LEJENS  レジェンス

 LEJENS以外のSF小説です。
 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。


 妖魔ハンター

 作者 飛葉 凌(RYO HIBA)

 高校1年生編
 Part14

 春休み初日 朝10時 真美は、輝星高校の進路指導室の前に、私服姿で、両親と、執事の中本と共にいた。
 今日 最初の父兄を伴った進路指導が始まる。
 真美は、いつもの超ミニスカートもしくは、ショートパンツを中心としたファッションではなく 膝までの淡いクリーム色のぺチスカート、トップスは、フェミニンで姫系の少しフリルで飾られた オシャレで、可愛いファッション いつもの真美にしては、かなり大人しい清楚なお譲様ファッション 実は、真美には私服を含め ファッションの選択権はない 全て、由美か、時折 詩織のコーディネイトで決められてしまう。
 決められたファッションを着るだけ 由美に言わせれば、真美が自分自身で選べば 男のそれも40歳代の平凡なファッションを選んでしまう せっかくの神秘的 絶世の美少女 そんなファッション 許されない だから私が、真美に似合うファッションをコーディネイトし選んであげている・・・と。
 今日 初めて、父兄同伴の進路指導 春休みの為 学校の制服でなくとも私服でOK。
 両親は、世界最大級の1つ 巨大コンチェルン・グループを率いるやり手のオーナー経営者 最高級のビジネス・スーツを着込む義人、由美も女性用最高級ビジネススーツ 下は、膝までのスカートであった。
 執事の中本も いつものフォーマルスーツに、チョウタイ。
 「星沢さん」 進路指導室から声が掛かる。
 真美は、両親と共に、進路指導室に入る。
 執事の中本は、ここで待機。
 真美が両親を伴って入って来るのを見て、担任の大倉 桃花教諭は、驚いた表情を見せる。
 まさか1人娘の為に、わざわざ両親が来るとは、想像していなかった。
 多分 執事の中本であろうと予想していた。
 当初は、執事の中本が、多忙な両親に代わり出席予定であったが、急遽 両親が、この時間帯の仕事をキャンセル 両親揃って、真美の最初の進路を相談する事になった。
 「これは、会長いや理事 社長兼CEO・・・」 さすがに言葉が少し震えている。
 そのはず ここ輝星高校は、星沢コンチェルン・グループの傘下企業の1つの学校法人。
 担任の桃花は、そこで雇われている社員の1人に過ぎない 慌てて立ち上がる桃花。
 「大倉先生 立ち上がらなくても 早く座ってください」 真美のパパ義人 さすがに、現在世界で最も優秀な経営者100人に選ばれる敏腕経営者 妻 由美に代わり実質星沢コンチエルンを動かしている。 さりげなく発した言葉でも 相手を威圧する様な迫力がある。
 少し青ざめ着席する桃花 少し震えている。
 「今日は、娘(真美)の大事な進路相談 ですから2人で来ました」 いつになくやさしく微笑む由美。
 「そうですよ 僕達は、他だこの学校に通う娘の両親ですよ」 義人もさりげなく同調。
 そう言われても 桃花に取っては、天上人 無理がある。
 3人を桃花の座る デスクの前に椅子座らせ 何とか真美の1年間の学校の成績 評価から始める。
 「お嬢様の・・・」
 「お嬢様ではありませんよ あなたの担任の生徒ですよ」 由美に言われる。
 「失礼しました 真美さんの成績ですが、この1年間の成績は、学年でもトップクラス 大体17〜19位をキープされ非常に良い成績です。 多少教科によるバラつきがありますが、教科による絶対評価も、7〜10と優秀な生徒の1人です。 数学系、理科系、社会科系は、9〜10と非常に優秀ですが、国語系、英語系が、8と少し落ちます。 まあ家庭科が1番悪く7 後は、体育、美術、音楽も8ですから この辺は、まずまずでしょう。  ここは、上の輝星大学の付属校 今のままの成績ならば、文句無くエレベーターで輝星大学へ進学出来ます。 担任としては、輝星大学ではなく 更に上のレベルの大学 国内最高峰のT大。K大、N大などは、今の状態では、少し無理ですが、国立のH大 私大のW大、K大などは、十分狙える学力があります。 それに、私の見た所 年齢に似合わない 大人の男の何年も社会に揉まれた者の様な 今時の女子高生に思えない広い社会的視野も持っておられます とても不思議な感じです。 ですが更に視野を広げさせる為にも ここ輝星高校卒業後 海外の有名大学進学も選択の1つとするべきかと思います。 それに少し予断ですが、実は、真美さん 昨年の秋 竜虎高校の文化祭に呼ばれ そこで、竜虎高校の天才と呼ばれる生徒達と、宇宙物理学に対する議論を 互角以上にやりあった話しも届いています。 それも博士号を取得する為の大学院レベルのかなり専門的な高度な内容と聞いています。 驚異的です。 物理は3年生の必須科目 まだ習っていないのに・・・ 実はあの議論 私の在籍したT大の恩師でもある物理学教授が、拝聴していたそうで、かなり高素質の持ち主 今からでも大学へ飛び級で進学させ その素質を伸ばし磨きを掛けたいと、常々私の元に、メールが届いています。 うまく導けば、将来の宇宙物理学で、ノーベル賞も狙える逸材と申しておりまして・・・」 ようやく桃花は、本来の調子を取り戻しつつあった。
