LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 高校2年生編
 Part1

 4月上旬 今日は、始業式 いつもの様に登校 登校途中 いつもと・・・? ではなくちょっとした異変に気付いた。
 駅の階段を 詩織と共に登る 「詩織お姉様 お早うございまーす・・・」 いつもの黄色い歓声が上がる 「みんな お早う」 詩織の元気の良い挨拶 ここまでは、いつもと同じ だが、続いて、「真美姫様 お早うございまーす」 更に、大音量の近隣に迷惑の黄色い歓声が大爆発。
 んぬ・・・? 今 確か? 真美・・・姫・・・? 姫様? と言った様な・・・? この違いに気付く真美。
 幻聴などではない 間違いなく真美姫様と言った。
 いつの間に、姫? 理解出来ない真美。 昨年 秋の文化祭で、ジュリエットを演じ大好評 本物のお姫様以上に美しいと騒がれた それ以降 真美の知らない アンダーグランド(地下社会)の 真美ファンクラブ、親衛隊の間ては、真美の事を 姫様、お姫様、マイプリンセスなどと呼んでいたが、呼称統一を図り 真美姫様と呼ぶ事に、決定した。
 何も知らない・・・と言うより 知る由も無い真美 思わず頭を抱える。 このままでは、いつの日か、いや遠くない日には、真美女神様と、呼ばれる日が来るのかも知れない。
 頭痛の種が増える真美 もう反論する気力もない 他だ漠然と、現状を受け入れるのみ。

 学校の玄関に入り 取り合えず 1年A組の教室に向かう。
 そこで、2年生のクラス編成用紙が渡され 各人 それに従い 2階にある2年生の各クラスへ向かう 教室に入る時 先に来ていた書記の彩からクラス編成用紙を渡される。
 渡される際 彩は、にっこりと微笑んでいた。
 真美は、2年A組 担任は、言わずと知れた大倉 桃花 1番上に担任の名前が記されており 真美は、3年間 担任が桃花になる事を知っている。
 1番上の担任を見れば、自分のクラスが解かる。
 まず クラスメイトになる女子の名前を見る 彩が微笑んだのは解かる 真美もうれしい 彩は、真美と同じA組 香も加奈も同じ 仲良し4人 バラバラにならない 一安心 バラバラになると、また交友関係 やり直さなければならない。
 彩、香、加奈以外 他の女子 どうも合わない 別にイタズラ、悪さ、シカトなど陰湿なイジメを受けているのではなく、逆に、憧れ、羨望の眼差しなどの眼で見つめられている。 決して他の女子が問題ではなく 真美自身の問題 約1年以上前まで、れっきとした くたびれた40歳代の男だった それが、ラディエンスと言う 神秘の力の覚醒による 身体の少女化 年齢退行 その為 今だ男だった感覚、考えなど抜けきれず 今の少女の姿は、仮の姿としか思っていない。
 その為 他の女子生徒と、感覚、考え方など、全くついていけない 女子そのもの考えなど、理解不能・・・ 戸惑うばかり。
 いつも仲良くしてくれる 彩、香、加奈が、いなければ、どうなってしまう事か、想像出来ない。
 彩、香、加奈の3人の存在は、真美に取って、かけがえの無い重要な存在。
 続いて、男子 最初に変な名前が眼についた。
 悪夢・・・としか言いようがない いつも真美の事を 子供、お転婆娘扱いにし からかっばかりいる 悪霊(真美は、間違いなく そうだと信じている) あの小林の名前が・・・・ 絶対 悪夢だ。

 講堂兼体育館での 全校生徒の始業式を終え 各クラスへ そこで、簡単な自己紹介と、各委員を決める。
 学級委員は、1年生時学年主席の座を 1度も明け渡していない 悪霊 小林 副委員は、現野球部エース 他だし5イニング以上投げた事のない(つまり5回まででKO コールド負け) 男子の前野 書記は、これも1度も次席を譲らない スーパー万能ガール 彩ではなく 1年生 3学期期末及び進級テストを兼ねた学年末試験で、28位の矢島 由里亜(やじま ゆりあ) 日本屈指の書道家家元 全国に書道教室を持ち その本家の娘 書道の実力は、昨年 個人で、全国書道大会に出場 見事高校生女子の部で、優勝している。
 一筆 数百万円と言われる(鑑定)実力者。
 残る 風紀、保健 真美やはり選ばれず一安心 ちなみに、彩、香、加奈も何もなし。

