LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)


 融合 Part3

 それから何日かの日々が流れた。 仕事中以外 何かを思い詰めている浩司に対して、みなっちは、"いい加減にしなさい!" と怒鳴り無理やり浩司の休みの日に、隣県のA県N市の有名繁華街の1つに連れ出した。 「君は、いつからそんなネクラになってしもったんじゃわい・・・? 健康に良くない。 人生明るく生きなきゃ・・・」 みなっちの激励? 罵声? 日頃の恨み?(実はこれが本当)も 仕事中以外は、何を言われてもどこか上の空で、何かを思い詰めている浩司であった。
人気のデートスポットの1つで、パリのシャンゼリゼ通りのオープンカフェを真似して作られた 今 話題になっているオシャレなお店へと浩司を強引に連れ込んだ。 平日のお昼前と言うのに、店内はカップルだらけである。 実は、みなっちは前々からこのお店に行きたかったのだが、浩司の方が余り気乗りせず、延び延びになっていたので、今がチャンスと思い強引に浩司を連れ込んだのが真相である。
みなっちは、浩司にオーダーも聞かず、強引に自分と同じ話題になっている各種フルーツがグラス一杯に飾られたノンアルコールのソフトドリンクを2つと、これも話題になっている超レアなケーキを2つオーダーした。 みなっちは、フルーツやケーキが大好きである。
ノンアルコールにこだわったのに理由があった。 浩司は、アルコールをたまに飲むが、みなっちは、まるで飲めない 下手すると浩司が、大好きな高級ブランデーをオーダーする事を恐れたのだ。 こういう状態の時 たいして強くないのに、はっきり言って弱いのに、高級ブランデーを浴びる程飲む事がある。 最後に酔った勢いで、神様や宗教勧誘者に、あらゆる暴言を吐く。 その事態を避ける為の措置であった。
浩司は、ノンアルコールだと知ると少し呆れた表情をした。 今日は、車ではなく電車で来たので、飲酒運転の心配は無用であった。
座った席は、オープンテラスの1番通りに面したテーブル席であった。
浩司は、右手で頬杖を着いたまま たばこを吸い 通りを行き交う人達をぼんやり眺めていた。 テーブルの上には、みなっちのオーダーした ソフトドリンクとケーキが2つずつ並んでいる。
みなっちは、ストローでソフトドリンクを一口飲むと、フォークを上品に使いうれしそうな笑顔でケーキを食べ始めた。
何も手をつけずぼんやりと行き交う人々を見つめている浩司を見た。
「もしもし・・・? 君は、いつまでそんなに深刻に悩んでいるのかねー?」 みなっちから話し始めた。 マークのアジトを後にして以来 浩司は何かを深刻に悩み その悩みをみなっちに打ち明けていない。
浩司は、大きくため息をつくと、みなっちを見つめた。
「俺は、2人の人を殺した殺人者だ」 みなっちにしか聞こえない小声で言った。
みなっちは、あの古代ピラミッドだったと言う山での事件だと気づいた。
「あれは、人では無く グロテノスと呼ばれる怪物よ それにあれは、私を守る為の正当防衛じゅないの・・・」
浩司は、首を小さく横に振った。 「いや グロテノスは怪物じゃない 人間だよ 事情は知らないけど、他の生命体のDNAを組み込まれ強化改造されただけのねー・・・」 黙って みなっちは、浩司の顔を見つめていた。 浩司は話を続けた。
「あのピラミッドだったと言う山で、2人を倒した(殺した・・・?)後・・・ただ あの時は、みなっちを守ろうと必死になって何をしているのか? 全く意識していかった。  その後 妙な気分に襲われた 何とも言えない・・・ 何か取り返しのつかない事をしてしまっような・・・ そしてこの前 マークじいさんに後で怒鳴られた時の・・・ あの時は、その前と違って、今自分が何をしているのか? 全て分かっていた 止(とど)めを刺そうとした瞬間 グロテノスの顔が一瞬引きずったんだよ・・・ 恐怖に怯える人の顔そのものだった それで気づいたんだ 外見こそ怪物だけど人の心を持っているってねー・・・ だから止(とど)めを刺せなかった。 また俺は人を殺そうとしている・・・もう戦いたくないって・・・。」 浩司は、大きくため息をついた。 みなっちは、やさしく浩司を見つめた。
「こーちゃん 人殺しじゃないよ あのカメレオンに似たグロテノス 3人の人 殺しているよ でもこーちゃんが戦わなければ、あそこにいた全員殺されていたわ・・・」
「だからと言って、殺していいのか・・・?」
「それは・・・」
2人共 しばらく互いの顔を見つめながら沈黙した。 みなっちが先に口を開いた。
「私ねー こう考えたの・・・ 2度もグロテノスを見て 1度は3人の人 殺されるのを見た。 でも何をしても殺された人 生き返る事ないし それにあのグロテノス いつの日か世界中に現れて大勢の人が殺されるか、あんなグロテノス見たいな怪物にされてしまうって、マークさん言っていたし・・・ それにあのアポリス 世界征服が狙いだって・・・ だから思ったの 今クヨクヨしたって何も始まらない だから元気に生きようって 今明るく生きよう それに私には、無敵のヒーローが、私の事 絶対守るって・・・だから元気にならなきゃ そう思ったの・・・」
しかし浩司は、何も答えない。 
見かねてみなちっちは、「こりゃ・・・元気だせ!」と言いながら浩司の鼻を摘んだ。
そんな時だった。 カフェと歩行者専用道路を仕切る しやれた低い敷居の前に、例のプラカードを持つ男が現れた。 "滅びの時は近い 神を信じよ・・・" と文字が並んでいる。 プラカードを持つ男は浩司とみなっちの前に立ち深刻な表情を浮かべる浩司を覗き込んだ "まずい・・・" みなっちは慌てた しかし今日の浩司は、まるで無反応である 左手で、犬などを遠ざける為によくやる "しっしっ・・・" のポーズを取るだけで、まるで相手にしない。 一安心と思ったらそうではない プラカードを持つ男が絡む様な事を言い出した。
「何を悩んでおられるのですか? 迷える子羊よ マークじいさんは、あなたを決して見捨てはしない。 あなたは、マークじいさんを信じますか?」
浩司の顔つきが一瞬変わった。 みなっちは、きょとんとしている。 浩司は男の顔を見た。 マークじいさんではない。 40代後半の男だ 男は、浩司とみなっちの顔を見て、片目をつぶりウインクして見せた。
「だれだ?」 浩司は聞いた。 今の浩司は、瞬時に相手の殺気や相手がグロテノスなのかどうかなどの見分けがついた。 レジェンスとの融合が、あらゆる面で、浩司を変えてきている。 目の前の男は、殺気も無く 他だの人間に過ぎない。
「実は、マークじいさんの仲間の使いとして来ました。 是非 お会いしていただきたいお方がいらっしゃいます」 男はうやむやしく答えた。

浩司とみなっちは、車を降りた そこは街外れにあるC宗教の大きな教会の正面の扉の前であった。 周囲は、のどかな田園風景が広がっている。
ここへ来る前 浩司は、2〜3言 男とヒソヒソ話をした。 みなっちには、聞こえない。
突然 「行って来る」と浩司は言い出した。 みなっちは、「大丈夫なの?」 と心配したが、浩司は、「敵(アポリス)じゃない ここで待っていてくれ・・・」と言いながら席を立った。
「うんー 全くもうー・・・ さっきまであんなに深刻に思い詰めていたのに、何よ・・・!! あの変心振り!! 心配して上げた私の気持ちは何だったのよ・・・ 何!! ヒソヒソ話 このみなっち様を何と心得ているんじゃわい・・・!!」 みなっちは立ち上がり腰に手をあて 顔を膨らまかした。 すぐある事に気づいた。 「私も置いていかないで・・・」 慌てて浩司の後を追った。
浩司とみなっちは、男が乗ってきた4ドア高級セダンの後部座席に座り ここまで案内された。
浩司は、C宗教の教会を見るなり 瞬時に顔が引きずり フリーズしてしまった。 名をうっての無神論者で、宗教嫌い、神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)説を取る浩司である。 "秘密のアジトで話を・・・"でついて来たのだが、まさか教会だとは、夢にも思っていなかった。