 「僕としては、真美は、将来 我が星沢家の当主となり 妻の持つ星沢コンチェルン会長職を継ぐ身 輝星大学もしくは、その他の優秀な大学で、経営学を学ばせたいと思っている どの大学を選ぶかは、本人の選択次第 宇宙物理学で、博士号を取得 将来のノーベル賞は、本人に悪いが、諦めてもらう 趣味としては、何も言うつもりはない」 はっきと義人は言い切る。
 下ばかりうつむく真美 竜虎高校の文化祭の一件 実は後でしまったと、後悔していた。
 大好きな宇宙物理学 特殊、一般相対性理論、量子論、超対称性理論など 真美の大好きで、得意な分野 つい調子に乗ってしまった。
 物理自体 3年生で習う必須科目。
 「ところで、真美さん本人の希望は?」 さりげなく桃花が聞く 最も重要な部分。
 「私としては、大学進学が希望だけど、まだ漠然としていて、希望の大学、学部は、決めて・・・」 少し語尾を曇らせる真美 実は、桃花の話した宇宙物理学での飛び級での大学進学話に、心が少し揺れていた。
 真美の男だった時代の夢の1つ 博士号取得後 アメリカ合衆国のNASA((the National Aeronautics and Space Administration = アメリカ航空宇宙局)に入り 好きな研究に没頭したい夢を持っていた。 宇宙大好き。 尊敬する科学者の1人 故カール・セーガン博士の様に、子供達に宇宙について、お伽話を聞かせるように、やさしく解説してあげたいと言う夢もある。
 だが現状 絶対無理 どうやら妖魔ハンター以外 将来は、全て決められてしまっている。
 結局 何も真美の意見など通らない それ以前 簡単な事以外聞かれない 大事な部分は、両親によって決められている。
 一応 大学への進学 第1志望は、輝星大学 経営学科 第2以下は、国立のH大 私大のW大、K大 他にも海外の有名な大学のいくつかを併記 学部は、経営学が希望だが、未定となった。
 「実は、ここだけの極秘事項だが、真美は、数日後発表される 星沢コンチェルン人事異動に際して、まだ最高級幹部だけの通知だが、妻で会長でもある由美 そして、その下の社長兼CEOの僕に次ぐNO3のポストへの就任が決定している」
 義人の発言に驚く真美。
 「そんな話 まだ聞いていない」 やや抗議の口調
 「今 話した」 抗議を認めない義人。
 「正式には、2年後 真美が高校卒業後 サプライズ人事で発表する事になっている 大倉先生 この件については、2年後のサプライズ人事発表まで、極秘だ」 恐る恐る 小さくうなづく桃花。 顔面には、血の毛がない。
 星沢コンチェルン 最高機密 ただ事の話しでない。
 話しを続ける義人。
 「そこで大倉先生 君の件だが」
 息を呑み こわばる表情の桃花 かなり緊張している。
 「真美の担任として、学校の教師として、君の評価だが・・・・」
 息を呑み 顔中 真っ青になる桃花。
 「今まで、届いている君の学校での教師、担任として、評価を 総合して判断した結果 真美の担任として、教師として、全く問題点が無く ほぼバーフェクトな優秀な成績 実に素晴らしい理想的とも言える教師だ。 このまま後2年間 真美の担任として、高校での教育を任せる事に決定している。 これは君のキャリアに取って、大変有意義だ。 将来 星沢コンチェルン中枢部の重要なポストの配置転換に有利に働く 更に真美を鍛えれば、更に重要ポストも有り得る」
 義人の話しに、少し安堵の表情を浮かべる桃花 やはり評価が気にしていた。
 評価は、最高に近い評価 全く問題無い。
 桃花に取って、将来の当主兼会長の高校時代の優秀な教師としてのキャリアが加わる。
 最大のチャンスの1つ。
 だがこの人事 真美に取っては最悪 残り2年間も担任が、あの桃花になる 学校で最も恐れられている 地獄のスパルタ教育実践者 そして、美貌の死神、悪魔と恐れられ そして、いつも死神、悪魔の囁きと、笑みを浮かべる・・・ 出来れば、担任と、英語を桃花以外の あまり小言を言わない教師に変えて欲しい 桃花では、生命がいくつあっても足りない だれに対しても情け容赦しない桃花である。
 真美の顔から 全ての血が消えうせ 真っ青になる。