 翌日 今年度 新入生 入学式 今年度は、珍しく男女共に、定員に達した。
 やはり真美の人気を物語っている。
 真美に憧れ 入学希望者が、全国から殺到 過去に無い入学希望者数 平年の10倍を超えた為 第1次選抜で、学力、家柄、親の社会的地位、年収などが、基準に達しなかった者が選別され不合格 第1次選抜合格者の中から 第2次試験で、上位から男女60人づつ 合計120人を 合格者とした。 その為 平年なら合格出来るレベルの者でも 多数合格出来なかった。 何と言っても平年 中位で問題なく合格出来るレベルの者が、今年 ギリギリのボーダーライン。 半数近くが不合格。
 その為 平年より学力に関して、レベルが高い。 過去最高レベルとの評判。
 元々レベルの高い進学校であるが、更にレベルが上がっていた。
 真美達の学年は、良くも悪くも平年並み。
 もし このレベルで、香、加奈が試験を受けても まず合格出来なかっただろう。
 綾ならば、このレベルでも問題ない 次席をキープ出来るかも知れない。
 真美のレベル 無試験 理事会枠推薦(今年度不在) 入学は出来たものの 学年20位以内は、難しい 30位以下に下がる それ程ハイレベル。
 ちなみに、香は、中学時代 第1志望が、ここ輝星であった。 第2志望は、聖セレナ。
 香には、年齢の離れた兄2人がおり 2人共 輝星の卒業生 必然的に、第1志望が、輝星になった。
 試験の結果 最下位のギリギリ駆け込みであったが、何とか合格。
 そして、東北地方の小さな地方都市出身の加奈 元々加奈は、両親が勧める 自宅から通学出来る 地元の有名な私立女子高への進学が予定されていた。 だが加奈自身 華の都 大都市である 首都Tでの 華やかで、煌びやかな生活に、強い憧れを持っていた。
 地元の田舎の女子高などには、絶対行きたくなかった。 行くならば、首都Tの華やかな高校。
 そこで、目を付けたのは、日本屈指のお金持ちの為の進学校 輝星高校 だが、両親は、絶対認めない そこで考えた カモフラージュの為に、受験だけを受ける高校・・・ あった それも輝星高校の近くに、その名は、聖セレナ女学院高校。
 あそこは、学力より家柄重視 日本中の名家のお嬢様の為の花嫁修業校 東北地方の小さな地方都市ではあるが、代々古くからの名士の家系の本家 家柄には、全く問題がない だが これは両親を説得する為のカモフラージュ 加奈は、将来 親の決めた相手と結婚する運命 やはり東北地方の小さな地方都市 古くからの悪しき伝統とも言える 血縁、地縁が、最も重視される土地柄 東北地方の実力者、名士などの家に嫁ぐ運命 だが加奈は、こんな決められた人生が嫌だった。 大都市で、華やかな暮らしに憧れていた。
 加奈は、両親を説得 聖セレナの受験を認めさせた。
 日本中の名家のお嬢様の為の花嫁修業校 聖セレナに入学すれば、箔が付くと言って、両親の説得に成功するも 実は、本命は、輝星であった。
 女子高の聖セレナと違い 男女共学 それに、ここは、お金持ちの為の進学校 日本中の古くからの名家、大企業の重役、芸能、スポーツ、政官界などの各界の子息が入学する。 そして、おしゃれで可愛い制服(毎年 女子高生制服 人気ベスト5に入る) きっとここ輝星に入学出来れば、素敵な運命の出会いがあると信じていた。 イケメンで、お金持ちの彼氏 そして、その彼氏と結ばれ 憧れの大都会 首都Tでの華やかな生活・・・ 生涯東北地方の小さな地方都市での地味な田舎暮らしの生活から抜け出せると信じていた。
 両親に内緒で、輝星の受験を 担任の教師に相談 家柄や、財力(ここは輝星は、年に、平均的給与所得者の年収程の学費等がいる)には、全く問題がないが、学力が、問題だと言われた。 現状では、ギリギリのレベル 何しろ進学校としても有名で、ハイレベルの高校でもある。 強引に押し切り 輝星の受験願書を提出。
 受験の為 1人で、首都Tに上京 ちなみに、聖セレナの試験日が、木曜日に学力 翌金曜日 面接となっており 土曜日には、輝星の学力 日曜日は、面接となっていた。 加奈に取っては、願っていない好都合 連続で受験を受けた。
 数日後 自宅に、輝星と、聖セレナの合否判定通知が送られ 両校共合格であった。
 天にも昇る気持ちで喜ぶ加奈 憧れの首都Tでの華やかな生活 もちろん本命の輝星への入学 両親の説得に入る。 だが、両親は、首を縦に振らない 聖セレナへの入学を強く勧める。 もし輝星高校へ入学すれば、エレベーターで、輝星大学に進学してしまう。 その間に、だれか相手を見つけ そのまま首都Tに居ついてしまう。 両親としては、聖セレナ卒業後 地元の有名な女子短期大学へ進学させ その間に、両親の決めた相手と、お見合いをさせる予定であった。 娘を東北地方の実力者、名士の家に嫁がせ血縁関係を結ばせ 更に、家柄を 高めたいと言う両親の思惑がつぶれてしまう。 猛反対にあう。 結局 加奈は、3年間 輝星高校へ通うが、卒業後 地元に戻り両親の決めた 地元の女子短期大学へ進学する事を条件に、ようやく認められた。
 だが、輝星高校へ入学すると、理想と、現実のギャップが、待ち構えていた。
 確かに、男子生徒の大半は、噂通りの 美形、ハンサム、イケメンなどが多く まるで、美形男子アイドルを見ている様であった。
 アカ抜け 都会的で、洗練されたハイセンスで、シャレており カッコイイ男子生徒が多い。
 だが、加奈自身 東北地方の小さな地方都市出身 ルックスも まるでアカ抜けない田舎娘 プロポーションも良くない加奈に興味を示す男子生徒は、皆無 全く無視された存在 現実の厳しさを思い知らされた。
 加奈に取って、ここ輝星高校は、まるで、別世界 場違いの場所に来てしまった思い出あった。
 同時に、同じく入学した真美を見た。 世界最大企業グループの1つ 巨大コンチェルンの跡取り1人娘 それだけではない 見た事もない この世の者とは、とても信じられない程 神々しいばかり神秘的 絶世の美貌と輝きを発する美少女 美しいばかりでない とごか、あどけなさ、可愛らしさ、愛らしさを持ち合わせ ほのぼのとしており 親しみやすさも持ち合わせ 更に、加奈には、持ち合わせていない 生まれ持った都会的で、上質に洗練されたハイセンス、清楚で、可憐など 理想的とも思える程の 全ての美しさを持ち合わせ 見た者全てを魅了し虜にしてしまう 魔力とも言えるオーラを解き発している。 加奈も真美の持つ不思議な魅力の虜になってしまう。 美しい・・・ それ以外 言葉がない。
 とても同年代の同性とは、信じられない思いであった。 尚且つ クラスも同じ 真美に対して、強い理想と、憧れを抱いた。
 入学式の後 クラスでの自己紹介、学校案内などの後 真美に近づく女子生徒2人がいた。
 そう 真美程ではないが、普通に考えれば、絶世の美少女で、まさに良家のお嬢様の体現者の 可憐で、清楚な輝きを放つ彩、もう1人 こちらは、小柄で、ロリ顔 同見てもまだ小学生高学年にしか見えないが、ツインテールがアピールポイントの可愛い少女 香であった。
 3人共 最初は、ぎこちなさそうであったが、段々と、打ち解けお互いに笑い出す。
 なんだか、華やかな雰囲気 3人共 アカ抜けない田舎娘の加奈と違い 都会的で、上質に洗練されたハイセンス、シャレている。 それもそのはず3人共 首都T出身の上流階級 同じ上流階級と言っても 東北地方の小さな田舎の地方都市出身者とは違う まるで、別世界 加奈の憧れの世界。
 加奈も その仲間に加わりたい あの中で、華やいで、注目されたい。
 でも 自分の事を考えると、とても近づき 親しくなる・・・と言う事が出来ない 躊躇してしまう。
 それに、クラスの男子生徒全員 その3人を羨ましそうに遠巻き眺めている。
 もし加われば、加奈の為に、華やかな雰囲気が、壊されてしまう。
 羨望の眼差しで見つめる事しか出来ない。
 唯一 真美と接するチャンスは、体育の授業 身長差が、僅か1cm加奈が低いだけ 柔軟、アップで、真美のパートナーになる。
 初めて会話した 真美は、世界最大の1つ 巨大コンチェルンの跡取り1人娘とは、とても思えない程 まるで一般庶民 全くお高く止まった所が無い 極めて平凡 親近感を感じる それに、何故か、いつも場違いの場所にいる様なモジモジとして、特に、男子に見つめられると、妙に赤面し恥ずかしそうにしている。 何だか、初々しい まるで、初めて女の子になって、自然に身についている女の子らしさとか、女の子らしいしぐさなどと言う面に関して、戸惑っている・・・ そんな感じがする。
 多分 小、中学校と、義務教育課程を 教育基本法 特例条項による 専任家庭教師で受けてきた為なのだろう・・・
 今まで、同じ年齢と、接していなかった為なのか? 周囲を大人に囲まれていたのだろう? 妙に年齢と、大きくかけ離れた大人びた面も見せる。
 いつも真美の周囲は、男女関係無く沢山の人が集まり周囲を取り囲む。
 だが、もう数歩近づこうする者はいない。
 他だ、憧れの眼差しで見つめるだけ 決して近寄りがたい人物ではなく 余りの美しさに見とれ 近づけない。
 そして、1学期中盤 初めての中間テスト 数学が苦手 結果芳しくない点数 ここはレベルの高い進学校 追試となる 追試に合格しなければ、欠点(赤点)となり 進級に影響が出る。
 加奈の周囲は、やはり東北地方の小さな田舎の地方都市出身 それに、アカ抜けない田舎娘と言う事で、相手をしてくれ親切にしてくれる男子生徒どころか、女子生徒も必要最小限以外 声や誘いすら掛けられていない いつも1人ぼっち。
 その時 真美が声を掛けてくれた。 真美は、いつも 男女の関係も分け隔ても無く 普通に、だれにでも接していた。
 本当に、涙が出た うれしかった。 私の事 気に掛けてくれた。
 数学の追試 同じく追試となっている香と一緒に見てくれる。 それも学年次席の彩が、教師役 テスト返却の際 教師に、1人、1人点数が読み上げられ、彩は、満点の100点 真美は、95点 あの難問 どうして、あんな点数が取れるのか? ちなみに、40点以下は追試 加奈 32点。 香 25点。
 真美、彩が、真剣に教えてくれたおかげで、加奈、香共 追試で、合格点を超え 欠点(赤点)を逃れられた。
 これが、きっかけとなり 真美、彩、香の仲良しグループの一員に、入れた。
 3人共 来るものは拒まずの姿勢 とっても素敵な人達 周囲の注目を浴び まるで、夢の世界にいる様だ・・・
 他だし 注目を浴びているのは、やはり真美 綾も 真美程ではないが、注目される存在。
 やはり ここでも加奈は、注目を集めない 無視された存在。
 ちなみに、加奈の首都Tでの住まいは、輝星高校から徒歩20分の場所にある セキュリティ完備の高級マンションでの1人暮らし 時より母か、父方の祖母が、様子を見に来る。
 そして、真美達のグループの一員になれた事で、ようやく同校及び他校 その他などからの男女関係なく声を掛ける者も出始めた。
 真美のグループの一員として、つまり 真美へのラブレターなどの渡し役として、今だ 加奈に好意を寄せ来る男子はいない。
 話が、加奈の件で、長くなりそれてしまった。 元に戻そう。

