LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。



 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 第1次妖魔対戦 Part8

 「ジーク・・・・いやルーシュトラーゼ」 弱々しい声 だがその眼 見つめる先 鋭く睨んでいる。 強い何物にも屈しない強い決意の表れを現した強い光を発している。

 「おやおやお目覚めになりましたか? 我が愛しのマイ・プリンセス」 少し楽しげに、気のある女性に対して、わざとおちょくる様に言い放つ。

 予想外に速い目覚めだが今例えA級以下の妖魔と戦っても果たしてどうか? まだ何も回復していないのが解る。 真美自身その事は解っている。 今 必要なのはこの場をどう切り抜けるかだ。 戦闘ばかりが、戦いではない 時には、戦闘よりも外交交渉の方が効果がある場合もある。 ある意味 "戦わずして勝" 戦略の基本。 だがその為の必要なカード 1枚も持ち合わせていない。 それを見透かさせない様 ハッタリをかますしかない。

 「私としては、赤子をひねるより簡単に勝てる今の星沢 真美さんに勝った所で・・・・・」 隙だらけの余裕、もはやゲームセット 勝者の驕りにも似た まさに敗者に対する情け そんな言い方であった。

 「当初の提案通り ここは1度互いに引き 明朝 夜明けと共に再戦・・・・・」 ルーシュトラーゼの提案。

 ここに対峙する妖魔ハンター全員 少し驚きの表情を浮かべる。 このまま一気にコールドゲーム 今 その状況をあえて捨て、敵に塩を送る そんな愚劣であった。

 「他だし・・・・・」 話を続けルーシュトラーゼ 「ここ近郊に布陣する各国の軍隊に告げる 先程のC国の様に、まさに闇討ちに似た戦闘を仕掛けてきた場合 今度は、その軍隊ののみならず、本国に対して、まだ妖魔界に残る部隊により焦土化が行われる事を 良く覚えておく事ですね。 我々の力 甘く見くびらないように、そして、ここからは、我ら妖魔と、その積年のライバルである 妖魔ハンターとの聖戦 例え我ら妖魔の神々であっても邪魔をする事は、決して許されない戦い」 高々と宣言をする。

 「どうですか? この提案 決してあなた方妖魔ハンターも悪くない話ではないでしょう」

 「つまり 寿命が、いや命日か? 1日に伸びるだけ」 ほっりとだれにも聞こえない様 毒舌を吐き捨てる三村 面白くない表情を浮かべる。 完敗による敗軍の将のぼやきでもあった。
 口、表情は、だれが見てもそう語っているように見える。 だが、これも戦場での1種の駆け引き ポーカーゲーム。 内心は、どんな策略を巡らせているのか? 信じていいのか? 思案していた。

 一方真美は、全面的に信頼 言葉を鵜呑みする気などない。 だが、現状不利は歪めない。  ルーシュトラーゼ 現状圧倒的有利 下らない策など用いなくても 正面から力押し それで十分 あえてこちらに、全面降伏を求めておかしくない状況 いったい何を考えているのか?

 「星沢 真美さん」 何か含みを持たせ語りかけるネーシュトラーゼ。 「今の貴女(あなた)を倒す事は、容易い 手負いの貴女(あなた)に勝って大した意味などない それに私とて、名誉を重んじます。 今の状況で、勝っても後世の妖魔に評価はされないでしょう、 生々堂々と・・・・・」

 自ら自惚れ? 真美にはそう感じられた。 だがある面 軍事ロマンチストなのか? もしそうならば、僅かながら付け入る隙がある。 元々真美は、今の性転換、年齢退行前 決して、全てに恵まれ 綺麗で、夢の様な美しい世界を華麗に舞う華ではない。 その正反対のどん底を這いつくばり、ドロ水を啜り雑草の様に、言われなき踏みじみられた世界を生き抜いてきた。 真美の本質は見た目の最も華麗に咲き誇る華ではない。 踏みつけられている荒れ果て、見捨てられた空地の雑草。

 ぎりぎりの駆け引きの心理戦。

 ただ無情に時間(とき)だけが経過する。

 いつの間にか、空は、漆黒の闇の世界へと足早に変わり まるで漆黒の闇の世界に、散りばめられた光輝く色とりどりの宝石の様に輝く星々が、燦然と輝く。 砂漠の特有の乾いた空気が、満天に輝く星々の輝きを更に引きただせている。 ただ月明かりによって、かろうじて周囲が確認できる状態へと変化していった。