その表情を見て、みなっちは、何か? 企んでいる様な妙な笑みを浮かべる 「グ・ヒ・ヒ・ヒ・・・チャ〜ンス・・・」 だれにも聞こえぬよう小声でつぶやいた。
過去 みなっちが自分の通うC宗教の教会のミサに何度も浩司を連れて来たが、浩司は、門の近くで、"ここで待っている"と言って教会の敷地内に、1度も入った事が無かった。 待っている浩司の足元には、たばこの吸殻が積みあがっていたのは言うまでもない。 この心境は、何年も前 26歳の若さで、生きる事と強制的に別航路に変えさせられた天才ロック シンガー ソング ライターと同じであった。 彼も言い寄ってきた女性アイドルが、みなっちと同じC宗教の信者であるが、別の1派 カルト教のM宗派の熱心な信者で、(この宗派は、以前から問題の多いカルト教宗派として知られる) 何度も彼を誘い自分の信じるM宗派の教会のミサに連れて来たが、彼は、1歩たりとも門から中へと進んだ事がなかった。 浩司も彼と同じ 神の教えとか何とかで、一定の枠内で思考を遮断してしまう事を何よりも嫌っていた。 2人に共通するのが、枠からの離脱であり自由な思考である。 教会の敷地に入る自体 自己の全てを否定しまうことに他ならなかった。 浩司は、彼の大ファンでもあった。 2人の間には、幾つかの共通点があり それに魅かれていた。
男は、丁重に教会の門から敷地内へと手招きしている。 みなっちは、浩司の左腕を掴み強引に連れ込もうとしいるが、しかし浩司は、微動だにしない。 何を言っても聞かない。
「こんな所へ入ったら俺は死ぬ・・・ ???=表記不能(万物をしろしめす全ての神々を声高に呪って罵倒し 悪口の言葉を並べ 今置かれている状況を大げさに嘆く=何故か? こう言う時に限って急に信仰心?に目覚め信じ深くなる・・・?)」 などとうそぶく、まるで駄々っ子である。 "えい、えい・・・どこが信仰心に目覚めたじゃわーい!! (怒)" (みなっち談)
「RAmen(ラーメン)・・・」 浩司は呟いた。 アーメンではありません RAmen(ラーメン)です。 空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(Flying Spaghetti Monsterism, FSMism, フライング・スパゲッティ・モンスター教, パスタファリアニズム, スパモン教)のノリです。
ちなみに浩司は、れきっとした筋金入りの無神論者で、無宗教で、極度の宗教嫌いです。 悪しからず・・・
そんな浩司に、みなっちの我慢は限界を超え "切れた" 遂に、とっておきの必殺、究極の大技の捨てゼリフを言い放っ瞬間がやってきた。
浩司が、最も恐れている一言である。
満を持してタイミングを見計らい 遂に必殺、究極の大技の捨てゼリフを大声で言い放った。
「もうー成田離婚だー・・・!!」
一瞬の静寂が、周囲を支配する。
浩司の顔が見る見る青ざめ 心臓の鼓動が早くなり 額には大粒の汗がにじみ 恐怖で顔が引きずる。 さすがの浩司もこの一言は効いた ようやく恐る恐る牛歩で歩み始める。
みなっちは、勝ち誇った。 "ちょろいものよ" と言う妙な笑みを浮かべる。
"ふん・ふん・ふん・・・ このみなっち様に、勝つなど、おぬしには不可能じゃわい・・・" 内心 いつもの勝利に酔いしれた。
みなっちは、浩司との口喧嘩(単なる痴話喧嘩? 単なるオノロケ? 単なるじゃれ合い? いつもの夫婦喧嘩? と言う各諸説もあり・・・?)で、今だに負けを知らない、常に一方的にやり込め圧勝 連戦連勝、常勝不敗、無敵、不滅の神話、伝説を誇る。 新たな勝利の歴史に、1ページが書き加えられた。
浩司は、みなっちに以外 他の女性に相手されないのだ みなっちに捨てられては、惨めな男やもめの人生しか残らない。
「全くもうー 世話のやける・・・」 少しでも歩みを速めようと強引に引っ張るみなっちであった。
「みなっち様 お許しを・・・ 後慈悲を・・・ みなっちのお代官様 お命だけはお助けを・・・ 拷問、暴力、脅迫反対〜!! DV(ドメスティック バイオレンス)だ!! LOVE&PEACE!! (愛と平和を・・・=ビートルズの故ジョン・レノンが残した有名なセリフ)」 浩司の空しい叫びが木霊する。 この場に及んでまだ諦めの悪い浩司であった。
一瞬 みなっちの鋭い眼光が光る 「何か言った・・・!!」 ドスの効いた凄みのある声だ。  急に両肩を落としうつむくと 更にみなっちは強引に浩司を引っ張った。
宗派は違うが、素朴な信者のみなっちに取っては、教会は、いごごちの良い場所であった。 神によって心が洗われる思いである。 教会が醸し出す独特の神聖な雰囲気も好きであった。
しかし浩司に取っては、自己の存在の否定であり 地獄の方が遥かにマシと思えるような場所にしか映らない。 他だし 態度とは裏腹に、周囲を瞬時に観察していた。 "うさん臭い場所(教会)だなあー"と思った。 壁や木々の間には、高性能カメラや赤外線探知機などの各種センサーが隠され監視しているのを すぐ見抜いていた。 途中すれ違った修行僧の服の下にも 危ないおもちゃ(武器)などを所持しているのも すぐに気づいた。
礼拝堂の扉が開かれた。 内部へと案内される。 みなっちに取って勝利の瞬間であり 満足に酔いしれた。 遂に宗派こそ違うが、浩司を礼拝堂の中へと連れ込めたのだ これで、神父様のお導きで、あの忌々しい壊滅的性格(無神論、神様を宇宙人だとほざく・・・その他) 少しは良くなるだろうと期待があった。
正面の像の前では、1人の男が膝まつき神に対する祈りを捧げていた。
「ピエール神父様 お連れしました」 ここまで案内した男が言うと、ピエール神父と呼ばれた男が立ち上がり振り向いた。 50代中盤であろうか? コーカソイドの男である。
身長は、およそ180cmを超えているだろう。 ルックスは、ハリウッドの大スター アル・パチーノ風のちょっとニヒルで渋めのナイスダンディ。 体型も余分な贅肉は全てそぎ落とされ鍛え抜かれた鋼のようなスポーツマンタイプであるのがすぐにわかる。
みなっちの口元から思わずため息がもれそうになった。 恋人の浩司とは、天地以上の大違いである。
"どうーせ どうーせ 俺なんか・・・ふ〜んだ・・・ イジけてやる・・・ イジ、イジ、イジ・・・" (浩司談)
"何をイジけているんだ!! (怒)" (みなっち談) ・・・とまあー2人の間のアイコンタクトによる会話。 (いつものノロケです)
「ご苦労様でした。 川村 もう下がってよろしいですよ」 完璧な日本語で答えると 案内した男は、礼拝堂を後にした。
「ようこそ 初めまして、私がピエールと言う者です」 神父は軽く微笑んだ。
その表情は、自信に満ち溢れている。 選り抜きのスーパーエリートそのものであった。
みなっちは、慌てて膝まつき頭を下げ両手を合わせ 目を閉じた 祈りのポーズである。 「神父様 今 私の隣にいる者 神様のお導きにより あの忌々しい壊滅的性格 お直しいただけないでしょうか?」
浩司は、両手を少し上げ 呆れた表情を見せる。
神父は、みなっちの前に立ち 「今 その件につきましては、後程と言う事で、それより大事なお話を先にしなければなりません。 さあー顔をお上げなさい」 やさしく微笑んだ。
腕を組み ただ見ている浩司の方を振り向いた神父は、「こちらへ お2人共」と言いながら この場を後にした。 神父の後をついて歩く2人だが、途中 一部屋で、僅かにドアの開いた隙間を 浩司は見逃さなかった。 "やれやれ・・・またここにも危ないおもちゃ(強力な小火器類)がいっぱい・・・ M16A2アサルトライフル+M203 40mmグレネードランチャー標準装備タイプ、UZI、ベレッタM92、ショットガン、ガトリクグ砲 「Painless gun=無痛ガン」 XM134、M60、HK94、AK47・・・はやはや・・・" 多数の武器、弾薬が整然と並べられていた。 間違いなく武器弾薬庫である。 それも下手な軍事施設顔負けの充実振り。 浩司は、高校時代 クラスメートの1人に、ガンマニア・・・いやオタクとでも言えるのが1人いて、この方面で、洗脳されていた。 この種の武器の名前、性能、使い方をよく知っている。 "ケンカ(戦争)でも おっ始める気かね・・・" 少々呆れた。
