LEJENS レジェンス LEJENS以外のSF小説です。 LEJENSとは全く無関係のオリジナル小説です。 妖魔ハンター 作者 飛葉 凌(RYO HIBA) 高校1年生編 Part10 9月中旬 2年生は、海外それもハワイへ修学旅行 現地で、英会話の勉強と、現地の高校と交流会 有名ビーチでの海水浴などあり 目立つ・・・特に注目される事 大好き少女 詩織は、喜んで参加 「現地のお土産期待してー」 元気に行きました。 「真美ちゃん 私以外の人 浮気しちゃーダメよ もししたらお仕置きよ・・・」 脅迫付き。 ちなみに月曜日に出国 土曜日帰国。 さすがにお金持ちの為の高校 修学旅行も海外 ちなみに、輝星高校は、国際人の育成も目的としており 英語は、日常英会話があり 3年間 必須科目。 選択授業には、外国語として、ビジネス英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語もある。 真美は、選択授業を 国際政治学を選択。 ちなみに男時代から 結構興味あり詳しい。 必須科目である 日常英会話は、男時代からの英語、国語、古典、古文を苦手としており 詩織よろしく、追試を受けない点数がやっと言う低空飛行 逆に、世界史、政経、地理。数学、物理、生物など得意科目は、ほぼ満点 特に、世界史は、満点以外皆無 学年1位 物理も この時点で、宇宙物理学、特に、アインシュタインの特殊、一般相対性理論を始め 量子論、量子重力論など、独学しており 担当の物理教師を凌駕するなど、超アンバランスな成績。 よく担任にイヤミ言われていた。 それが、性転換後 苦手だったはずの科目も急上昇 全く喋れないはずの英語も 担当の桃花先生に、「発音が悪いけど・・・ 一応日常英会話は、出来るわねー」 の合格点は、貰っている。 ウルトラ万能スーパーガール彩は、文句なしの英会話能力 完璧 選択授業もビジネス英語 ちなみに、夏休みのホテルでのしごきの猛特訓 宿題を終えていた彩は、アメリカの大学生が習うレベルのビジネス用語ばかりの ビジネス英語を課題とてやらされていた。 彩本人 「あのレベル勉強出来て良かった・・・」 と問題視していない。 ちなみに、桃花は、彩の家に、その時点での宿題進捗状況を聞いており 宿題は、終えていたが、家で与えられている勉強は、全くしていない彩に、本格ビジネス英語を の要望があった。 その為の課題。 詩織が、修学旅行へ旅立った初日の月曜日 朝 1人で登校。 何か? 物寂しい やはりいつものうるさい騒音 いつの間にか日常の1部になっていた。 「お早うございます 真美様」 駅出入口の前の挨拶。 「お早う 皆様」 いつもの業務用笑みを浮かべる真美 その瞬間 周囲の真美をひと目見ようと集まったギャラリーを魅了し、虜にする。 今日から いつもガードする詩織がいない事を言い事に、真美に接近を図る者 すかさず男子 自称真美ファンクラブ、親衛隊が、鉄壁のガードに入る。 虫1匹入る隙間はない。 そのまま学校へ向かう。 何時もおしゃべりする相手がいない ほとんど聞き役である真美だが、少し寂しかった。 周囲から飛ぶ歓声に、ただ業務用笑顔を浮かべ応える。 学校へ到着 更にヒートアップ この頃 学校の正門前にも 他校の生徒から、年齢、性別 様々な人達が待ち構え 周囲に並んで真美の登校を待っている。 途中 ラブレター持参し、真美に手渡そうとする者多数 全てガードする男子 自称真美ファンクラブ、親衛隊に阻まれる。 正門の中に、ここで更に待ち構えている輝星の生徒の 更にヒートアップした歓声が起きる。 「お早う 皆様」 ここでまたも業務用笑顔を浮かべる。 核兵器直撃の大爆発の歓声。 「あーいつ見ても お美しい真美様ー」 などの潤んだ瞳で、憧れの眼差しで真美を見つめる女子生徒。 「真美さーん 今度 俺とデート」 などと口々に言う男子生徒 その間を 業務用笑顔を浮かべながら通り過ぎる真美。 いつもなら ここで薫お兄様の ご登場だが、2年生 今日から修学旅行の為 いない。 続いて、ここで詩織とケンカを始めるが、今日は無し。 無事に玄関へと思いきや やはりいつもの2人の男子生徒登場 3年生で、生徒会 会長の弘樹と、副会長の大樹 そして、真美と同じクラスで、学級委員長の 小林 祐樹。 輝星の誇る 超イケメン美男子生徒3人 全員 社交ダンス部。 「真美ちゃーん」 の甘い誘いを プイとそっぽを向き無視。 そのまま玄関へ向かう。 下駄箱には、無数の男女からの 入り切れないラブレーの山 一応カバンに入れ 通学用から校舎内用のシューズに履き替え教室へ向かう。 また いつもと変わらない1日が始まる。 