LEJENS レジェンス LEJENS以外のSF小説です。 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。 妖魔ハンター 作者 飛葉 凌(RYO HIBA) 第1次妖魔対戦 Part4 ものすごい まるで全ての大地が叫び声を上げた地鳴りにも似た低くく、大地をも揺らす轟音が、この戦場の大地の大気を震わす。 後方上空からすさまじい物凄いスピードで迫る轟音 眼にも捕らえぬ事が困難なマッハのスピードで、複数 まさに巨大な洪水の様に押し寄せる。 そう地中海に配備された主要国の海軍艦艇から発射された通常弾搭載の複数の衛星からのナビゲーションによるピンポイント ミサイル攻撃 1基の大型ミサイルには、複数の小型ミサイルが搭載されており 途中で、周囲を覆うカバーが外れ 中に搭載されている小型ミサイルが発射される。 多弾道ミサイル。 まさにミサイルによるゲリラ豪雨。 同時に、今度は、正面上空に、複数の戦略爆撃機が襲来 下部に搭載されたトマホーク・ミサイルを妖魔軍に向け次々発射する。 そう三村のあの不敵な笑み 実は、それが、この爆撃のサインであった。 「それは、どうかな?」 不敵な笑みを浮かべ捨てゼリフ」を吐くのと同時であった。 所詮全く通用しない火力でこそあるが、一応スパイ衛星から送られてくるGPSデータによる誘導 コンピューターシステム搭載の現在最高レベルの高度ハイテク兵器。 相手の出鼻を挫く。 妖魔から発する妖気が、一種のバリヤーの役割を果たしミサイルなどの強力な火力は、全て、妖魔軍の周囲を覆う 決して、肉眼では見えない妖力と言う1種のエネルギーの障壁(バリヤー)となり妖魔軍の周囲に、まさに半ドームを形成 命中直前で防がれてしまう。 だが、動こうとした瞬間の出鼻を挫くには、十分 ミサイルの爆発による爆煙 敵妖魔の一瞬の躊躇 一時統制の混乱など、隙が生まれる それが狙い目であった。 無数に上がる爆煙 まさに絨毯爆撃 人類側のだれもが、微かな望みを祈らずにいられなかった。 これで決着(ケリ)を。 これ程の大規模絨毯爆撃 それもピンポイントによる火力集中の1点集中攻撃。 だが敵 妖魔軍は、動きこそ抑えられ沈黙すれど、無傷。 数の劣勢 個々の戦闘能力の差 どれを取っても人類側は、圧倒的不利 例え戦場が、人類側に取って地の利がある場所でも だが現代に置ける戦闘は、個々の戦闘能力よりも それを補う余る組織力 組織戦 三村は、それに賭けた。 最新のハイテク兵器と、ここにいる各種特殊能力者の有意義に、効果的運用 それ以外勝機など、短時間でとても見いだせない。 だがこのチャンスを待っていた。 三村の無言のサイン まさにプロ野球などが使用するプロックサイン。 動きの速い真美、詩織、風吹が、正面の本陣が布陣する中央の妖魔軍に向け、突撃を開始する。 その両横を2体の聖龍神と、白龍神が、カバー 側面を3人のスピードに合わせガードする。 やや遅れて、残り約100人の特殊能力者達が、能力を最大限に高め後に続く。 先手必勝 敵 妖魔軍の動きが止まったどさくさに紛れ 全戦力1点集中の攻撃 狙いは、SSS級ルーシュトラーゼ 唯一拮抗出来る力を持つ真美に担当させ 残りSS級以下は、全員で。 無理は承知の上の まさに、ゲリラ戦術。 妖魔軍に出来る限りの連携を封じ、混乱状態に陥れ組織的な攻撃をさせない。 「詩織姉ー、風吹君 私が正面を切り開く」 少し前に出て両横の2人に言う。 それで十分 まず針の孔でもいい 正面の本陣に1本の穴を空ける。 どんなに強固に作られたダムでも ほんの1ヶ所 小さな穴がそこから水が漏れれば、やがてその穴は拡大 最後にダムそのものが、決壊する。 良く言われる話。 真美の狙い。 その狙いを瞬時に理解する詩織と、風吹。 小さくOKと頷く。 それを確認すると同時に、真美のスピードが、加速する。 「真美ちゃん 速すぎる」 どこか悲鳴にも似た詩織の声が。 いきなり真美が、たった1人部隊から飛び出す。 だれもが付いていけない余りの速さ。 敵 妖魔軍は、今 混乱状態で、連携がうまく取れない状態 だが、今の真美は、だれも支援する者が皆無 まさに飛んで火にいる夏の虫? 妖魔からは、そう見えた。 これも真美の計算であった。 自分1人に全妖魔の眼を集中させる。 たった1人で、全ての決着(ケリ)を付ける。 三村の立てた複数の作戦プラン それを真美が、利用する。 自らのプランを実行させる為。 一気に、A級以下の妖魔を1人で、殲滅させる。 全部でなくていい 20%以上 これで効果は、十分 S級以上の各個部隊は、必ず浮き足立つ 慌ててまだ妖魔界にいる予備兵力の動員する その時開かれる4次元ワームホール その時がチャンス 開かれた4次元ワームホールに突入する。 出来る限り・・・・ いや最低でもS級以上の妖魔は、まとめて全部。 自らをターゲット(エサ)、囮、極上とはいかない。 それでも多分価値はあるはず。 狙いは真美自身 単純な戦場の心理戦におけるトラップ(罠) 妖魔軍の戦略上の勝利を逆手に取る。 多分これが現状でのベター。 ターゲット(エサ)に、囮に引きずられるはず。 それも無意識に。 飛んで火にいる夏の虫とまでは うまくこちらま誘い乗ってくれれば・・・・・ そう思いつつ 単独で、本体中心部に突撃を開始する真美。 こう言った時 余りにも複雑な心理戦を仕掛けるより あえて単純な手の方が、陥りやすい。 多分 間違いなくこの心理は、思考と言う物を持つ生命全てに共通するはず。 より高度になればなる程。 今 それに賭けるしかない。 「あっちゃん 私のワガママ付き合って・・・・」 そう真美の後方で、優雅に舞う羽衣に語りかける。 「・・・・・」 いつも何も語らないはずの敦子の形見の羽衣 だが、脳裏・・・いや心に敦子の声が響く。 「何を言っているの真美ちゃん? いつも一緒にここにいるよ 真美ちゃんと、私はいつも一緒 真美の行くところどこでも付いていく そして、私が真美ちゃんと、真美ちゃんの守る者全てを守る・・・・・」 「でもねー 今 真美ちゃんがやろうとしている事 それは違うよ 真美ちゃん1人が犠牲なれば・・・・ そんな風に考えてはダメだよ。 真美ちゃんは、みんなの希望 最後まで希望を捨てないで・・・・」 そう心に語りかけてくる。 脳裏には、あの敦子の笑顔が浮かぶ。 真美は、左手1本にライトソードを持ち 右腕を前方正面に狙いを付ける そう敵陣中央に穴を空ける 真美の持つ大技の1つニードル 極細の少し長いエネルギーで出来た針の様な技 大抵の物質ならば、まさにミンチの様に切り裂く。 