 今年度 新入生 入学式を終えた 4月の数日後のある日の放課後。
 いつもなら詩織と、帰宅部 部活動 恒例の憩いの時間 別名 他だの寄り道 への部室化している駅近くの大型ショッピングモール グルメゾーンへ向かうはずが、今日は1人 実は、詩織 放課後 担任に、職員室に呼び出されていた。
 どうやら日頃の派手なパフォーマンス、文句を言われるらしい・・・
 いつものルートではなく 別のルートで向かう 別に意味はない 他だこのルートで、行ってみたかっただけ。
 何気なく覗いた路地裏の脇道 真美と同じ高校の制服を着る どうやら今年度入学した1年生の女子生徒(首のリボンタイのカラーが違う 今年入学した1年生のカラー)が、どう見ても似つかわない その辺のごろつき、チンピラ5人に、周囲を囲まれ 路地裏のビルの壁まで追い込まれている。
 他だ事ではない。
 どうやら 今 首都Tを震撼させている 女子高生ばかり狙う連続レイプ魔のグループ 真美は、そう直感した。
 女子生徒 恐怖に怯え 顔が強張り震えている。
 「そこで、何をしているの!!」
 真美は、叫びながら全速で、走り出す。
 「何だ てめえー!!」 いかにもその辺の チンピラ風の口の叩き方。
 真美 直ぐさま女子生徒の前に立ち 両手を広げ 5人のチンピラの前に立ちはだかる。
 5人共 ファッションセンス最低 ただ無理に いかにも高価と言う 似合わない派手なファッションを着て 肩で風を切り 目立とうとしている。
 これで女にモテるとでも思っているのだろうか?
 どうやらリーダー格の ずんぐりむりっくの男が、真美に絡む。
 先程 真美に威勢だけの口を叩いた男 身長は、どうみても163cm程度 体重は、軽く100kgを超えているだろう。 縦より横 特に腹周りの方が、身長よりありそうだ。
 耳、首、腕などに、似合わない高価な貴金属の装飾品で飾っている。
 だが、5人共 はたして人類の範疇に入るのだろうか? 疑いたくなるような醜さ きっと、この全多重宇宙に存在しない 珍種の珍獣。 いや全宇宙の存在そのもののが、最も忌むべき醜く腐った物質?
 余りにもグロテスク。
 「よう そこの綺麗な姉ーちゃん この俺達に何か用か?」
 「この娘(こ)に 何をしようとしているの」 きりっとした表情で睨む 真美は、妖魔ハンター 数々の命のやり取りをする修羅場を潜ったリアルプロ(本物のプロ) 眼光は、プロのワイルドギース(傭兵)などと同様 まるで、氷で出来た鋭い槍が、相手の心臓を貫くばかりに、冷酷な光を宿す様に鋭い。
 「何だ? こり女(アマ)・・・・・」
 余りの鋭く、冷酷な眼光に怯え 少しだけ後ずさりする。
 これ程の冷酷で、鋭い眼光に睨まれた経験などなかった。
 いつも相手が、睨めば怯えるだけ。
 それに、どう見ても絶世の美貌を持つ たかが華奢な美少女。 そう思い直す。
 「後より てめーえだ 見たこともないようなベッピンじゃねえか? どうだ この俺様 三原 直樹様の女になれ たっぷりと可愛がってやるぜ」 不敵な笑みを浮かべ真美に近づく。
 この顔、態度など同様 驚異的腐った臭いが周囲に充満 そう言えば 1度この臭い憶えがある あのS級妖魔 コダシヨールと同じ 全身から強烈な悪臭 加齢臭を放っている。 いや更に上の腐った老人臭? 
 毎日 お風呂ぐらい入れ 気持ち悪い!! 真美は、思った。
 尚且つ 顔を近づけられた歳 その口臭 もはや我慢出来ない 何もかも腐っている。
 もちろん他の4人も同様。 これでカッコイイ 女にモテると思っているのか? 重要なのは、身の回りを飾り立てる事ではなく 清潔感 不潔にも程がある。
 元男の真美でさえ そう思うのだ、生来女ならば、更に、嫌悪感を抱くはず、だから女にモテず、モテなければ、モテないで、他の相応の生き方を模索すればいい。 だが、こいつらは、そうしない 力ずく 余計に嫌われる。
 5人は、手に、各種凶器を取りだす。
 真美は、一瞬 ラディエンスの力を解放しょうかと考えた。 だが、相手がだれであろうと、対人には、絶対禁止。
 それを見て 後ろに庇っている娘(こ)が、真美の背中に、抱きつく 「真美姫様 怖い・・・」 声が震えている。
 真美同様 日本有数の上流階級の娘だろう 輝星高校には、上流階級以外入学出来ない。
 こんな修羅場 TV、映画などの世界でしか知らないはず。
 常に、周囲を守られている存在。
 だが待てよ・・・ 確か今 私の事 真美姫様と・・・  と言う事は、この1年生の女子生徒 ファン、もしくは、親衛隊の一員?
 今 それ以前の問題がある こちらの方が、先決。
 真美は、ファイテングポーズを取る 相手は、札付きのワル 何も抵抗せず、やられるのは、性に合わない。
 やれるだけの事をする。 覚悟を決めた。
 その時だった。
 「そこの君たち 何をしているのです」 燐とした若い・・・ そう高校生ぐらいの男 それも発する言葉に、若い血潮と、正義感にあふれる力強さに満ち それに、ものすごく自信に満ち溢れた声。
 全員 声のする方向を向く。
 黒のガクラン 校章を見ると、あの竜虎高校 身長178cmぐらいか、見るからに、武道系 それも達人と言った雰囲気。
 「今度は、ガキか?」 三原は、ふて腐った言い方で、地面につばを穿く。
 「この俺様 泣く子も黙る 三原 直樹様の邪魔をするバカは?」
 だが、凄んでみても こけおどし程度にしか感じない。
 「そこの2人のお嬢さんを放しなさい そうすれば危害を加えない」
 「てめえー バカか? この俺様達に勝てるとでも思っているのか?」 5人は、笑い出す。
 「何を言っても無駄な様ですね」 そう言うと竜虎高校の生徒は、上半身のガクランを脱ぐ Tシャツ1枚 だが、すごい肉体 まるで鍛え抜かれた鋼の様に、全く無駄がない。
 鍛え抜かれた武道家。
 「ハンディをつけてあげましょう 5人同時に掛かってきなさい」 竜虎高校の生徒は、挑発する。 だが、その鋭い眼光には、全く隙がなく 構えも自然で、無駄な動きが無い。
 「なめんじゃねえー!!」 ドスの効いた大声を上げ5人は、同時に、竜虎高校の生徒に襲いかかる それも手に凶器を持って・・・
 だが、竜虎高校の生徒は、全く動じない。
 まるで、ボクシングのボクサーの様に 華麗なステップを踏む。
 そして、必殺の間合いで、目にも止まらぬ早さで、蹴り、回し蹴り、パンチなどが、炸裂する。
 次々と、一撃で地面に沈める。 瞬殺 まるで、レベルが違う 強い 強すぎる。
 真美は、このファイテングスタイル見おぼえがある。 そう香港の生んだ史上最高のカンフースター 伝説のブルース・リーが編み出した 史上最強の拳法の1つ 実戦拳法の截拳道(ジークンドー) 各種武道、拳法、格闘技のエッセンス、長所などが取り入れ 型、枠などにはまらない自由型。
 こんなに強い男 真美の知る限り 妖魔ハンター隊長 三村だけ。
 三村は、相手の妖魔が、D級ならば、霊能力 ファントムを使わず、素手、蹴りなどで、一撃で倒してしまう。
 ワイルドギース(傭兵)時代 戦場と言う実戦で、各種武道、拳法、格闘技などを極めてきた歴戦の強者(つわもの)。
 現役NO1世界最強の男との呼び声高い 当年53歳にして、実に驚異的。
 三村に言わせれば、相手が、俺より弱過ぎただけ。
 相手より俺が弱ければ、それまで・・・ 口癖。
 一撃の瞬殺で、倒された5人 地面に倒れ、うずくまり、立ち上がれない。 激痛に呻き声しか出ない。
 必殺の急所は、外されている 急所を攻撃されていたならば、あのスピード、パワー 間違いなく即死。
 だが、数ヶ月は、絶対安静の状態 確かに、手に凶器を持ち か弱い?(真美の場合・・・?)女子高生2人を襲おうとした所を助けたのだ、だれが見ても正当防衛。 竜虎の生徒は、武器すら持っていない。
 でも ちょっとやり過ぎの様な・・・?
 硬派で名高い竜虎高校 その中でも裏では、犯罪者などを見つけると、鉄拳制裁を行う武道会系 いつも情け容赦なく半殺しにすると言う噂 真美は、初めて目撃した。
 「あの お怪我は、ありませんか?」 竜虎の生徒は、脱いだガクランの埃を落とし 着直すと、真美達に近づく。
 どうも 女慣れしていない様な? 頬を赤らめ 真美達を直視していない 少しよそ見しながら、恥ずかしそう。
 先程の強さと、うって変わって、かなり遅手のウブ(純情)?
 元々男だった真美 自然に身に付いているはずの女の子らしいしぐさなど、大の苦手 妙に、ぎこちないしぐさで、頭を思わず下げ、「ありがとうございました 危ない所を助けていただいて・・・」 後にいた1年生も 少し怯えながら頭を下げる。
 「お怪我はなくて、良かったです ・・・あの・・・俺・・・いや僕 竜虎高校2年生の 風吹 拳志郎(ふぶき けんしろう)」 顔を真っ赤にして、おどおどとした態度、喋り方 眼の前には、神々しいばかりの輝きを放つ とてもこの世の者とは思えない程の神秘的 絶世の美少女 まとも直視して、喋れない。
 心臓の鼓動が高まり 息苦しい こんな美少女に、まじかに見つめられ・・・ 頭がおかしくてなってしまいそうだ。 調子が狂う。
 これが、恋のときめき・・・などと言うものなのか?
 「私 輝星高校2年生の星沢 真美 去年 竜虎高校の文化祭に呼ばれ行ったので、どこかでお会いした事が・・・」
 どことなく見覚えがある顔であった。 あの時のガードの1人? 1番帽子を深く被り 恥ずかしそうに、表情を隠していた様な気がする。
 一方 真美の方も、確かに少し頬を赤らめ恥ずかしそうに見える。
 少女化、年齢退行した身体 脳にも、大量の女性ホルモンを浴び 周囲の環境、影響などから考え方など、年齢相応になりつつあるものの 基本的に、自分は、男だと思っており 男だった時代の記憶、考え方などしっかり記憶している。
 相手は、かなりかけ離れた年下の男であり 同性としか、認識出来ない。
 だが、そう言った面を表には出せない。
 年齢相応の少女を演じるしかない。
 「去年の文化祭 駅と学校の往復の道中のガードの1人で・・・」
 その時だった 「おーい 風吹 こいつらどうする気だ」 武道会系独特の太い少しドスの籠った声が響く。
 声のする方向には、同じ竜虎高校の武道会系の生徒10人が、地面にうずくまる5人の周囲を取り囲んでいる。
 女子高生ばかり狙う連続レイプ魔のグループが、この辺に現れると言う情報を聞きつけ 網を張っていた。
 その後 警察が現れ 事情聴取された。
 この5人 やはり女子高生ばかり狙う連続レイプ魔のグループ 竜虎高校 またも大手柄。