昼食時 「何だか いつもと比べて異様に静かですねー」 詩織の騒音がなく 静かな食事に、違和感を感じる香。 「そうねー 詩織お姉様がいないと、こんなに静かなんだあー」 思わず同調する彩。 「詩織お姉様 今頃 ハワイへ向かう飛行機の中からしらー」 まだ海外旅行の経験の無い加奈は、少し憧れの入った言い方であった。 「そうねー」 何だか、別の事を考えている口ぶりの真美 実は、真美も男時代を含め 海外旅行の経験は無い。 他だし飛行機を利用した国内の移動は、珍しくなかったが・・・ 何事も無く1日の授業を終えた。 放課後 暫く 彩、香、加奈とおしゃべりした後 帰宅部へ向かわず そのまま地下鉄で、妖魔ハンター本部へ向かう。 いつもの尾行者は、防衛軍の私服がうまくガード だれにも見つからず本部に入り そこで、いつもの迷彩戦闘服に着替える。 時間は、午後4時40分 いつもより少し早い。 「あれー 真美ちゃん いつもより早いねー」 ナンパ師 佐伯が気づき早速声をかける。 やはり 真美を見ると ナンパ師としての血が騒ぐのか? 顔が、クールな二枚目 流し目で真美を見つめる。 「今日 帰宅部に寄らず ちょっと学校で長いした後 直接来たからー」 真美は、学校のカバンの中から 筆記用具一式と、教科書、ノートを取り出し 宿題を始める。 「いつも 真面目な真美ちゃん そんなに、お勉強ばかりしては、君の様な麗しい華台無しにしてしまう さあー 僕の胸に飛び込んおいで・・・」 いつもの キザな口説き。 「うるさい 勉強の邪魔」 真美の怒りの声が飛ぶ。 ここで、宿題 やっておかないと、後が大変。 「佐伯・・・」 野太い声が響く 夕刊に目を通す 三村隊長。 「ちょっと早いが もう上がっていいぞ」 佐伯の勤務は、前日の深夜10時から 今日の夕方5時まで。 途中 仮眠時間がある。 実は、妖魔の出現時間 妖魔と言うだけに、闇夜が・・・と思いきや 日中に集中しており 夜10時から翌朝9時ぐらいまで、ほとんど出現しない。 戦闘が長引き 深夜まで及ぶ事は、珍しくないが、最初に出現する時間帯は、日中に集中していた。 その為 深夜勤は、十分な睡眠が取れる為 妖魔ハンターのメンバーは、余り嫌がらない。 実は、深夜勤の方が、仕事として楽である。 朝7時まで、仮眠と言う睡眠が取れる。 今日のローテーションは、佐伯の後 真美が入る予定であった。 実は、詩織が、修学旅行の為 詩織のローテーションは、全て真美が入る事となっている。 月曜日から木曜日の 午後5時から夜の10時までと、土日の 午後1時から夜8時までが、本部待機。 佐伯は、三村に睨まれ すごすごと更衣室に向かう。 静かになる 今日夜10時から沙耶が出勤すると、真美と交代。 三村は、毎日 朝10時から夜10時まで、ここ本部に詰めている。 とにかく人手不足 真美のママの由美 詩織の母の良美も 自分達の巨大コンチェル、企業を使い 素質のある霊能者探しに、やっきになっている。 だか中々見つからない ようやく見つけ小夜子が中心に、スカウトに訪れるが、代々霊能者の家系で、退魔師の家系で無い限り 首を立てに振る親はいない 我が子を死と隣り合わせの仕事に就かせる親など皆無。 現在 実戦部隊隊員以外 候補者は、3月に高校卒業した訓練生男子の2人だけ、2人共代々霊能者の家系で、退魔師の家系出身、将来 家業を継がせる目的もあり 入隊 現在 訓練中 小夜子、三村隊長の話では、B級妖魔と戦える霊能力が身に付くまで、まだまだかかると言う。 実戦部隊は、最低B級妖魔と、互角に戦う霊能力がなければならない。 それ以下は、訓練生として、日夜 自ら持つ霊能力を高める修行に励む。 真美のように、霊能力と異質のラディエンスの力を持ち B級妖魔どころか、その上のA級妖魔とさえ比較すらならないS級妖魔以上の力持つ者など、稀中の稀・・・ではなく史上初。 だからこそ 貴重な切り札の最終兵器とでも呼べる存在でもある。 同じラディエンスの力を持つ詩織は、何度も説明されているので、省略するが、その力は、A級妖魔以上だが、S級妖魔では、太刀打ち出来ない。 その為 1人1人の妖魔ハンターの負担が大きく 現在最低でも B級妖魔に対抗出来る霊能力持つ霊能者を 20人以上 更に強力な霊能力を持ち A級妖魔に対抗出来る霊能者を 5人以上は、欲しい所。 これだけ揃えば 真美、詩織の高校生バイトは、S級妖魔が現れるか、S,A級妖魔を含む大群が現れない限り この様に本部待機で、出勤しなくとも 非常徴収司令以外 学生の本分である 学業に専念出来る。 極端な人員不足。 夜7時になった。 宿題を終え 三村とTVを見る真美。 「真美ちゃん いつもの執事さんお見えよ」 女性職員が、声を掛ける。 