LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 高校1年生編
 Par7

 翌日 自宅の自室のベッドで、ようやく真美は、意識を取り戻した。
 目覚めの1番 不眠で介護していた由美に、敦子の事を聞く。
 ただ無言で、首を横に振る由美を見て、真美は、両手で顔を隠し 泣き崩れた。
 心配して見舞いに来た詩織に対しても、自分の未熟さ、弱さばかりを攻め続ける。
 
 月曜日 普段通り 学校へ行く。
 出来る限り 普通にしていたが、やはり授業中や休憩時間など、1人 ぼーとしていた。
 「何かあったのですか? 真美お姉様・・・」
 「そうよ真美 今日 変よ 朝から ぼーとして・・・」
 心配する 香、彩。
 「うーん 大丈夫よ」 何とか平静さを保とうとしていた。

 事情を知る詩織 このままでは・・・ と思った。
 過去 ほとんど例の無い大規模戦闘 真美の活躍で、妖魔の大群を倒した。
 だが 妖魔ハンター側 戦力の消耗も激しい。
 弱い霊能力の兵士の大半が、帰らぬ人となった。
 負傷者多数 現場復帰不可能な大怪我を負った者も多数いる。
 これだけの戦力を一気に損失した 再補充は、ままならない 
 そして、訓練生とは言え 強い霊能力を持つ杉村 敦子 享年15歳 戦死 余りにも若過ぎる死であった。
 それも戦死した翌日が、16回目の誕生日だったと言う・・・
 真美に取って、初めての同年代の友達と言う事で、詩織は、敦子の存在を大目に見てきた。
 奪われないか? 内心ドキドキであったが・・・
 だがあの戦闘で、それも真美の目の前で殺された。
 精神的ショックは、計り知れない。
 妖魔ハンターは、死と隣り合わせ。
 負けは、即 死を意味する。
 何て因果な仕事だろうか・・・ 本当に血で塗られた・・・
 真美の心は、今 絶望のどん底状態 このままでは、立ち直れなくなる。
 死を受け入れ 人としての心を殺す・・・など、真美には・・・いや詩織自身無理・・・
 何とか、立ち直らせる方法を見つけなければ・・・
 そんな時 薫の誘いがあった。
 見え見えの目的 真美を我が物にする・・・ だが乗った。
 心を閉ざし、塞ぎこんでいる真美の心を開かせるには、強い甘美な刺激が必要だ。
 真美に話した。 当然拒絶する。 本人の意思を無視して、強引に連れて行く。
 多少 おまけを付いたが、この際 仕方ない こいつらも役立ってもらう。

 ようやく水着ショップの話しに戻る。

 強引に連れ込まれた水着ショップ 真美には、刺激が強く、恥ずかしさの余り赤面しているように見えるが、やはりどこか暗い。
 ちょっと前まで、男であった真美に取って、水着ショップは、ランジェリーショップと並ぶ 禁断の地 未知の世界・・・
 絶対立ち入る事が許されない女の園。
 ここは、シンプルで大人しめのワンピースからビキニ、超過激なデザインまで豊富。
 "こんなの身体に着て、人目に晒される・・・" 想像すら出来ない・・・。
 恥ずかしそうに、下ばかりうつむいている。
 つい最近まで男であった。
 今いる場所は、場違いに感じる。
 そーと勇気を出して、目の前の可愛いビキニを手に取る。
 "こんなの 恥ずかしくて とても着れない・・・"
 慌てて元の位置へ戻した。
 "あれ・・・?" 急にお客が増えたのに気づいた。
 先程まで、確かに数人いたが、今 真美の周囲には、沢山の人が集まっている。
 この時点 真美は、全く知らなかった。
 今 真美の周囲を固めている人達 全部 自称 真美ファンクラブ、真美親衛隊などと称する非営利団体の諜報部員 つまりスパイ。
 真美が、輝星高校入学以来 真美の美しさなどに、心が奪われ、虜になった者達が、自発的に立ち上げ活動を開始した。
 現在 会員数、新たに立ち上がる団体 急上昇中、下手なアイドルのファンクラブを遥かに凌駕、多分、芸能人、スポーツ選手などのファンクラブを除けば、日本・・・いや世界一の規模にまで膨れ上がっている。
 ファン年齢は様々で、男女問わず、小学生からお年寄りまで、幅広く集めている。
 会員限定の裏サイトを持ち 乱立 会員同士の情報交換に余念がない。
 真美の行動を逐一監視し 明日どこに現れるか? 情報収集に余念がない。
 真美が購入する物、普段身につけている物が解かると、同じメーカーの製品が、すぐさま奪い合いになり 即完売する ファッション・リーダー、カリスマ的 存在になっていた。
 今 真美を監視している者の中には、どう見ても女と思えない まして、綺麗なニューハーフとも思えない人物もちやほや・・・ もはやオタク的とも言えるファンが、女装して(絶対バレバレ) 何食わぬ一般客を装い 各水着 それも女性用を手に取り品定めしつつ真美の監視に余念が無い ここまで来ると、もう呆れるしかない。
 「真美ちゃん ちょっとこっち」 真美を呼ぶ声 そう先程から過激なデザインの水着コーナーで、物色していた詩織の呼ぶ声。
 「あっ・・・はい・・・」 満員電車内の人ごみを掻き分け 詩織が呼ぶ方向ほ向かう。
 その後をぞろぞろと続く人だかり。
 そこは、試着室。
 カーテンを開け 詩織が待っていた。
 「どう これ?」
 真美の目が大きく見開き思わず赤面 横を向く、とても直視出来ない。
 詩織は、黒の三角ひもビキニ それもTバック ショーツも横ひもで結ぶタイプを着ていた。
 確かに、プロポーションは、ほぼ完成に近づいた大人の女のプロポーション 女子高生離れした それも世界でもトップクラスのモデル並 胸もDカップと巨乳 やはり年齢を考慮しなければ、良く似合う。 だが女子高生向けではない。
 "うるさい 作者 黙れ!!" (作品の中で、全ての神々をも超越する 作者に噛み付く詩織)
 その後 持ち込んだ数着を着替え真美に見せる。 全てビキニで、Tバックタイプ。
 どうやら全て気に入ったらしい 全て購入する。
 ちなみに、ここ輝星の生徒は、親は全て超お金持ち 毎月のお小遣いの金額などケタ外れ 1度に数万円の出費など問題にしない。
 真美も詩織も同様 親からの毎月のお小遣いの金額などケタ外れに多い。 それに毎月 妖魔ハンターのバイト収入もある。
 こちらは、2人のそれぞれの親が管理し きちんと、親のグループ系の銀行に預金している。
 ちなみにバイト料 危険手当が大きく 平均的給与所得者の月収より多い。
 2人共 この金額も知らなければ、振込み先の金融機関名、通帳、キャッシュカードなどの存在を知らされていない。
 多分 大学を卒業したら渡されるのであろう・・・
 特に、真美は、お金の使い方 男だった時代 低賃金の身分不安定なバイトを経験している為 信じられない程 使わなかった。
 やはりお金に苦労してきただけに、お金の大切さを知っている。
 専用の口座に貯まる一方 必要な時 必要な金額だけを キャッシュカードで降ろす程度。
 詩織は、逆に、実家から振り込まれるお小遣い 毎月ほぼ使い切っている。
 いつ死ぬか解からない妖魔ハンター・・・ 生きている今を楽しまなきゃ・・・ 非難出来ない面もある。
 真美は、今回 数万円単位で、降ろしていたが・・・
 "女同士の付き合いも大事よ・・・" いつも由美に言われている。
 無駄使いしない真美を 由美は、いつも感心していた。
 いつの間にか、彩、香、加奈、薫が、集まっている。
 「さあー 皆の衆 水着選んだかい!!」 詩織のハイテンションの声が飛ぶ。
 返事がない 一応真美以外は、1〜2着 手には持っているが・・・
 「君達は、自分の水着を選びたまえ 明日、学校用か、裸だぞ・・・」 何かうれしそうに意味有の笑みを浮かべる詩織。
 「さっさと自分の水着は、自分で選びたまえ」 詩織の邪な声が飛ぶ。
 「私は、真美ちゃんの選んであげる」 うれしそうに笑いながら真美を手を引っ張り 水着コーナーへ突入。
 結局 真美は、3着購入となった。
 全て、ブラのアンダーには、ワイヤー入りのビキニ。
 型の良い美乳だが、Bカップと少し小さめ 少しでも大きく魅せ様と、詩織の考えだ。
 1着目は、白と赤の細いボーダータイプ ブラのカップの間と、同じデザインのショーツの両横には、赤のリボンで飾られ ブラの左 首ひもには、赤のコサージュ付き 試着室では、詩織 まるで女神・・・と言って瞳の奥には、星々が、輝いていた。
 2着目は、スカイブルーの縦長三角ビキニ 同色の水着スカート付 スポーティー カッコイイ・・・ 詩織の感想。
 3着目 白をベースに、大きなピンクのドット柄 同柄のリボンが、ブラの間と、同柄のショーツの両様に飾られている。 同柄の2段フリルとなっている水着スカート付 超可愛い まるでお姫様・・・ 有頂天の詩織。
 詩織の選んだビキニの水着 3着とも購入。
 彩、香、加奈、薫も それぞれ数着購入。
 他だし どんな水着を買って、明日どんな水着を着るか? 女同士の微妙な駆け引き 超ーーートップシークレット 明日のお楽しみ。
 明日 10時 ここの大型ショッピング・モールのいつものファースト・フード店で、待ち合わせを確認。 それで解散する。
 その後 各ファンクラブ、親衛隊の極秘情報網に、真美の買ったビキニの水着、明日の待ち合わせ場所と時間、行く先の情報が、瞬時に流れる。
 真美の買ったのと、同じメーカーのデザインのビキニの水着は、ネットショップを含めて、その日に、完売 問い合わせ注文が殺到 余りの多さに急遽 再製造となった。
 当日 この日の予定は、全て由美の許可を得ており 「お友達と、楽しんでいらっしゃい・・・」と、快く送り出してくれた。
 この日のファッションも 由美のコーデネイト 上は白の肩紐をリボン結びになっているタンクトップ 下は、超ミニの3段フリル付スカートに 生足、サンダル 解せない・・・
 いつも超ミニのスカートか、ショートパンツばかりコーデネイト。
 由美曰く "早く女の子らしさを身に着けてもらうためよ・・・" と称していた。
 超ミニスカートか、ショートパンツならば、太ももを他人の目晒す 自分の身体が、女だと認識する 女らしく振舞う 女らしくなる・・・ と言う 意味不明の方程式が、存在するらしい・・・
 由美の教育方針? 妖魔ハンターをしている為か、まだかなり男らしさ?が残っている。
 いつものファーストフード店で、全員集合 それぞれ気合の入ったファッション とても現役女子高生とは思えない かなり派手なファッション 目的は、1つ。 だれの目を向けさせるか?
 1人除いて、レズビアンの素質あり・・・?
 ここでも いつにない大勢のお客で溢れていた。
 何故か? ほとんどのお客が、無理して、変装しているように見える。
 それに不穏な動き・・・ 実は、真美を狙った隠し撮り。
 ショッピング・モール内の駐車場で、薫の親の:経営するグループ会社のチャーターした専用マイクロバスに乗り込み いざ出発。
 乗車時全員 「お願いしまーす」の 若さ溢れる元気の良い挨拶。
 女性運転手もニコニコ笑顔。
 バス内でも ワイワイ、ガヤガヤ まるで小学校低学年のバス旅行。
 約30分後 目的地の大型リゾートプールの専用駐車場で降り そのままVIP専用出入口に向かう。
 出入口では、品の良い いかにも社長と思える50歳代の男性が、数人の管理職を従え待っていた。
 「これは、これは、薫お嬢様 ようこそ我がプールへお越しいただき・・・」 丁重に挨拶する。
 「暫くです。 山森社長 今日は、お友達を連れて来ました。 みんな私の大事なお友達です。 くれぐれも失礼の無い様お願いします」
 「はい 良く解かっております」
 山森社長が、全員の方を向く。
 「お願いしまーす」 薫を除く全員声を揃え軽く一礼。
 この辺は、さすが若さ溢れる 現役女子高生 圧倒的パワー。