そのまま最大限に高め発射 真美の突き出した右手の前に高められたエネルギーの球体から無数の光のエネルギーで出来た極細の針が無数に発射される。 極めて高い連射速度で弾丸発射するガトリング砲 毎分4000発を遥かに超える光のエネルギーで出来た極細の針 高い連射性能で広い範囲を掃射できる 幅約数m どんどん後方にいる妖魔を切り裂く。 まるでポロ着れの様に。 最初にこじ開けられたまさに窪み どんどんと、後方へと そう真っ直ぐ掘り進められるトンネルの様に、分厚い本陣 正面の中央に開かれていく。 ターゲット(獲物)を そこから発する甘い香りで誘う食虫植物の様に、真美をそこへと誘う。 丁度そこには、本陣を守る身体の装甲が厚いが、やや機動性に劣るA級以下の妖魔が、守りを固めていた。 だがその程度の身体を まさに亀の甲羅の様に、少々の攻撃では、びくともしないはずの装甲も 真美の放ったニードルは、まるで薄い紙切れの様に次々と切り裂いていく。 真美の狙い通り やはり妖魔と言っても だれもがその命は惜しい。 真美の先行攻撃を受けた敵 妖魔軍 本陣中央部は、その部分だけ まるで窪みの様な穴が開く そこに突撃する真美 妖魔のだれもが、その命を惜しむかのように、真美の突撃を止めようとしない 次々と左右に分かれ1本のトンネルの様に道が、真美の向かう前方に開かれる。 それは、行きだけの片道キップ。 決して、帰りの無いキップ。 真美が通り過ぎた場所は、まるでね開かれた傷口を閉じる様に、また妖魔が固める そうそれは、甘美な蜜の香に誘われ食虫植物の1種 ウツボカズラ属の捕虫器の壺のような形の中に、飛び込んだ虫。 飛び込んだターゲット(餌)を 蓋を閉じ決して逃さない。 そして、飛び込んだ虫を 底に体積する消化液で、ゆっくりと消化する。 その様な不気味さを醸し出していた。 先程までの混乱状態が、突如組織だった統率された動き、どうやら1部妖力の劣るA級以下の妖魔が。、何かとてつもない大きな力により 精神そのものを乗っ取られた そうマインドコントロール(精神支配)を受けたように、整然と、自らの意志と無関係に動く。 その動き 後方の動きに、気づく真美。 「退路を断たれた・・・・」 「あのSSS級妖魔ルーシュトラーゼの持つ 究極と言える妖力の1種 どうやらテレパシーを利用したマインドコントロール(精神支配)?」 なんとなくそう気づく真美。 敵は、妖魔の神々にも匹敵する妖力を持つSSS級。 「ただここにいる全ての妖魔に使用する事は出来ないはず、せめて数十体 それも妖力の劣るA級以下」 内心呟く真美。 こう言う戦場における独特の嗅覚 僅かな情報から ある程度分析する能力に優れた才能を持ち合わせていた。 決して慌てふためいた表情すら浮かべない。 全くの無表情 どうやら想定していたようだ。 真美の後方で、優雅に舞う羽衣も 後方を閉じた妖魔の動きを警戒こそしていたが、特に、変わった動きを見せていない。 後方からの突然の不意打ちには、俊敏に対応する態勢こそ取っていた。 閉じられた強固な妖魔の砦 これ以上の侵入者を絶対に阻止する。 その為 真美に遅れ現れた詩織、風吹 そして、特殊部隊全員が、正面の本陣の妖魔軍との戦闘を余儀なくされた。 真美を袋の鼠のように周囲を取り囲む妖魔軍 本陣中央部隊 真美の突撃を阻んだのは、S級妖魔3体。 何の前兆もなく、まさにそこにはばかる絶対に動かすことの出来ない巨石の様に現れる。 流石にここまで、何ら抵抗らしい邪魔を受けず、突進してきた真美 だがやはり圧倒的妖力を放つS級 それも3体。 少し離れた場所で、その突進も止めるしかなかった。 行く先を阻む3体のS級妖魔 無言の眼に見えない力=エネルギーが、ぶつかり合い火花を散らす。 急に静まる僅かな、異様と思える静寂の時 その周囲を砂漠特有の乾燥した風が、小さなつむじ風となり細かな砂粒を小さく巻き上げる。 だが真美が、見つめている先は、前方に立ちふさがる3体の妖魔ではない。 見つめているのは更にその先 そこは、本陣の本丸 その中央に鎮座し これから起こるであろう展開を 不気味な漆黒の闇にうごめく深い闇底のどす黒い笑みを浮かべるSSS級妖魔ルーシュトラーゼと、その前をガードする その発する妖力から 間違いない 全身を黒のローブで被い その正体こそ隠しているが、SS級3体。 もはや前方を立ち塞がる3体のS級妖魔など眼中にない。 そう言う表情を浮かべていた。 「そこをどきなさい 死にたくなければね どけば、後追いしない・・・・・」 そう切り出す真美。 真美の最後通告。 出来る限り無駄な戦闘を避けたい。 もうはやS級妖魔であろうと、敵ではない。 そう言う態度。 いつになくラディエンスの力が、安定していた。 「いつも現在の第2戦闘形態になると、変動が激しく安定しないのに、どうやら あの妖魔の神々にも匹敵すると言うSSS級の 全く感じないはず、未知の巨大な妖力と、共鳴 互いに、N極と、S極の磁力を持つ磁石の様に呼び寄せているのか、その逆の反発しているのか?」 異常なまでの高まりを感じていた。 注意は、完全に、不敵な笑みを浮かべ真美を 何かを期待する眼で見つめるSSS級妖魔ルーシュトラーゼに向いていた。 周囲は、全く見えていない。 余りにも光輝く恒星に眼を奪われ 周囲の惑星、準惑星、衛星などの星々に見えなくなっていた。 「どこをよそ見している!!」 まさに無視された状態となったS級妖魔の1体 俄然と真美に向かって突進する。 どうやら至近距離からの肉弾戦、パワー勝負を望んでいるようだ。 そうそのはず格上のSSS級、SS級を除く、S級妖魔の中で、ずば抜けたパワーを誇っている。 全長5mを超え 質量は、700kgは超えている。 まさに筋肉の鎧に覆われた巨大妖魔。 まして相手は、見るからに、細身で、華奢で、少し小柄 ただ息を吹きかけるだけで、遥か後方に吹きと飛ばせそうな程か弱い存在にしか見えない。 そのはず、真美は、身長158cm 体重は、理想的なファッション体重 比較すらならない。 巨大な象と、蟻にしか思えない程。 至近距離 必殺の間合い・・・・ に入った。 そのまま体当たり・・・・ いや鷲掴み・・・・ のはず。 だが、何かが両足に纏い付く、信じられない程の柔軟性と、この宇宙で知る限り自然物の中で、最も高い硬度を持つダイヤモンドの様な強度を持つ それも布切れ それが両足を締め付け パワーに似合うだけの巨大質量を持つS級1体を軽々と持ち上げ、そのまま地面へと叩き付ける。 