「はい」 立ち上がる真美。 「食堂で、メシにしろ」 三村が言う。 「そうする」 真美は、別室の食堂へ向かう。 「中本いつもありがとう」 真美は、中本を見つめ感謝する。 「いいえ 真美お嬢様 お勤めご苦労様です」 中本は、微笑んで真美を見つめる。 自宅から 運ばれるお弁当 いつも自宅の超1流シェプの心の篭った料理。 水筒のお茶を飲みながら ゆっくり完食。 「いつも 本当に美味しい」 満足に言う真美。 「それは、それば良い事で・・・」 笑みを浮かべ目をやさしく細める中本。 「いつも 夕食 詩織姉ーを含めて、全員で食べる事が余りない 少し寂しいなあー」 真美は、ぽっと言う。 普通の家庭の普通の夕飯・・・ 真美の小さな願い。 全員多忙の為たが・・・ 今日は、何も無く 夜10時を過ぎ 今日深夜勤の沙耶と交代 中本の運転する自家用車で帰宅した。 金曜日 学校が終わった。 放課後 珍しく真美は、自家用車を呼んでおり 自家用車に乗り込む。 今日は、妖魔ハンターのバイトはない。 そのまま花屋により 墓参り用の花を購入 夕方 墓参りするものではないと、言い伝えがある、午前中が鉄則と言われている。 たが真美は、この日のこの時間しか行けない。 男時代もそうであった。 次々病死した本当の両親の墓参り。 真美の秘密を知る中本も 一緒に同行する。 外れた場所にある 小さな墓。 小さな墓石には氷室家の名が、刻まれている。 簡単に墓石などの掃除を済ませ 花を添え 目を閉じ 手を合わせる。 この時だけは、心は、氷室 拓真に戻る。 "親父、お袋 久し振り 俺 拓真 こんな身体になって、驚いているだろうなー 説明難しいが・・・ でも元気だぜ・・・ 今 こんな身体の俺を実子として、大事に育ててくれる 育ての親に親切にしてもらっている・・・" などと心で語りかける。 おや? と言った表情で、ここ公営共同墓地の管理人が、近づいてきた。 どう見ても場違いの 女子高校生の制服を着る 見るからに、絶世の美貌を持つ美少女。 「あのー この墓の持ち主と 何か? ご関係が・・・」 問いかける管理人。 "しまった・・・" 少し慌てる真美。 「えー ちょっと 遠い親戚で・・・」 何とか取り繕うとする真美。 「おかしいですねー この墓の持ち主 今年の3月頃から行方不明で、それに、40歳代の男 前 1度お会いした時 まだ独身だとか・・・ それに、話しを聞いた時 両親は、駆け落ちで、親戚関係が、全く解からないと・・・」 小首を傾げる管理人。 「あー ちょっと調べた解かったものでー」 真美危機。 「それにしても 年齢が離れていませんか?」 管理人の一言に、「ごめんなさい・・・」 慌てて側にいた中本を引っ張り 猛ダッシュ。 車の後部座席で、ほっと一息つく真美。 「これから 本当の産みのご両親へのお墓参り どのようにいたしますか?」 車を運転中の中本は、尋ねた。 「うーん そうねー 変装するしかないかなあー」 真美は、考えながら答えた。 「その方が、よろしいかと私も思います」 中本は、微笑んだ。 本当の両親も大切にする ご立派な方だと 感心していた。 10月 衣替え 今まで白のブラウス1枚 下着のブラが、薄く透き通って見え どうしても気になっていた真美。 今日から 学校指定のベストか、カーデガン、セーター着用が、当分の間 認められる。 それ以降は、ブレザーの制服を着用となっている。 これで、下着のブラ 薄く透き通って見えるのが、回避出来る。 だが、着用するには、まだ暑い。 思案のしどころである。 もうすぐ 2学期の中間テストがあり 終わると同時に、文化祭の準備と 嫌な行事が続く。 中間テストの結果 学年19位 少し後退 真美の高校生活の中で、最も低い順位。 真美本人 全く気にしている様子はなかった。 中間テストが終わり 次の月曜日。 いよいよ 文化祭の出し物である。 クラスでの会議は、5、6時限目に行われた。 色々 意見が出たが、最終的に、桃花の意向で、10分程度の短い演劇に決定された。 出し物は、ウイリアムス・シェークスピア作 ロミオとジュリエットの名シーンの1部。 それも 桃花の意向で、全てセリフ、ナレーションも、英語。 「あなた達の英会話力 披露出来る またとないチャンス・・・」 世にも恐ろしい悪魔、死神の微笑みを浮かべ だれも反論出来ず・・・ 実は、この時点で、桃花は、英語の脚本を用意しており クラス全員に配布 後は、キャスティング(配役)のみとなっていた。 もちろん監督は、桃花。 この出し物 最初から桃花の罠で、4月にA組の担任になってから全て脚本を含め用意周到に準備していた。 続いて、キャスティング 主役のロミオ 自薦で、あの小林が名乗り出て対抗者無く決定。 