 更衣室 専用ロッカーを決め 全員着替え開始。
 やはり真美に視線集中 真美 お得意の超光速着替え 光の速度 約30万km/sec(秒)を遥かに超える早業 じっくり堪能したかった薫 落胆の表情。
 ここで、水着ショー ゼッケン1番 真美 今日チョイスしたのは、1着目に詩織に、選ばされた ワイヤー入りのビキニの1つ 白と赤の細いボーダータイプ ブラの間と、同じデザインのショーツの両横には、赤のリボンで飾られ ブラの左から伸びる首ひもには、赤のコサージュ付き その上に、ゆったりと大きい男性用パーカーを着用 お尻まで隠している。
 出来る限り 露出控えめ やはり他人に、ビキニの水着姿見られたくない 注目を集めないよう、真美なりに工夫。 実は、このビキニ、悩んだ末のチョイスではなく、3着購入の際 お店で、それぞれ袋詰めしてもらい 直ぐに着られる様 値札などは、お店の方で、処理してもらっていた。
 適当に、3つの中から中身も確認せず1つ選んで、バックに詰め込んだだけ 本人の意思より たまたま・・・
 そして、自慢?のロングヘアーは、ポニーテールにし 色鮮やかなデザインの水に濡れてもOKのシュシュで束ねている。
 スタイルも高校1年生としては、かなりいい だが、だれの目にも明らかだが、まだ生育途上 更に美しさに磨きが掛かるのは、保障書付き。
 真美のグループ以外の数人の他VIP客のおばさん連中も 真美の余りの美しさに、見とれ絶句・・・ 呆然と見つめていた。
 その後 ゆったりと大きい男性用パーカーを着用した瞬間 愕然とした。
 どうも真美のビキニの水着姿 心行くまで堪能したかったご様子。
 ゼッケン2番 詩織 やはり最初に選んだ黒の三角ひもビキニ それもTバック ショーツも横ひもで結ぶタイプ その上に、真美同様 パーカー着用 他だしこちらは、身長などに合ったサイズ。
 高校生離れした モデル並のトップクラスのプロポーションに、ルックスも美少女 大変良く似合う 他だ 現役女子高生が着るには如何程かと・・・
 だれよりも注目を一身に集めたい心理の現われ?
 やはりロングヘアーを 真美同様ポニーテールして、別のデザインのシュシュで束ねている。
 ゼッケン3番 彩 清楚で、可憐な まさに絵に描いたような良家のお嬢様 しかし学校では、みんなと同様 制服は、超ミニスカートを穿いている。 今日も良家のお嬢様らしからぬ タイトの超ミニスカートであったが・・・
 チョイスしたのは、ちょっと大人びたセレブを演出する様な、白をベースに、ハイビスカスの絵が、デザインされている 三角縦長ビキニ 別名モンロービキニ 腰には、同柄の足元までのパレオを巻いている。 詩織同様 もはや肢体は、ほぼ大人の女の それも抜群のプロポーションで、ほぼ完成しつつあり 詩織同様Dカップの巨乳 豊な巨乳を強調する三角縦長ビキニを選んだのは、ベストチョイス まさに、優雅であり洗練された美少女セレブ。
 彩もロングヘアー やはり後髪をゴムで1つに束ねている。
 ゼッケン4番 香 147cmと小柄で、ロリ顔 更にまだほとんど幼児体型 ようやく胸が少し膨らんでいる程度 水着ショップで、背伸びして、ビキニを選ぼうとしたが、小柄な為 合うサイズがなく サイズの合う小学校高学年の子供用のビキニだと、子供ぽいと、拒否 結局 数着可愛いワンピースを選んでいたが、イエローを中心に 可愛いフリルで飾られたワンピース ロリ系ファン必見の可愛らしさを 見事アピール。
 髪は、いつものツインテール。
 ゼッケン5番 加奈 顔は、やはりあか抜けない田舎娘、スタイルも中肉体型より ややぽちゃり気味 ウエストの括れも 余りはっきりとしていない為 スタイルも良くない 一応Aカッブの胸、お尻は、何故か骨盤が大きく広がり大きい その為 足も太い・・・ それでも 結構大胆な物を選んでいる。 タンキニより短く、ビキニよりは、露出の少ない セパレートタイブ 丁度 お腹の部分 丸出し。
 加奈は、みんなに見つめられると、下を向き 恥ずかしそうに赤面していた。
 加奈本人に取って、これでも大胆で、露出の多い水着にチャレンジしたと思っている。
 ここまで露出する水着は、多分生まれて初めてであろう・・・ その仕草が、妙に初々しい・・・
 周囲に影響されているのも事実。
 やはりライバル心の現れか?
 最後に、ゼッケン6番 薫 身長170cm すらっとしたスタイリッシュな細身ながら ほぼ大人の女に完成された抜群のプロポーション それも詩織程ではないが、モデル並 ショートヘアーの特徴を生かした水着をチョイス 海外有名セレブ専用の水着専用会社のブラント物のモノキニ カラーは、ホワイト一色。
 前から見ると、大胆カットの過激なワンピースタイプ、後ろから見ると、Tバックビキニ。 やはり良く似合う。
 高身長 スタイリッシュな細身ながらの抜群のプロポーションの特徴を生かしている。
 大胆、挑発、刺激的などの水着をチョイス だれに向けてのアピールなのかは明らか ここのVIP専用屋内プールは、男女別にプールがあり完全に仕切られ互いに覗けない 決して、殿下を誘う為ではない。
 真美は、周囲を取り囲む詩織、綾、香、加奈、薫をまともに直視出来ない。
 出来る限り5人を見ない様にしていた。
 余りにも真美に取って、刺激的過ぎる。
 とても何かに耐えられない表情を浮かべる。
 そのはず、大胆に露出した 若いピチピチの女子高生の柔肌から発する 妙に生々しく甘く芳醇で、刺激的な独特の体臭、香  早くも大人の女性の持つ独特の色香、フェロモンを ある特定の人物を誘(いなざ)う様 発せられていた。