 3日後 真美は、羽田国際空港から 星沢コンチェルン専用ジャンボ機で、常夏の南国の保養地へ両親と、執事の中本、複数のメイド、シークレット・サービスと共に向かった。
 星沢コンチェルン社有のリゾート島 ここで星沢コンチェルンの世界中散らばる傘下企業の大幹部が、一堂に集まる。 ここで大幹部のみ 真美が正式に、NO3のポスト就任する事が発表される。
 真美に取って、男時代を含めて、初めての海外 まだ体調が、完全でない。
 1人 窓の外ばかりを見ていた。
 両親も 日頃 仕事多忙に付き やはり機内では、ほとんど寝ていた。
 特に、由美は、真美を抱き枕の代わり抱きしめ寝ていた。
 妖魔ハンターのバイトも 真美 体調不良の為 学校の春休み中は、全て休暇となっている。
 もう1人 従姉妹の詩織 ここまでの高校での成績 余りの低空飛行 各試験で、追試、欠点を逃れる程度 (他だし体育を除く) 妖魔ハンターのバイト以外 勉強など全くしておらず、ひたすら遊びに熱中していた為 実家の両親 遂に堪忍袋の緒が切れ 東海地区の実家に連れ戻され そこで、専任の家庭教師の下 徹底的に、お勉強の憂き目に会っている。
 詩織も 国内では最大規模の1つを誇る 中崎家の跡取り1人娘 せめて平均点程度の成績が、両親の切なる願い。
 真美は、リゾート島へ上陸 燦々と降り注ぐ眩しい太陽の下 南国の植物が生い茂る 超高級リゾートホテル ホテルの前には、真っ白に広がる砂浜。
 その日は、午後16時到着だった為 何もせず両親と共に、最上階のスイートルームで、のんびりベッドの上で寝転でいた。
 翌朝 10時 複数のメイド達に衣服を脱がされ裸にされ 壮絶な悲鳴を上げ(無意味に思われる身体のいたる場所を触りまくられ・・・) 丹念に強力な日焼け止めを お肌全てに塗り込められ この日の為に、娘 真美用に 由美が購入していた ブランド物の 高級ビキニの水着を着用させられる。
 ホワイトをメインに、レッドと、マリンブルーの細いボーダー柄のカラフルな三角ヒモビキニ ショーツ同じ柄で、両横は、ヒモで結ぶタイプ かなり露出度多め 同じく別のデザインのビキニの水着姿の由美に 肩からバスタオル掛けられ 頭にはつばの広い帽子 サングラスを掛け 白い砂浜のプライベート・ビーチに拉致される。
 由美 自らが選んだビキニを真美に着せ もうウキウキ 自慢の真美を 引き回し見せびらかしたいらしい。
 露出の多いビキニ この世の者とは、思えない神々しいばかりの神秘的 絶世の美貌を持つ美少女 真美を ここに集まる 最高級幹部に見せ付けて・・・ 何やら良からぬ思惑見え見え。
 由美のちょっとしたサプライズ。
 だが真美はと言えば、浮かぬ表情 とにかく自ら積極的にアピールしない。
 大きなピーチパラソルが作り出す日陰で、ピーチチェアーに寝そべってばかり 体調が完全でないのも原因だが、やはり今の女性化した身体を 見せたくない心理が働いている。
 露出の多いビキニ 人目に晒されたくない、 女になった身体を実感したくない。
 まだ悪い夢を見ている そう思いたい。
 由美に注意され ようやく重い腰を上げ 踵の高いサンダルを履き モデル歩きで、積極的(消極的)?にアピール 一応営業用のスマイルを浮かべるも 本人 全く面白くなさそう。
 夕方 1人サンセットビーチに佇み、水平線に沈む真っ赤な夕日を ぽつんと哀しいそうに見つめていた。 ビキニの水着の上に、白の大きいパーカーを袖だけ通した姿で、打ち寄せる波打ち際 何を思い 考えているのだろう 少し悲しそうな表情からは、決してだれも読み取る事が出来ない。
 白い小さな波が、真美の足元を 何度も通り抜ける とても見る者を感動させ 思わず言葉さえ失い その神秘的な世界へ誘(いざな)う様程芸実的なワンシーン。
 この時 真美は、何か物思いにふけ 1人黄昏れていた為 全く気付かなかったが、パパ 義人が、真美を熱心に、超高性能高感度デジカメで撮影していた。
 夕日を 何か黄昏た表情で見つめる サンセットビーチに佇む神々しい神秘的美少女 夕方のやさしい潮風に、長い髪が揺れる 足元の砂浜には、小さな白い波が何度も打ち寄せる だれもが思わず見とれ魅了され引き込まれてしまいそうな芸実的とも言えるシーン。
 どんな美しい芸術でも これ程の美しさは、決して描けない・・・・
 真っ赤に燃える夕日を正面から見つめる真美。
 夕日に、海は、黄金色(こがねいろ)に染まり 真美をやさしく包み込むよう照らす。
 ・・・いや 真美自身が、黄金色(こがねいろ)の輝きを解き放っている様に見える。
 まさに、神話に出てくる美少女女神すら思わず嫉妬する美しさ。
 だが、表情は、余りの美しさと、相反して、どこか、寂しげで、何か? 深い、底知れぬさみしさを・・・・漂わせていた。
 この時 義人によって、写されたスナップ写真の1枚が、後に真美を写した多くの写真の中でも 特に有名な写真の1つとなり 後世に伝えられる。