巨大な地震が発生したかと思える程のの地響きと共に、地面が大きく揺れ、少し大きめのきのこ雲まで上がる。 背中から地面に叩き付けられる 一瞬 目の前に星々が煌めいたのか? 眼を白黒させ 今 起きたことが余り理解出来ない表情を浮かべる。 確かに、パワーこそずば抜けているが、お約束事でもあり 多分だれしもが、想像つくが如く、少々お頭の巡りは、良くない方であった。 真美が、第2戦闘形態以上になると、後方に現れる羽衣と呼ばれる ラディエンスの力を持つ者には、持ち合わせていないはず、まず絶対と言っていい2つの全く接点のない特殊能力であり 人類が、本来持ち合わせている特殊能力である 妖魔と対抗しうる特殊能力の1種 霊能力。 真美の必殺の間合いに這い込むと、必ず真美を守るため あらゆるデフェンス(防御)を施す。 その程度 ある一定の妖力以上を持つ妖魔の間では常識となっていた。 簡単に、ある一定の間合い以上近づかせない。 鉄壁と思えるデフェンス(防御)。 今度は、まさに王者の風格を漂わせ、ゆっくりと、真美に近づくもう1体のS級妖魔 ある意味真美の持ついくつも持ち合わせ共存している多面性の一面の1つを全身から醸し出している。 最も重要な根幹の部分の1つかもしれない? 同じ匂い? 沈着冷静であり 真美同様 冷酷無比なまでの冷徹差で、全てを見通している そんな表情を浮かべている。 「余り感心しませんね フロイライン そのようなお転婆、じゃじゃ馬ぶりは、近い未来の我が主君の妃となるべき者の行いではありませんよ」 注意する言葉の感情など、微塵も感じさせない。 ただ冷酷。 「少し お灸が必要ですね」 「まあー心配しなくても そのお美しい顔、身体には、傷1つ付けないようやさしくしてあげましょう?」 不敵に笑う。 余程の自信過剰家? 余りにも余裕を持った堂々した あくまでも態度。 真美には、そう見えた。 どうやらいつもの超辛辣な皮肉と言うスパイスを ふんだんにまき散らす毒舌家としての頭脳も活発化している。 その右隣り立つもう1体のS級妖魔 狂っているのか? 意味不明の 果たしてこれが言語かと思える? 大声を上げ、錯乱したかのような変な笑い声を上げている。 どうやら そっち系が趣味らしい? 歪んだ表情。 ゆっくりと、真美の羽衣に、地面に叩き付けられ眼を白黒させながら 目の前に浮かぶお星さま達をただ眺めている巨大なS級妖魔に近づく。 「いつまで、眠っているのですか? いつも言っているでしょう? ただ力任せに、猪突突進しても 少しは、考えなさいと」 諭す様にこそ聞こえるが、相手をただ見下しているだけ。 何ら相手を思いやる気持ちなどない。 「3体の中のリーダー格?」 だれにも聞かれないよう内心呟く、それに表情すら読まれぬ様 ママである由美ばりのポーカーフェイスを装う真美。 今は、前哨戦である心理戦 読まれたら不利。 周囲をまるで、無限の幅を持つ そう全て妖魔に取り囲まれた様に感じずいられない。 まさに敵中の真っただ中。 周囲は全て敵だらけ、孤立無援 だが逆説的に考えれば、撃てば命中する。 フレンドリーファイヤー(同士撃ち)の危険はない。 そんな呑気な考えが何故か思い浮かぶ。 普通なら余りの恐怖に震え発狂してもおかしくない状況下。 だが自ら望んだこと。 スポーツの試合ではないが、今 この状況下を楽しむ・・・・ それ以外ない。 こう言う状況下にしない為 隊長の三村が、陣形を考え色々な策を考えていた。 妖魔の良く使う策は、中央突破 各個に分断し2複数で、周囲を取り囲み殲滅戦を強いる各個撃破戦術を良く用いる。 だがどういう考えなのか? 真美は、たった1人で突っ走り 自ら妖魔の策に乗った。 自ら孤立分断された。 寝返る気なのか? それだけは、絶対に有り得ない。 確かに、圧倒的敵の前に、敵前逃亡 敵に寝返るなど、珍しい事ではない。 だが、真美は、そう言うタイプではない。 考えられるのは、たった1つ 自らを生贄として捧げる 真美ならやりかねない。 自らを非常に価値の無い者と見下し、常に戦闘中 いつもその様に戦う。 決して褒められた傾向ではない。 自らと引き換えに、仲間、つまりここにいる戦友と、全人類の生命の保障・・・・等などの もはや戦争の戦略ではなく、政略。 妖魔の真っただ中に飛び込んだ真美 あの分厚い陣形を破るには、戦力を1点に集中させる 1点突破しかない。 それ以外真美を救い出す方法はない。 真美を救い出す。 真美が妖魔の手に落ちれば、その時点で、ゲームセット。 あの不敵で、冷酷な笑みを浮かべるSSS級どころか、2ランク下のS級ですら、我々人類側に対抗出来る人材はいない。 何としてでも救い出す。 真美の耳には、S級の殊更親切?な言葉など、ほとんど耳に入っていない。 右から左へ ただ聞き流す。 「ゴミ以下の商品?(ただの戯言)を ものすごい高値で売りつける サラリーマンをやれば、トップセールス記録出来る・・・・」 皮肉を込めて思った。 「まあー 戦略の最も基本 戦わずして勝 言葉巧みに、巧言令色、美辞麗句を並べ・・・・・」 変な部分で思わず感心。 悪い癖 40歳代の男の歪んだ心の反映? 褒められた事ではないが、こう言う時 結構役に立つ場合もある。 何しろ周囲は、完璧と思える程 分厚く、虫1匹入る隙間の無い完全包囲網下。 皮肉の1つでも思い浮かべなければ、多分正常心ではいられない。 「ある意味絶景、壮観だねー・・・・・」 思わず、ある意味感心した様に、少し表情を緩め周囲を見渡し零す真美。 そうそのはず、我々人類の美的基準 その基準点に付いては、かなり個人差が激しいが、到底美しいとは言えない、1部除くが、余りにもグロテスク、奇怪・・・・等の千差万別の外観を持つ妖魔達 奇妙奇天烈の外観を持つ今から約5億500万年前のカンブリア紀のモンスター(怪物)達の方が、はるかにマシ? それに周囲を完全包囲網下に置かれていた。 妖魔ハンターになって、2年目 数々の戦闘で、戦い見慣れたはずとは言え、ここまで揃って拝ませてもらうと、もう皮肉すら思い浮かばない。 呆れるしかない。 「一気に、1番厚い陣形 つまりSSS級妖魔ルーシュトラーゼ、元ジーク? のいる本陣まで、風穴開け 風通しを良くしょうか?」 内心呟きながら、少し冷酷な笑みを浮かべる。 男の持つある種の闘争本能と言えば、聞こえがいい。 だがその本質は、ただの大量無差別妖魔殺し。 