 全員 集団で、VIP専用屋内プールに向かう。 ここは、選ばれし者の専用 やはり優雅で、ゴージャスな造りとなっている。
 屋内から外の景色が眺められるが、外から内部は見えない特殊素材マジックミラーで覆われ 内部温度も32℃に設定され 丁度泳ぐのに適した室温となっている。
 広々とし屋内プール内に、カラフル水着を着た 様々な年齢層のVIPが、ちやほや。
 一画を占拠 用意されているビーチチェアーに寝そべる真美 早くも詩織、彩、香、加奈の4人は、持参した巨大な浮き輪を持ち プールに直行 プール内で水しぶきを上げ大騒ぎ。
 「真美ちゃんも パーカー脱いでおいでよ 楽しいよ」 しきりに誘う詩織。
 「うん 後で行く・・・」 元気の無い真美。
 ここは、全て身元を調べられたVIP専用 一般庶民に無縁 それも女性専用なのに、真美達に続いて、続々と、お客が増え始めている。
 ここは、VIPが、優雅に水遊びを楽しむ為 入場制限が行われ 予約のみ・・・ 真美は、おかしいなあーと感じた。
 近くで、真美を見つめていた薫も同様。
 どう見てもVIPとは思えない人達 中には、VIPどころか? 確かに女性用のワンピース、ビキニなどの水着を着用しているが、体型が、全く違う 水着スカート、パレオ等を腰に巻いている為 股間の部分が解からないだけ・・・ 女装した男達? 数人も混じっている気がする・・・
 ここVIP専用 セキュリティは、かなり厳しいはず・・・?
 だが、ファンクラブ、親衛隊は、その程度では怯まない マンガ、アニメのルパン三世顔負けの侵入手口を駆使 変装 その他を使いここまでも無事潜入した強者(つわもの)ばかり 見上げた根性。
 他だし ここへ辿り着く前 捕まり警察送りにされた大多数の仲間を見殺しにしている。
 その為 警察は大忙し。
 隠しカメラなどを使い 真美の撮影開始。
 直ぐに薫が、中央管理室にTEL 応対した社長は、現状報告 現在信じられない程の多数が、無断侵入 取り締まりに、全職員であたっていると言う 余りの多さに手が回らない状態であり 無断侵入者を取り締まる為 精鋭の女性職員を VIP用屋内専用プールに回したと報告して来た。
 "やはり・・・" 薫は、無数に乱立する 真美ファンクラブ、親衛隊の存在を知っており その対策に、1番セキュリティの厳しい ここを選んだ もちろん目的は、真美の水着姿の鑑賞・・・ 出来れば、我が物とする野心・・・ 丸見え。
 結果は、真美ファンクラブ、親衛隊の存在を甘く見過ぎていたとしか、言いようがない。
 敵の少ないこの場所で、じっくり真美を 鑑賞 "口説き落とす" 予定であった。
 まず こうなったら招かざる客のご退場が先決。
 タイミング良く 精鋭女子職員が現れた。 その規模30人を超える大部隊。
 1人、1人に、VIPカード提示を求める。
 もちろんプール内で、水遊びしている者も同様。
 詩織、綾、香、加奈の4人も求められた。
 「その4人 私のお友達よ」 薫の声に、職員は、「失礼しました」 一言で、4人に一礼し 次の客に向かう。
 詩織、彩、香、加奈の4人は、余り慌しさにプールから上がり 薫のいる場所に来る。
 「何があった 薫お兄様?」 ちょっと憮然とした表情で、薫を睨む詩織。
 「ちょっと ネズミが少々・・・ 今 駆除中」 悠然と、全く同時た様子もなくさりげなく優雅髪をかき揚げ答える薫。
 VIPカードを提示出来なかった者は、即数人囲まれ強制排除される。
 中には、本物そっくりの偽造品まで持つ強者(つわもの)もいたが、スキャンで調べられ強制排除。
 やっと 通常の人数になる。 ほっと一息の薫。
 真美を見ると、全く周囲の騒ぎとは無縁の表情で、1人 周囲にだれもいないビーチチェアーに寝そべり ただ上だけを 悲しげな表情で見つめていた。
 "チャンス到来" そう思った薫に取って、新たな強敵出現。
 間違いなくセレブである。
 それも高貴な気品に満ち溢れた美女2人。
 大人の 特に、選ばれし女が持つ ちょっと危ない火遊び、危険な香を漂わせ、官能的、魅惑的なフェロモンを 周囲に撒き散らしている。
 それに何だろう・・・ この生まれし持った独特で、優雅で、雅で、艶やかな雰囲気・・・
 2人の美女が、真美の両横のビーチチェアーに優雅に腰掛け真美を見つめる。
 かなり大胆なビキニ姿の美女2人 1人は、33歳ぐらい、もう1人は、28歳ぐらい・・・
 年齢から考えると、驚異的に維持された 2人の目を見張る様な見事なプロポーション。
 完璧としか、言葉がない。
 「この席よろしいですか?」 優雅で雅な口調である。
 「えー どうぞ・・・・」 急に問いかけられ ちょっと唖然とした瞬時に表情を浮かべる それでも何気なく答える真美。
 でも・・・ その声 聞き覚えが・・・
 2人共 メイクをいつものと変え セレブ風にしていた為 最初は、気づかなかった。
 妖魔ハンターの 零夜、沙耶である。
 一瞬 驚いた表情を見せる真美。
 「おばあちゃまの命令よ・・・」 優雅に微笑む零夜 実は、命令ではなく命令するようそけた・・・が正確である。
 余りにも 落ち込む真美 ここで妖魔が現れたら 多分 無抵抗のまま殺される。
 真美を守る為のボディーガード。
 それに、真美に危機一髪の所を 救われた借りもある。
 借りは、必ず返済する。
 そこへ ものすごい形相の詩織と、薫が飛び込む。
 「そこの2人 私の大事な人 誘惑するな!!」 詩織、薫は、声を揃える。
 詩織は、強引に、真美の腕を引っ張り 立たせ 真美をその胸に抱きしめ 2人を睨みつける。
 「真美ちゃん 行こう」 真美を連れ別の場所へ移動。
 「真美ちゃん あんな色情狂の一応セレブぽい おばさん達に、誘惑されちゃダメよ」
 真美の腕を引っ張りながら注意する詩織。
 ちなみに 詩織の発したこのセリフ 特に、色情狂と、おばさん達と言う部分な関しては、後に、何やら不穏な物があった可能性に付いて、否定出来なかった。