 例え最新の軍事用超高感度赤外線暗視ゴーグルを利用しても 動きの速い妖魔 動きを見切る事は、ほぼ不可能。 元々特殊能力を持つ妖魔ハンター。 妖魔の動きを眼だけで追っていない。 肉眼だけでは、とても追いきれない ほとんど妖魔の発する妖気、殺気等で、妖魔の動きを捕らえていたが、流石に、月明かりの薄明かりのみでは、不利。 だがどうやら妖魔も同じ様であった。

 あえて、夜間の戦闘を避けたいのが本音。 闇夜に紛れ息を殺し、気配を消し 敵に近づき夜襲をかけるを事を得意とするゲリラ戦型妖魔もこの大軍の中にはいるのだろうが、それには、周囲の妖魔軍との緻密な連動が必要不可欠 単独もしくは、少数による夜襲も 周囲との連動がなければ、逆に返り討ちにあう。

 これは真美の希望的観測でしか過ぎない。

 それよりもジークいやルーシュトラーゼは、正々堂々と正面から力づくで、私を倒しその前に膝まつかせたいのだろう。 自らの力を全妖魔、全人類に対して、誇示する。 無敵の史上最強の妖魔として。

 「その言葉 偽りなどなかろう」 妖魔ハンター室長の小夜子の声が響く。 どうやらルーシュトラーゼの提案を受け入れ 一時停戦に応じるようだ。
 このままでは、殲滅する。 少しの時間でも稼ぎ、生き残った妖魔ハンターに休息を与え 少しでも体力の回復させたい。 そう意向が働いていた。 先程隊長の三村の呟いた通り 「棺桶に入るのが、少し先伸ばしになるだけ・・・・」 小夜子自身そう思った。 せめて唯一の希望の真美が、完全復活まてとは、行かなくても あのSSS級妖魔ルーシュトラーゼと、互角に戦えるまで回復する時間が欲しい。 ただそれだけであった。

 後方の最前線基地と言っても、仮設テントなどの簡素な物だが、そこまでの道には、何もないただの荒涼とした砂漠が続く。 砂漠特有の日中の気温差の激しさ夜間大きく気温が下がる。
 結局 ルーシュトラーゼ提案を受け入れる ほとんど選択の無い状況下であった。

 「途中不意打ちの夜襲をかけせれた一溜りもない・・・・」 三村の半端諦めにも似た嘆き声を誰にも聞かれぬよう小声で漏れた。


 何事も無く無事 最前線基地に帰還出来た。 途中 また意識を失った真美 聖龍神の両手に乗せられ そのまま仮説の野戦診療所へと直行 いつもの極度の消耗であった。

 「いつもの事じゃが、真美ちゃん 自らの限界を遥かに超える力を一気に使い切る 困ったもんじゃ」 まるで死んだ様に眠る真美の顔を見つめながら小夜子。
 ここへ着いてから休息も取らず、真美の傍らを1歩も離れようとしない。 もちろんルーシュトラーゼの提案 全て信用する程愚かではない。 いつ不意打ちの夜襲 それに対する警戒もあった。 それ以上に ここにいめ人類側の各国の軍隊 それに対する警戒の方が、主であった。 ここー来る前 日本でひと悶着あった。 たった1人の人類を救えなくて、全人類を救うなど不可能・・・・ そう言う建前がある。 だがここにいる各国の軍の中に、必ず1部 跳ね返りがいる。 救世主気取り? 自らの保身しか考えない連中だ。 日本の時と同様 真美を拉致し妖魔に献上 自らの保身、その他 各種特権を要求する輩だ。 そんな事しても あの妖魔最強のSSS級 ルーシュトラーゼ やつは、間違いなく百獣の王ライオンだ。 それもThe king of kings(ザ キング オブ キングス=王者の中の王者) そんなのを相手に下手な事をすれば、称賛されるどころか、蔑視の対象にしかならない そんな程度の事も解らぬやつらがいる。