真美の持つ最大の大技 バースト 第3戦闘形態以上に上げ、ラディエンスの力を 1種の巨大な まさに、銀河系同士が衝突 その中心部にあるブラックホール同士も衝突し 1つのブラックホールに合体する時発生する巨大な星間ガスなどの高エネルギー スターバーストから名を取った、真美の最終大技。 過去SS級 あのドッペラーには、通用しなかった。 ある程度の距離を置いた場合 距離によるエネルギー消耗率の問題 あれ程巨大な質量と、それに伴う莫大な核融合反応からもたらされ放出される莫大エネルギー量を誇る太陽ですら 僅かと言っていい1AU(天文単位=地球から太陽までの平均距離とみなしても大差はない=1,490,597,870,700m)の至近距離ですら ほとんど失われてしまう。 敵の懐に入り込む つまり0(ゼロ)距離 密着しなければ。 有効射程距離 僅か数百m程度。 だが、前方は、S級以下1000体以下? 500〜600体程度 その程度ならば、全力でバーストを撃てば、瞬時に、消滅 問題は、その後 全てのラディエンスの力を一気に、エネルギービームとして叩き込む。 その為 ラディエンスのエネルギーを使い果たし そのまま意識すら失う。 エネルギー量を自在にコントロール出来れば良いのだが、思うように、いや全く出来ない。 一か八かの賭け。 最終の止めの大技 前半戦には。 それに多分 SSS級妖魔ルーシュトラーゼ、元ジーク?の前に、まさに、オールドバイブル(旧約聖書)のノア箱舟伝説(実は、ギルガメシュ叙事詩のパクリ) 大半は、古代シュメール人の文学神話のパクリ? 多分バビロン捕囚時代に知りパクった? 多分それがの真相? ウォールズ・オブ・ジェリコ (Walls of Jericho) 日本名エリコの壁と呼ばれるの如く 難攻不落に聳(そび)える壁の様にガードする あの3体のSS級 まだ正体を見せていない。 多分 この距離だと、完全に防がれる。 「でも 試してみる価値あるかも?」 内心不敵な笑みを零す。 じりっ じりっとまるで無音でありながら 何かに操られ 多分 SSS級妖魔ルーシュトラーゼの発する1種のテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受けた様に、表情に何ら感情が無い カードケームのポーカーやブラックジャックなどの心理戦の場合 極めて有効 親を張るディーラーにすら表情から心の動きを読み取れない? まさに無表情で、不気味な程静寂に間合いを詰め始める。 その表情は、まさに、石像か、絵画? 全く変化がない。 どうやら 多数を持って、力ずくで、取り押さえる気だろう。 それも最前列の幅数体分 そり後方は、ただ周囲 つまり前方の動きに合わせているだけ? 「フェイント 脅しでも効果がある」 そう見切る真美。 両手で握るライトソードのスイッチを切る 同時に、バトンを左腰のベルトのフックに掛け、ラディエンスのエネルギーを更に高める。 真美自身から発する光輝くラディエンスのエネルギーは、大きく膨張 更に荒れ狂う まさに天を焼き尽くす様な地獄の業火。 何者のその業火に触れた瞬間 全てが灰? いやその程度では済まされない 瞬時に、まさに、メガトン級の核爆弾の爆心地で、直撃を喰らった様に消滅させられる そんなすさまじさを漂わせていた。 まんざらハッタリでない。 何を発狂したのか? 狂った奇声を上げ、1体飛び出したD級妖魔が、その業火の間合いに単独で突入 、触れたか、どうかの距離で、一瞬に消滅してしまった。 全く断末魔の叫び声すら上げる余裕もなく。 そこには、先程までいたはずのD級妖魔の1体の痕跡すら何も残っていない。 究極の まさに源流と呼ばれるラディエンスの力 その箱舟である真美の持つ最強のラディエンスの力 その力は、SSS級妖魔と同等と言わしめる所以でもあった。 真美の後方で、先程まで、優雅に舞っていた羽衣も 真美の戦闘形態アップに合わせ豹変 高速激しく動きだす。 まさに狙いを付け襲い掛かる血に飢えた肉食獣の如く、殺意をむき出しに、後方の間合いに入ってくる妖魔をそのまま絞め殺し、もしくは、その羽衣の衣そのものが、鋭利な刃物となり切り裂く様にすら感じられ 絶対に、真美の背中を守る そんな強い意志を発していた。 そのまま真美は、珍しく、まさになヒーロー物のヒーローが、最後の止めの大技を繰り出す時発する気合の入った 自らを鼓舞する雄叫びを上げ バーストの構えに入る。 同時に、第3戦闘形態へ移行。 身体の細胞1つ1つが、バラバラに飛び散りそうな程の強烈なエネルギーが、身体を駆け巡る。 余りの巨大なエネルギーの反動。 だが、これは真美の芝居気の入った演出であった。 これでSSS級妖魔ルーシュトラーゼによる1種のテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受けていない大半の妖魔が、どう動く? 狙いは、正面先のSSS級妖魔ルーシュトラーゼ その前に立ちふさがる妖魔軍勢のまさに分厚い、難攻不落に思える妖魔達の壁。 狙い通り 真美の必殺の大技バーストは、ここにいる多分 全妖魔に良く知れ渡っていた。 直撃を喰らえば、一溜りも無く瞬時に消滅させられる。 妖魔のだれもが知っている。 そして、撃った後 全エネルギーを使い果たし意識そのもの失う。 その時こそが、チャンス 赤子をひねるより簡単。 だが問題は、撃つ瞬間どのように逃げるか? ただその1点。 撃った後 うまく生き残った妖魔が、我先にと、真美に向かって殺到するのは、眼に見えている。 真美の両手の間に、エネルギーが1点集中 直径僅か数cm程度の小さな球体でありながら その秘めたエネルギー量は、まさに無限 その言葉にふさわしい程のとてつもないエネルギー球が、輝き増し高まる。 流石に、 SSS級妖魔ルーシュトラーゼの発する1種のテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受けていない大半の バーストの狙い その火線軸上にいる妖魔は、慌てふためき混乱状態になり逃げだし始める。 我が命だれもが惜しい 死んでは何も意味がない。 人間も妖魔もその点に関しては、全く同じ。 だが配下の軍勢の 全く統率の取れない無様な大混乱に陥っているにも関わらず、まさに王者の風格? 全く動揺の色すらその表情に浮かべず、楽しげに見つめるルーシュトラーゼ。 その表情が眼に入る真美。 「私の考え読まれている?」 疑念が脳裏を過る。 「とっておきの切り札は、最後の最後まで、残しておくもの・・・・」 そう言いたい表情にすら思える不敵な笑み。 