 薫は、この2人を フェロモン過剰の レズビアンのセレブで、真美を誘惑し 自らの独占物にと企んでいたと思っていた。

 詩織は、見た瞬間 正体が解かった。
 どうせ おばあちゃまに頼んで、ここに来たのだろう・・・まで見抜いている。
 それに、零夜も沙耶も 真美に、相当ご執心・・・いつも本部で、真美を オモチャ、マスコット、アイドル扱い。
 落ち込んで、弱っている真美を口説き落とすには、絶好のチャンス うまく言って、取り込み我が物とする・・・ 見え見え・・・
 どんな事があっても 真美を渡さぬ強い決意に溢れていた。
 当の真美は、私って "物・・・?" 
 何故 ここまで、周囲の者が、私と言う物の所有権を巡っていがみ合うのか? 理解出来ない。

 6人は、ここ屋内プールに、併設されているレストランで、昼食を取っていた。
 何故か? 真美の背中側の席には、あの2人も優雅にお食事中。
 よくここのVIPカード・・・ と思った詩織であったが、2人共 有名な神社、寺院出身 身元を調べられても簡単に、VIPカード入手可能。
 出された料理を 余り口にしない真美。
 ぼんやりと、プールばかり見つめている。
 「真美 余り食べないと、身体に毒よ」 心配した彩が、声を掛ける。
 月曜日からずっと学校での昼食時 食堂で、真美が、余り食べないのを見ている。
 別に、ダイエットしている様子もない ダイエットの必要性もない。 理想的とも言えるファッション体重 それに、スタイルもまだ完成された大人のスタイルではない、まだ成長途中だが、この年齢からいけばかなり良い。
 ただ外の景色を 悲しそうな瞳で見つめていた。
 授業中も ぼーとした表情で、何度か、先生に注意されている。
 「そうですよ 真美お姉様 香だって、こんな小柄でも、沢山食べているのに、少しも成長しないのですから・・・」
 確かに、小柄な香だが、食べる量は、信じられない程大食い。
 「そうよ 真美ちゃん みんなの言う通り 食べないと、プロポーション良くならないよ」 詩織も言う。
 真美が、家でも余り食べていないのを知っている。
 「うん ごめん 食べるから」 元気がない。
 それでも ゆっくりと食べ始めた。
 食後の雑談 やはり仕切り役は、詩織 とにかくよくしゃべる。
 主に、このレストランの味の品評。
 まずまず合格点と言っている。
 そこへ薫が割り込む。
 東海地方出身者に、花の都の高貴な味など解かるまいと茶化す。
 詩織の最も気にしている部分。
 2人の痴話ケンカが始まった。
 毎度おなじみ 仲がいいのか? 悪いのか? とにかく角をつき合わす。
 そんな時だった。
 まさに、高貴 品の良さ、セレブ中のセレブ 実年齢より 遥かに若く見られる。
 1人の美貌のセレブが、水着を着用せず、動きやすい服装ながら優雅な足取りで、現れる。
 そう 真美のママ由美である。
 手には、カバンを持っている。
 何か? 起きた。
 後ろには、山森社長 その後ろには、黒のサングラスを掛け 黒の背広姿の強屈そうな男達 ここは、女性専用 男性の立ち入り禁止のはず・・・ だが、黒の背広姿の強屈そうな男達は、薫が良く知った人物ばかり そう 薫の家のボディーガード。
 気づいた真美が、「ママどうしたの?」
 「今 ここにテロリストが侵入 緊急避難命令発令よ」 由美が言う。
 「そうです 薫お嬢様 ここは、緊急閉鎖されます 早くお着替えを済ませ 実家のボディーガードと共に、ご避難を」
 山森社長は、顔面蒼白となり 顔中 冷汗を浮かべている。
 「真美ちゃんと、詩織さんは、私と一緒に」 由美は、2人を止めた。
 全て、妖魔ハンター専用の暗号である。
 「さあー 薫お嬢様 お友達のお嬢様方・・・」 急いで着替え避難を即す山森社長。
 「みんな先に行っていて、直ぐ行くから」 詩織が、見送る。
 ここに残ったのは、真美、詩織、由美、そして、真美の背中側の席に座っていた零夜と、沙耶。
 他に、だれもいなくったのを確認すると、由美は、全員を集め1つのテーブルに座らせる。
 まず、持参したカバンから2人のライトソードを手渡す。
 「では、本部からの緊急指令を伝えます」
 由美の表情が引き締まる。
 「先程ここの直ぐ近くに、亜空間フィールドが発生しているのを確認、発生後 早くも2時間以上経過していると思われ 現在もその範囲を拡張しています。 詳しくは現在調査中ですが、S級妖魔3体出現しているのは確認済みです。 まだ亜空間フィールド内にいると思われます。 他の妖魔、妖獣については、未確認 他だし亜空間フィールドからこちらの世界には、まだ来ていないと思われます。 亜空間フィールドから こちらに来る前に、私 星沢 由美、そして、星沢 真美、中崎 詩織 3名は、亜空間フィールドに入り 亜空間フィールド内で、敵 S級妖魔3体を 迎撃、殲滅せよ」
 ここで由美 一呼吸置く
 「2人には、悪いけど、お着替えの時間はないわ 今の水着姿のまま戦闘に入ってもらう いいわね」
 2人は、小さくうなづく。
 「そして、神楽 零夜、倉持 沙耶 両名は、ここで警戒態勢」 由美の言葉にうなづく。
 「あなた達も悪いけど、お替えの時間の余裕はないわ 亜空間フィールドに入れないあなた達も今の水着姿のまま 亜空間フィールド有効範囲内を警戒 亜空間フィールドからこちらの世界へ来るかも知れない 他の未確認妖魔、妖獣を発見次第 直ちに迎撃、殲滅せよ」
 「ラジャー(了解)」 零夜、沙耶は、声を合わせた。
 「現在 ここ一帯は、防衛軍が出動 完全封鎖中 以上 本部からの緊急指令です」
 由美の言葉に、ここにいる全員の緊張感を隠せない。
 S級妖魔3体が同時に、亜空間フィールドに現れるとは、過去に無い、今まで1体であった。 A級以下なら時々それ以上現れる場合もある。
 緊張感が漂う。
 「遅かったみたい ここまで亜空間フィールド 拡張したわ」 最初に、真美が気づいた。
 着ていたパーカーを脱ぎ 由美に手渡す。
 真美は、だりよも早く、S級妖魔の妖力を 3つ感じた。
 1体は、よく知った妖力 少し落ちるが、2体は、初めて感じる妖力 それでも間違いなくS級。
 そして、最初に感じた1体は、よく知った妖力 決して許さない。
 "まだ生きていやがった・・・"
 復讐の炎が、燃え上がる。
 「先に行く」 真美の身体は、忽然と消えた。
 ラディエンスの力を持つ者だけが持つ特殊能力 テレポーテション。
 真美だけは、何故か? ラディエンスの力を解放しなくとも 亜空間フィールドへのテレポーテーションが、可能であった。
 亜空間フィールドが、発生している空間に入ると、真美本人の意思と無関係に、勝手に、亜空間フィールドへテレポーテーションしてしまう。
 これも 真美が歴代最強のケタ外れの力を持つと言われる所以でもあるのだが・・・ 真美本人全く迷惑な能力。
 由美も 詩織も ラディエンスの力を解放し 精神を 亜空間フィールドに集中しなければ、亜空間フィールドへのテレポーテーションは、不可能。