神父は執務室へと案内した。 浩司とみなっちは、言われるがままに、3人掛けのソファーに座った。 神父は、浩司の左側の1人掛けのソファーに座る。
「改めて 私は、マーク氏と同じくヤーナに属します。 和田 浩司さん、幸田 美那美さん、お初にお会い出来て光栄です」 神父は丁重に言った。
「ここに呼び出した理由 聞かせてもらおうじゃないか? あんな甘い話に乗って来たと思われては困るしね。 それに、ここは、物騒なおもちゃ(強力な小火器類)だらけ とてもまともな教会には思えない」 浩司は、鋭い目つきで、神父を見た。
「まあー そんな強い目つきで睨まなくても・・・」 神父は、困った顔をした。
「大体 察しはついているよ マークじいさんの組織 裏で操っているんだろう? マークじいさんの組織の規模では、あんなに武器、資金、情報、その他 用意出来るはずが無い 大きな世界的規模のネットワークを持つ組織がバックにいなければ、不可能だよ」 浩司は、思っていた事を話した。
「そこまでお見通しでしたか」 神父は、何かのスイッチを押すと 窓のカーテンが自動的に閉じ 神父の正面の壁が大きくスライドした。 そこからは、大きなマルチディスプレイ画面が現れ そして神父の前のテーブルも1部スライドし 下からは、キーボードとマウスが上がってきた。 ちょっとした秘密基地の中央作戦司令部の模様である。 みなっちは、唖然とした。 浩司は、ただ呆れている。
「全て お話しましょう。 その前に一つだけ訂正していただきたい。 それは、我々は、マーク氏の組織を裏で操っていはいません。 同盟関係、いや同志と言う方が適切でしょう」 神父は1度 咳払いをし浩司の顔を見て また話し始めた。
「我々は、C宗教に属しますが、非主流派の中の少数派にしか過ぎません。 しかしご指摘の通り世界的規模のネットワークを持ち 裏では、悪魔崇拝、黒魔術などと戦ってきました。 今から数10年前の出来事です、1人の人物が、我々に助けを求めてきたのです。 そう 元島民の者でした。 失われた古代文字の解読の手助けをして欲しいと言う内容でした。 そして元島民の組織と接触を図り合同で研究を始めたのです。 そして数年後 1部の解読に成功しました」 神父は、マウスを動かし キーを幾つか押した。 ディスプレイ画面には、破損したディスクのような金属板が何枚も映し出された。 神父は続けた。 「元島民は、ディスクから文字などを呼び出すのは成功したのですが、文字の解読には成功していませんでした。 我々の宗教団体は、ご存知の通り歴史も古く 数多くの古代から伝わる文字、文献など多数 極秘に所蔵しています。 国家で言う最高機密文書に相当します。 決して表には出ません。 その中の1番古い文字がヒントとなり1部解読に成功しました」
「そのなかに、アピリムに関する記述があった・・・」 浩司は、マークから聞いた話を出した。
「おっしゃる通りです。 この辺は、マーク氏から お話しを聞かされていると思いますので省略させていただきます」  神父は、立ち上がり また話始めた。 「マーク氏から聞かされていると思いますが、我々の信じる神々は、宇宙人です」
ここまで、黙って聞いていたみなっちは、この言葉に少なからずショックを受けた。 まさか神父まで、神が宇宙人だと言うとは夢にも思っていなかった。 それに、神と一人称で呼ばず、神々と多人称で呼んだ事である。 「ねえ 神父様 神様は、一神のはず?」 みなっちは、口を挟んだ。
それを見て神父は、やさしく微笑み 「一神ですよ、複数が一つの神となっておられますから・・・」
浩司には、ただの屁理屈に聞こえた。 「神は、我々(神々)に似せて人を作った・・・」 小声で言った。 お得意の皮肉である。 旧約聖書 創世記 第一章 天地創造 第6日目の有名な一説で一神を主張する C宗教を含む複数の宗教の経典である 旧約聖書の中にでさえ神は、唯一絶対の一神ではなく神々と複数存在すると はっきり述べている。 "エロヒム" 旧約、新約両聖書で、神々を表す言葉で、古代ヘブライ語で、"天空から降りてきた人々"と言う意味である。 つまりはっきりと複数存在する事を認めている。 それと天空 つまり宇宙 地球圏外から来たと言う事も 人々 つまり我々人類同様 ヒューマノイドタイプである事も・・・
それに神々は軍隊並みの階層、階級の完全ピラミッド構造の組織システムを築き上げている。 下級神は、後に天使と訳されているだけで、神々の一員なのだが、1部の下級神は、地球上に降り立ち 我々地球人類の女性で、気に入った女性を見つけると 娶り妻とし 子供(ネピリムと呼ばれる半神人である。 北欧神話などの影響か?、後に、全く見当違いの巨人族と違訳されてしまっているが、[巨人族に関しては、近年 中南米の某遺跡群から 成人男子で、約3〜3.5mを超える巨人族の遺骨が、数体以上発見され、DNAの異常による巨人化ではなく、巨人族が集団で、生活していた痕跡も見つかっている。 他にもメキシコ プエブラ州とベラクルス州の境で発見された 今から数千年前の先史時代の遺跡には、頭蓋骨の大きさが現代人の約2倍で、推定身長は、約3.5m 同時に発見された石器などもこの身長サイズに合わせた物だ。 南アフリカで発見された人間の足跡など、驚くべき事に、サイズは、約1.3mもある。  この足跡は、化石化しており 今から数百万年の巨人族の足跡化石だと言われている。 推定身長は、8mを超えるであろう。 これらを理由に、一概に違訳とは、言い切れなくなっているが、他だしこの巨人族が、ネピリムか? については、時代が違い過ぎる ネピリムの時代は、今から約1万2000年以上前だと推測されているが、今から約数万年以降の時代である。 関連性は無いと思われる] 実は、神々と人間のハーフである)まで作っている。 神々とは、霊的だか何だか知らないが、そんなありもしない存在ではなく 原子の集合体で肉体を持ち 我々人類と同じDNA構造で、いや浩司に言わせれば、人類が同じDNA構造に改造されたに過ぎないが、地球圏外の高度テクノロジーを誇る 知的生命体の集団にしか過ぎない。 浩司の言う 神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)説の根拠及び基本の1つである。
そんな浩司の言葉を遮るように、「それに、神様が宇宙人だなんて・・・?」 みなっちは、信じられない表情で続けざま質問した。
「それは、今からお話しますが、神々は、宇宙人であっても 我々をお作りになり、お導きになる偉大な存在です。 私の信仰心は、決して揺るぎません」 神父は力強く言った。 「神々は、遥か昔 この地球に現れ 我々を神々の下僕(しもべ)となるべきお作りになられました。 そして、アピリムは、神々を守る戦士として作られたのです。 しかしアピリムは、その力に溺れ過信し神々に対して反逆したのです。 その結果 アピリムは、神々の御手により封印されました」
「そして、今から約150年前 ギルとか言う男に封印を解かれた」 浩司は、またマークから聞かされた話をした。 収穫もあった。 アピリムが何故 封印されたのか、マークから何も聞かされていなかった。 と言うよりもゴタゴタで、聞きそびれていた。 神父の話を半分としても アピリムが、神々=エルに反逆したのは、事実であると思った。
"それにしても、一つの物事に対して、見る角度、主観などが違うだけで、こんなに違うものなのか・・・ マークじいさんは、アピリムを神々=エルによって開発された目的不明の生体兵器 神父は、神々を守る戦士とは・・・" 呆れ返る浩司であった。 皮肉家としての頭脳が活発に活動を開始し始めた。 他だし声に出さず、内心うそぶいているだけであっが・・・