次に、もう1人の主役 ヒロインのジュリエット 自薦無し 他薦で、それも桃花の推薦で、何と 真美 もちろん真美自身 反対。 真美自身 英会話堪能で、良家のお嬢様を体現しているスーパー美少女 彩が、選ばれると思っていた。 真美は、それを遥かに凌駕する この世の者とは、思えない程の 神々しいばかりの神秘的絶世の美少女である事を 今だに気付いていない。 真美自身 ちょっと可愛いかなあー 程度の認識。 真美自身、何かの係りか、せめて端役の侍女程度で・・・ 目立たず・・・ と思っていた。 いきなりのヒロイン役抜擢 戸惑うばかり・・・ 彩の方が・・・ と言おうとしたが、嫌な物を他人に押し付ける様な気がして、口ごもってしまい。 他にだれもいない為 真美に決定。 周囲の歓声など耳に入らず、ただ 恥ずかしそうに、下を向き 頬を赤らめていた。 「星沢さん 明日から みっちりと稽古よ」 悪魔、死神の一言。 思わず 「あー は・・・はい」。 更に、周囲は、ノリノリ。 クラス全員、ヒロインであるジュリエット役は、真美以外いないと思っていた。 暗黙の了解事項。 早くも 期待に胸を膨らませ クラス全員 真美に注目。 美しい真美のジュリエットに、想像を掻き立てられている。 「真美ちゃんヨロシク」 ロミオ役の小林 いつもの絶対 男同士では嫌われる 爽やかな笑顔で見つめる。 白い歯が零れ 周囲には、無数の真っ赤なバラの花のオーラが輝く。 ちなみに、ナレーターは、自薦で彩。 その他 キャスティング 係りなど、次々と決まり。 1年A組は、英語劇のロミオとジュリエットに決定。 この情報は、一瞬に、ネットの極秘サイトを通じて全世界に配信。 真美の予想外の大騒動へと発展する。 「・・・それで、その役 受けてしもうたのか・・・」 ここは、妖魔ハンター本部の室長室。 難しい表情を浮かべ デスクの椅子に座り 前に立つ真美を見つめる小夜子。 「申し訳ありません おばあちゃま」 真美は、平謝り。 「仕方あるまい 真美ちゃんは、まだ高校生のバイト契約 無理は、言えん・・・・」 どうするか、思案する小夜子。 「これで行くか・・・」 つぶやく小夜子 何か? 良いアイデアが浮かんだ表情に変わる。 「今 2人の訓練生 実戦を経験させる良い機会になるかも知れぬ 真美ちゃんの代わり 真美ちゃんのローテーションに、入ってもらうか・・・」 小夜子の一言で、決定。 「心配せんでもえー 実は、防衛軍の今年度入隊の新人隊員に、4人の強力な霊能力の持ち主が見つかってのうー 近々 ここの訓練生として、配置転換する予定じゃ 早よー 1人前の妖魔ハンターに、育ってもらい 真美ちゃんや、詩織ちゃんの過度の負担 軽減させたいと、思っておったところじゃ」 真美の顔をやさしく見つめる小夜子。 「所で、真美ちゃん 学校の文化祭での 劇の公演いつじゃ」 小夜子は問いかける。 「来週の土日の 午前11時から10分間の1日1回公演・・・」 真美は素直に答える。 「そうか そうか 私も見物に行っていいかのうー」 うれしそうに真美を見つめる小夜子。 「えー おばあちゃまもー」 驚く真美。 結局 ローテーションに穴を開けると言う事で、観戦チケット数枚で、手打ちとなった。 その観戦チケット巡り 妖魔ハンター内 隊員同士で、壮絶な奪い合いなった事は、言うまでもない。 結局 ローテションの通り その日 非番か、その時間 出勤予定でない者が入手。 2日間共 行けない隊員。 「この2日間 妖魔現れろ」 の物騒な祈りを 憎しみを込めひたすら祈っていた。 火曜日の放課後から練習が始まった。 入学式の日 初めて真美を見た瞬間 ジュリエット役は、真美しかいないと決めていた。 この学校 演劇部がなく いつの日か、ロミオとジュリエットを 生徒で公演したいと思い続けていた。 ちなみに、桃花は、国内最高峰の大学生時代 舞台演劇部所属のスターでもあった。 「はい そこ 星沢さん セリフ ちょっと発音 おかしいわよ 意味をよく考え理解し もっと感情 そう 憧れのロミオを思う気持ちを出して・・・」 桃花の情け容赦の無い 叱咤が、教室内に響く。 英語で書かれたセリフ 真美は、憶えるのには、苦労しなかったが、やはり発音がイマイチ・・・ それに、演技がぎこちない。 完璧に上流階級の英語を 美しく発音する 綾とは、大違い。 完璧に英語を発音する 相手役のロミオを演じる 小林との差を思い知らされる。 真美は、日常英会話を何とか・・・程度。 発音など問題外・・・ "あー 妖魔ハンターの仕事の方が、楽・・・" 内心しきりに、嘆いていた。 朝の登校時から周囲に、その話の質問攻め。 もう うんざりの日々が続いた。 