 亜空間フィールドに、真美は瞬時に現れた。
 初めて、そう男だった時代と同じく、何か? 背中に冷たい異質なものを感じる。
 理由の解からない異質な世界に迷い込んだ・・・ いや入り込んだ・・・ そんな感じだ。
 確かに、周囲の風景は、先程まで同じに見える。
 たが違う ここは、別次元の亜空間フィールド 同じ空間に、別の次元の空間が発生共存 それが、亜空間フィールド。
 パラレル・ワールド(多世界解釈、平行世界)に無数に存在する 次元、別次元の丁度境界にある特殊な世界。
 その為 亜空間フィールドに入る前と、周囲の景色は、全く同じでも そこには、亜空間フィールドに入った者以外の生命が存在しない。
 亜空間フィールドに入れる者は、別世界から亜空間フィールを発生させ そこに、4次元ワームホールを作り出す妖魔と、ラディエンスの力を持つ者のみ。
 他だしラディエンスの力を持つ者も 妖魔が、発生させる亜空間フィールドへのテレポーテションが出来ても 自ら亜空間フィールドを発生させ そこに4次元ワームホールを作り出す能力はない。
 歴代最強のケタ外れの無限とも思えるラディエンスの力を持つ真美も 自ら亜空間フィールドを発生させ そこに4次元ワームホールを作り出す能力はない。
 真美は、ラディエンスの力を解放する。
 身体が白い光を発光 同時に、手に持つライソードに、光のエネルギーが集まり物質化 光る刀になる。
 そして、何故か? 身体の発光が、消えた。
 "おかしい・・・" 真美自身感じた。
 確かに、ラディエンスの力を感じる。
 いつもなら このまま発光状態が続く、なのに今回に限って、発光状態が、続かない。
 "亜空間フィールドに入った為・・・ いや違う ラディエンスの力が、いつも程感じない これでもS級1体ならば互角に戦えるはず・・・" 真美自身そう思った。
 それに、いつもと違って、ラディエンスの力が、容易にコントロール出来る気がした。
 真美が、歴代最強のケタ外れのラディエンスの力を持つと言われる所以の1つに、解放後 常に、発光状態が続くのもその1つ。 過去だれも 存在していない。 真美だけ・・・
 「ようやく お見えになりましたね 星沢 真美さん」 聞き覚えのある 決して、忘れられない、嫌味の籠った腹黒い声。
 「あなたがここに現れるのを 今か、今かと首を長くして、お待ちしておりました」
 「ソノベーノ・・・」 真美は、つぶやく。
 「それにしても 何と露出の多いその姿 あなた方が言う ビキニと呼ばれる水着 絶世のお美しさを持つあなたには、大変 お似合い・・・ これこそ我が妃にふさわしい」 薄笑いを浮かべるソノベーノ。
 「うるさいわねー あんたなんかに褒められたくもない・・・ それに何よ? その妃って・・・」 吐き捨てる真美。
 まだ この時点でも 真美自身全く気付いていなかった。 こう言う方面に関して、真美はかなり鈍感・・・
 真美を見た者全てが、真美の持つ 魔力とも言える 不思議な魅力に、魅了され虜になる。
 それも年齢、性別 無関係 だれもが、真美を欲し 我が物とし独占したくなる。
 それは、妖魔に取っても同様である。
 40歳代中盤のくたびれた男であったのが、ある事件がきっかけに、ラディエンスの力が、急遽覚醒 現在の美少女に、性転換、年齢退行。
 それを最初に見つけた由美が、殺された2人の我が子の変わりとして、全く血の繋がらない真美 実子と独占してしまった。
 続いて、その場にいた詩織 由美は、母の姉。
 真美が、由美の実子となった以上 詩織にとって、従姉妹 それに、真美の方が、年下に見える。
 DNAなど全ての検査の結果 詩織より 1歳年下と、結論された。
 突如 40歳代中盤のくたびれた男が、美少女に、性転換、年齢退行を 由美と共に、目撃しており 女としてのキャリアは、遥かに上 従姉妹の姉として、女としての教育を買って出た。
 最初は、かなり反抗し、抵抗していた真美自身 美少女に、性転換、年齢退行に戸惑い それが、妙に初々しい 詩織の母性本能をくすぐる。
 現在 真美を従姉妹の妹として、独占状態。
 真美の過去の秘密を知らない 彩、香、加奈、それに、詩織にとっての 唯一絶対のライバル? 薫 他の妖魔ハンターの仲間、真美の周囲にいる学友、その他 真美を見た者 全てが、真美の持つ不思議な魔力とも思える魅力に、魅了され 虜となり 独占を企てている。 それも年齢、性別など、全く関係ない。
 それは、妖魔も同じ、実は、妖魔は、人類との間に、子孫を作る能力がある。
 他だしA級以上の妖力持つ妖魔であったが・・・
 S級であるソノベーノが、真美の持つ魅力に虜にされ 自らの妃として、独占 真美に我が子を産ませ 自ら持つS級の妖力と、真美の持つ 過去例の無いケタ外れの驚異のラディエンスの力 両方を持つ 史上最強の我が子を産ませ 我が子と共に、妖魔界と、ここ地球を同時支配の野心を抱いていた。
 今日 真美を自ら張った亜空間フィールドに誘い 真美を拉致 漆黒のトンネル(4次元ワームホール)を通り 自ら住む妖魔界へ連れ去る。
 その為 手下の少し妖力の劣るS級を2体連れて来た。
 真美の弱点は、あの驚異の力 バースト あれを撃たせ 意識を失った所を拉致。
 その為に、S級2体を連れて来た。
 それに、多数の妖獣も タイミングを計り投入する。
 S級2体と、多数の妖獣相手 真美に、あの バーストを撃たなければ、勝てない状況を作り出す。
 そして、撃たせ 意識を失った所を拉致 妖魔界へ連れ去る。
 今回の作戦である。
 だが、真美以外ラディエンスの力を持つ者の存在を ソノベーノは、うっかり忘れていた。
 余りにも真美の持つ魅力に、虜にされ 他の存在を見逃してしまった。

 「さあー ソノベーノ勝負 殺されたあっちゃんの仇 取らせてもらう」
 真美は、ライトソードを構える。
 「まだ そのような戯言を・・・」 笑い出すソノベーノ。
 真美自身 その程度は、理解している。
 今の姿に、性転換する前は、くたびれた40歳代の男 それなりにキャリアを積んでいる。
 どちら側に生まれたか? どの陣営に属したか? などのその程度の違い 相対的なものに過ぎない。
 正義など、相対的なものであり 属した側の敵が悪 つまらないナンセンス。
 勧善懲悪など、机上の空論以下・・・ 信じる者の精神構造が知りたい・・・
 愛読しているネットのSF小説 LEJENSの主人公 キャラン・サンダンス(和田 浩司)の気持ち 良く理解出来る。
 だが、真美の盾となり 死んだ友達の仇 討たねば気が済まない。
 じりっじりっと間合いを詰める真美。
 ソノベーノは、前回の真美との違いに、気づく。
 身体から白い光の発光が、起きていない。
 その為か? あの恐怖を憶え、威圧する様な ラディエンスの力を感じない。
 それでも その力は、1対1なら互角。
 かえって好都合 手下のS級2体と同時に戦わせれば、分の悪い真美は、やはり バーストを使用せざるえない。
 タイミングを合わせ、多数の妖獣を投入する必要性も無い。
 手下の2体の妖魔 妖力が、つい最近A級からS級にまで、高まり 不穏な気配を感じさせる。
 このチャンスを利用して、早めの処分するつもりであった。