「アピリムこそ 神々に敵対する悪魔そのものです。 この衝撃的内容を知った我々は、アピリムを倒すべき 共同行動を取る事に同意 我々は、元島民にあらゆる援助を惜しみませんでした。 これは神々が我々に与えた試練です」 神父の声にますます力が入ってきた。
「浩司さん あなたはこの試練に立ち向かうべき神々によって選ばれた戦士です」 "おやおや 巧言令色によるお得意の選民思想" 浩司は心で笑った。 厚顔無恥もはなはなしい。
「あなたのその能力は、神々により授かった戦士の力です。 我々は互いに手を取り合い アピリム率いる悪魔の軍団を倒そうではありませんか?」 神父は最高潮に達した。
"よくぞ・・・ 恥ずかしくもなくこんなセリフを言えるものだ"と変に感心した。 "人間 恥と言うものを知らなければ・・・" 浩司は内心そう思った。
しかし浩司は、冷ややかに答えた。 「悪いが、答えはマークじいさんにも言ったように、ノーだ」
「何故です!!」 神父は、浩司の前のテーブルを思い切り両手で叩いた。 唖然とするみなっち 浩司は冷ややかに神父を見ている。 神父はすぐ我に返った。 「申し訳ない つい私とした事がつい興奮してしまった」 すぐに謝罪した。
「別に いいですよ・・・」 浩司は、冷静であった。 「ピエール神父さん 信じてもらえないだろうと思うけど、俺の能力、エネルギーは、あなた方が言う 神々=エルから授かった物ではない。 ある偶然の産物だよ」 
「それこそ 神々のおぼしめしではないのですか? それに神々から授かった能力でなければ、どこから授かったのですか?」 神父は、納得のいかない表情であった。
「説明が難しいが、気まぐれみたいなものさ・・・」 浩司の本音であったが、神父には、皮肉としか聞こえない。
「それに・・・」 浩司は、話を変えたかった。 この能力、エネルギーは、浩司が望んで得た物でも、努力で身に着けたものでもはない。
かなり違和感を持っていた。 それに、宗教じみた話に嫌気がさしていた 早くこの場から去りたかった。 「ネクストノイドとは言え 人間だ・・・ 殺しなど、もう2度と出来ない・・・」
「いや ネクストノイドは、悪魔に魂を売った者です。 神々の御手に返し 神々の裁きを受けるべき存在です」 神父は、浩司の話を遮った 是が非でも仲間に入れたい様子である。
「全て殺してしまえ・・・と言う事だろう」 浩司は、手っ取り早く噛み砕いた言い方をした。
神父は、「それは、悪魔に魂を売った者の当然の結果です」 はっきりと言い切った。
2人の話は、平行線をたどるばかりである。 決して交わる事の無い 水と油。 神父は、唯一絶対の神々の下での正義と平和の実現であり 勧善懲悪を信じる者とそうでない者。
浩司の持論は、"人間の歴史にハルマゲドン(絶対善と絶対悪)の戦いなどなかった。 あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である。 一方的な侵略戦争の場合ですら 侵略する側は自分こそ正義だと信じていたものだ 戦争が絶えないのは それゆえんである。 人間が神々と正義と宗教を信じている限り 争いがなくなるはずがない。" (銀河英雄伝説 自由惑星同盟(フリープラネッツ)軍 ミラクル・ヤンこそヤン・ウェンリー元帥 語録参照 1部改め 田中 芳樹著)
ようするに浩司は、"正義など人それぞれの勝手な主観などで決まるものであり どこに基準点を置き どの方向を向くかだ。
唯一絶対の正義など存在しない" である。
浩司の辞書には、正義と言う文字は存在しない。 何が正義なのか? 浩司には理解出来ない・・・。
旧約聖書の中にさえ、神々の犯した極悪非道ぶりを知る浩司である。
もし神々が、唯一絶対の正義ならば、この点について、どう釈明するのか?
その良い一例が、有名なノアの方舟伝説 もしくは、大洪水(ギルガメシュ叙事詩が、原典とも言われる・・・)の中でさえ "ノア一族以外の人類を抹消したのは、悪魔でなく神々だ。 これに限らず 一神教(全宗教)の神話、伝説は、悪魔でなく神々こそが、恐怖、暴力によって 人類を支配しようとする事実を証明している。" (銀河英雄伝説 自由惑星同盟(フリープラネッツ)軍 マジシャン・ヤンこそヤン・ウェンリー元帥 語録参照 1部改め 田中 芳樹著)
この一件についても、どう釈明するのか? 聞いてみたいのだ。
"ちなみに、何故? 大洪水を起こしたかについては、地上に、ネピリム(神々と人間の女性の間に出来た半神人)が大増殖した為 ネピリムを一掃する為と言われているが、当然 結果として、全くかかわりの無い無関係な人間や、他の生命体まで抹殺されている。 たとえC宗教的考え方で、罪深き全人類を抹殺するにしても、何故? 全く無関係な他の動植物(1組のづつのペア除く)まで、全てを抹殺する必要性があったのか? "
この点について、どう釈明するのか、1度聞いていみたいのだ、全くかかわりの無い無関係な人間や、他の生命体まで何故抹殺したのか? これが神々の正義と言うならば、全くのナンセンス お笑い種でしかない。
ノアでさえ ネピリムなのだが・・・ ノアは、先祖代々上級神のネピリムにつき救われたと言う事であるらしい・・・?
何故? ネピリム一掃に乗り出したか? ネピリムは、下級神とは言え神々=EBE's(地球圏外知的生命体)を父親に持つ子として、やがて周辺地域の族長もしくは、王として、君臨 都市国家を建設 下級神とは言え神々=EBE's(地球圏外知的生命体)の庇護の下 神々の勢力、覇権争いに、都市国家も巻き込まれ、戦争が各地で起きた その時 当時の英雄と謳われたネピリム(神々と人間の女性の間に出来た半神人)である族長もしくは、王と呼ばれる人々に寄与され使用された兵器は、現在のハイテク兵器を遥かに凌駕する 超未来兵器と言うべきか? 超兵器を神々=EBE's(地球圏外知的生命体)から寄与され使用している。 まさに、神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の代理戦争が、地球上で勃発 使用された兵器類は、レーザー光線か? 各種エネルギー兵器、超音波兵器、ミサイル兵器、核兵器など その他多数、トルコ共和国アナトリア高原にある奇岩と謎の地下都市群(古代核シエルターの可能性が否定出来ない)で、有名なカッパドキア、古代謎のヒッタイト帝国の首都で、原因不明の瞬時の非常な高温で、滅亡したとされるハットゥシャ遺跡 北アフリカ サハラ砂漠中央部 宇宙人と思われる壁画で有名な溶解都市遺跡タッシリ・ナジェール 現在パキスタン国領内ある 有名な謎の計画都市遺跡 ガラス化した死の町 モヘンジョ・ダロ。 ブラジル ビアウイ州のセテ・シダデス(7つの町)と呼ばれる遺跡群などは、核兵器使用で滅亡した証拠だとされ 他にも世界各地に多数存在している。 詳しくは、インドの古代BA宗教(B宗教、H宗教の原典と言われる・・・)の世界最古の経典もしくは、根本聖典と言われる リグ・ヴェーダ リグ・ヴェーダの後の時代と言う 2大叙事詩 マハーバーラタ、ラーマーヤナなどに詳しく書いてある。 他だし非常に難解な古代サンスクリット語で、現在の水準では、翻訳、解読がほとんど不可能だが・・・ 出てくる数々の超兵器は、現在最新のハイテク兵器を遥かに凌駕している。
やがて、その刃を上級神に向けた為、上級神は、圧倒的軍事力を背景に、下級神を捕らえもしくは抹殺し 戦争終結を図り 地球上で繁殖したネピリムを地球規模の大洪水で一掃しようとしたらしい・・・