もちろん真美の両親も この劇で゜、真美が、ジュリエット役を演じるのを知っており 理事の権力を使い 日曜日の観戦チケットを強奪していた。 それも日頃の労をねぎらうと言う事で、執事の中本、この日 非番のメイド数人分もである。 当初 講堂兼体育館のステージを考えていたが、土日共 軽音楽部などが、利用する為 教室での公演となったが、評判が、評判を呼び 裏では、余りにも観戦チケットの奪い合いが酷く 大観衆が押し寄せる事が、予想され 結局 野外 グランドの1部、仮設ステージを造り 仮設ステージの上には、大道具などの雨対策の為 巨大なテントが張られる事となった。 (余りの前評判に、土日1回ずつの公演予定が、土曜日は、午後2時からの公演が追加された。 当初の時間では、観戦出来ない生徒の不満が爆発した為の配慮。 土日 この時間クラスで行うメイド喫茶のメイドとして、出番の詩織が中心。 詩織 土日とも午前の部が出番で、見られない為 校長と、桃花に、見られない生徒を集め 猛烈に抗議 土曜日の午後の公演を追加させた) もちろん そんなセットに掛けるお金は無い 全てA組生徒の親の会社の無料レンタル 裏で、密約有゜。 元々 観戦チケットは、狭い教室で行われる為 入場制限を目的としており もちろん観戦は、無料。 だが 余りの観戦チケットを巡る奪い合いが酷く 裏では、高額な金額で、売買され その為 大観衆が観られる屋外のグランドに場所が、急遽変更となり 観戦チケットは、無効となり 高額な金額で売買した者同士のトラブルまで発生した。 話題が、話題を呼び 大手メディア、マスコミ、TV局からの取材の申し込みが、学校へ殺到。 学校側は、生徒を守る為と称し 大手メディア、マスコミ、TV局の取材を封鎖した。 一方 真美達は、土日も学校で練習 舞台衣装の仮縫い(これも本格的な物で、主に、TV、映画、舞台で使われるプロ用 時代考察された物 こちらもA組の生徒の親から 無償レンタル 大企業など経営する親の子である ちょっと考え物でもあるが・・・ 引き換えに、衣装を着た生徒を 衣装のモデルとして記念撮影 もちろん目当ては、真美) メイクや小道具も同じ A組の生徒の親から無償寄与 特に、メイクは、名高い超1流のメークアーチスト自ら数人のスタッフ連れ 仮メイクなど まさに超大作映画撮影さながらの状態。 初めての仮メイクの時 今時 早い子で、小学生から 大体中学生になると、女の子は、特に親に隠れて、密かにメイクを始める子が多い そんな中 真美は、生涯初めてのメイクであった。 ドキドキで、恥ずかしいやら・・・ ものすごく緊張・・・ 元々男であり メイクとは全く無縁の世界で生きてきた。 ここ輝星の女子生徒の1部は、既に目立たないよう・・・ もしくは、下校時に、メイクする生徒が、学年が上がるにつれ増える傾向にあり 実は真美のクラスの1部女子生徒は、既に、目立たぬ様 メイクして学校へ来ている。 2年生の詩織も同様 時々下校時に、大型ショピングモールの女性用化粧室で、堂々とメイクしている。 「自分で、メイクした事ないの?」 余りにもメイクに関する知識のない真美に、驚いた表情で、担当の超1流メイクアーチストは、何度も真美に聞いていた。 「実は、生まれて初めてで・・・」 全くの知識のない真美は、その都度 恥ずかしそうに答えていた。 「君の様な まさに絶世の美貌を持つ・・・、もう高校生だろ・・・?」 余りのメイクに関する無教養 必要最低基礎知識もない。 ただ自らの無教養に、恥ずかしく赤面するばかりの真美。 本当に何も知らない。 「・・・でも これ程の美白の肌理の細かい柔肌・・・」と、言いつつ 担当の超1流メイクアーチストは、丁重に真美に色々教えていた。 「・・・君の様な肌の持ち主は、余りメイクせず そのまま美白の肌理の細かい柔肌を生かすやり方を憶えた方がいい 今度 僕の職場においで、色々丁寧に教えるよ・・・」 などと、口説かれていた。 仮メイクの完成時 自らの顔を 鏡で覗きこむ まるで、他人・・・ そう西洋のおとぎの国のお姫様に変身した真美の顔が映し出され 更に赤面 メイク次第で、こんなに、印象が変わるのだなあー・・・と、変に関心していた。 こちら担当の生徒は、何もやる事がなく ただ優雅に観戦のみ。 いよいよ当日 学校へ向かう。 校門の前には、大勢のマスコミが押し寄せ 学校側も 事前に用意した警備員以外 警察にも要請しており 生徒と生徒の父兄 学校側が、呼んだVIP以外 学校内へ入るのを制限した。 過去こんな厳重な警備はなかった。 普通にオープンに文化祭をおこなっていた。 真美の人気のすさじさを物語っている。 