 「前方の敵より 後方の味方の方が更に危険 後ろからずっとんとやられればそれで終わり・・・・・」 小夜子の心を読むかのように ただの独り言呟きながら現れる三村 妖魔ハンターに入る前 所属していた傭兵(ワイルドギース)時代を思い出すかのようにであった。 汚い言い方をすれば、金で雇われたプロの戦争屋 用済みとなれば、雇い主の国家等から簡単にお払い箱として売り飛ばされる。 三村が所属していた部隊は、いつも優秀であり 敵から恐れられた存在であった。 歴戦の猛者(もさ)、大量の死をばら撒く地獄の死神部隊とまで言われた事もあった。 国家、雇い主などの敵との講和条件の中で、((売られ)) 戦闘中 後方iに展開している雇い主の正規軍から突然攻撃を喰らった事など1度ではない。 まさに挟み撃ち その都度 知り合い気心の知れた戦友を何人も失った。 他にも撤収時 ランデブーポイント(合流地点)にいるはずの船舶、車、ヘリなどがどこにも見当たらず、見捨てられた事もさえあった。 その時敵側に完全包囲され 流石に、綺麗な花が咲き誇るお花畑の世界へと覚悟を決めた瞬間 ある私設のシークレット・サービスによって救われた それがそう星沢家の超極秘の各国最強の特殊部隊と、その実力は互角と噂されるシークレット・サービスであった。 救われた時 星沢家のシークレット・サービスへのスカウト? と当初思っていたのだが、各種精密検査を受け 自ら秘めていた特殊な力 そう強力な霊能力者だと知った。 そして、人類共通の敵 妖魔の存在 それに対抗すべく結成されていた対妖魔特殊専門部隊 別名妖魔ハンターの存在 その最大のスホンサーが、星沢財団であること等を知る 助けられたの星沢家のシークレット・サービスへのスカウトではなく、自ら秘めていた特殊な力 強力な霊能力によって、妖魔と戦う妖魔ハンターの一員となる事であった。 古(いにしえ)の時代より突然現れ人類に対して、穢れと言うべき 汚れた死をもたらす妖魔 妖魔の持つ強力な特殊能力 妖力に対抗出来る霊能力 その霊能力を駆使し妖魔と戦う 強い敵と戦う事に飢えた野獣の性格を持ち合わせる三村に取って、恰好の仕事であった。 それに星沢家に救われた恩義も決して忘れていない。 今までいくつもの国家等の雇い主の為 戦場のそれも歴史に名をとどめる様な激戦を戦い抜き生き残ってきた三村 だが1度でも雇い主の国家等に、信頼を置いた事などなかった。 いつ裏切られるか? だが星沢家は、違った 三村に対して、誠意を見せ信頼を置いてくれた。 1部 国家機関の1である為 跳ね返りの妄想に心酔した程度の悪い連中はどこにでもいる。 ここへ来る前にひと悶着あった。 だがその時でさえ星沢家は、危険を冒し まるでポーカーゲームやり合うみたいにしながらも決して裏切らなかった。 信義に対して信義で返す。 今の三村の心の心境であった。

 少数持って、多数叩く 軍事ロマンに過ぎない。 稀にだがある。 だがその味を覚えると甘美に麻薬に犯され 自ら見失う。 王道つまり常に、全て勝つための条件を整え それを有効的に運用 完全包囲網化で、全力を敵を叩き潰す。 現状圧倒的不利 戦力差などと言葉では語れない程 無数の巨大な象の大軍に、たった数匹の小型の蟻が立ち向かう 決して言い過ぎではない。 どんな奇策を用いてもただのムダな悪あがきにもならない。 戦略上の勝利は、妖魔の殲滅ではない。 妖魔の神々にも匹敵すると言う妖力を持つ 最高ランクのSSS級妖魔 ルーシュトラーゼと、その1つ下のランクのルーシュトラーゼ直属の親衛隊 まさにガードと言える3体のSS級を倒す つまり頭を潰す その4体の妖魔によって統率されている妖魔軍 頭を失えば、この大軍を統率出来る妖魔は、皆無 例え生き残ったS級妖魔同士の指導権争いなど、自己崩壊を起こす。 バラバラすれば、各個撃破しやすい。 大半のA級以下の妖魔 自己保身の為 妖魔界に撤収するはず。 色々と陳密にプラン(作戦)を考える三村。 生き残った僅かな戦力で、どう戦うか? やれる手立ては限られている。 敵 妖魔軍を攪乱させ連携を断ち切り 混乱状態を作り上げる それ以外方法などない。