これでもネピリムを一掃できた理由ではない、その後も少数ながら誕生している。 その一例が、C宗教の最大の預言者で、地上の王、神々の子、メシア(救世主)と崇める大工の息子Yだ。 聖母と呼ばれる母親のMは、馬小屋で、処女でありながらYを身ごもり出産しているが、禁断の聖書外伝の1つには、東洋の3博士(カスパー、メルキオール、バルタザール)を出産現場に導いたと言う光の物体(現在1部C宗教の神父でさえ、この物体をUFOと認め、このシーン描いた1部有名な宗教画でさえ、この物体をUFOとしか思えない構図で描かれている)が、約10ヶ月前に、聖母Mをアブダクション(誘拐)し現在のテクノロジーでも可能な体外受精(父親になる神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の1体のDNAを体外受精させる)させ誕生させと書いてある。
現在であるならば、タブロイド系のマスコミ(パパラッチ)のいいターゲット(餌食)になったが・・・ 私は宇宙人の子を身ごもったと・・・
原因を作ったのは、地球人類ではなく神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)だ。 神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の代理戦争に加担させられ そのとばっちりを受けた被害者に過ぎない。
他だし先祖代々上級神のネピリムであるノア一族は、上級神のエコひいき(自分の子や子孫)である為 救われた それだけの理由だ。
こんな神々だか何だか知らないが、身勝手極まりないものの為の正義?の実現の為の戦士など 虫唾が沸いてしまう。
特に、自然淘汰に任せず、勝手に人工的にDNAを操作し 勝手に、教えだか? 経典だか? 何だか知らないものを 押し付け 従わない者には、恐怖と暴力によって、粛清し、支配しようとする事に、強く反発していた。
そんな神々=EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)を 尊敬も信仰すらする気などない、逆に軽蔑の対象ぐらいにしか思っていない。 浩司の宗教嫌いで、無神論の原因の1つである。"
だからこそ、神々、宗教を信じ盲目的に、教えとか? 何だか知らないものを 忠実に実行しょうとする者が、このような愚劣な蛮行を起すのだと思っている。
神々と正義の名の下にいったい何人もの人々が殺されたのか、数えてみろ!! 浩司の本音である。 下らない理由の為に過去から現在まで多数の人々が殺され続けている。 全て歴史が証明している。
中世のヨーロッパで盛んに行われていた "魔女狩り" などほんの一例に過ぎない。
16世紀 黄金財宝を求めアメリカ大陸に渡ったC宗教の熱心な信者、宣教師など言語道断だ、野蛮な未開人(はたしてどちらが野蛮な未開人?)への布教の名の下 当時アメリカ大陸に住んでいた住民の文明、文化を根こそぎ破壊し C宗教的なものを強引に押し付け 改宗におおじた者は、保護区の名の下(実質強制収容所)に押し込め、おおじなかった者は、粛清し 黄金を始めあらゆる富を奪い去っていった。
歴史上 これ程大がかりで、効率的、侵略は余り例を見ない。 当時あった秀れた文明、文化まで徹底的破壊尽くし、抹消するなど・・・
戦争の大半は宗教戦争だ。 自分達の信じる宗教、神々が唯一絶対であり、他の宗教は、邪神、邪教もしくは、悪魔と見なされ、弾圧、浄化、粛清の対象とし、存在そのものを認めない極端な閉鎖性にも問題がある。 自分達だけが、神々に選ばれたと思い上がる "選民思想" など、その典型だ。
教えだか? 経典だか? 何だか知らないもの以外の考えを認めようとせず、そのような考えを述べると "神々のバチが当たる"と言うのは、その典型だ。 一定の範囲内で、思考を遮断してしまい、その狭い範囲内での思考のみしか認めない 完璧なまでのマインドコントロール(洗脳、もしくは精神支配)だ。 核兵器を中心とした、大量破壊兵器よりも更にタチが悪い。
他だし支配者に取ってこれほど使い勝手のよい便利な道具はない。
相手の思考パターン全てを宗教の、教義、経典などの狭い限られた範囲内でしか考えられないようにすれば、簡単に精神、思考パターンを支配しコントロール出来る。
いわゆる刷り込みである。 相手の深層心理に、唯一絶対の教祖などと称する者への徹底的個人崇拝、教義なり経典なりを刷り込んでしまい それ以外の思考を考えられなくさせてしまえば後は思い通りコントロール出来る。
典型的な例として、超カルト宗教である K、K宗教の教義では、進化論が無神論に加担するものであるとし、ダーウィンは「人びとを無神論に導いた罪」を反省し無間地獄に落ちていると・・・などと言う恐怖による脅しをつけ、信者の精神、思考の自由などを奪い、教義などと言う狭い限られた範囲内での精神、思考しか認めない、完全、完璧なまでのマインドコントロール(洗脳、もしくは精神支配)で、信者をその支配、管理下に置いている。
この手のやり方は、宗教、神々などという物が出来て以来の常套手段で、古今東西数千年もの長きに渡って飽きもせず このオンリーワンパターンが脈々と繰り返されている。
何も変化も進歩も進化もせず・・・
(特に悪質な典型例として、日本国内の史上最強にして最大級の超カルト宗教S学会宗教など言語道断だ。
数々の言論弾圧を始め 公権力、公安組織、法曹界、報道機関・・・ その他 各部門入り込み その巨大な影響力を行使 各種トラブルなどの大問題を引き起こしている。
各種犯罪率、犯罪者数は、抜き出ていると言う調査報告も存在する。
それすら巨大な影響力を行使し 特権地位を利用し証拠の隠滅、捏造、偽装などの各種隠蔽工作やりたい放題・・・
特に欧米諸国では、超カルト宗教と認定 その巨大な影響力の排除に乗り出していると言う・・・
全ての人々が、S学会宗教の信者になり同じ考えを持てば、真の世界平和が実現するなど・・・ 嘯いているから もはや手の施しようがない 典型的超カルト宗教集団。
多数の信者は、教祖などと称する者に、マインドコントロール(洗脳、もしくは精神支配)された只のマリオネット(操り人形)にしか過ぎない。
宗教そのものが、全てカルト宗教としての素地を持ち 表裏一体の関係でしかない 用は運用の仕方次第にしか過ぎない・・・
宗教から カルト宗教的なものを取り除く事自体 宗教そのものの本質を自ら否定しまう事にほかならない。)
バカも休み、休みやれと言いたい気分だ。
そんなに人を殺したければ、まず自分自身を殺せ!! その方が文明、環境、人類全ての為だ!! そう言いたい気分だ。 神々の教え何だか知らないが、勝手に他人の生命を奪っておいて、神々の慈悲だか何だか知らないが、その中で、自己を正当化する無責任さや 全て神々のおぼしめしなどと言う 親方 日の丸、会社ならぬ神々と言う考えの自己責任の放棄、無さなど 何よりも嫌っていた。
神々とか言うものの教えだか何だか知らないが、その一定の枠の中でしか思考を巡らせられない者など、軽蔑の対象でしかない。 他だし浩司の場合は、度が過ぎるが・・・
浩司の宗教嫌いの一端である。
争い、戦争など決して好まない こんなものただの大量殺人としか見ていない 反戦主義者でもあった。
浩司は、ただ恋人のみなっちとの平凡で、ささやかな人生を強く望んでいた。 こんな背負いきれないような大問題に携わりたくなかった。 巻き込まれたくなかった。 興味こそあったが・・・。
望む、望まないは別として、結局 現在巻き込まれ もがき苦しんでいる。
基本的に、浩司と神父の間には、主観、理念などが全く異なっており お互い受け入れられない。 この事が後に、大きな痛恨を残す事になる。
そんな時だった けたたましいサイレンの音が鳴り響く だれでも解る異常を知らせる警告音だ。
教会内にいた全ての人は、浩司が瞬時に見抜いた武器庫へ入ると、各々武器を手に所定の配置へと向かって行く。 2人の口論を聞いていたみなっちも けたたましいサイレンに不安な表情こそ浮かべたが、少しは場慣れしてきたのだろうか? 少し怯えた程度であった。 神父は、口論を中断すると キーボードを操作 ディスプレイ画面をマルチに切り替えた。 スピーカーからは、「敵 襲来 大型トレーラー1台にて、こちらへ向かっています。 コンテナ内には、ネクストノイド・・・グロテノスが数体潜んでいると思われます。」