学校側が配布した入場チケットは、、妖魔ハンターも所持しており(もちろん真美が手配した) この日 観戦出来るラッキー者は、堂々と学校内に入った。 もちろん 真美の家も生徒の父兄 尚且つ理事の権力もあり 問題なし。 詩織のクラス 2年C組は、メイド喫茶 もちろんローテーションで、メイド役として、詩織も登場。 こちらも黒を基調の超ミニメイド服に、白のエプロンドレスなど 本格的なメイド服。 全て 2年C組の親からの無償レンタル。 数日前 昼食時に、真美、綾、香、加奈には、土日の2日分 前売りドリンク券が、プレゼントされていた。 詩織の出る時間に、必ず来る様 念つき。 それと、前売りドリンク券の日曜日分を 世話になっている真美の両親、執事の中本、この日来るメイド達にもプレゼント 他し 詩織がメイドとして出る時間に必ず来る様 念を押す。 ここまでは、詩織が自らのお小遣いで購入 実費。 他だし 妖魔ハンターで、土日に来る人には、定価で売りさばいていた。 「この私のメイド服姿を見られるなんて、一生一度のチャンス 見なきゃ損・・・」 と言ってはしゃいでいた。 午前8時20分 全校生徒が、グランドに集まり 校長、生徒会会長の挨拶の後 文化祭に突入。 真美、彩、香、加奈は、真美の着替え、メイクが、始まる午前9時30分まで、自由。 早速 詩織にプレゼントされた前売りドリンク券を持って2年C組の教室へ向かう。 教室内は、窓には、カーテンなど掛けられ それなりの雰囲気。 「お帰りなさいませ お嬢様方」 真美、彩、香、加奈が、1歩 教室内に入った瞬間挨拶したのは、超ミニメイド服姿の詩織 「こちらへ」 詩織の案内で、4人掛けのテーブル席に案内される。 4人は、着席後 前売りドリンク券を出し ジュースを注文。 1番客であった4人続いて、やはり超ミニメイド服喫茶 前評判も良く 次々生徒や、教師、父兄、VIP客が訪れ 直ぐに満席。 真美を見つけると、うっとり憧れの表情を浮かべ口々に語りだす。 「今日の1年A組の英語劇の主役のジュリエットを演じる真美様だ」 「きっと 素敵なお姫様になられるのでしょうねー」 などと、早くも期待に胸を膨らせている。 真美は、余りの期待の大きさに、早くもプレッシャーに負け 画面蒼白 下ばかりを見ていた。 「悪いけど、ジュース飲んだらお帰り 並んでいるからねー」 詩織に言われ 4人は、席を立つ。 「真美ちゃん 午後の部 観に行くから がんばってねー」 詩織の一言に、ここにいた全員から励ましの言葉を掛けられ、更にプレッシヤーの余り少し震えだす真美。 "もうー この場から逃亡したい・・・" 本音。 行く先々で、声援の声を掛けられ 更に、プレッャーに押しつぶされる真美。 仮説ステージの後ろで並ぶ、着替え用のトレーラーに乗り込んだ時は、もうダウン寸前の状態であった。 早速 着替えが始まった。 担任である桃花以外 部外者立ち入り禁止。 トレーラー内では、専門の衣装スタップの手で、まず当時中世のイタリアの貴族の娘が着用していたのを忠実に再現しているコルセットの下着を無理やり着用させられた。 "きつい・・・締め付けが・・・" 思わず悲鳴をあげそうになる真美。 何度かの衣装合わせの時も思った。 "何故 私だけ下着も・・・" 事実 この劇に出演する他の女子クラスメート数人は、下着からではない。 同じく時代考察されて忠実に再現された豪華なドレスを着させられる。 次に、スタップが交代 今度は、有名な超1流メークアーチスト、ヘアーデザイナーの手により メイク、ヘアーが整えられ 準備完了 そのまま香、加奈にドレスの裾を持ってもらい 仮設ステージ後方に上がり待機。 10分程度の それも学校の文化祭の劇 余りにも大袈裟などの言葉を遥かに超える規模の本格的演劇。 "ここまでする必要あるのか・・・?" 真美の率直な思い。 ここにいるクラスメイト全員 もうー恋する乙女の羨望の眼差しで、真美を見つめる。 余りの美しさ・・・ それ以外言葉はない。 出演者 全員を集め 最後のリハーサル 監督桃花の叱咤が飛ぶ。 「さあー これまでの成果を見せる時よ みんながんばって」 桃花の激励が飛ぶ。 「ねえー見て下さい真美お姉様」 ステージのカーテンの隙間から周囲を見渡していた香が呼ぶ。 その隙間から真美も覗いた。 「・・・」 言葉を失う真美。 両足がガタガタと震えだし 顔からは、血の気が消え 真っ青 今に倒れそう。 グランド一杯に人が溢れかえっている。 「すごい観衆・・・」 さすがに香も 余りの観衆の多さにビックリした様子。 中央には、この学校の放送研究部が、陣取り本格的撮影機器を揃え、撮影準備を終えている。 それ以上に真美は、もはや立っていられない状態 もう飲み込まれている。 突然真美の肩に人の手が乗る。 