 翌日 2年A組の教室 朝のホームルームまで、まだ少し時間がある。
 真美の周囲には、いつもの綾、香、加奈の他に、初めて見る顔の女子1人 学年別に色分けされているリボンタイの色が違う どうやら1年生。 真美が教室に入って来てから真美に、しがみ付いている。 昨日 真美が庇おうとした子であった。
 名前は、横山 友美(よこやま ともみ) 都内出身 身長154cm Bカップ 高校1年生としては、かなり良いプロポーション。 ルックスも可愛いお嬢様風 まるで、萌系キャラみたいな 正統派 萌系美少女。
 入学式の時 女子生徒では、1番歓声が大きかった。
 「私の真美姫様・・・」と言って、真美の左腕を抱きしめ幸せそうに、両目を閉じている。
 それを見て、香は、カンカン 真美に、いつもイチャイチャ抱きつくのは、香の特権のはず・・・と思いがある。
 真美は、何とか離れる様説得するが、離れない。
 「真美姫様 私 ともちんの事 お嫌い?」と言って、涙目で訴える。 「ともちんは、真美姫様に憧れ ここ輝星に入学しました。 お側で、真美姫様のお世話をさせていただきます。 ふつつか者ですが・・・」 などと始まる。
 何か? 言葉の使う意味を間違えている。
 「だって 昨日 私の事 最初に守ろうと・・・」
 「守ってくれたのは、竜虎高校の風吹と言う男子生徒よ 私じゃないわよ」 何度 真美が言い聞かしても 堂々巡り。
 困った表情で、右手で頭を押さえる真美。
 頭痛の種が増えるばかり。

 お昼の昼食時にも いつもの6人席に、補助椅子を持ちこみ乱入 周囲を仰天させていた。
 もはや このグループの一員のつもりでいるらしい。
 真美の身の周りの世話を焼こうとするので、詩織の逆鱗に触れる 「詩織お姉様 怖い・・・」 直ぐ涙目になるので、詩織 それ以上何も出来ない。
 詩織と、香 どうやら密約を結び 排除する方向で同意。
 詩織に取って、真美は、最も大事な独占私有物であり 側にいるのを許されるのは、ライバル? 悪友?でもある薫と、真美に取って大事な友達の 綾、香、加奈まで。 もはや 枠には、余裕はない。 後は、遠巻きに観賞するのが、許されるのみ。
 何人(なんびと)たりとも詩織の許可なく 真美に近づく事は、絶対に許されない。
 真美の貞操は、私が守る(貰う? 奪う?)と意気込む。