「総員戦闘配置につき次第、そのまま待機 攻撃されるまでこちらから先に撃つな!!」 神父からの命令が飛んだ。
周囲は、田園に囲まれているとは言え、民家が点在する。 今ここでは、戦闘は起せない。
「やつら(アポリス)のマンハンティング(人狩り)ですよ。 我々のアジトを見つけると 狩りを楽しむようにやってくる。 普通 深夜などにやってきて、1〜2人を捕らえ連れてゆくのですが、こんな昼間から大型トレーラーで、堂々と来るのは初めてですよ。 まだ やつら(アポリス)だって、正体を公したくないはず・・・。」 神父は、浩司とみなっちに説明した。
大型トレーラーが、正面の門の前に横付けに止まった。 神父の予想通り コンテナから人が出てきた。 数は運転手を含めて5人 まだ変身していない。 他だし服装には、浩司もみなっちも見覚えがある 例の戦闘服である。 手には武器は所持していないが、間違いなくアポリスの兵士であった。
"グロテノス・・・ それも前回より強化されている。" 浩司はそう感じた。
門を開け堂々と教会の敷地内に入ってきた。 先頭の男が、周囲を一遍し叫んだ。 「ピエール神父 出てきてもらおう!! ここにいるのは分かっている。」
そう言い終わると指を鳴らした。 何かの合図だろう するとトレーラーのコンテナからもう2人の男が出てきた。 1人は身体を紐で結ばれよろよろと歩いている。 後ろの兵士は、何度もその男を蹴り飛ばしている。 人質だ 人質は、全身傷だらけである。 拷問を受けた後だ。 人質は、先頭の兵士の突き出された。 前のめりに倒れた。
「こいつが全てを吐いた。 それにその辺に隠れているやつら そんな武器(おもちゃ)は、我々に通用しないぞ!!」 先頭の兵士は、前のめりに倒れ込んでいる人質の頭の髪を掴み強引に持ち上げた。
「ヨセフ・小田・・・」 一部始終をモニター画面で見ていた神父の口から言葉が漏れた。
「す・・・すみません ピエール神父・・・」 ヨセフ・小田は消え入りそうな小声で言った。 もう先は長くない様子である。
それを見て、神父は部屋から出ようとした所を 浩司が止めた。 「ピエール神父さん あなたが行っても あなたが捕らえられられ 残りの人も皆殺しにされるだけだ」
「止めても無駄です。 仲間を見殺しにすることは、神々の教えに反します」 神父の手がドアのノブに掛かった。
浩司は立ち上がり両腕を組んだ。 「変わりに俺が行こう・・・」
神父は振り返った。 「ようやく目覚め神の戦士として私達を助けて下さるのですね」 神父の顔は綻びた。
「勘違いしないでくれ このままじゃ彼女まで巻き込まれる」 浩司はみなっちを見た。 「俺がやつらを引き付ける その間に彼女を連れて逃げてくれ」
「嫌よ 私も一緒に行く!!」 みなっちは抗議した。 浩司に置いていかれたくなかった。
「だめだ!!」 浩司は却下した。 みなっちは顔を膨らまし怒った顔を見せた。 浩司は、そんなみなっちを無視した。 みなっちがいては足手まといになるだけである。 神父の方を振り返り 「ここでは、近くにいくつかの民家があって戦えない。 どこか広くて人のいない場所はないか?」 浩司が尋ねると 神父は瞬時に考え ある方向を示した。 「この方向で、数km先に死火山がある あそこなら大丈夫でしょう 今 落石事故などで、死火山一帯は立ち入り禁止になっています」 神父はポケットから車のキーを取り出した。 「これを使ったまえ」 浩司に手渡そうとした。
「いらないよ 自分で走った方が速い」 心配するみなっちに、 「大丈夫 すぐ戻る 他だし殺しはしない しばらく眠ってもらうだけだよ・・・」 そう言い残すと浩司は部屋から出た。
あれ程 戦う事を拒否しながら自ら戦いの場へ向かった。 人質を助けたいと言う思いもあった。 あんな武器(おもちゃ)では、相手に通用しない 戦えば死人の山が出来る みなっちにも危害が及ぶ まともに相手を出来るのは、浩司1人しかいなかった。 そんな思いが浩司を突き動かした。
結局 浩司はバカである。 バカに徹して生きてきた 今更人生は変えられない。 利口なら 無関係な争いに巻き込まれる前に、みなっちを連れて この場から逃げていただろう・・・。
「早く出てこないと こいつの命はないぜ!!」 兵士の声が飛んでいた。 礼拝堂の扉が開く音がした。 全ての視線がそこに集まる。
出てきたのは、ピエール神父ではなく浩司であった。 一瞬 兵士達は、あっけにとられたが、すぐ理解した。
「おやおや ピエールが現れたと思いきや あの超有名スーパースター(浩司)のお出ましとは・・・」

その場面を別の場所の巨大マルチディスプレイ画面で楽しんでいる人物がいた。 その昔 中国の歴代皇帝達が愛用した民族服を着る中国系の顔立ちの小柄な老人であった。 「ひゃひゃ ピエールのやつを捕まえようとしたら思わぬやつ(浩司)が出て来よったわい これは面白い ピエールなどの雑魚などどうでもよいわ やつ(浩司)を生きたままわしの元に連れてまいれ。」
「はっ 龍(ロン)様」 そうこの男は、龍(ロン)と呼ばれる8大将軍の1人である。 グロテノスなど比較にならない強力な戦闘力を持つデストロであり テレパシーによってグロテノスをコントロールする能力も持ち合わせている。 ギルに日本拠点基地の1つを明け渡したが、東アジア地域全てを明け渡したわけではなかった。
ギルは、拠点の地下基地の1つを任され 研究、開発などに従事しているのに過ぎず、東アジア地域は、龍(ロン)の管轄である事には変わりはなく 前回 マークのアジトの一件など、龍(ロン)に言わせれば越権行為に他ならない。 ギルの報告で、アポリス全体に浩司の存在は知れ渡っていた。 他だし要注意人物の1人であり 旧人類(ホモサピエンス サピエンス)の1人でありながら 未知のエネルギーを利用し ネクストノイド・・・いや変身した2体のグロテノスを倒した男として・・・ 龍(ロン)は、浩司に只ならぬ興味を抱いていた。
ここは、日本の本土の近くにある某無人島で。かなりの大きさを持つ。 所有者は、例の世界的超巨大グループ企業の1つとなっていたが、地下を含む島の至る所で、アポリスの秘密研究施設を点在していた。 表向きは、例の世界的超巨大グループ企業の社員の為の保養施設となっていたが、実態は、アポリス極東方面日本支部の最重要拠点であった。
そして、メインは、全て地下に巨大な軍事及び研究施設が造られていた。
「いや わしから直接指令を出す」 龍(ロン)は目を閉じテレパシーを発した。

浩司は、数歩 前へ出ると立ち止まった。 「俺の名はキャラン・サンダンス 憶えてもらおう」 マンガのヒーローを演じて見せた。 かなりの芝居が入っている。 実は浩司は、この場で本名を言われたくなかった。 どうも抵抗感を感じていた。 そこで芸能人同様 芸名を考えたが、すぐに考えつくなど無理である。 その場で思いついたのが、別の宇宙にある小惑星の内部基地内で言われた この名であった。
内心 このまま他人を演じると 多重人格(メニー パーソナリティ)の始まり? と思っていた。
嫌な自分を自分の中で他の人格を作り上げ押し付けてしまうのだ。 それによってオリジナルの自分自身の人格を守ろうとする行為である。 あるきっかけで、別に作り上げた人格に乗っ取られてしまうのが、多重人格(メニー パーソナリティ)である。
"やれやれ・・・" 自分自身に呆れてしまった。
「何・・・キャラン・サンダンスだと カッコつけやがって!!」 先頭の隊長らしき兵士が叫んだ。
「キャランとでも 呼んでもらおう。」 浩司は言った。 これ以後 浩司は、みなっちや親しい友人、知人を除いて、キャランもしくは、キャラン・サンダンスと呼ばれるようになる。
キャラン(浩司)は、瞬時に戦闘モードに入った レジェンスの無限のエネルギーが身体を駆け巡る。
龍(ロン)からのテレパシーで、キャラン(浩司)捕獲に作戦変更した兵士達は、人質を蹴り飛ばすと じり・・・じり・・・と展開を始めた。 その表情は、これから始まる戦闘への喜びに満ちていた。