ドッキ・・・ 思わず悲鳴を上げそうになる真美。 「大丈夫 星沢さん」 桃花の声。 恐る恐る振り返ると、桃花が、悪魔、死神の微笑みを浮かべ真美を見つめている。 「あなたなら きっと過去演じただれよも最高のジュリエットを演じられるは、私の保証付き 思い切って演じなさい」 自信に満ち溢れた表情で言う。 どこから こんな自信が溢れてくるのだろう・・・ 演じるの私だけど・・・ 理不尽さを感じる真美であった。 いよいよ時間になった。 まず閉じられたカーテンの中央に、1人の女子生徒が現れる。 司会役である。 「ここに、お集まりの皆さん・・・」 全て日本語。 「私達1年A組の 英語劇 ロミオとジュリエットにお集まりいただき・・・ この劇は、日頃 私達が、この学校で習う 英会話授業の成果を披露する為 ナレーション、各俳優のセリフ全てが英語です・・・ ・・・では、1年A組の劇 ウイリアムス・シェークスピア原作 ロミオとジュリエットを開演します」 一通りの説明を終え 一礼し、司会の女子生徒が、ステージから消えると同時に、ゆっくりカーテンが上がる。 同時に、ステージ左端に、台本を持った別の女子生徒が現れる。 そうナレーション役の彩が登場。 美しい響きの完璧な上流階級の英語で、物語を語り始める。 「a long time ago・・・」 (遠い昔・・・)。 シーン静まり返る大観衆。 「さあー星沢さん 出番よ」 後ろから少し押される真美。 緊張の為 足が震えており、顔面蒼白。 「あなたなら出来る さあー行きなさい」 悪魔、死神の微笑みを浮かべる桃花。 ステージ前に、集まった大観衆に飲み込まれる真美。 もう 破れかぶれ・・・ 今 目の前いるのは、無数の敵 妖魔、妖獣・・・ と思い度胸を決めた。 もし 目の前の大観衆が、全て、妖魔、妖獣だったら こんな緊張はしない。 別の緊張感。 覚悟を決めた以上やるしかない。 真美は、ステージに向かい ゆっくり優雅に歩き出す。 真美の現れた瞬間 どよめきが、全てを支配する。 中世 イタリアの当時の貴族の娘の衣装を 時代考察され 完全に復元された豪華なドレスを着た真美。 余りの美しさに、思わず見とれ 言葉を失い、息を呑む。 シーンと静まり真美に、全ての視線が集中。 「キレイ・・・」 「美しい・・・・」 ため息まじり小さな声だけが漏れ 静まり返ったグランド全体を支配する。 全ての視線が、ある1点に集中 そこには、美の女神すら思わず嫉妬する 神々しい輝き、オーラを放つ真美に集中。 ステージ正面左 中世の時代 西洋の城の1部を再現された簡素なセット そのテラスに現れ、まるでだけかに恋をする乙女の表情で空を見上げる。 (ここからは、英語のセリフだが、作者の無教養により このまま日本語表記 悪しからず) 「ロミオ、オー ロミオ、私の愛しのロミオ、何故あなたはロミオなの・・・」 両手を広げ空を見上げジュリエットを演じ始める。 真美の持つ透き通るような美しい響きを持つ少女の声が、美しい容姿と重なり 更に、ここに集まった大観衆を魅了し、虜にする。 ここで、ロミオ役の小林が登場 ジュリエット役の真美に、思いの全てを語る。 現代に直すと、キザで、臭いセリフのナンパ・・・ 悪しからず・・・ (ウイリアムス・シェークスピア様 すみません・・・ 作者より) 実は、ロミオ役の小林は、英語で、真美を本気に口説いていた。 約10分の短い 英語劇が終了。 大観衆総立ち ものすごい歓声と、拍手が起きる。 実は、セリフが聞こえたのは、最前列付近の観衆だけ それも大半の観衆は、英語なので、言葉の意味不明。 ただ呆然と、余りにも美しいジュリエット役の真美に注目し 心 奪われていた。 カーテンが閉まると同時に、出演した俳優の生徒 監督でもある担任 そして司会役と、ナレーターがカーテンの前に勢ぞろい。 全員で、一礼。 「皆さん お楽しみいただけましたか、私達1年A組の英語劇 ロミオとジュリエット・・・」 司会役の女子生徒が進行する。 大観衆からは、割れんばかりの大歓声と、拍手が止まない。 「真美ちゃーん 素敵」 「ハート ぶち抜かれた・・・」 「真美様ー」 「そのセリフ 俺の為だけにー」 「俺の真美ちゃーんー・・・」 などと真美を絶賛する声が響き渡る。 思わず、恥ずかしさの余り赤面する真美 その表情が、可愛く、更に、大観衆を魅了し、虜にする。 ようやく ステージ後方に下がった。 緊張感が抜け 倒れそうになる真美 やはり極度に緊張していたようだ。 香、加奈に支えられ ようやくステージを降り トレーラーで一休み。 一緒に来た桃花にも 「やはり 私の目に狂いはなかったわ 星沢さん 演じたジュリエット最高よ!!」 絶賛の褒め言葉を連発。 