「少数を持って、圧倒的多数の大軍を倒すと言う軍事上の邪道、奇策を用いる場合 まず敵の最も集中している部分に、大量破壊兵器を使用 敵の数を大幅に減らし、その混乱に乗じて、連動した各部隊による各個撃破戦術が、最も効果的だが・・・・」 そうまさに、ご教授している様にすら見えた。 まだ年端もいかな子供じみた策 そう言った眼つきであった。 連動した各部隊・・・・ 確かに、僅か100人程の特殊能力者がいるが、その程度では、軍事学上常識であり 古代中国春秋時代の多分世界初の軍事思想家孫文作とされる まさに、軍事学の経典の1つ 兵法書の中に述べられている "多数を持って、少数を叩く・・・・" 単純に兵力の差だけでないが・・・ 組織力を含む総合力の差 今 最も重要であった。 今の真美は、孤立無援の状態。 連動する部隊など望めない。 だが、真美の必殺の大技 バーストの構えに入っただけで、圧倒的多数 その主力をSSS級妖魔ルーシュトラーゼの前方に分厚いまさに、強固な装甲の様な 何も通り抜けられない陣形を配していた SSS級妖魔ルーシュトラーゼと言っても全ての妖魔を1種のテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)化に置けない。 かえって、陣形を高密度に配したのが、アタ゜となっていた。 逃げまとう妖魔達 どの方向に逃げようとしても まるで、朝夕の超満員通勤電車の中 混乱し、余りの多さに逃げ場がない。 それに、妖魔もその点しっているが、真美のバースト 構えに入ってからエネルギーチャージまで、ある程度の時間 タイムロスが必要としていた。 それがかえって、逃げられると言う気持ちを妖魔に与え 更に混乱させていた。 だれもが自らだけは、助かりたい 単純明快な生存本能。 そんな妖魔の混乱状態を冷酷な眼で見つめながら 真美の口元が、薄く少しだけ笑う その瞬間 妖魔のだれもが、撃つ そう確信 特に、火線軸上にいる妖魔達全てが、最後の絶望の表情を浮かべ、1部の妖魔達は、両膝を地面に着け諦め境地の態度を取った。 もう終わり。 自らの陥った境地、運命を呪った。 最後の瞬間 火線軸上にいる妖魔達全てがそう思った瞬間 だれもが、何か 狐につままれる・・・ そんな何 が何だかわからず、ぽかんとした呆気に取られた まさに間の抜けた締まりのない表情を浮かべ、先程までの大騒動は、どこへやら? 自らの顔なとを両手で確かめながら静まり返る。 生きている? ただそれだけを実感していた。 助かったのか? 何が起こったのか? それは、真美のフェイントであった。 撃つ そう見せかけギリギリまで、間を引っ張った。 エネルギーチャージに、タイムロスがある程度生じる それを逆手に取ったのだ。 エネルギーチャージの間妖魔が混乱する その状況を作り出すため。 あの分厚い密集した陣形 確かにバーストを撃たない限り簡単に開けられない。 だがバーストを撃てば、全エネルギーを使い果たし意識を保てない。 失う。 戦闘不能。 SSS級妖魔ルーシュトラーゼと直接対決するまで、意識を失い倒れる事など出来ない。 だが目の前の分厚いまさに、強固な装甲の様な 何も通り抜けられない陣形を突き破り通り抜けなければ、たどり着けない。 その為の苦肉の策 まさに奇策であった。 バーストのエネルギーチャージを瞬時に解除 同時に、左腰にぶら下げていた真美専用のライトソードを手に取る。 内部が混乱 統率された動きはなく、ほとんとの妖魔が、ほっとした とてつもない死を覚悟した緊張感から解放された安堵の表情を浮かべ、ただそこに、立ち止まっている。 今がチャンス。 「死にたくなければ、そこをどきなさい!!」 真美のいつもの最終通告。 同時に、猛ダッシュ。 真美の前に立ち塞がる妖魔を いや動けない、動くことが出来ない ただ余りの迫力に飲み込まれただ立ち尽くす事しか出来ない。 無抵抗に、蹴散らせ 蹴散らせられただけならいい 命だけは、取りあえずある。 この場合運悪くと言うべきか? そのまま斬り割き、斬り捨てられた。 ただ茫然と、真美の前進を阻もうとする妖魔は皆無。 見守るだけ。 何か強烈な金縛りにあった様に見つめる事しか出来ない。 真美自身から醸し出されている強烈な そう何か異様な物に取りつかれたかの様な まさに、修羅の世界に巣食うという慈悲の心すら持たないとされる 鬼神。 「さあー そこをどき道を開けなさい!!」 強烈な言葉を浴びせる。 その圧倒的迫力に飲み込まれる様に、前方が、ゆっくりと、後ずさりするようゆっくりと開かれていく。 その先に? そう先程 真美の前進を止めたあの3体の妖魔が、またその前進を阻止する様 立塞いでいた。 前進を止め対峙する真美。 「逃げ足だけは、速いみたいね」 不敵に言い放つ。 そうそのはず、先程 必殺の大技 バーストの構えによるフェイント そのエネルギーを集中させている時 いつの間にか、その姿をくらましていた。 主君を守る為 後方に退避し主君の前に、立ち塞がったと言えば、聞こえが良いが? どう見ても命からがら逃げた・・・・ と言った方が、ふさわしく感じる。 「このアマ 先程の借り 数倍にして返してやる!!」 いきり立ち全身からどす黒い殺気を漲(みなぎ)らせる。 「良くもこの俺様にハジをかかせてくれたなあー!!」 余程 先程 羽衣に足元をすくわれ 地面に叩きつけられ 目の前に、多数のお星さまが、燦然と輝いたのが、かなり悔しいらしい。 だが対する真美はと言うと、ただの負け犬の遠吠え 弱い犬程よく吠える・・・ そんな目付きであった。 逃げ足だけが、速いだけが取り柄? 力押しだけ 脳ミソ空っぽ・・・・ ただのジャイアントコング(仮)? 多分自らの名前は名乗ったのだろう? 真美の耳に届いていない。 名もないと不便なので、見た目通りジャイアントコング(仮)? と、勝手に、本人の了解もなく命名した。 今度は、先程とは違う。 そう言いたそうに、両腕を瞬時に変形 まさに、良く小さな子供向けのアニメに出てくる全身毛むくじゃらの原始人が持つ あの身体の半分は、ありそうな巨大な棍棒に素早く変化する。 「ある意味 予想通り?」 小さく呟く真美。 まさに、御約束事の戦闘形態。 パワーについては、断然劣る真美。 「あんなのまともに、喰らえば・・・・・」 確かにその通り。 だがまとも喰らえばの話。 もはや今の真美 第2戦闘形態に入っており いつになくエネルギーの高まりと、何よりもエネルギーが、安定していた。 それも何か呼応するかのように、異常なまでに高まろうとしている。 現状3体のS級クラス 束になっても勝ち目などない。 