 その頃 都内1等地のビジネス街にある 星沢コンチェル総本部の巨大ビルディングの最上階。
 ここは、会長及び社長兼CEOの広大な執務室がある。
 社長兼CEOの執務室 だれかが、ドアをノックする音が響く。
 秘書の1人が対応 「あの会長が、プライベートのお話があるそうです それもお嬢様について・・・」 対応した秘書の1人が、社長兼CEOに言う。
 「解った」 社長兼CEOの義人 眼でサインを送り ここにいたスタップ全員を別室に移動させる。
 「何だい 仕事中に・・・」
 「それよりも 盗聴されるかもしれないから・・・」 会長の由美の言葉に、義人は、デスクの下にあるセキュリティ用のボタンを押す
 これで完全に、外部に音、電波など遮断 外からも覗けない。
 「この報告書見て」 持参した書類を手渡す。
 真剣な表情で、書類に眼を通す義人。
 「昨日 真美が被害に遭った事件だなあー」 つぶやく義人 全て警察から報告が届いていた。
 「この男子 竜虎高校の生徒・・・」
 「そう 真美を助けてくれた恩人」 由美はうなづく。
 「昨年 全国高校中国拳法選手権の優勝者 家は、代々続く拳法家の家系の4男で、各種検査の結果 妖魔ハンター隊長の三村と同レベルの非常に強い霊能力の持ち主 現在 本人には、伏せているけど 小夜子さんを中心とし ご両親に妖魔ハンター加入の打診をおこなっているのよ」 由美は説明する。
 黙って聞く義人。
 「この子 真美の婿にどうかなあーと思って、ルックスも いかにも鍛え抜かれた拳法家らしい 引き締まったりりしい男の子らしい顔つき それに、正義感も強く 学校の成績もほらー 進学校としても、超1流の竜虎で、学年30以内もキープとかなり優秀 生年月日を見ると、真美より6ヵ月早い 5月生まれ 真美に似あいの相手よ」 微笑む由美。
 「問題は、身長差だなあ」 つぶやく義人。
 相手の身長は、178cmと、少し高身長 つい最近行われた 身体測定で、真美は、1年生時の155cmから3cm伸びて、158cmとなっていた。 スリーサイズは、超トップシークレット 胸は、BからCカップと大きくなり ウエストの括れも、更に細くなり お尻は、少し小さいが、綺麗な曲線を描き 手足は、身長から考えると、細くすらっと長い。 だれもが羨む美しく完成された大人の女のプロポーションに成長真っ只中であった。 美少女から美女へと、着実に成長中。
 義人の言うとおり 身長差 20cm どう思うかが問題。
 「それに、星沢家は、他人から受けた恩 決して忘れていけないわ この子 真美の本命の婿候補の1人に抜擢したいのだけど・・・」
 結局 全て由美の意見通りに決まった。
 2人の愛する愛娘真美を 妖魔から守る為 真美は、究極のラディエンスの力を運ぶ箱舟 妖魔と交わり 真美の持つ究極のラディエンスの力と、妖魔の持つ妖力の2つの力を持つ 2つの力を持つ究極の存在を産む為だけの・・・ だが、真美が妖魔の手に落ち 究極の2つの力を持つ存在を産むのを手をこまねいて傍観する必要性はない。 早く人間の男と結婚させ 子を産ませれば良い 星沢家は、代々娘2人しか産まれない家系 それもラディエンスの力を正当伝承するのは、長女のみ 真美の事だ 最初に産む子は、絶対真美に似た可愛く、美しい娘を産むはず、真美が人間の男との間に子を産めば、妖魔も真美を狙う意味、必然性が、かなり薄れる。 真美を守る為 早く結婚させ 早く子供を産ませる これが、今 最もベターな方法に思えた。
 風吹 拳志郎 真美の婿候補の最有力の1人に、抜擢される。
 もちろん真美には、何も知らされていない。 もし知らせれば、猛烈に嫌がり 反対する。 せっかく今 精神的に落ち着きを取り戻し妖魔界へ行くなどと、言わなくなり 普通どおり学校へ行っている。
 妖魔ハンターとしての仕事も 妖魔の出現もなく平和な時間が過ぎている。
 ローテーションも4月から変更となり 4人の訓練生の昇格に伴う変更であったが、真美は、火、木のPM17:00〜PM21:00までの週2日本部待機 後は、緊急出勤のみとなっている。 学業優先させる為でもある。 あの戦闘以後 真美は、妖魔との戦闘に出動していない。 実は、イレギラーと言えるC,D級妖魔が、時々数体程度出現し 小さな戦闘があったが、丁度訓練生上がりの良い実戦経験になっていた。
 真美自身 究極のラディエンスの力を運ぶ箱舟について、元の男 氷室 拓真に戻れれば、はたして・・・? と言う思いと、このままもう元の男に戻れない 今の星沢 真美のまま生涯を過すのか? 究極のラディエンスの力を運ぶ箱舟として・・・? などと色々な思いが、交錯していた。
 着々と、両親による 真美を結婚させる為の準備が、整えつつあった。
 何も知らない真美 GW(ゴールデンウィーク)前 女子高生としての生活をエンジョイ?していた。
 4月GW(ゴールデンウィーク)前 今日は、1年に1回の研修旅行日。

 昨年もこの時期にあったが、1年生は、首都T内にある博覧館などの施設見学 レポート提出など、自由行動がなく つまらない研修旅行であったが、2年生になると、男女2人づつの計4人でのグループ行動 1グループだけは、男3人、女2人になるが、クラスは、男15人、女14人の為 クジでの抽選の結果 真美 強運 何と綾 他だし 不運、悪運・・・? 男の方は、いつも真美をからかう 背後霊 小林と、もう1人は、蒲木(かばき)。
 真美は、蒲木とは、全く話した事がなかった。 1年生時 クラスも違い まるで印象がない。
 2年生になり クラス編成で、同じクラスになったが、高級官僚の息子で、頭髪は、いつもきれいに、七三に分け 眼鏡使用 身長も166cm 平凡な中肉中背 いつも優等生を演じ 図書館から借りた難しそうな本を読み 余り周囲の男子生徒 ふざけ合っていない。 少数の父親が、高級官僚同士 固まっている。
 ちなみに、難しい本を図書館から借りて読んでいる点については、真美も負けていない。
 最新の宇宙物理学系の超難易度の高い論文ばかり読んでいる。
 特に、この頃 お気に入りは、リサ・ランドール ハーバード大教授と、アレキサンダー・ビレンキン博士の論文 後 超弦理論、超対称性理論なんかも読破 理解している。
 相変わらずの超マニアック。
 女子生徒が良く読む、恋愛、ラブコメ、セカイ系など、関心を示していない。
 同じ読書家の綾は、英語で書かれているウイリアムス・シェークスピアや、マーガレット・ミッシェルなど愛読。
 現在ウイリアムス・シェークスピアの作品を通し 古典英語勉強中。
 蒲木は、学校内で、優等生を演じてはいるものの 1年生時に、1度も学年30位以内に入った事はない。 実は、学力は、平均より低い 他だし 自身 エリートの象徴である高級官僚を父親に持つ事を鼻にかけ 同じ高級官僚を親に持つ者以外 下賎な者と見下しエリートぶっているだけで、いつもネクラで陰湿な表情を浮かべ 女子生徒は、隠れキモ系と呼んで、だれも近づこうとしなかった。
 ちなみに、高校受験時 本命竜虎高校 滑り止めで、輝星など複数校を受験したが、竜虎では、学力も問題であったが 面接時で、親が、高級官僚である事を自慢したのが、問題視され受験に失敗していた。
 エリートの意味、意識を間違えている。
 竜虎は、家柄、親の社会的地位など全く関係ない 評価の基準は、自己努力、やる気、向上心などであり 各界のリーダー 本物のエリートとなりうる人材を育成している。
 実は、蒲木の様に、エリート意識を穿き違えている生徒は、ここ輝星では、珍しくなかった。
 真美、詩織、綾、香、加奈、薫など、こう言った面を持ち合わせていない生徒は、少数派 あの小林も見かけによらず、こう言った面を持ち合わせていない。
 特に、蒲木は、露骨であった。 他は、多少そう言う面も持ち合わせているが、蒲木程 露骨ではなかった。 内心思っているが・・・程度。
 その点 小林は、小林重工業のオーナー一族の本家 御曹司でありながら だれにでも分け隔てなく普通に接する。 他だし 真美だけは、特別扱い いつも子供、お転婆娘として、からかっている。 これさえなければ・・・ もう少しまともに扱って上げるのに… 真美は思っていた。
 元々男だった真美 気のある相手を からかう気持ちは、理解出来る だが何故それが私なのか? いつも思っている。
 話が、それたが・・・