 「真美ちゃん」 2人の女性の声が、真美の後方から響く、由美と、詩織の声。
 由美と、詩織が、ライトソードを構える。
 「ママ、詩織姉ー 下がってくれる」 真美の冷徹な口調。
 少し驚きの表情の2人。
 「ママ、詩織姉ーの戦える相手じゃない 今のママと、詩織姉ーの実力では・・・」 全盛期の力がなく 衰えの目立つ由美、元々ラディエンスの力の劣る詩織。
 「それに、ソノベーノ あっちゃんを殺した張本人 私1人に殺らせてー」
 「でも 真美ちゃん1人で、同時に、3体のS級・・・」 心配する由美。
 「大丈夫 1人で殺れる」
 由美は、詩織の顔を見つめる。
 2人は、うなづくと、構えを維持しながら ゆっくりと後退する。
 どうやら真美の気迫に負け 任せるようだ。
 ピンチになったら 助太刀。

 「まだ2人も ラディエンスの力の持ち主がいたとは・・・」
 だが、思わぬ伏兵の出現に、ソノベーノの戦術変更が迫られた。
 真美に比べれば、遥かに劣るラディエンスの力 だが侮れない。
 「仕方あるまい・・・」
 ソノベーノは、指を鳴らした。
 同時に漆黒のトンネルから 40体を超える妖獣出現。
 「真美の後ろの2人と、遊んでおやり」
 一斉に、2人に襲い掛かった。

 「ママ、詩織姉ー!!」 真美が叫んだ。
 だが、構えを説かず、警戒を解いていなかった2人は、突然の妖獣の出現にも、即応。
 数の不利など物ともせず、善戦する。
 真美も救助に向かおうとする。
 「おっと・・・」 不敵な笑み浮かべる2体のS級に、行く手を塞がれる。
 「お前さんの相手は、このオノギット様」 異様に毛深い 全身剛毛に覆われた妖魔。
 身体の至る場所からハリネズミの様な鋭い剛毛が生えている。
 "男同士でも、近寄りがたい 全身剛毛のムダ毛 メンズサロンに行って、全身永久脱毛した方が・・・" と、元男の真美でさえ思った。
 見るからに、余りにも不潔に感じる。
 顔も目と唇以外、異様な剛毛のムタ毛に覆われている。
 元男の真美でさえ、絶対女にもてない、嫌われるタイプ 爽やかさがない・・・ と、思った。
 「それと コダシヨール・・・」 こちらはいかにも品の悪い 高慢で、クソ意地の悪い面構えの 全身ドロに塗れたようなどす黒い老人。
 見た目と違い タコのような軟体性と、強力なパワー系である事を この時点 真美は知らなかった。
 「死にたくなければ、そこをどきなさい 逃げれば後追いしない」
 真美の最終通告。
 LEJENSの主人公 キャラン(浩司)が、時々使うセリフのパクリ。 実はファン。
 女言葉に、1部変更しただけ。
 逆効果しかならない。
 「何ー この最強の俺様に、逃げろ 後追いしないだと・・・」 2体は、声を揃え 互いを睨み合う。
 「てめえーが2番だ」 互いに罵り合う。
 「面倒だから 同時に掛かってきなさい」 呆れて真美は、言った。
 「なめんなあー 小娘・・・」
 2体は、同時に真美を襲った。
 まずは、オノギット 全身の剛毛のムダ毛を伸ばし 針の様にして、自在に操りながら 至る方向から真美を襲う。
 真美は、避けながら素早く後退 真美のいた場所には、剛毛のムダ毛が、地面を突き刺している。
 更に攻撃が続く 真美を襲う無数の剛毛のムダ毛をライトソードで応戦 真美自身のラディエンスの力で作り出したライトソード その切れ味は、鋭いはずなのに、斬れない。
 真美のライトソードは、その強度に弾かれ 手が痺れる。
 その隙に、真美の後ろに回ったコダシヨールに、後ろから羽交い絞めにされる。
 右腕を首に巻かれる。
 人間と違い タコなどの軟体動物のように、関節が無く 更に真美の身体に、巻き付く。
 「くっ・・・苦しい・・・」 思うように呼吸が出来ない。 苦しさの余りライトソードが、手から落ちる。
 コダシヨールは、真美の身体を左手で、いやらしく撫で始める。
 ビキニの水着姿で戦う真美 ほとんど裸に近い。
 まずビキニのブラの上から 胸の膨らみを撫でる。
 「やはり 人間の若い娘は ええ・・・ 柔らかく弾力性があるええ乳しておるわい・・・ へ・へ・へ・・・・」
 いやらしい笑みを浮かべ舌をいやらしく動かす。 その眼は、まさしく変質者の異様な目。
 更に、露出している身体を撫でる。
 「やはり ピチピチした肌理の細かく、柔らかく、弾力性もある美白の肌・・・」
 更に、その手は、ショーツの股間の部分に達する。
 「こちらは、どうなってる・・・」 コダシヨールが喋る事に、腐った、とても耐え切る事の出来ない臭い、まさに強烈な加齢臭が、真美を更に苦しめる。
 真美のピンチ気づく、由美と、詩織 だが、こちらも妖獣の大群に囲まれ、容易に突破 救出がままならない。
 軟体動物の様な足で、真美の足が巻かれ 少しずつ足を広げられる。
 ショーツの上から いやらしく撫で回すコダシヨール 余りの興奮の為か? 呼吸が変に荒い その目は、異様な輝きを発し 口を大きく開けヨダレを垂らし 表情は、更に、変質者の異様な興奮の表情に変わる。
 オノギノットも近づく 剛毛のムダ毛の1本を鋭く尖らせ真美の額に狙いを定める。
 「抵抗したら 額を貫く」
 "もう ダメ・・・ 息が 息が出来ない・・・"
 窒息の為 意識は薄れ失われていく。
 その時だった どこからともなく なつかしい真美を呼ぶ声が、脳裏に響く。
 「真美ちゃん、真美ちゃん・・・」
 "あっ・・・ちゃん・・・" 真美の脳裏には、ソノベノールに殺された 杉村 敦子の声の様に感じた。
 「真美ちゃん こんなやつらに負けちゃダメ さあ勇気と力を・・・」
 "あっちゃん どこにいるの?"
 確かに真美は、敦子の存在を身近に感じている。
 「私は、真美ちゃんの側にいるよ」
 "でも 見えない・・・"
 「これでも私 霊能者の端くれ 今 真美ちゃんの見えない霊体となって、直ぐ側にいる」
 "あっちゃーん・・・"
 「微力だけでど、私の霊能力 羽衣 真美ちゃんに上げる これを使って、人に、災いと死をもたらす あいつら倒して 真美ちゃんは、どんんな事があっても 負けちゃダメ 真美ちゃんは、私達みんなの希望」
 「あ・・・っ・・・ち・・・ゃ・・・ん・・・」 真美の微かな声が、漏れた。