 その頃 またも意識を失った状態の真美 深層意識とは、また別のまるで、意識だけが別となり 霊体となり異なる別の次元、まさに多重次元の1つに迷い込んだ? そんな感覚であった。
 何かが語りかけてくる。 その声に、はっとなり眼を覚ます。 そこは、全くの見覚えのない見知らぬ土地? いや世界? 空にブルースカイと言っていい 真っ青の澄み切った青空 所々に、ふんわりとしたクッションの真っ白な雲が、浮かんでいる。 大地には、綺麗なお花畑? ではなかった。 どうやら死後の世界? とやらではなさそうだ。 足元には澄み切った透明の湖面が広がる どこまで続くのか? 決して湖底が見えない 深い湖 つまり真美自身 空中浮遊し ゆらりゆらり揺れながら浮かんだ状態。 それも決して無重力状態とは違う 確かに重力を感じる。

 また決して、耳に届く音波ではない 真美の心に何か声が語りかけてくる。 「・・・・力を運ぶ者 ・・・・・力を受け継ぎ運ぶ者」 そう語りかけてくる。

 「だれ・・・? いったいだれなの?」 そう言葉を漏らし 周囲を注意深く探る だがそこには、人影らしき者さえ見当たらない。

 突如 目の前に、白い靄の様の物が、ゆったりと湧き出す。 そこに、人型のシルエット それも美しい 思わず息を?んでしまいそうな程の美しい女性のボディーライン? 全体が靄に覆われている為 はっきりとは、断言できいが、多分間違いない。 ゆったりと現れる。 敵意、殺気など感じない。 どうやら敵ではなさそうだ。 それに声の音色 魅惑的な色艶のある大人の女の声に感じた。 だがどこか悲しげな哀愁を帯びている。