 研修旅行当日 隣県の古都KK市についた。
 もちろんバスは、高級サロンバス バスを降り 先生の注意事項の後 それぞれグループに分かれ自由行動。
 真美、綾達4人も 早速インターネット、ガイドブックなどで調べた旧跡名所などのスポットの散策を開始する。
 良く学校指定のジャージ姿で歩く研修旅行の生徒が多いが、ここ輝星は、制服にリック。 後帽子を被る生徒も多い。
 真美など、つばの広い帽子を深々と被っていた。
 それに、普段かけない眼鏡 それも実は、安物。 視力は両目共1.5 眼鏡は必要はない。 ただの伊達 顔隠しの変装用。
 だが安物の度も入っていない極めて平凡なデザインの眼鏡であったが、真美がかけると、不思議と超高級品のハイセンスなブランド品に見えてしまう。 それも眼鏡使用の超絶萌系美少女。
 真美本人は、目立たぬよう 特に、顔を隠し まるで芸能人スターの隠密行動のはずであったが・・・・?
 街を歩いていると、突然カメラを持つ大人の男に呼び止められた。 どうやらプロのカメラマンらしい。
 もちろん目的は、真美と綾の撮影。 名刺を渡される。
 名刺に書かれている会社名を見て、綾が、「ここ傘下企業の1つじゃない」 そう言いながら 携帯電話を取りだし どこやらへ電話 直ぐに、カメラマンの携帯電話が鳴る。
 カメラマンは、顔がどんどん青くなっていく どうやら所属している会社の社長直々らしい。
 最後に、「失礼しました」と、言ってすごすご退散する。
 続いて、今度は、有名 大手芸能プロダクションのスカウト これも綾が、同じ方法で撃退。
 「いつも街を歩いていると、これだもん 特に、今日は、真美も一緒だから 特に、目立つみたい・・」 と言って、うれしそうに笑っていた。
 美少女2人に、美男子1人 良く目立つ、すれ違いの人まで、思わず立ち止り暫く呆然と見つめられていた。
 昼食は、思い思いの飲食店で取る事になっており ここで、香、加奈のグループと合流 香の親の経営するグループ企業の1つ 有名な、そば、てんぷら店で、昼食。
 予約を入れてあり 奥座敷に、女将直々に案内され 畳部屋の座椅子にもたれ そば、天ぷらの大変おいしい料理を堪能。
 大満足 (ハートマーク)
 帰りがけ ちょっとした事件が起こった。
 昼食時 こう言う職場は、どんな職場など比較にならない 戦場より忙しい。
 多くの女中が、おぼんに食器などを乗せ走り回っている。
 そんな時 真美達8人の前で、1人の女中が足を滑らせ転んだ。 1人除く真美達7人は、慌てて転んだ女中を助け 倒れる歳 周囲に散らばった食器などを拾い出す。
 女中は、単なる打撲程度 真美は、散かった食器などを片付け始めていた。 慌てて、手の開いている従業員を呼びに事務室に向かった香を除く 彩、加奈も真美に習い 散かった食器を片付け始める。
 1人除く男子3人 倒れた女中を助けている。 野球部エース 前野は、腰を下ろし 「僕の背中に、おんぶしますので・・・」 と、やさしく声を掛けている。
 それに見習い小林と、もう1人の男子生徒が後ろから支える態勢。
 真美は、男時代 飲食業界でのアルバイトで、何とか食いつないでいた。 こう言う職場で働く者の苦労を だれよりも身にしみている。
 それを 何もしないで、見下していた1人の男子生徒が、あざ笑った
 「そんな 下賎な者 他っておけばいい」 他人を見下す。
 さすがに、普段大人しく、控え目の真美も この言葉 頭にきて 人前で、初めてキレた。
 「もう1度 そのセリフ言ってみろ!!」 本来の男が出てしまう。
 怒りに満ちた眼で、蒲木に食いかかる。
 「何を言うだ 星沢さん あなた見たいな 世界最大規模の大コンチェルンの跡取り娘が、吐く言葉ではありませんねー こんな下賎のやつを庇って、何かメリットでも・・・ それに、僕の様に将来 この国を支配者となる 特権エリートの象徴 高級官僚になる身の者が、こんな汚い仕事など・・・ おかしくて・・・」 その瞬間 真美の零夜直伝の強烈なビンタが炸裂する。
 "これ 本当に強烈・・・" 妖魔ハンター隊長 三村談 いつも真美に、ちょっかい 本人に言わせれば、愛情のスキンシップ(あれは、セクハラ 真美談)の末 地面に叩き付けられている。
 そのまま廊下に叩きつけられる蒲木 「な・・・何をするんだ だれにも叩かれた事のないぼ・・・僕の頬を・・・・」 少し怯えた口調で、ヒステリックに言い放つ。
 「たかが 他人様の 血と、汗と、涙の結晶である血税で、養われているだけのゲス以下のガキが・・・」 もう完全に、氷室 拓真に戻っていた。
 「大丈夫ですか? お怪我ありませんか?」 女中に、やさしく声を掛けていた小林も 真美の怒りの声に、他の男子生徒と共に、真美の前に立ち 廊下に無様に倒れる蒲木を 怒りの眼で睨む。
 この様子を見ていた、研修旅行に同行し この店で、食事をしていた校長と、3人の先生も集まる。
 真美に非はない。
 1番 怒ったのは、2年生男子担当の体育教師の森井 「こら 蒲木 その発言 こちらの女中さんに対して無礼 今すぐ謝罪しろ!!」 怒りの怒鳴り声が飛ぶ。
 一緒に食事していた担任の桃花は、真美を抱きしめ 「もういいのよ 星沢さん 後は教師の私達にまかせて」と 落ち着かせようとする。 真美が、怒りで小刻みに身体が震えているのを 抑える為でもあった。
 桃花は、思った 星沢さんって、まるで大人の男の鋭いプロの眼付き すごさ この娘(こ)って、何者? と思った。
 確かに、真美は、変わった所が、いくつもある。
 絶世のこの世の者と思えない程の神々しいばかりの神秘的美少女であるが、今時の女子高生・・・なのに、オシャレなどに、妙にうとく 無理に、周囲に合わせているだけで、まるで関心を示さない。
 メイク1つとっても 信じられない事に、常識的、基礎知識もない 昨年 文化祭で、初めてメイクしてもらった程だ。
 真美を担当したプロのメイクアーチストが、余りのメイクに対する基礎知識などの無さに、驚いていた。
 それに、指の爪 運動会系のクラブどころか? 何も所属していないのに、いつも爪は、伸ばさず、普通の長さに揃えている。
 関心や、興味を示すのは、男のそれも かなり年上の男が、関心を示すものばかり。 車、バイク、その他。
 全く不思議でならない。

 森井は、怒り燃えていた。 森井は、両親共稼ぎの裕福でない家庭に育った。
 母親は、子供達の学費を稼ぐ為 朝から夜遅くまで、割烹料理店の女中として働き 子供達を立派に大学まで出した。
 その苦労を良く知っている。
 森井は、青春ドラマ真っ青の熱血教師 体育会系 教え子が、少々悪ガキ、お転婆娘など それぐらいの方が、可愛いと思っていた。 これぐらいの元気さが必要と、いつも周囲に漏らしている。
 だが、人として、守らなければならない最低ルールを守り 困った人に親切の手を差し伸べる 人間教育を目指していた。
 まさに、蒲木の態度、言語 森井の教育理念に反する。
 この学校の生徒は、全て超1流の上流階級の子息 将来 人の上に立つ者が多い だが、人の上に立つからこそ 下の者の気持ち、目線が必要だ。 蒲木を除く7人は、それぞれ手分けして、女中を助けている  森井の教育理念を実践している。
 立派に誇れる生徒だ。
 だが蒲木は違う 特権階級の家庭に生まれた事で、他の者を下賎な者として、見下しいる。

 「何で、この国を支配するエリート高級官僚の子である僕が、謝らなくては・・・」 父親が、高級官僚である事をひけびらかしている。
 さすがに、この発言 森井は、我慢出来ないらしい これは、教育の根本的やり直しが、必要と判断する。
 「校長 こいつを連れて、公園で、再教育を始めたいのですが、許可と、同行をお願いします」
 大きくうなづく校長。
 実は、校長 背中に、冷や汗を流していた。 真美の両親は、この学校の経営者でもある。 自分の評価に怯える。
 ここは、教育者らしく振る舞わなければならない。
 それに、蒲木を少し哀れに思った。 星沢家にたて付けば、例え総理大臣でも首が飛ぶと噂されている。
 高級官僚の1人やそれ以上 首を飛ばす事 何でもない。
 それ程 絶大な権力を保持している。 その気になれば、国家財政は破滅する。 最大納税企業グループ。