 同時に、真美の身体の奥から 今まで眠っていた無限に湧き出る力の流れを感じ 急速に高まる。
 「何を言っていやがる こいつ」 コダシヨールを言った。
 呼吸が思うように出来ず、幻覚でも見ているのだろうと。
 その瞬間 今 巻きつき締め上げている真美から 信じられない、見た事も、聞いた事も、感じた事もない 想像を超える巨大なラディエンスの力を感じた。
 同時に、ここまで、発光現象を起こしていなかった真美の身体が、ゆっくりと、白い光の発光を始める。
 「は・あ・あー!!」 真美は、大きな叫び声を上げた。 同時に、身体の白い光の発光が、急速に増し始める。
 「な・・・何だー こいつ!!」 真美の身体に、軟体動物の様に巻きついていたコダシヨールは、絶叫と共に、急膨張した真美自身が発する白い光のエネルギーに弾き飛ばされた。
 「はあー・・・はあー・・・はあ・・・」 うなだれ 身体全体で、大きく呼吸する真美。
 また敦子の声が、真美の脳裏に木霊する。
 「真美ちゃん・・・」
 敦子の心配そうな声が脳裏に響く
 "あっちゃん 2人で一緒に戦おう"
 元気に、姿が見えないが、身近に感じる敦子に語りかけた。
 「うん」
 敦子のうれしそうな声が、真美の脳裏に響く。
 その瞬間 真美が発光する 身体の白い光が爆発した。
 同時に、真美の後方には、敦子の霊能力である 羽衣が出現 まるで、天女が纏う羽衣の様に、羽衣は、真美の後方で、優雅に舞い踊る。
 真美自身 白い光を発光し、その直ぐ後方には、白い羽衣が、優雅に舞い踊る。
 見る者 全てが、絶世の美貌を持つ美少女天女が、降臨した様に見えた。
 地面に落としていた真美のライトソードが、サイコキネシス(念動力)で、引き戻される様に、持ち主の真美の右手に収まる。
 ライトソードの輝きが、更に増す。
 「行くわよ あっちゃん」 真美は叫んだ。
 「うん 真美ちゃん」 敦子の声が真美の脳裏に木霊する。
 まず手始めに、苦しめられたコダシヨールに、狙いを定めた。
 恐怖に駆られ逃げようとするコダシヨールを 白い羽衣の2つの先端が、真美の前に繰り出し まるで生き物の様に優雅に舞いながら 逃げるコダシヨールを捕らえ 巻き付き締め上げる。
 苦しむコダシヨール。
 真美は、ライトソードを上段に構え 刀の部分に、ラディエンスのエネルギーを集中。
 ライトソードの輝きが、更に増し 輝きが大きく膨れる。
 由美直伝の必殺技 ムーンライト。
 羽衣で、巻き付き締め上げていたコダシヨールを 空中に放り出すと、同時に、コダシヨールに向け ライトソードを振り下ろす。
 強力なラディエンスのエネルギーは、三日月型の光のエネルギー体となり 空中に放り出されたコダシヨールを 頭から2つに切り裂いた。
 2つに切り裂かれたコダシヨールの身体は、ラディエンスの力で、跡形も無く消滅する。
 見届けると、今度は、オノギットに狙いを定める。
 オノギットは、逃げる素振りにも見せず、不敵に薄笑いを浮かべ、全身から生える剛毛を伸ばし 鋭い針の様にして、自在操りながら 各方向から真美の身体を貫こうと襲い掛かる。
 だが真美は、逃げない 悠然と構える。
 真美の後方の羽衣は、瞬時に反応 真美を守るべく、眼に止まらない素早い動きで、次々と襲い掛かる剛毛をガード。
 もし これが敦子自身の霊能力であれば、これ程の防御力 強度はなかっただろう・・・ 簡単に羽衣は、突き破られていただろう。
 だが 今 この羽衣は、真美のラディエンスの力を得ている その防御力、強度は、鉄壁とも思える程。
 「無駄よ」 真美は、冷たく突き放す様に言う。
 「勝ち目はないわよ」 もう1度言う。
 「うるさい 俺様は、S級だ!!」 オノギットは、伸ばし自由に動かしていた 剛毛を縮め 太くする。
 まるで鋭利で、太い針で覆われたハリネズミの様になる。
 狙いは、真美に体当たりして、串刺し・・・
 真美は、ライトソードを左手に持ち替え 右手を前へ突き出し手首を立て 手の平の前に、ラディエンスのエネルギーを集中 白い光を放つ球体が発生 更にエネルギーを集中させる。
 「なめんなあー 俺様 オノギット様は、最強のS級だーーー!!」 ものすごい雄叫びを上げ 猛然と真美に体当たりを喰らわそうとする。
 「はあー!!」 真美は、気合を込めた。
 真美自身の必殺技 ニードル 手の平の前に、発生した白い光を放つ球体から 無数の光る針が、発射される。
 やはり威力のケタが違った。
 真美の発射した ニードルの光る針は、次々と、オノギットに命中 オノギットの身体を切り裂き消滅させる。
 残るは、あっちゃんの仇 四天王の1体 ソノベーノ。
 ここで、ようやく 由美と、詩織が合流 あの40体を超える妖獣を全て退治していた。
 由美は、何度も必殺技 ムーンライトを繰り出し 相当お疲れの様子。
 やはり 力の衰え 寄る年齢には、勝てない。
 その点 若さ溢れる詩織は、呼吸こそ乱れていたが、元気はつらつ。
 「さあー 残るは、四天王の1体 ソノベーノ みんなで行くわよ」
 由美が声を掛けた。
 「ママ・・・ 最後まで私達に殺らせて」
 真美は、懇願した。
 「私達って・・・ どう言う事?」 由美は、娘 真美の言う意味が理解出来ない。
 確かに、先程 真美が身体から いつもの白い光が発光 同時に、今 真美の後方に優雅に舞い踊る 羽衣が、突如現れた。
 私達 星沢家が持つ ラディエンスの力と、霊能力は、全く異質 同時に、2つの力を持ち合わせない。
 真美には、霊能力を持ち合わせていないのは、各種検査の結果 確認されている。
 なのに真美は、戦死した友達の杉村 敦子と言う霊能者の霊能力 羽衣を使っている。
 有り得ない。
 「今 私の側に、見えないけど、あっちゃんがいるの・・・ 私には、感じる事が出来る。 そしてこの羽衣 あっちゃんの 今 私 あっちゃんと一緒に戦っている。 私 1人じゃない だからお願い 最後まで、私達に戦わせて・・・ ママ・・・」
 真美の真剣な表情に、「好きなようにやりなさい」
 由美は、真美を見つめ微笑む。
 「他だし やばくなったら 助太刀するわよ・・・」
 「解かったわ・・・」
 真美は、再度 身体を白い光の発光を上げた。