 霞んだシルエットが、語りかけてくる。 「我が名はラディエンス SSS級の女妖魔」 そう真美の心に語りかける。 そして、だれも知らないラディエンスの力 その秘密の1部を真美にビジョン(映像)を交え語りかけてくる。 それは遠い昔 妖魔界での出来事であった。 この力 ラディエンスと命名された女妖魔が、元々持ち得た妖力でも 努力で身に着けた力でも、数々の死闘、戦いの中で、付けた力でもない。 確かに生まれし頃から備わっていた。 だが本来持ち得るはずであった力とは、別物であった。 それは真美がこの力に覚醒前と、ある意味同じであった。 真美と違うのは、誕生と同時に覚醒した事 妖魔が本来持つ特殊能力 妖力とは、本質的に異なった特殊能力であり 本来持つポテンシャルは、妖魔の持つ妖力を凌駕する。 ただこの力 真に使えるのはその力を持つ者の本来の能力によって大きく左右される。 そして、長きに渡り妖魔界の覇者、覇王 つまり頂点を目指す戦いを繰り広げる妖魔 その戦乱の続く世界に、ラディエンスが出現 瞬く間に頂点を争う者の1体となった。 妖魔の妖力と本質的に異なる未知の巨大な力 他の妖魔達の畏怖の念の対象となった。 ラディエンス以外だれも持ち得ない神秘と驚異の力。 そして、何故だか、妖魔の妖力と互いに引き合い まるで磁石のN極と、S極の様に、元々1つの仮想の素粒子モノポール(磁気単極子)と言う力が、2つ分離した様に、感じられた。 そして本来の1つの力に戻ろうする。 ラディエンスに会った、戦った全ての妖魔がそれを感じた。 そして2つの力を手にした妖魔 つまり2つの力を持つ妖魔を産ませた子の父親こそ その子と共に、妖魔の覇者、覇王となる。 どの妖魔もそう感じた。 そして、ラディエンスを巡る争いが、更に戦乱の続く妖魔界に加わり更に激しさを増した。 このまま続けば、妖魔そのものが絶滅の危機に瀕する。 そんな戦いに嫌気がさし遂にラディエンスは、自らのこの異能力と言える力を用いて、別の平行として、無数に存在する別ユニバース(宇宙)の1つへと、自ら生み出した4次元ワームホールを使い逃亡を図った。 この戦いの渦中の中心妖魔として、この戦いを辞めさせる為に、そして何よりもラディエンス自身に、戦いに明け暮れる人生に嫌気がさした。 戦のない世界で、だれにも邪魔されず、静かな生涯を送りたいと、切に願った。 そして逃亡先が、全く見知らぬ平行ユニバース(宇宙)の1つ 我々人類が住むユニバース(宇宙)であり 4次元ワームホールの繋がった先が、1000年以上前の日本の古都郊外の余り勢力を持たない取るに足りない小貴族の庭園であった。 まさかここまでは、追ってこない・・・・ そう思ったラディエンスは、そう思った。  ここで戦いの無い世界で平凡に暮らせる。 そう信じていた。 だが1度戦いドローに終わった 最強のSSS級妖魔の1体 あのルーシュトラーゼが、ラディエンスの生み出した4次元ワームホールの秘密を突き止め 自らの妖力で、4次元ワームホールを作り出した。 それもラディエンスとは違い、異なる無数に存在する平行ユニバース(宇宙)と自由に繋げる力はない。 ラディエンスのいる平行ユニバース(宇宙)のみであり 往復するまさに次元のトンネルのみであった。 直ぐに最下層の妖力しか持たない妖魔もこの力を身に着ける。 まさにお互いが引き合う力により出来る4次元ワームホールを発生させる妖力 発生させ繋がる先き、ラディエンスのいる平行ユニバース(宇宙)のみ。 などのラディエンスの生涯の大凡であった。 そしてここから本題であった。 妖魔は、2つの力を手に入れた妖魔が、妖魔界の最初の覇者、覇王となり 妖魔界の頂点に君臨 そして、別ユニバース(宇宙)の地球及び、人類を支配下に置き そこを足掛かり更に他の星系へと進出を目論み 最終的には、2つのユニバース(宇宙)を支配する。 まさに壮大な夢の様な話を どうやら最終目的として、目論んでいるらしい。 まあーここまでは無理としても妖魔界と、地球の支配を望んでいるようだ。 真美と交わり 2つの特殊能力 ラディエンスの力と、妖魔そのものが持つ妖力 全く別の2つの最強とも思える特殊な力を持つ この場合半妖魔と言える存在。 間違いなく最強の半妖魔 容易く妖魔界を支配し、最初の統一妖魔となる。 戦乱に明け暮れた時代が終わり 1つの絶対の力を持つ妖魔による支配。 地球人類も その支配下に置けるだろう。 余りにも圧倒的な力 だがそりは、妖魔に福音をもたらさないと、ラディエンスは、考えていた。 もちろんその半妖魔に支配される地球人類など、問題外であっる。
 だがこのラディエンスの力と呼ばれる 妖力と互いに磁石の様に、1つの元に戻ろうするような まるでN極と、S極のの磁力が、元々も統一されたモノポールと言う仮想素粒子であったように引き合い1つに戻ろうする力 だが、対称性理論の表裏の関係 2つの相反する力の関係とは、異なっている。 元々妖魔本来の持つ妖力と、別物 元々1つの力が、ラディエンスの力と、妖力と分離し別の力となったのではない。
 この力 どこで誕生、どのような経緯を辿ったか? ラディエンス自身解らない。 何故か持って生まれ誕生と同時に覚醒した。 その為 ラディエンス自身生まれ備わった妖力は、いったいどのような妖力であったか? 多分この力に吸収されたのだろうか? 全く発現しなかった。 この力 いったい何が、目的なのか? まさに無限と思えるポテンシャル・エネルギーを持つ 実は、この力 ラディエンス自身 良く意味も解らず、尚且つ完全に使いこなせていなかった。 その辺は、真美も同様。 この力の意味 そして何よりもラディエンス自身 この力を運ぶ真美同様単なる器としての箱舟に過ぎなかった。 それでも現状の真美よりは、遥かに使いこなせていたのだが。 ラディエンス自身この力の秘密を解き明かす事が出来なかった。