もはやその辺の雑魚。 油断こそ大敵と言える状態であった。 「そんなに早死にしたいの?」 ちょっととぼけた口調。 かなり演技に余念がない。 「何をぬかす!!」 もはや完全に頭に血が上り 見境のない状態。 「面倒だから、3体同時にかかってきなさい」 からかう様 左手で手招きする。 それも完全に相手をなめきった態度で。 余り下らない、必要外の戦闘に、余分なエネルギーと、時間を費やしたくなかった。 何よりそれが、無駄な殺生である事。 例え相手が、あの妖魔でも。 寂しがり屋だから冥途の土産に・・・・ どうだか? 両目が血走り、周囲の同じS級の妖魔から忠告 「死ぬなよー」等など、全く耳に届いていない。 どうやら他の2体のS級妖魔も 真美の方が、各段力から上だと見切っていた。 相手は、華奢で、見る限りか弱い少々小柄な人間の それも美少女などもはや眼中にない。 ある意味正しいのだが。 自らの力で完膚なき叩きのめし 自らの力を周囲に見せつける。 それ以外何も考えていない。 「猪突猛進?」 まさにその通り。 ただ見境なく突進、力押し。 それだけが取り柄。 動きが、俊敏、高機動力、はたまた超高速で自由自在に動き回れる真美。 簡単に、猪突猛進するジャイアントコング(仮)?を 避ける まさにスペインの闘牛士の如く、華麗に。 1度突進 簡単にブレーキ、止まることの出来ないジャイアントコング(仮)? そのまま味方の真美の後方を取り囲んでいたA級以下の妖魔軍勢の中に、勢い止まらず、突撃 何体もの味方の妖魔を木端微塵に吹き飛ばす。 体当たり版 フレンドリーファイヤー(同士討ち)? まともに喰らいバラパラに、引きちぎられいくつにも分離した細かな肉の固まりとなり上空に舞い上がる。 そして、大量の血と共に、地面に血の雨となり降り注ぐ。 まさに、メガトン級・・・・ いやそれ以上の破壊力を持つあの体当たりの直撃を喰らったA級以下の妖魔達 面従腹背で、いや恐怖による支配下か? まあそんな事こちらが気にする事などない。 味方の妖魔によって、その命を落とすとは、想像さえしていなかったのだろうか? 周囲の妖魔達の様子も 余りのショックで、表情さえ失う? 多少の変化はあるものの取り乱す妖魔はいない。 妖魔界も戦乱の時代だと聞き及ぶ、どの妖魔が天下を取るか? その為か? S級3体と、遊んでいる暇などない。 さっさと向こうが、1対1の勝負を望んている。 分断 各個撃破の手間が省ける。 増援、援軍どころか? 退路、補給線もない 行きだけの片道キップの戦い。 出来るだけ、スタミナの温存、ムダを省きたい。 狂気の沙汰の戦い 自ら望んだ事。 そう自分言い聞かせる真美。 先程から見え隠れるする SSS級妖魔ルーシュトラーゼの更に後ろ そこにある物 そう間違いないあれは、妖魔界と繋ぐ4次元ホームホール。 目指すポイント。 3体のS級と、更に3体のSS級 あれらを何とか撃破しSSS級妖魔ルーシュトラーゼと、直接対決 混戦に持ち込み そのどさくさ紛れ妖魔界と繋ぐ4次元ホームホールへSSS級妖魔ルーシュトラーゼと共に、突入 そうすれば、ここにいる残ったA級以下の妖魔も 後を追ってくる。 後は、妖魔界で、この命続く限り戦う。 SSS級妖魔ルーシュトラーゼを始め何体の妖魔を地獄への道連れに出来るか? それだけ。 戦略の最終目標。 全エネルギーを使い果たし、精根尽き果て、下手に囚われそうになれば、自決するのみ。 まずは、あのジャイアントコング・・・・・ ターゲット(狙い)を定める真美。 小さく頭を左右に振り 味方殺しをしたと言うのに、自責の念すら何ら感じるもの無いと言う表情を浮かべ、周囲を見渡すジャイアントコング。 どうやら真美を探している。 同格以上でなければ、つまり格下など ただの虫けら以下・・・・ まさにそう言う態度。 「うすのろバカ どこを見ている」 声こそ、可憐で美しいまだ大人に成り切れない少女の透き通る声 だが、「バカ」 その1言 最もジャイアントコングが、気にしている言葉の1つ それを堂々と、多数の味方の妖魔達が、周囲を囲む前で、はっきりと言われる。 元々お頭は、よろしい方 更に、短気で、感情のコントロールも出来ない。 直ぐに頭に血が上り見境もなくなるタイプ。 顔が、怒りで真っ赤になり 頭のてっぺんから大量の蒸気が湧き上がる。 「何だとー!!」 ドスの効いた低い声 「もう1度言ってみろ この俺様をバカだとー!!」 完全に頭に血が上っている。 そんなコケ脅し・・・・ 呆れた そんな態度で、両目を閉じ、鼻ですすり笑う態度を取る真美。 もはや勝敗を決している。 「今度は、こちらから」 そう宣言すると同時に、両手に握るライトソードの輝きが増し大きく膨れ上がる。 ママである由美直伝の必殺の技ムーンライト。 少し前進と、同時に、まずは、上段から振りおろし 素早くこんどは、左右に振る。 ライトソードから放たれた光のエネルギーは、丁度クロス(十文字)の型となり ジャイアントコングを襲う。 余りのスピード ここに取り囲む全妖魔の眼にもそのスピードは、まさに光速 光のスピードにすら感じた。 全く逃げる余裕もないジャイアントコング そのまま悲鳴すら上げる時間もなく 頭のてっぺんからと、腹部を左右に、同時に、クロス(十文字)に斬り割かれ 4つの大きな肉片となり地面に落下する。 余りにも呆気ない勝敗 力の差が、歴然としていた。 「次、死にたいやつ」 何事でもなかった様に、残り2体となったS級妖魔を睨む真美。 正面に位置するSSS級妖魔ルーシュシラーゼ 互いに何か通じ合っているのか? 見つめ合い不敵な笑みを浮かべる。 残り2体のS級妖魔 これもあっさりと片づける真美。 先程までの自信にみなぎった態度、発言 いったいどこに行方不明なったのやら・・・・ そんな呆れた表情すら 余裕なのか? 浮かべる。 「何か? 呼応し惹かれあい ラディエンスの力 異常に高まっている・・・・」 だれにも聞かれぬ様内心 表情を変えず呟く。 「そう あの目の前にいるSSS級妖魔ルーシュシラーゼ 何も感じない 感じさせない? 多分 消している驚異の そう妖魔の神々にも匹敵すると言う妖力 それに呼応している?」 そう感じる真美。 「さあー 我が妃となる人類の女 真美よ その秘めたるラディエンスの力を持ち その力を持って、我が最強の親衛隊 3体SS級妖魔を倒し 朕の元へ来い」 真美の脳裏に言葉が響く。 間違いないこれは、SSS級妖魔ルーシュシラーゼの発した精神感応 そうテレパシーの一種。 やはり相手は、SS級3体 かなり苦戦を強いられた。 