 だが、ソノベーノは、余裕のある表情。
 前回 真美のラディエンスの力は、この程度ではなかった。
 現在の真美は、確かに身体から 白い光を発光させている。
 だがあの時 前回の戦闘時に見せた まるで揺らめく炎が火柱となり 天空を焼く様な発光とは、かなり違う。
 先程、比べ 真美は、確かにラディエンスの力が、急速に高まっている。
 だが、あの時とは、かなり力が、見劣りする。
 あの時は、無限に力が、増大していた。
 更に、同じ相手に、2度も逃げたのでは、S級四天王の名に傷が付き 四天王の名誉は剥奪され 妖魔界の笑いの種にされる。
 プライドが、許さない。
 真美に、バーストを撃たせ それをうまく避け、意識を失った隙に拉致 妖魔界に連れ去ればいい・・・。

 「さーあ どこからでもかかっていらっしゃい」
 真美は、ライトソードを構え ソノベーノを睨む。
 ソノベーノは、両腕を刀に変形 手前で、クロスに組 両目を閉じる。
 同時に、真美の周囲を 1周する数のソノベーノが現れる。
 「分身の術・・・」 真美は、つぶやいた。 だが全く動じる気配がない。
 実体は、1つ 後は幻影だと思っていた。
 「ふん 小賢しい 分身の術などではない 全て実体 全て我がソノベーノ 全て同じ妖力を持つ 分身体」
 真美の周囲を1周する 全てのソノベーノが、声を揃える。
 同時に、真美の周囲を1周する 全てのソノベーノから 両腕を変形させた刀が伸び 真美を襲う。
 真美の後方に、優雅に舞い踊る 羽衣が、瞬時に、真美の周囲を回る。
 全ての刀は、真美の周囲を回る羽衣と激突。
 やはり 全ての刀は、弾かれる。
 「少しは、やりますねー だが・・・」
 多数のソノベーノが、同時に動いた。
 それぞれの動きが違う ソノベーノの言う通り 分身の術ではなく 全て実体の分身体 あらゆる方向から、真美に斬りかかる。
 1体のソノベーノの 両腕を変形させた刀とライトソードで、応戦。
 残りのソリベーノの攻撃は、羽衣で、ガード。
 だがこのままでは、殺られるのも時間の問題。
 正面に、次々と変わる ようやく1体のソノベーノを斬っても 次のソノベーノが現れ 斬られたソノベーノも致命傷を与えなければ、直ぐに再生する。
 「このままじゃー」 真美は、ラディエンスの力を更に高めた。
 力を高める程 力のコントロールが難しくなる。
 真美の身体は、白い光を発光している状態から 白い光が、揺らめく炎の形に変わる。
 「ようやく 少しは、本気を出しましたね。 星沢 真美さん」
 この時を待っていたように、多数のソノベーノが、薄笑いを浮かべる。
 だが、まだまだと、多数のソノベーノは、思った。
 前回は、真美が発する 白い光は、確かに今の様に、揺らめく炎の形であった。 しかし今は、真美の周囲を 揺らめく炎が包み込んでいる状態に過ぎない。 あの時は、巨大な火柱となり 天空をも焼くようなすさまじい力であった。
 真美には、考えがあった。
 ラディエンスの力を更に高める事により 真美の動きが、更に俊敏になる。
 もはやソノベーノには、このスピードには、対応出来ない。
 取り囲まれた状態から脱出 少し離れた場所で、振り返る 正面には、ソノベーノの一団が、集中している。
 この形にするのが目的であった。
 一気にバーストで、決着(ケリ)を付ける思惑であった。
 真美は、この状態 つまり身体から発光する白い光が、揺らめく炎の状態になると、真美の最終必殺大技 バーストが使える。
 バーストは、真美の持つラディエンスの力を一気に、光のエネルギービームにして放出する 最終必殺大技。
 その為 全ての力を使い切る為 その後 意識を失う 諸刃の剣。
 それ以外 ラディエンスの力を解放しても 身体が発光していない状態、身体が白い光を発光している通常の状態では、バーストが使えない。
 バーストを使うには、身体に多大な負担が掛かる、今の身体から発光する白い光が、揺らめく炎の状態にならなければならない。
 それに、気づいている室長の小夜子が、真美に、バーストを封印するように、きつく言った。
 真美自身の身体が耐えられない強力な力 寿命を縮め 死期を早める恐れがある。
 その点を 見間違えていたソノペーノ この状態では、バーストが、使えないと思っていた。
 炎が火柱になり 天空高く舞い上がらなければ、使えないと思っていた。
 全てが、実体 1つでも生き残れれば、真美が、バースト使用後 意識を失った瞬間 拉致し 妖魔界に連れ去ればいい・・・と思っていた。
 真美の身体から発光する 白い光が、火柱となり天空高く舞い上がる状態にするには、真美の精神状態が、強い、怒り、憎悪、深い、悲痛な悲しみに包まれ 我を忘れ 暴走と言える状態でならなければならない。
 このようになった時 真美自身すらコントロールを失っている。
 望む状態になったソノベーノ だが気づいていない。
 集団で固まる事の危険性を感じ 数体のソノベーノが、散り また真美を取り囲もうとする。
 だが、動いた瞬間 真美の羽衣によって、行く手を遮られる。
 "いよいよ 例のバースト使う気だなあー 1体でも 生き残らせれば勝ち・・・" ソノベーノは思った。
 だが、真美の羽衣で、行く手を遮られる。
 "仕方あるまい 数体を囮に、正面突破・・・" ソノベーノは、そう思った。
 真美は、バーストの構えに入った。
 真美の持つ ラディエンスの力が、1点に集中。
 その時 数体のソノベーノが真美に向かいものすごいスピードで、突進。
 「うん?」 それに気づく真美 だが、バーストは、1発勝負の大技 ここで中断出来ない。
 「はあー!!」 気合を込め 両手を前へ突き出した。
 強力な光のエネルギーが、多数のソノベーノを直撃。
 瞬時に消滅する。
 「やった・・・」 全身虚弱状態の真美。
 瞬時に、ラディエンスの力が消え 真美の身体から発光する 白い光の揺れる炎も消え 羽衣も消える。
 同時に 足元ふらつくが、何とか踏ん張る。
 「真美ちゃん ありがとう」
 真美の脳裏に、敦子の声が響く。
 「何言ってるのー あっちゃんのおかげ・・・」 
 「うーん そんな事ない 真美ちゃん・・・」 何故か? 敦子の声が悲しそうに聞こえる。
 「私 もう時間がないの」
 「どう言う意味・・・?」 少し驚く真美 まさかの思いが過ぎる・・・
 「私 もう この世界に留まれない 行かなければならないの・・・」 悲しい表情の敦子の姿が、何故か眼に浮かぶ真美。
 「うそー ずーとこれからも一緒に・・・」 真美の眼に涙が浮かぶ。
 「ダメ もう限界」
 「嫌よ 行っちゃダメ これからも・・・」
 「真美ちゃんと、知り合えお友達になれた それだけ十分 サヨナラ 真美ちゃん それと、私の霊能力の羽衣 真美ちゃんに・・・ きっと真美ちゃんと、真美ちゃんの守りたいもの全て守ってくれる サヨナラ 真美ちゃん あちらの世界から 真美ちゃんの事 いつまでも見守っているね・・・」
 その瞬間 身近に感じていた敦子の気配も消えた。
 「あっちゃーん!!」 真美は叫んだ。
 真美は、地面に両膝を付く。
 「あっちゃん・・・」 真美は、小さくつぶやいた やはり身体は、限界を超えていた。
 意識を失い 倒れる。
 「真美ちゃーん」 ようやく由美と、詩織が、駆け寄ろうとした。
 ここ亜空間フィールド内にいた S級妖魔 多数の妖獣 全て倒したはず。
 なのに、何故か? 亜空間フィールドが、消えない。
 由美と詩織は、まだ警戒を解いていない。
 真美まで、後少し・・・と言う所で、倒れ意識を失った真美を抱き上げる異様な手 そうまだ生きていた 全身半分以上を失いながらも・・・ あのソノベーノが生きていた。
 1体だけ ギリギリ直撃だけは、避けていた。
 だか、S級の強い妖力を感じない。 いや無いに等しい。
 「それ以上近づくな 近づくと、この小娘の命はない」
 残っている 頭部半分の1部を ナイフの形に変形させる。
 だが・・・
 突如 亜空間フィールドが消えた。
 元の屋内プールの世界に戻る。
 唖然とした表情を浮かべるソノベーノ。
 もはや妖力は、ほとんど失われ 亜空間フィールドを生み出す妖力さえ残っていない。
 周囲には、妖魔ハンター数人が立っていた。
 零夜、沙耶 そして、いつの間にか、室長の小夜子もいる。
 小夜子は、ゆっくりソノベーノに向かい歩きにがら 印を結び祝詞を讃える 同時に、左腕のブレスレットの黄金色の霊石が光る。
 「霊獣 聖龍神 解放」 小夜子が言うと同時に、左腕のブレスレットの黄金色の霊玉石から 巨大な 黄金色に輝く 翼を生やした 龍のが現れる。
 小夜子の霊能力 霊獣 聖龍神。
 霊獣 聖龍神は、空中を舞い 鋭い眼つきで、ソノベーノを睨む。
 「さあ その娘を離しなさい お前には戦う妖力など残っておらぬ」
 「何を言う 近づけ小娘を殺す」 いきがるソノベーノ だが、霊獣 聖龍神に気を取られていた。
 1つの影が、近づいている事に気づかない。
 三村隊長の霊能力 霊体を実体化した ファントム。
 ファトムは、瞬時に、霊獣 聖龍神に気を取られていたソノベーノから真美を奪い返す。
 表情が、恐怖で強張るソノベーノ。
 「喰らえ」 情け容赦の無い 小夜子の言葉が飛ぶ。
 霊獣 聖龍神は、巨大な口を開け 一気にソノベーノを喰いちぎる。
 周囲から完全に 妖魔の妖力が消えた。
 一息つく全員。
 「お疲れじゃった」 小夜子は、全員の労をねぎらう。
 「おやおや」 小夜子は、ある異変に気づき少し呆れた表情を浮かべる。
 霊能力 ファントムを使い 意識を失っている真美を救出した三村隊長が、ビキニの水着姿の真美を抱きしめ 両目尻が異様に下がりにやけた表情を浮かべうれしそうである。
 それに気づく詩織。
 「そこの変態ジジー 真美ちゃんを離せー!!」
 大声を上げ 突撃した。
 「嫌だー!!」 これ三村隊長。
 「やれやれ」 呆れ顔の小夜子。




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