 その後 再教育しても 全く考えを改めようとせず、反省の色もなく 蒲木は、無期限停学処分の末 再審問の結果 考えを改めない為 輝星高校史上数人目の退学処分が下される。
 特に、理事会からも 校長の判断に、高い評価が与えられた。
 将来 人の上に立ち判断を下さなければならない立場に立つ者が多い この様な考え方、あるまじき考え 改めさせる以外ない。

 停学後 蒲木は、非の全ては、真美にあり 自分は、被害者だと、父親に訴える。 この子にしてこの親あり 似た者同士 父親と結託 真美の星沢家を国家権力を利用し 弾圧しようと試みるが、逆 総理大臣を始め、与野党国会議員 多くの官僚から 壮絶なしっぺ返しを喰らう。
 今まで、公共事業の談合などで、天の声を利用した蓄財が、全てバレ 蒲木は、終わった。

 GW(ゴールデン ウィーク)に突入 今年は、暦の関係で、4連休。
 綾と、香は、両親と共に、別荘のある国内のリゾート地へ 加奈は、東北地方の実家へ帰省。
 都内に残った真美は、詩織と共に、妖魔ハンター本部で、初日と、2日目の2日間 AM10:00〜PM17:00まで待機。
 久しぶりの真美と一緒の待機に、詩織 うれしそうであった。
 真美が、自分のデスクて、学校の図書館で借りた 宇宙物理学の論文解説書を真剣に読んでいる。
 隣の席の詩織 大変つまらなそう。
 色々ちょっかいをかけるも 真美 無視 集中している。
 頬を合わせ 真美の読んでいる本を見る。 全く理解出来ない 見たこともない方程式に、各種データ 解析・・・ 詩織の頭脳が、大爆発。
 ds2=-c2dt2+dl2+(k2+l2) (dθ2+sin2θdφ2) E=mc2 dΩ2 = dθ2 + sin2θdφ2 など、一体何を意味しているのか?
 「量子力学ではエネルギーと時間は、不確定性関係にあり、時空の微小な領域で粒子と反粒子の対生成・対消滅が絶えず起こっているとされる。 ブラックホールの地平面の近傍でこのような仮想粒子対が生成すると、それらが対消滅する前に、片方の粒子(反粒子)がブラックホールの地平面内に落ち込み、もう一方の反粒子(粒子)が遠方へ逃げ去ることがある。 反粒子(粒子)の運動は粒子(反粒子)が時間軸をさかのぼって運動していることと等価なので、粒子(反粒子)がブラックホールから時間軸をさかのぼりながら地平面に達し、地平面を通り抜けると時間軸を下りながら運動するとみなせる。 すなわち粒子がブラックホールから地平面を通り抜けて飛び出してきたように見える・・・」などと、説明されても スティーヴン・ホーキング博士のブラックホールの蒸発について・・・、と言っていたが、上記の方程式とは、また別との事。
 また、「・・・全多重宇宙誕生以前 時間も空間も物質もエネルギーも存在しない 無の世界 何も存在せず、永遠に何も生まれないように思われる世界であったが、量子論では、非常に短い時間の中では時間や空間やエネルギーが1つの値をとりえず、たえずゆらいでいることを明らかにしている。 このゆらいだ "無" から、真空エネルギーが高い状態にある超ミクロ宇宙が「トンネル効果」によって突然誕生する事を示している。 トンネル効果によって生まれた宇宙の直径が10-34{10の-(マイナス)34乗}cmしかない、クォーク(素粒子)よりも小さな超ミクロ宇宙 その後 クォーク(素粒子)よりも遥かに小さく高い真空エネルギーを持つ超ミクロ宇宙が誕生し 高い真空エネルギーは、アルバート・アインシュタイン博士の宇宙項と同様 斥力(せきりょく)となって 空間を急膨張させる。
これが宇宙のインフレーションであり 1秒にも満たない 10-36{10の-(マイナス)36乗}/sec(秒)のわずかな時間で1000億光年以上に急膨張させる。 誕生した宇宙は消滅して、無に戻るよりインフレーションを起こして膨張したほうが宇宙のポテンシャル・エネルギーが低くなるからである。 自然は常にエネルギーの低い状態へと移行する。 宇宙はいったん誕生すると、インフレーションを起こしてマクロ宇宙へと進化するよう運命づけられている。
インフレーションの最中 宇宙では、高いエネルギーの古い真空(もしくは、インフラトンとも呼ばれる触媒物質=まだ仮説の域を出ず、実在したかについては諸説あり)が、低いエネルギーの新しい宇宙へと相転移が起こる。 エネルギーは常に高い状態よりも低い状態へと移行する。
エネルギーは、より低い状態の方が、より安定する為である。
宇宙が誕生するやいやな、真空エネルギーによってインフレーションを起こす。 この時 急膨張するのは、高いエネルギーを持った古い真空である。 つまりインフレーションを起こしている宇宙の中には、古い真空の高いエネルギーが多量に蓄えられている。
真空が相転移する際、このエネルギーは、光と熱エネルギーとなって一挙に解放される。 こうして相転移後の宇宙は光と熱エネルギーに満ちた火の玉になる。 これが、従来考えられていた "ビックバン(大爆発)" まさに宇宙誕生の瞬間 その後 ビックバン直後に、ビックバンによって生じたエネルギーの放出により エネルギーから最初の元素 クォークが、6種以上対生成 誕生 つまりクォーク生成と同時に、正反対の性質を持つ反クォークも誕生 対消滅 E=mc2により2度目のビックバンが起こる。 他だし CP対称性の破れにより 僅かな誤差が生じ クォークが残り その揺らぎによりバブル構造を有する宇宙 その他物質が生成された・・・」  など何の話か? まるで、ちんぷんかん? 意味、言語不明。
 "作者 解りやすく説明しろ・・・・!!" 作者に噛み付く詩織。
 真美の頭脳 いったいどのような構造をしているのか・・・?
 真美に聞いても、意味不明の言語ばかり・・・ 確か去年 竜虎高校の文化祭で、この様な方程式などを用いた説明で、竜虎高校の天才と呼ばれる生徒達と、大激論をしていたような・・・?
 仕方なく 真美の座る椅子の後に潜り込み 真美の髪を撫でたり 臭いを嗅いだり・・・ かまってもらおうと必死。
 「本当に、真美ちゃんの髪 艶艶のサラサラ・・・肌触り まるで、シルクみたい・・・」 「真美ちゃんの香 いい匂いがする・・・」 など必死。
 余りの退屈に、真美の髪の1部を 三つ編みにしたり・・・
 途中 飽きて 真美の背中にもたれかかり居眠りする有様。
 その頃 真美の心と頭脳は、遠く宇宙空間で、机上物理理論に基づく宇宙の物理法則のメカニズムを思考実験により展開していた。
 実は、あれからずっと、体調が思わしくなく いつもだるく、はっきりしないので、余り身体を動かしくなかった。
 その為 好きな独学に熱中していた。
 昼食後 本部で待機していた (真美は、相変わらず論文解説書の続きを読んでいる) 今日のこの時間待機のメンバーの前に、室長の小夜子が、1人の高校生男子を連れ入ってきた。
 「三村隊長、零夜、西、詩織ちゃんに、真美ちゃん」 小夜子の声が響く。
 「正式に、明日から ここ対妖魔特殊部隊 妖魔ハンターの実戦部隊配属となる風吹 拳志郎君じゃ」
 小夜子の1歩下がっていた場所に立っていた風吹が、1歩前に出る。
 「風吹です。 名誉ある妖魔ハンターの一員として、恥をかかぬよう がんばりますまで、みなさんよろしくお願いします」