 ただ唖然として受けいるしかない真美 どういっていいのかさえ理解出来ない。

 そして、もし真美と妖魔が交わり2つの力を持ち合わせた半妖魔は、最初の妖魔界を統一した妖魔となり その父親と共に、妖魔界のトップに君臨支配しない。 それどころか、この恐るべき2つの力により 妖魔界を滅亡と追いやり そして地球も瞬く間に生命の痕跡すら残さない死の惑星へと変えてしまう。 そして次から次へと、生命の存在する天体(惑星、準惑星、小惑星など)へと行き 生命の痕跡の存在すらない程 徹底的破壊を繰り返す。 それが、ラディエンスの見た 予知夢であった。 決して誕生させてならない存在。 それは単なる予知夢ではない。 誕生すれば、必ずその運命を辿る。 他だしここまでの強力な力を持つ半妖魔は、SSS級の妖力を持つ妖魔との間に出来た最初の半妖魔であり 例え最初にSS級以下の妖力を持つ妖魔との間に出来た半妖魔の場合 ここまでの力を持ち合わすことが出来ない。 妖魔界の支配者と、地球人類を支配する そして、他の生命の存在する天体(惑星、準惑星、小惑星など)に行くことは出来ない。 それにその力では、天体(惑星、準惑星、小惑星など)そのものを 生命の痕跡すら残さない死の星へと徹底的に破壊する力までは持ち合わせていない。 それは、真美もラディエンスもそうであるように、この力 余りのポテンシャル・エネルギーが、余りにも強大な為 自身の身体が持ちこたえられない。 持ちこたえる事が出来るのは、妖魔の神々にも匹敵すると言う妖力持つSSS級の妖魔との間に出来た最初の半妖魔だけ。 そう告げる決して、その姿を現さず ただ白い霞のかかったシルエットしか、認識する事が出来ないラディエンス。 このシルエットが、ラディエンスである事自体疑いようがなかった。 別の妖魔が、真美の精神に侵入 そう言う夢を見させている様な精神攻撃などでない。 個々により微妙に異なるラディエンの力を このシルエットから感じられていた。 偽物、幻覚などでない。 そして感じるこの力 真美と全く同質の力 まさにラディエンスの力の源流。

 そして、SSS級妖魔ルーシュトラーゼ 過去にラディエンス自身戦闘経験が1度があった。 決着付かずのドローであったが、あの鉄壁と思える身体全体に張り巡らす どんなエネルギー系の攻撃をも まさにカウンターの如く、放った相手に、それも更に、ルーシュトラーゼ自身の強大な妖力を加え返すミラーコーティングと言う最強の技を持つ それに真美を始めとするラディエンスの力を持つ者の主要武器であるワン・オブ・ウエポン(単一仕様武器)と言えるライトソード まさにエネルギーの剣でもミラーコーティングに被われた身体に掠り傷1つ負わせる事が出来ない程の強靭差を持っている。 まさにダイヤモンドで出来た超硬質の鋼 決して言い過ぎではない程の強度を持っている。 まさに完璧と思える強さの一旦であった。 だがいくつか弱点も存在する。 この世の中 完璧な物は、完璧に存在しない。 あのミラーコーティング長時間連続使用が出来ない。 相手からのエネルギー系、物理的攻撃を受けた時の返し技 カウンター攻撃であり ミラーコーティングを瞬時に身体全体に張り巡らすと、ルーシュトラーゼ自身の妖力による攻撃が出来ない。 動きがかなり遅くなるなど、ある意味諸刃の剣 だがそれら弱点も 補っても有り余る程の強力な技 何しろエネルギー系の技を放った相手に、正確に、それも自らの妖力を加え返す最強のカウンター攻撃。 真美の最終必殺大技バーストでも 結果は全く同様 簡単に弾き返し それもルーシュトラーゼの強力な妖力と言う更に威力を増し加えられる。 だが余りの強力の技 身体全体に張り巡らすのに、ほんの僅かだがタイムラグ(時間差)が生じ その瞬間が無防備となる。 それに、このミラーコーティングされていない通常の身体そのものは、S級妖魔同程度の防御力 超近接戦闘に持ち込み ミラーコーティングで身体を覆う前に勝負をかける 一撃必殺のヒット・アンド・ウエー(一撃離脱)も有効的。 ただこの攻撃には、真美のラディエンスの力の更なる覚醒を必要としていた。 同じ箱舟でありながらラディエンスの方が、遥かにこの力を使いこなしていた。 真美の最終戦闘形態に入った状態ですら比較すらならない程 元々地球人類と、妖魔では、身体そのものの持つ本来のポテンシャルの極端な違いに起因していた。 軟弱でか弱い構造の人類に対して、元々戦闘に特化したかのような強固の構造を持つ妖魔 スピード、ハワーなどどれを取ってもケタ違い。 それを補う為ではないが、人類は、道具として武器を発展させてきたのに対して、妖魔は、自身の持つ戦闘能力である妖力を高めてきた。 その為 真美の本来持つホテンシャルの限界を遥かに超える必要性が生じる。 それはまさに諸刃の剣 大きな力を得るには、それと同じくらい大きな代償を払う事が必要であった。 それはラディエンスの秘められた力の1部 それについて淡々と語りかけてくる。 真美の本来持つポテンシャルの限界を遥かに超える その為使用は、たった1回 奇策と言える戦術であった。 あくまでもラディエンスは、強制的に言い方はなかった。 「・・・・選択するのは、あなた自身よ・・・・」 余り進める気を感じ取れない言い方であった。 そしてそれを使用した場合の余りの大きなリスクに付いても語った。 その力を使用した場合に起きる大きな反動 つまり大きい、とてつもない高い代償をその身体で支払う事になる。