1体ごとでも相当手こずる相手 それが3体同時に、それも連携しての僅かな一瞬の隙も与えない波状攻撃。 鉄壁と思える羽衣のデフェンスがなければ、いいように、蹂躙されてもおかしくない状況であった。 顔からは、大粒の汗が、浸り落ち疲労の表情を浮かべ始める。 「良くぞ、ここまで持ちこたえている・・・・・」 果たして褒めているのか? この戦闘を楽しげに見守るSSS級妖魔ルーシュシラーゼの呟き声が漏れる。 「だが、これぐらいは、最低レベル この程度の実力がなければ・・・・」 まるで真美を1つの商品の如く値踏みしている。 鼻からは、少しバカにしているのかの様な息が漏れる。 真美の前に、ヒューマノイドタイプ(人型)のSS級妖魔 身長2mを超え 全身が赤銅色で、頭部には、2本の角を生やした そう日本の昔話に良く出てくる赤鬼に似ている。 そして両手に、巨大な一撃で、相手を粉砕する様な棍棒こそ持っていないが、両手10本の指先 そう爪の部分が、刃渡り数cmに伸ばし 伸ばした爪からは、低いハム音を響かせ 夜空に輝く星 赤色の星の様な輝きを放っている。 どうやら伸ばした爪全体から 分子レベルから切裂く高周波の一種を発生させている。 どうやら高身長を生かし 逆に遠距離もしくは、パワー重視でなく、一見不利と思える至近、近接戦闘を得意としているのか? 相手の懐に入り 相手を斬り割く。 だが、この1体のSS級ばかりを相手にしていられない。 丁度トライアング(三角形)の中心に、常に位置する様に戦闘を仕掛けられ 正面の1体に集中すると、左右斜め後ろの2体からの攻撃を受けてしまう。 何とか、後方の羽衣が、鉄壁と思えるデフェンスで、防いでいるものの その羽衣 まるでボロ雑巾の様に 至所破れている。 逆に、これがこの戦闘のすさまじさを物語っている。 流石に、かなり焦りの表情を浮かべる真美。 「1体ならば、何とか出来るが、3体のコンビネーションによる あの波状攻撃 かなりしんどいなあ・・・・」 いつになく弱気の声が、だれにも聞かれぬ様 内心呟く。 「SSS級妖魔ルーシュトラーゼ親衛隊 3神将 エンペラーガードと名乗るだけの実力を持つSS級・・・・」 戦闘中余り呼吸を荒く乱した事がない真美が、大きく全身を使い、呼吸を整えようとしていた。 だれの眼にもかなり苦戦強いられているが、素人の眼にさえ明らかな状態。 「どうですか? 我らルーシュトラーゼ親衛隊 3神将 エンペラーガードの三位一体のトリニティ・アタックのお味は?」 多分この3体のSS級の中のリーダー格の妖魔 全身 まるでバージンスノーの様な純白のこれもまたヒューマノイトタイプ(人型) 他だしその外観な惑わされてはダメだ。 極低温、氷雪系と見た目に思われるが、両肩の上に乗る まるで巨大な眼の様な円形 そこから発射される 生体レーザー砲? いや妖魔レーザー砲? もしくは、メーザー砲? レーザーとメーザー 原理は、同じ ただ波長の違いだけ。 どちらなのか? 今 そんな事 わざわざ検討している場合ではない。 どちらにしても強力な光線生体武器? 技? を持つ。 どうやら真美の持つ最終大技バーストと同様 それ程有効射程距離は、長くない 真美のバーストより更に短い、せいぜい100m程度か? やはり大気の濃密?な地球上 距離に応じてエネルギーの消耗率が大きいようだ。 ただ真美のバーストのスピードは、光速より遥かに遅いのに対して、あちらは、まさに光速 秒速約30万km/sec 1秒で、地球を約7周半 比較にならないスピード。 あんなのに狙われロックオン 果たしてそんなスペックを持ち合わせているのか? まだ不明だが、ロックオンされれば、もはや逃げ切れない。 動きが、俊敏で、眼にも止まらぬスピードを持つ真美でも 光速以下 光速・・・・いや光速よりも速く運動することができる仮説上の素粒子であるタキオン こちらは、正の実数の質量と、エネルギーを持たない・・・・ 他だしアインシュタイン博士の特殊相対性理論にこそ反しないが、場の理論(場の量子論)においては否定的。 もう1つこちらも その存在が期待される仮説上の素粒子の1つ タキオンと違い、正の実数の質量とエネルギーを持つスーパーブラディオン どちらかの仮説上の素粒子を利用出来れば、何とか逃げ切れる。 だが無い物ねだり この宇宙を形成する4つの基本相互作用の1つ 光線つまりフォトンをエネルギーとしている つまり時空面に対して、直進しか出来ない 時空面を引き伸ばせれば・・・・ そんなのこの宇宙の中には、超巨大質量を持ちながら その大きさは、信じられない程小型な特殊天体? そうブラックホール以外ない。 ・・・・・そんな事ばかり考えていられない。 もう1体 こちらは、全身青色 水系ではない。 先程 そのもつ技の片鱗を見せていた。 破壊系 それも2本の両手に触れた物を 瞬時に、多分分子レベルから粉々に破壊してしまう。 羽衣の1部 大きく破損していのは、隙を突かれ全身青色の神将 後方から捕まりそうになった時 羽衣が全身青色の神将が、その身体をグルグル巻きに締め付けたのだが、あの強力で簡単に破れない羽衣を その両手を使い ただの力を両手に集中させただけで、簡単に破ってしまった。 推測だが、本来両手を地面に当て、狙った方向、場所に向かい その力を伝達 地面そのものから破壊してしまうガイアクラッシュと呼ぶべきか? そのような使い方が、本来の使い方なのだろう? それとも敵をその両手で掴み、又は敵の身体に触れるだけで、粉々に破壊してしまうかだ。 多分使い方としては、両方だろう。 唯一の救いと言えるのは、目的は、真美の奪取 それもかすり傷1つ付けずは、ちょっと無理だろうが、軽傷程度で、屈服させ あのルーシュシラーゼに献上する。 その為全力を出し切れない。 相当手加減しなければならない。 必ず隙が生まれる。 うまくその隙を付ければ・・・・ そう思う真美。 「やはり・・・・」 少々歯がゆいのか? 少し呆れた声が、ルーシュシラーゼの口から小さく漏れる。 「やはり人間如きの身体では、あのラディエンスの力 大き過ぎて使うこなす事ままならぬのかー?」 「本来持つはずの力のいったいどの程度しか使いこなせないようだ」 自ら言い聞かすように言う。 そう遠い昔 破竹の勢いで、その名轟かせ頂点へと上り詰めた頃の女妖魔 ラディエンスのあの戦い方を懐かしむ様思い出していた。 強い、本当に強い、そして見る者全てを圧倒させる美しさ その2点を兼ね備え全ての妖魔を畏怖の念をもたせたあの頃のラディエンス。 