 夜のパーティ 真美 聖セレナでの一件以来 トラウマ(精神的外傷)になってしまった 恐怖のドレスを無理やり着用される。
 下着は、胸にはヌーブラ 下は、Tバックタイプのヒモのタンガ ドレスは、淡いピンクのシンプルなパーティドレス 初の社交界デビュー。
 パパ 義人のエスコートで、次々と星沢コンチェルン大幹部に、ご挨拶。
 社交界の型苦しい レディ用の挨拶を繰り返す。
 「美しい・・・ 何と 美しいお嬢様・・・ お母様以上だ・・・」 「こんなにお美しいお嬢様が、この世にいたとは・・・」 「わしが、若かったら無理やり拉致してでも妻にした・・・」 などと、真美に言わせれば、単なる気を引く為の外交辞令としか思えない言葉ばかり掛けられ 無理して浮かべている営業用のスマイルも どこか引きずっている。
 エスコート役の義人 自慢の娘? 絶賛され 鼻高々。
 会話は、全て英語 日常会話には、問題ないが、専門用語は余り知らず 発音も今イチ良くない真美 色々聞かれ、少々お困り気味 かなり疲れた様子。
 ここでも 真美の持つ魅力に、全て集まった者を魅了し虜にしてしまう。
 お陰で、翌日の最高幹部による会議で、NO3のポストは、問題なく承認され 尚且つ ここに集まった者全てが、少しでも真美の気を引こうとやる気が上がり 士気が高まる効果ももたらした。
 予想を上回る効果 これならば、重要商談などに真美を同行させようかと、真剣に考えた。
 可憐な華を持つ自慢の娘? そこに存在するだけで、何事もスムーズに、こちらの予想以上に、物事がこちらの思惑以上に運ぶ効果をもたらす。
 3日後 帰国 由美と共に、2年生進級の為の各教材など必要な物を取り揃える。
 お馴染みのランジェリーショップにも連れ込まれ サイズ測定の名の下 有名カリスマ店員に、不要と思われる身体の至る場所を触られ 尚且つ 胸の2つの女性特有の膨らみも サイズUPが判明 BからCカップ それに合わせて 各種下着も多量購入となった。
 「Cカップの理想的 美乳・・・」と、憧れに満ちた表情で、行く先々のランジェリーショップのカリスマ店員に散々言われ 本人はもううんざりとしていた。
 だが、真美を拉致した由美と言えば、もはや狂乱状態????
 「娘は、ママの為の着せ替えドール(人形」)と称し 次々と・・・・ もはや生き地獄化? 真美にはそう思えた。
 多分 これ程の残酷な地獄はないと・・・・
 早く 元の男に戻るか、このまま戻れなければ、妖魔界へ行って、最強と目されるSSS級と、SS級を倒すか? 途中殺されるか? 決着(ケリ)を付けたい思いが過ぎっていた。
 自ら持つ 究極のラディエンスの力 妖魔と交わり 半妖魔とでも呼ぶべき2つの力を持つ究極の存在を産む為の方舟にはなりたくなかった。
 今回の真美の体調不良 これが真美の将来に取って、重大な結果をもたらす最初の兆候である事を真美自身を含めて、だれ1人気付く者はいなかった。
 対する妖魔 妖魔界で、真美に対する包囲網の準備も着々と進められ 近いうちに、大規模な戦いを予感させていた。
 そして、4月上旬 真美は、2年生に進級 始業式に向かう。



 ここで、妖魔ハンター 高校1年生編は、終了です。
 真美を巡る妖魔との戦いは、更に熾烈を極めます。
 もちろんメインは、学園、コメディ、お笑いが中心の予定?・・・多分・・・
 真美の側にも ニューキャラクター2人も加わります。
 お楽しみに。




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