 まるでカジノのポーカーゲームを講じている様な無表情で、感情を表に現さず、ただ聞き入る真美 最初から覚悟を決めていた。 そう感じずにいられない表情、態度。

 真美の内面、現状の精神構造、思考の悪い面であった。 自身SNEP(スネップ)である。 ラディエンスの力の その源流の力を運ぶ箱舟として、覚醒する前 そうその力による性転換、年齢退行前の40歳代のくたびれたまだ未婚の恋人すらいない男だった時代 守るべき家族も 愛し愛される相手もいない孤独な身 それでも決して不幸な身だとは思っていはなかったが、例え死んでも悲しむ人もいない。 それが、今の真美にもトラウマ(心的外傷)となって、心の奥底の深い闇となって続いていた。 自分の存在 まるで取る足りない存在として扱う。 その為 敵であるSSS妖魔ルーシュトラーゼを倒す千載一遇のチャンス 自身の身の安全など考慮に入れない 例え刺し違えても倒せれば 話を聞きながらそう思った。

 「解ったは・・・・・」 淡々としたまるで他人事の様な返答。 毅然とした いやまるで感情を表に出さない彫刻の様な全く変化しない表情。 真美自身自らの戦略目標達成の為の使い捨ての道具、単なる捨て駒の1つ。 そう思っている様であった。

 「何も言わない ただ明日の戦いの為に、ゆっくり休みなさい」 まるで、本当の母親が、疲れ切った我が子を愛おしむ様に語りかける。

 まるで何もなかった様に、更に深い深睡眠状態へと入る真美。 ただ釈然としない気持ちが残った。 それは、ラディエンスの力と呼ばれる この神秘の力 妖魔の持つ妖力とは全く異なる力 だがその力の秘密 いったいどういう力なのか? 前任者というべきラディエンスと呼ばれた 今は亡きSSS級の女妖魔 それですら全く知らない。 いったいこの力は何なのか? そして時を超え運ばれる 無限と思えるポテンシャルを持つ1種のエネルギー体。 何故? その疑問に対して、答えがなかった。 あるのは、妖魔のそれも妖魔の神々にも匹敵すると言うSSS級妖魔と、このラディエンスの力 2つの力を同時に持つ者を決して、誕生させていけない ただそれだけであった。 この力いったい何をもたらそうとしているのか?


 翌朝 まだ日が上るには、少し余裕がある。 空には満天に星々が燦然と輝いている。 これから始まる地獄図 まさにそんな事が起きようとは想像さえ出来ないように、静かにただ地上を見つめている様感じられた。

 何かに導かれる様 ゆっくと両目を開ける真美。 いつもの低血糖による目覚めの悪さ まるで夢遊病者の様にぼーっと目覚めない夢心地の状態ではなかった。 ほとんどミラクル(奇跡)としか言いようのない すっきとした目覚めであった。

 ゆっくりと上半身を起こす。 いつもの真美と何かが違う。 神々しい美少女ですら思わず嫉妬する程の美しさに、更に磨きが掛かった様な絶世の今までの以上に美しさが、身体全体からオーラとなり周囲に迸っているそんな風にさえ見える程であった。 もう1段 更に覚醒した 今この瞬間真美を見た者は、だれもがそう思うだろう。 究極の力を手に入れ それが美しさとなっている。 だがそれは、まさに諸刃の剣であり 余りにも儚く儚さをも同時に秘めていると気づく者は、多分皆無であった。 余りにも強く光輝く恒星を直視すれば、周囲の惑星、準惑星、小惑星等が、見えなくなるように、そしてそれは、夏の夜空に打ち上げられる花火の様に、一瞬の輝きでしかない 直ぐに消えてなくなる儚く脆い物であるのに、いったいだれが、気づくだろうか? この時から始まった。 いや40歳代のくたびれた中年の男だった氷室 拓真が、ラディエンスの力 それも源流の力を運ぶ箱舟として、覚醒 同時に、性転換、年齢退行した時点から既に始まっていたのかも知れない。 真美としての人生の最大のターニング・ポイント。

