤーナ内では、軍人ではなかった。
評議員 全員 軍事部門で、何らかの肩書きを持つ。
ピエールなどは、永井に次ぐ規模の複数の部隊を指揮する司令官の1人でもあった。
この部門の大本命、優勝候補は、やはりピエールであった。
過去出場した大会 全てに大差で優勝 何事にも万能で、射撃技術も特殊部隊の射撃の名手が、認める程の腕前であった。
大会は、実戦を想定しての射撃競技であった。
突如色々な場所からボードが現れ、一定時間で消える。 ボードには、武器を持った敵が描かれており 銃で、撃ち抜くのだが、敵に命中すれば、得点になり、命中した場所により得点が異なる。 味方、民間人、人質などもボードに描かれており 間違えて撃つと、大幅減点もしくは、失格となる。 今大会から 変身前で、武器を持つネクストノイド及び変身後の各グロテノスが、描かれ 額にある直径1cmのネクスタルを撃ち抜くと高得点が加算された。
大会日決定から人気は盛り上がり 各担当部内では、話題騒然、公然と同僚同士で賭けまで行われていた。
射撃大会当日 この日は、非常要員を除いて、休日となり 会場には、多くの観衆が集まった。
会場に来られない人達の為 大会の模様はモニターで、聖なる場所全てに、生中継された。
この日 非常要員でなかったみなっちは、同じく非常要員でなかった大の仲良しのしのちゃん、やすちゃんと共に、会場に姿を見せた。 もちろん浩司の応援である。 ちなみに、浩司を応援したのは、この3人だけ、それもしのちゃん、やすちゃんの2人は、みなっちの強制による 本当に、応援したのは、みなっち1人であった。
やはり人気面でも、ピエールがダントツである。
男子一般人部門は、エントリーした選手をクジで、2つのブロックに分けた。
結果 浩司は、Bブロック ピエールは、Aブロックである。 各ブロックで、最高成績者1人のみ決勝へ進める。
Aブロックでは、下馬評通り ピエールは、圧倒的力の差を見せつけ、なんなく予選を突破 決勝戦へ進出。
Bブロックでは、大番狂わせが起きた 決勝進出は、何と浩司であった。
浩司の出場前の評価は、予選落ち それも最下位候補の1人に、挙げられていた。 1人エントリーを熱心に勧めた永井を除いて・・・
他だし その永井ですらブロック上位には、入るだろうが、決勝進出は無理と思っていた・・・
浩司は、初出場とは思えぬ、沈着冷静、的確な判断で、突如現れるボードを瞬時に見分け、素早く正確な射撃で、得点を重ね 並み居るライバル達を破り 見事予選を突破した。
決勝戦は、大会史上最高の稀に見る大激戦となった。 更に難易度を増した射撃競技 浩司もピエールもお互い1歩も引かず、大接戦のまま勝負の行方は、最終競技までもつれ込んだ。
会場にいた観衆は、沸きあがり 2人に対して、惜しみない声援・・・ いや圧倒的に、ピエール対して声援を送った。
この時点 浩司に対しても 少しは増えたが、ピエールの大応援の物の数ではなかった。
最終競技の結果 僅か僅差であったが、最後の土壇場で、ミラクル(奇跡)と思えるような大逆転 浩司は、ピエールを破り 初出場初優勝を飾った。
みなっち曰く "私の声援のおかげ・・・"
あの大本命のピエールを破っての優勝である。 この大会を見に来ていた観衆全員が、どよめき、驚いた。
この時 ピエールは、「私は、ベストを尽くして戦った・・・ そして、負けたのです」 と潔く自らの敗北を認めている。
ピエールの決勝戦の得点は、自己最高得点で、生涯最高記録であった。
最後は、勝者 浩司に対して、惜しみない拍手を送った。
何となく場違いの場所にいるように、照れて優勝カップを手にする浩司の姿は、微笑ましい光景であった。
優勝商品として、好きな新品の拳銃を1丁 プレゼントされたのだが、選んだのは、有名なS&W M29 44Magnum 6.5inch。
(浩司は、クリント・イーストウッド主演映画 ダーティハリーが、好きで、いくつかのモデルガンを所有 その1丁が、S&W M29 44Magnum 6,5inchのモデルガンで、よく西部劇のガンマンのマネをして、指で回したり、早撃ちのマネ事をしていたが、さすがに、本物ほ手にした時は、結構 感激していた)
大会中も、浩司は、1度もレジェンスのエネルギーを利用した戦闘モードに入っていない 元々本来の実力勝負で勝った。
何よりも1番うれしかったのは、ピエールを破った事ではなかった。 もちろん優勝でもない 優勝を決めた瞬間 観客席からみなっちが、飛び込み 浩司に抱きつくと、熱いキスを 何度も頬にしてくれた事。
大の仲良しのしのちゃん、やすちゃんと共に、浩司の応援に来ていたのだが、まさか? あのピエールに勝ち 優勝するなど、夢にも思っていなかった。 せめて、怪我さえしなければ・・・程度である。
浩司の優勝の瞬間 興奮の余り しのちゃん、やすちゃんの制止を振り切り 観客席から飛び出してしまったのが、真相である。
その後 この事で、よく しのちゃん、ゆすちゃんに、"ノロケが、移る・・・" とからかわれていた。
しかし、軍事訓練では、芳しい成績を残せず、第3班の予備兵力部隊であった。
特に、部隊を組んでの模擬軍事訓練でも、問題があった。 やはり元来の反戦主義が、頭を持ち上げ・・・ 何よりも問題になったのが、決断したら即実行する 1匹狼的資質であった。
永井の命令無視 味方の部隊の退却路を確保、最後まで、単独で、後方を守る 相手の補給線、補給部隊を叩く戦術などは、永井ですら唸らしたのだが、全て単独行動であった。
"この単独行動、命令無視さえどうにかなれば・・・ それは、周囲の者を部下を信用しているのか? していないのか? 他だし 戦場における 匂いを嗅ぎ分ける・・・ 独特の勘? あの場面で、退却路、補給戦などを瞬時に見分け 絶好のタイミングで、叩く手腕は、決して努力だけでは、身に着かぬ物・・・" 永井は、思った。
"だが・・・やはり まだ兵を率いるのは早急・・・" 永井の浩司に対する評価であった。
やはり、人の上に立つ リーダー性に問題ありと見ていた。
当の浩司に言わせれば、"いちいち上の命令を待っていたらタイムロスが大きく意味がなくなる さっさと自分で動いた方が、早い。"
典型的 自営業者の家庭に、生まれ育った特長の表れでもあった。 即断即決。
自分で、考え、判断し、行動する・・・ 組織の一員として、なじめない点でもあった。
しかし1部の兵士には、この行動を支持する者もいた。 兵士に取っては、勝ち負けよりも いかに生き残るかが重要であった。
アポリスとの全面戦争突入後も 浩司の単独行動は、常に問題とな.る。
だが、つかの間の休息とも呼べる時期は、ここまでであった。
いよいよ アポリスとの全面対決が、迫ってきた。

                                                     TOPページへ
                                                     融合 Part10へ



                 copyright (C) lejens  All Rights Reserved ページ内の無断転載厳禁

inserted by FC2 system