広く展開した 同時に3人の兵士がキャラン(浩司)に襲い掛かった。 キャラン(浩司)は、素早くジャンプし後方へ着地し振り返った。 余りの速さの為 兵士達は、一瞬 キャラン(浩司)が消えたと思ってしまった。
「どこを探してやがる ここだぜ」 キャラン(浩司)の声が兵士達り後ろかせ聞こえてきた。 慌てて声のする方へ振り返ると 腕を組み立っているキャラン(浩司)の姿があった。
「小ざかしいマネしゃがって・・・」 兵士の1人が吐き捨てた。
「付いてこられるものなら付いて来い!!」 キャラン(浩司)は、そう言い放つと 今度はゆっくりとジャンプし 教会の壁の向こうに消えた。
「生意気なやつめ・・・俺達の力を見くびるな!!」 兵士達はそう言い放つと 全員ジャンプし キャラン(浩司)の後を追って壁の向こうへと消えた。
壁の向こうでは、キャラン(浩司)が待ちくたびれた表情で待っていた。 それを見て兵士達は、激怒する。 追い討ちを掛けるように
、更に 「のろま!!」と罵声を浴びせ、神父の言った死火山に向かって走り出した。
「のろまだと・・・!!」 剥きになった兵士達は、キャラン(浩司)の後を追い全速で走り出した。
"しめた 全員ついてきやがる・・・" キャラン(浩司)は、内心うまく行きそうだと感じていた。
強化改造されたネクストノイド 変身前のグロテノスと言え やはりキャラン(浩司)とのスピード、ジャンプ力など比較すらならない差があり過ぎた。 変身前とは言えケタ外れスピード、パワーを持つグロテノス兵士が、あっと言う間に引き離れそうになった。
それを見てキャラン(浩司)は、慌ててスピードを落とした。 これでも相当手抜きをして走っているのに・・・である。 スピードを兵士達に合わせ 捕まりそうで、捕まらない距離を保ちながら 死火山へと誘い込んだ。
山頂外縁部に立ち止まると 6人の兵士達は、キャラン(浩司)を取り囲み じりっ じりっと間合いを詰める。 キャラン(浩司)は、ある事に気づいた。 自分自身これだけの距離を走ってきたのに、汗どころか、脈拍、呼吸も何一つ乱れていなかった。 "すごい能力、エネルギーだなあー" と思った。 それは、6人の兵士達も同様であった。 何一つ乱れていない。
「さあー どこからでも掛かって来な!! 変身しても無駄だけどなあー・・・」 珍しくキャラン(浩司)の方から挑発した。
後ろにいた兵士が、飛び掛った 避ける事無くキャラン(浩司)は、そのまま右肘を 飛び掛かって来た兵士のみぞうちに入れた。 兵士は両手でみぞうちを押さえ倒れ込んだ。
「次はだれだ?」 またキャラン(浩司)が挑発する。
今度は、キャラン(浩司)が仕掛けた。 瞬時に正面の兵士の背後に回りこむと 後頭部にチョップを食らわした。 兵士は両膝をつき前のめりに倒れ込んだ。
"お前さんも 大人しく眠ってもらうぜ!"
キャラン(浩司)は、すぐに振り返った。

モニター画面からこの戦いを見ていた 龍(ロン)はしきりに歯軋りしていた。 まるで勝負にならないのだ。 「何てやつだ!! だが今度は、簡単にいかないぞ・・・!!」 そう言い終わると またテレパシーを発した。

テレパシーを受信した兵士は、にや・・・と不適な笑みを浮かべた 一瞬 頭の額にあるネクスタルが、赤い光を放つと見る見る身体が変化を始めた。 グロテノスへの変身である。 キャラン(浩司)に倒され気絶していた2人の兵士達も みぞうちや後頭部を押さえながら立ち上がるり同様に変身を始めた。 "何て回復力だ・・・" ふっとキャラン(浩司)は思った。
この程度の攻撃 長い時間意識を失ってもらっては、生体兵器としての意味がない。
変身は瞬時終了した。 とかげに似たバルドスが2体 初めて対決した相手と同タイプである。 蜘蛛のように腕が6本あり 足が2本ある リアンズが2体 こちらは目撃した事があるが、初めて対決するタイプである。 そしてかぶと虫に似たバーカスが1体 最後にコンドルに似たガウルスが1体 両方とも初めて見るタイプである。
6体のグロテノスは、今までのタイプとは、少々違っていた。 外観こそ同じだが、パワー、スピード、耐久性・・・何よりも武器の面で、数段アップしていた。
龍(ロン)もまた独自にハイパータイプの研究をしていた その途中のプロトタイプ(試作体)で、この研究データを元にハイパータイプの完成へと向かう予定であった。 今回のピエール神父の誘拐計画は、その小手先レベルのテストを兼ねる予定であったが、キャラン(浩司)の思わぬ出現により 思っても見なかったフルパワーテストが行える条件が整ったのである。 他だし生きたまま龍(ロン)の前に連れて来るのが前提条件であったが・・・。
キャラン(浩司)は、何となく前回までのグロテノスとは、スピード、パワーなどの面で強化されていると感じていた。
グロテノスの戦闘能力を考えている隙に、左右後ろにいた2体のリアンズに先手を取られた。 6本の手から同時に白い蜘蛛の糸 スパイダーネットをキャラン(浩司)に向け発射された。 "しまった・・・" と思った瞬間 計12本のスハイダーネットのうちよけ切れなかった2本がキャラン(浩司)の左腕に巻きついた。 2体の1本づつが巻きついたのだ 軽く引いてみるが切れない 右手の手刀で、切ろうと試すが、切れない かなりの強度を誇っていた。 同時に高圧電流を流された。 普通の人ならこのレベルの電気ショックで気絶する。 "くっそー!! バリヤーでも張れれば・・・" もうろうとし始めた意識の中で、そう思った瞬間キャラン(浩司)の身体数cmの所を見えないエネルギー壁が発生し キャラン(浩司)を包み込んだ。 バリヤーである。 レジェンスの無限のエネルギーと融合したキャラン(浩司)は、戦闘モードなどに入ると そのレジェンスのエネルギーが瞬時に身体を駆け巡る それがパワーフィールドとなり 身体表面を覆う 融合者であるキャラン(浩司)の意思で、身体表面を覆うパワーフィールドは、バリヤーとなり融合者であるキャラン(浩司)を守る防衛機能が働くのだ。 今は、身体表面しか張れないが、使い方を憶えてくると色々な形でバリヤーを張れるようになってくる。
バリャーによって切断されたスパイダーネットが宙を舞う。 切断面から行き場を失った高圧電流が迸(ほとばし)る。
"これ? バリヤーじゃないのか? バリヤーも張れるのか・・・ しめた!" と思い右手首を立てた マグナムアタックの構えである。 "エネルギー量を最小限度" と強く念じた。
しかしバリヤーを張っていては、エネルギー弾は、使用出来ない。
スパイダーネットをバリヤーによって切断された2体のリアンズは、慌てて自らのスパイダーネットを切断 新たなスパイダーネットをキャラン(浩司)に向けて発射 4本のスパイダーネットが、バリヤーで、守られているキャラン(浩司)の両腕に、巻きついた。
同時に、強力な高圧電流を流し始めた。 このレベルまで上げると通常黒焦げになる しかしキャラン(浩司)のバリヤーは強力であった。 この程度では、全く問題にもならない。 バリヤーによって簡単に弾かれてしまう。
2体のリアンズに焦りの表情が浮かぶ。
高圧電流による攻撃をあきらめたのか、2体のリアンズは、高圧電流を切り スパイダーネットを自ら切断した。 その隙をキャラン(浩司)は、見逃さなかった。 素早くバリヤーを解除すると右手を 1体のリアンズの足元に向けた。
直撃弾では、相手を殺してしまう しかし足元の近辺を狙い その爆風で相手を吹き飛ばせば・・・ と言う考えであった。
キャラン(浩司)の右手の手の平の前から小さな光が放たれるその瞬間 1体のバルドスからのヘルファイヤーが、キャラン(浩司)を襲った。 狙いは外れエネルギー弾は、かなり遠く離れた場所に、着弾 土煙が舞い上がるとクレーターが1つ出来ていた。 マグナムアタックの威力が、あきらかに過剰エネルギーである。 それを見て、"やはりエネルギー量 コントトロール出来ないか・・・ 仕方ないスピードと手足などで、しばらく眠ってもらうしかないか・・・"