 武道の挨拶ポーズを取る。
 真美 呆然とした表情を浮かべる。 あの時の恩人。
 その後 新入りの腕試しと称して、三村隊長が、地下のトレーニングルームへ風吹を連れていく。
 もちろん全員 後に続く。
 得意は、中国拳法、空手、少林寺拳法など言った為 それに、昨年 全国高校中国拳法選手権 優勝者 それも全試合 瞬殺 規定により 寸止めであったが・・・
 噂の実力 試してみたい思いが、三村にあった。
 武道着に着替え 三村、風吹が、道場に現れる。
 2人共 見事なまでの鋼の様な鍛え抜かれた身体 見る者を圧倒する。
 一礼後 小夜子の合図と共に試合開始 他だしルールは、寸止め。 もちろん霊能力も使用禁止 互いの肉弾戦のみ。
 三村は、構える 戦場での実戦拳法 全く付けいる隙が無い 相手の闘気を読む。 相手は、16歳の高校2年生 もうすぐ誕生日で、ようやく17歳になるばかり だが、付け入る隙を見せない それどころか、全身から発する闘気 他だ者ではない こんなすさまじい闘気を持つ者と、出会った事などない。 噂の実力偽りがない 全力でかからねばならない。
 対する風吹も同様 いきなり全力 相手は、出会った事がない 戦場での実戦経験豊富 それも現在53歳ながら 世界最強の男と目される人物 全身から発する闘気のレベルが、ケタ違い こんな強い相手、生まれて初めて出会った。 うれしくて武者震い 1度これ程強い相手と戦ってみたかった。 風吹も構えに入る 中国拳法最強の1つ あのブルース・リーが編み出した 実戦拳法の截拳道(ジークンドー) ボクサーの様に華麗なステップを踏む。
 「噂に名高い截拳道(ジークンドー)」 三村はつぶやく 風吹の拳法を見切る 「1度手合わせしてみたかったぜ」 顔が、綻ぶ。
 一瞬の間 お互い鋭い踏み込みで、試合が始まる。
 見る者を圧倒する すさまじい戦い やや三村が、優勢に見える だが、この程度意味がない。
 互いの一撃必殺の急所へ、寸止めを決めなければ、勝ちと認められない。 激しい拳と、蹴りの応酬 互いに決定打を決められない 実戦経験豊富な三村でさえ 一瞬の隙を突く事が出来ない。
 「こんな強いやつ 初めてだせ・・・」 互いに実力を認める。
 結局 小夜子のストップがかかり両者 引き分け この判定に、三村、風吹と共 異存はない。
 途中 余りの試合すごさに、ここで働く非戦闘員の職員も多数見学 余りの激しい戦いに思わず息を呑み見守っていた。
 両者 拳法家らしく一礼後 ここに集まったギャラリーから 健闘を称える盛大な拍手が起こる。
 その後 部屋に戻る。
 「ところで、三村隊長 お聞きしたい事が・・・」 風吹が尋ねた どうも先程紹介された隊員の中で、あの2人 場違いの様に思えていた。 2人共 確かに、戦闘用の迷彩服を ハイセンスに着こなしていたが どうしてここにいるか納得出来ない。
 どう見ても今時の女子高生 それも絶世の美少女 妖魔と、最前線で戦う 実戦部隊の戦闘員には見えない。
 「あー あの2人・・・ あれが、今 ここ妖魔ハンターの最強のエースコンビだよ」 納得顔の三村。
 「どう見ても2人共 スレンダーで華奢な女の子にしか見えませんがー」 納得いかない風吹。 ここは、生死のやり取りをする戦場で戦う者の集まる場所。
 「風吹 ラディエンスの力って、知っているか?」 三村が尋ねる。
 「えー 噂程度には、唯一妖魔に対抗出来る 神秘と驚異の特殊能力」 風吹の知る限りの知識。
 「あの 2人がそうだ」 何気なく答える三村 驚きの風吹。
 「あの2人 ラディエンスの力を受け継ぐ星沢家の者 真美ちゃんは、長女の直系の娘 詩織ちゃん2女の娘で、従姉妹同士 詩織ちゃんの方が、年齢が1つ上 近いうちに、あの2人の戦闘を見るだろう 驚くぞー あのラディエンスの力を解放した時の戦闘 俺達 霊能者は、俺でさえせいぜいA級妖魔と戦うのが限度 だが、詩織ちゃんは、上のS級と、何とか戦える程強い 更に真美ちゃんなんか、S級どころか、SS級妖魔まで倒しているし S級からD級まで、100対以上の妖魔を 一撃で倒す程 ケタ外れ・・・」
 三村の話に、信じられない表情を浮かべる風吹 特に、真美など 身長158cm 肩幅が狭く スレンダー体型 腕、足など細く 簡単に折れてしまいそうな程だ。
 「そんなに、強いのですか?」
 「ラディエンスの力を解放しなければ、ただのか弱い少女だが、・・・1ついい忠告しておく 真美ちゃんを怒らせてはダメだぞ あいつのビンタは、最強だ、この俺でさえ いつも地面に叩きつけられている・・・」 三村は、愉快そうに豪快に笑った。
 「真美ちゃんとは、面識があるそうだなあ」 三村の問いに、風吹は、昨年の文化祭で、駅から学校まで護衛した件、数週間前 真美達が、連続レイプ魔に襲われた所を助けた件を話す。
 「ところで、風吹 お前 真美ちゃんに、一目惚れしたかー」 うぶで、奥手で、純情な風吹 直ぐ顔を真っ赤にする。 図星。
 そこへ、今日深夜勤のナンパ師佐伯が、何の前触れもなく登場。 簡単な紹介の後 佐伯の瞳が光る。
 「新入り 早速 俺達妖魔ハンターのスーパーアイドル真美ちゃんに眼を付けるとは・・・ うーん 実に良い心掛けだー 1つ新入りにアドバイスしておこう 真美ちゃんに近づきたければ、まず真美ちゃんの周囲をガードしている従姉妹の詩織ちゃんを懐柔する事だ、あいつを懐柔しなければ、半径数m以内に近づく事が出来ん。 詩織ちゃんが認めた者しか、真美ちゃんに、近づけさせない まずは、詩織ちゃんだ。 そして、真美ちゃんのハートを射止めるには、妖魔との戦闘時で、自らの強さをアピールする事 真美ちゃんは、いつも強いA級 時々現れるS級を一手に引き受け 無理してでも俺達を守ろうとする。 B級以下なら俺達が戦える事をしっているからなあー A級と戦えるのは、ここにいる三村隊長と、今日 非番の零夜さん その祖母で室長の小夜子ちゃん 後 真美ちゃんと同じラテセィエンスの力を持つ詩織ちゃんなんか、A級など苦にしない S級だとやはりちょっと無理だが・・・ 真美ちゃんが、担当するA級を何体か、奪い取れ そして、男の力を見せつけろ そうすれば惚れてくれる。  ようは気合いだ・・・」 熱弁する佐伯。
 「そして、最後は、押しの一手 押し倒し最後までいってモノにしろ」
 ニヤとする佐伯。
 「押し倒し最後まで・・・」 この言葉に、たじろう風吹 どうやら女慣れしていない様子。
 「ところで、新入り お前の霊能力 どのレベルだ?」 佐伯が問いかける。
 「霊能力のテストと、開発の結果 A級妖魔と同程度の評価を・・・・」
 驚く佐伯 同じB級程度と思っていた。 霊能力を使わなくとも 足元に及ばない三村隊長と、同レベル 霊能力も最高ランクのA級 とてんでもない新入りが、入ってきた。 それもこれから伸び盛りの高校2年生 うかうかしてられない。
 そして、狙いは、佐伯と同じく 絶世の美少女 真美ちゃんのハート 新手の最強ライバル出現。
 2日後 風吹は、真美、詩織の驚異のラディエンスの力を その眼で見る事となる。




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