だがもうあのラディエンスはいない だが、何故かあの今目の前で戦うあの女に、その本来の力が、まさに、箱舟 その言葉が最もふさわしい状態で受け継がれている。 ただあの女妖魔ラディエンスの そう神秘的と言える無限の美しさだけが際立って受け継がれている。 ただそう感じさせずいられなかった。 強さと、美しさ その2点を持ち合わせていなければ、我が妃にふさわしくない。 そして、その間に生まれる2つの力を持ち合わせた究極の全てを支配する妖魔 そう我が子と共に、全ての頂点に上り詰め君臨する野望 それこそが。望みであった。 手加減していても あの呼吸がぴったりのコンビネーション 付け入る隙が全く見当たらない。 このまま自爆覚悟で、一気に戦闘形態を まだ1度しか使った事がない最終戦闘形態に移行 一気に、最終の大技バーストを1点の方向に向けるのではなく、今周囲を妖魔軍に取り囲まれているこの状況を打破する為 全面開放・・・・ 最後の禁じ手の甘美な誘惑に誘われる。 ここにいる全妖魔を道連れ 決して悪くない。 だがここには、まだ大事な仲間である妖魔ハンターと、各国の霊能者達が、必死の攻防を繰り広げている。 巻き添えに出来ない。 本来真美に向かうはずの妖魔軍勢の1部を割いてくれている。 そんな時だった。 何か黄金に輝く巨大で細長い物体と、もう1つまさに白色に輝く色違いの同型物体が、まさに掻き分ける その言葉がふさわしい 真美に向かい妖魔の大軍に完全包囲された陣形を まさに豪雪地帯に高く降り積もった雪 妖魔軍勢を左右に掻き分け1本の道を切り開いていく。 それは、撤退の為の細長い まさに蜘蛛の糸ではない。 ある程度の部隊が、安全とは言えないが、真っ直ぐに、目的地に向かい突き進める幅がある。 ある程度の安全が確保された通路。 その出来たばかりの通路に、その行進を阻止しようと入り込んだA級以下の妖魔 だが、現れると同時に、複数の光の球体が、現れ破裂 まさにショットガン 小さく破裂した複数の光点弾は、阻止しようと入り込んだ妖魔に命中 次々の撃破する。 「聖龍神と、白龍神・・・・ それにこの光点弾 西さんのライトニング・スター・・・・ この光景を見ながら内心呟く真美。 まさに、この場面に援軍。 自身が、拒絶した仲間・・・・・ だがその数・・・・ かなり少ない 仲間である妖魔ハンター以外 各国の生き残り この戦いに参戦した他国の霊能者が、ほとんど・・・いや 全くと言っていい程見当たらない。 「この激戦・・・・」ふとそう思う真美。 真美の予想通り この戦いに参戦した他国の霊能者が、ほとんどが、壮絶な戦死を遂げていた。 傷を被った者を後方に撤退させる それが出来る状況ではなかった。 戦争に対するルールなど無用 それ以前に、戦争に対する考えなど、全く違う。 妖魔は、傷つき弱った相手に対しまさにターケット(獲物を狙う肉食獣の様に、集団で襲い掛かり、血肉を貪るように、止めを刺していた。 浅い傷ならともかくも 深手を被った者には、残された選択は、死 それ以外無い状況であった。 その証拠におびただしい返り血を浴びているA級以下の妖魔が、何体もいる。 「真美ちゃんー!!」 同時に、まるで怪鳥の様な雄叫び上げ 「星沢ー!!」 若い男女の声が、この殺伐とした戦場に響く。 そうこの声 詩織と、風吹。 あらんばかりの大声を上げ、真っ先に突入してくる。 真美の前に立ち 今 真美が戦っているSSS級妖魔ルーシュトラーゼ親衛隊 3神将 エンペラーガードであるSS級3体の妖魔の前に立ちはだかる。 どうやら3体のSS級と戦う気らしい。 全く隙の無い構え、その眼で敵を捕らえている。 どうやら狙いは、真美1人が戦っていたSS級3体を引き離し それぞれが担当1対1の勝負に持ち込む。 「2人共止めて、相手はSS級、勝てる相手じゃない」 必死制止しようとする真美。 だが無駄であることを解っている。 「だからなんなの?」 珍しく詩織、風吹が、同時に、同じ言葉を発する。 まるでデュエットしているように。 こんなに呼吸が合うのは、全く初めて、いつも何かにつけ、真美に近づこうとする風吹を拒絶する詩織であった。 だが今 そんな事言っている場合ではない。 口ではそう言うものの詩織、風吹2人共 初めて対決するSS級妖魔 その全身から発するS級など比較すらならない程 強烈な妖力 それに伴うすさまじいプレッシャーを 肌で感じ取ってる。 まるで、別次元の相手。 まともに、正攻法の正面から戦える相手ではない。 万が一が通用する相手でもない。 余りにも違い過ぎる。 詩織は、全身が赤銅色の前に、風吹は、全身青色の それぞれSS級の妖魔の前に立ちはだかる。 いつにない極度の緊張の表情を浮かべる。 少し遅れて、生き残っている特殊能力者の部隊の面々が。 どうやら真美の所属している日本の妖魔ハンターは、全員無事 だが、やはり能力と言うより 妖魔との実戦経験の余りない 多分A級以下の経験が僅かしかない他国の特殊能力者達は、ほとんど見かけない。 やはりA級以上の強い妖魔との実戦経験の差 どうやらその差のようであった。 三村隊長のサインが飛ぶ。 3体のSS級以外 S級以下の雑魚は任せろ。 口にこそ出さないが、そう語っている。 その態度、眼つきで。 じりっ・・・・ じりっと、ゆっくりと、少しずつゆっくりと、妖魔の大軍に向かって、前進。 丁度Uの字型に、真美を守る様に、取り囲んでおり その輪を少しずつ広げる。 圧倒的に、妖魔軍の方が、数の上で上回っている。 それも周囲を厚い陣形で、完全に包囲し、圧倒的有利な状況であるにも関わらず、妖魔ハンターのゆっくり少しずつの前進に合わせる様に後退する。 全軍を持って戦えば、圧勝である。 だが、周囲を取り囲む1部S級以下、大半は、A級以下の妖魔達は、まさに妖魔ハンターの醸し出す、圧倒的闘気の迫力に呑み込まれている。 それに上空を まさにどくろを巻く様に、旋回 まさに、眼光だけで、相手を殺しかねず、更に口から何をも噛み砕くような鋭い牙、そして、全てを瞬時に、燃やし尽くすような高温を帯びた息を吐く 2匹の伝説の龍神。 その鋭い眼光が、地上の妖魔軍に、無言のプレッシャーを与え続けている。 妖魔とは、また別の宇宙の生命体であり 妖魔とは、また異なる特殊能力を持ち 妖魔に取って、天敵とも言える。 小夜子の使役する伝説の黄金の聖龍神 そして、孫娘の零夜の使役する真っ白な白龍神。 TOPページへ 第1次妖魔対戦 Part5へ NXST copyright (C) lejens All Rights Reserved ページ内の無断転載厳禁