 「いいか・・・・・」 隊長の三村の声が、仮設の小さな作戦司令室に響く。 早朝夜明け前。 今日の作戦内容と言っても 周囲には、生き残った妖魔ハンター 真美、詩織、由美、室長の小夜子、零夜、佐々木、そして風吹 三村を含めて総勢たったの8人 昨日世界各国の選りすぐりの霊能者 数百人規模であったのが、ここまで減っていた。 全員戦死。 日本の妖魔ハンターも 西、沙耶、佐伯が戦死 詩織の母 良美は、未だ意識の戻らない重体。 今生き残っているたった8人で、万を超える妖魔軍と、夜明けと同時に、最後の決戦を行う。

 作戦と言っても余りの巨大な戦力差 奇襲も何もない。 あの重厚な陣形を突破 本陣の3体のSS級と、最終戦略目的のSSS級妖魔ルーシュトラーゼとの 真美の直接対決 その為の援護 ただそれだけ。
 昨日 飛行能力のあるS級妖魔以下は、ほぼ殲滅させた。 新たに妖魔界から飛行能力のある妖魔を補充していなればだが、ここにいる妖魔ハンター全員 妖魔の発する妖気を感じ取る事が出来る。 あの結界と呼ばれる4次元ワームホールを通り 新たな妖魔が加わった形跡をだれもが感じていない。 妖魔側も新たに妖魔補充していない。 残存戦力のみ。

 昨日飛行能力のあるS級以下の妖魔をほぼ殲滅した為 ここハルマゲドンの丘の後方にそれぞれ陣取る各軍隊の僅かな航空戦力と言っても 中心は攻撃用ヘリだが、全機投入 地上攻撃による支援を行い 少しでもあの重厚な陣形に、乱れを与える。 主だった作戦内容であった。 まさに第2次世界大戦で、日本軍が行った最も愚劣の骨頂を極めた戦法 単なる貴重な戦力の浪費である兵士に無駄死にを強いる神風特攻 そこまでではないが、それに近い物かも知れない。

 「・・・・どうせ 御上のお偉いさんのやつら 潮時を計り白旗を上げ妖魔のクソ喰らえのやつらに、献上品として 我らの真美ちゃんを差し出す算段を進めているだろうが・・・・・」 周囲には、その取り巻きが固めているのを知っていて、わざわざだれにでも聞こえるように、大声を上げる三村。 他人を褒める時は、大きな声で、悪口を言う時は、だれにでも良く聞こえる様に更に大きな声で、こうな状態である。 こうでも言わなければ、発狂してしまうのだろう。 数々の大激戦を生き延びてきた三村でさえこう言う状態であった。 三村自身 「元々発狂している これ以上発狂しようすもない・・・・」 多分間違いなくそう言う返答を返すだろう。

 ここにいる妖魔ハンター全員 例えこの様な理不尽の命令 白旗を上げ、妖魔の望む献上品 真美を渡せ・・・・と命令が下っても だれも絶対に守る気などない。 例え妖魔に八つ裂きにされても、最後の1兵になっても どんなことがあっても 守り通す、 強い決意を固めていた。 真美を妖魔に渡せば、確かに一時しのぎにはなる。 だがそれは、更なる人類に取って、大きな災いとなり人類全体に降りかかる 本能的にその事を感じ取っていた。 どんなことがあっても真美を 妖魔に渡す それは絶対に出来ない。

 それに今 一緒にいる真美 最初見たときから、もはや超絶と言っていい程 何かが違っていた。 真美自身が放つオーラが、更に輝きを もはやこれ以上はない。 そう思える程圧倒的増していた。 それは強さと、美しさを同時に兼ね添え。 もはやどんな言葉で。決して言い尽くせない程であった。 思わず息を吞む それしか出来ない。

 いよいよ夜空が、白々とし始めた。 最後の決戦の時が近づく。




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