しかし相手の6体のグロテノスは、それどころではなかった。
その光景を見て一瞬 表情が変わった。 映像では、見たことのあったキャラン(浩司)のエネルギー弾である。 映像で見た以上の破壊力を感じられた。 あんな強力なエネルギー弾をまともに食らっては、一溜まりもなく消滅させられてしまう。
コンビネーションを巧み利用し キャラン(浩司)にエネルギー弾を撃たせる隙を与えず、勝負をつける必要性があった。
しかしキャラン(浩司)は、あからさまに手抜きをして勝とうしていた。 もう2度と殺しはしないと決めたのが裏目に出た。 圧倒的、スピード、パワー、破壊力などを持ちながら全くコントロール出来ず、ましてキャラン(浩司)は、戦闘に関してずぶのど素人である。
過去2回の戦いは、まぐれの面も否定できない。 相手の油断が隙を生んだのも事実だ。 それに相手が1体ずつだったのも幸運であった。
それに対してグロテノスは、訓練された戦闘のプロだ。 数の上でも6対1と圧倒し 尚且つコンビネーションプレイで追い詰めている。 龍(ロン)の命令で、生きたままつれて来いと言われているが、要は殺さなければいいだけの事である。
この差は、余りにも大きかった。 まともに戦えば物の数でもない相手に、手加減し過ぎた。
あらゆる面で、遥かに劣る6体のグロテノスに押されてしまった。
いつのまにか上空に舞い上がった 高速飛行からホバーリング(空中停止)も可能な2体のグロテノス バーカスとガウルスからの攻撃もすさまじかった。 バーカスは、頭の角からマキシムビームと呼ばれる強力なエネルギービーム ガウルスは、口からパルスレーザーと呼ばれる パルス状のレーザービームを発射 キャラン(浩司)の動きを止め 地上では、それに合わせ 2体のバルドスが、ヘルファイヤーと呼ばれる 強力な火炎放射を浴びせられた。
命中直前で避け 時にはバリヤーで防ぐも 4体のグロテノスの波状攻撃は、すさまじく 死火山の火口へと追い詰められていった。
火口では、先周りをしていた2体のリアンズが、数箇所で、大きなスパイダーネットを蜘蛛の巣のように張り巡らし 獲物が引っかかるのを待っていた。 生け捕りにする作戦である。
キャラン(浩司)は、何とか1対1の戦闘に持ち込もうとするが、1体に攻撃を仕掛けようとすると、別のグロテノスの攻撃を受け 動きが封じられる。 特に上空の2体のグロテノスにマークされたのが痛かった。 制空権を取られては、思うように動けない。 そこが、ずぶのど素人たる所以の1つであった。
火口へと追い詰められると 1体のリアンズ口からキャラン(浩司)に向かって何かを発射された。 サウザンニードルと呼ばれる技である。 多数の極細の針であるが、超強度を誇り高速で貫通性に優れている まともに食らえば、肉体は、粉々に切り裂かれミンチにする強力な威力を誇っていた。 しかし狙いは外れたのか、キャラン(浩司)の頭上高く通過していった。
"どこを狙ってやがる・・・" 瞬時にそう考えた。 キャラン(浩司)は、甘かった。
火口は、すり鉢状になっており 勾配の急な斜面へと追い込まれていたのだ。 斜面にはいくつもの大きな岩が迫り出しており その1つに狙いをつけていた。 サウザンニードルが、命中した大きな岩は、砕け散り 大小様々な落石となってキャラン(浩司)に向かって襲い掛かってきた。 無数の落石を瞬時に避け 落石のない方へ逃げるとそこには先程2体のリアンズが仕掛けたいくつもの強力なスパイダーネットの大きな蜘蛛の巣が獲物のがかかるのを待ち伏せていた。 慌てて方向を変えようとしたが、1体のバルドスのヘルファイヤーに行く手を阻まれた。 瞬時に避け ヘルファイヤーを放ったバルドスの僅かな隙をキャラン(浩司)は、見逃さなかった。 うまく背後に回りこみ バルドスの右首筋を目掛け右回し蹴りを放つが、動きを読んでいたバルドスはシッポで応戦 キャラン(浩司)の右足とバルドスのシッポが激突 2人とも衝撃でバランスを崩した。 その隙にもう1体のバラドスのシッポが、唸りを上げキャラン(浩司)を襲った。 何とかかわし そのバルドスのシッポをチョップで叩き斬るも すぐに新しいシッポが生えてきた。 シッポに関しては再生能力を有していたのだ。
バランスを崩したバルドスがバランスを立て直すと キャラン(浩司)目掛けヘルファイヤーを放った。 素早く高くジャンプするものの そこを上空を旋回していたガウルスに狙われた。 口から放ったパルスレーザーがキャラン(浩司)を直撃 直撃寸前にキャラン(浩司)の身体表面にバリヤーが発生させ防ぐが、衝撃力までは防げずバランスを崩し地面へと落下した。
何とか足から着地したものの待ち構えていた1体のリアンズと格闘になった。
リアンズは、6本の腕を巧みに使いキャラン(浩司)に攻撃を仕掛けてくる。 しかしスピードで遥かに勝るキャラン(浩司)は、6本の腕から繰り出される攻撃をかわし懐へ入り込むと、右足をリアンズの腹へ蹴り込んだ。 蹴り飛ばされたリアンズは、そのまま斜面に背から激突 キャラン(浩司)は、素早く右腕を蹴り飛ばしたリアンズに向け突き出し手首を立てた マグナムアタックの構えである。 キャラン(浩司)の身体を駆け巡るレジェンスのエネルギーの1部が右手の平の前にエネルギーの小さな球体となり集中する。
しかしキャラン(浩司)は、一瞬ためらった 撃てばリアンズは、何も残らず消滅する。 人を殺すと言う不快な気持ちが心をよぎった。 もう2度と殺しはしないと誓った以上出来なかった。
慌ててエネルギーの集中を解除し 他のグロテノスを相手にしょうと振り返った。  その時 仲間のリアンズを助けようと 2体のバルドスは、ヘルファイヤー 上空のバーカスは、マキシムビーム ガウルスは、パルスレーザーをキャラン(浩司)に向け発射した。
瞬時にバリヤーを張り防ぐ 無意識に両手を真横に伸ばすと、バリヤーは、身体表面から キャラン(浩司)中心に球体へと変化を始め 4体のグロテノスから発射されているエネルギービームを押し返し始めた。
それを見た4体のグロテノスは、押し戻そうとエネルギー量は、マックス、フルパワーに上げ押し戻し始めた。
バリヤーが押し戻され始めたキャラン(浩司)は、押し返そうとバリヤーのエネルギーを上げた。
その瞬間 レジェンスのエネルギーが、極小規模であったが、暴走した。 別宇宙にあるレグの基地内で警告されたエネルギーの暴走である。 後にアルティメットクラッシャーと呼ばれる究極の禁断の大技の1つを無意識に放ってしまった。 バリャーの表面から新たな球体が発生し 瞬時に半径数km及ぶ球体へと膨張 球体内に取り込まれた全てのものが、瞬時に消滅した。 空を飛んでいた2体のバーカス、グウルスも球体に取り込まれ消滅していた。 球体は数km膨張した瞬間 何事もなかったように消滅した。 キャラン(浩司)の張っていたバリヤーの表面に、超高密度の古い真空エネルギー つまり無から誕生した素粒子より遥かに小さいミニ宇宙を 10ー34(10のマイナス34乗)cmしかないミニ宇宙を 僅か10-36(10のマイナス36乗)/sec(秒)で1000億光年以上に膨張させるインフレーションのエネルギーを発生させた。 取り込まれた全てのものが、瞬時に古い真空エネルギーに変換されてた。
キャラン(浩司)は、このエネルギーの正体が何なのか? 漠然とだが、理解していた。
呆然と周囲を見渡すキャラン(浩司) 球体のバリヤー内で、空中に浮かんでいる事すら気づいていなかった。 キャラン(浩司)の足元の死火山も 全てが瞬時に消滅 すり鉢状の後だけが、何かに削り取られた様に残っていた。 上空からその光景を見つめているだけであった。 レジェンスの限りない脅威的なエネルギーに、ただ呆然自失の状態になっていた。 バリヤーを解いた。 消滅していない死火山の麓にゆっくりと着地した。
何か? ものすごい力に意識が吸い込まれるような感覚がした。 浩司はその場に倒れた。


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