「まだ 午後の部あるから 一休み取って、昼食済ませたら もう1度かんばって」 悪魔、死神の万編の笑みを浮かべ真美を見つめる桃花。 本来 昼食は、生徒は、学校内にある食堂で、文化祭中は、午前11時から午後2時の間に取る事になっていたが、真美達1年A組の劇の出演者は、衣装などの関係で、今日 ここ数台のトレーラー内で、取る事になっており 午後12時に、予定通り 学校の食堂から料理スタップにより、昼食が届けられた。 真美など俳優は、首からレースを掛け 衣装が、汚れないように食事する。 「真美ちゃんのジュリエット 過去どんな女優さんより素敵だった・・・」 加奈 憧れの表情で、ずっと言いぱなし。 真美は、彩、香、加奈の4人で、トレーラー内で食事を取っていた。 「やはり 真美 もう気品、風格が違う まるで本物以上のお姫様」 彩もいつもの天使の笑顔を浮かべ真美を見つめる。 もはや 精根尽き果てている真美 「・・・」 何も答える気力もない。 昼食が終わると、また担任の桃花以外 衣装、メイク、ヘアー担当者以外 立ち入り禁止。 全て直され ステージ後方へ上がる。 担任の桃花から 全員にアドバイスの後 いざ開演。 午前より 更に大観衆。 桃化の瞳には、更に輝きを増し ジュリエットを演じる真美が、神々しいばかりに映っていた。 「皆さん お疲れさん 更に良くなったわよ」 もう最高と言わんばかりの 桃花の悪魔、死神の微笑み。 「星沢さん」 ステージを降りようとした真美は、呼び止められる。 「午前より 更に輝いていた 少し慣れて、緊張感が抜けてきたのが良かったのかな? その調子で、明日もがんばってね」 桃花の悪魔、死神の笑みを浮かべ絶賛。 「あ・・・はい・・・」 真美は、なんだか頼りなさそうに答えた。 「あなたが、主役 主役ががんばんなきゃどうするの?」 「はい・・・」 もうこの時点 真美は、全体力を使い果たしていた。 それ程 真美の身体に多大なプレッシャーが掛かっていた。 今は、早く 自室のベッドで、横になりたいだけ。 大観衆の絶賛など、余り気にしていられない程 お疲れの状態。 翌日 朝からハイテンションの由美 娘の晴れ舞台と言って、もうウキウキ。 昨日 帰宅後の真美を自室に入れ 明日 着ていく衣装のチェック どれを着ても似合うのに、本人は、納得出来ない様子。 「真美ちゃんは、どれが似合うと思う」 数着手に持ち 見比べる由美。 「ママ 何を着ても似合うから ママの気に入ったので・・・」 まるで興味無しの真美。 「あなたって 本当に、オシャレに疎いのだから・・・ もっとオシャレに関心を持ちなさい」 注意される真美 早く寝たいだけ それに、真美は、元男 望んで今の姿になったのではない。 男の部分が抜けていない。 明日 この家の者 両親を始め大部隊で、観戦に来る。 憂鬱で、気分がこれ以上無い程重い。 学校へ到着 時間になった。 昨日同様ステージに立つ。 両親を始め大部隊が、更に昨日を上回る大観衆の中で、見つめられると思うと、気が引ける。 だが、みんなの期待に応える為 がんばるしかない。 真美は、今まで最高のジュリエットを演じきった。 これで最後と思い 全てをぶっけた。 終わった。 ステージ後方に下がった。 「星沢さーん」 いきなり桃花が駆け寄り 真美を抱きしめる。 「あなたって・・・ 言葉で言い尽くせない程 もう最高よ」 抱きしめたまま 離そうとしない。 「余りの美しさ、輝き もう超1流・・・これこそ、私が追い求めていた理想のジュリエット・・・ もう離さない・・・」 桃花 大絶賛。 「あ・・・あのー 桃花先生・・・」 きょとんする真美 目を白黒させている。 桃花は、更に真美の頭を両腕を抱きしめ 真美の顔を 豊な巨乳 Gカップ・・・ それ以上のあるかも知れない胸の谷間に埋めさせ ひたすら真美の頭の髪を撫でる。 桃花本人 これ以上無い幸福の笑みを浮かべる・・・ 「もう あなたを離さない 私の物になりなさい あなたは、間違いなく私だけの美の女神ー」 もう教師と生徒の一線を越えている。 顔は、蒸気し もう心も何もかも全て真美に奪われている。 非常に危険な状態。 「あのー 先生 ちょっと苦しいのですが・・・」 真美の顔は、Gカップ(真美予想)のまるでマシュマロ見たいな柔らかく弾力性のある巨乳の谷間に埋められ 本当に呼吸がうまく出来ない状態。 このままでは、窒息死する。 強引に、桃花を離し 「香、加奈」 2人を呼び スカートを持ち上げ トレーラー逃げ込む。 桃花が、トレラーに入り込まないよう 中から施錠。 「ほおー」 おおきなため息をつき 一安心。 早速 着替えと思いきや ここでも大騒動 特に メイクを落とすとき 超1流のメークアーチストから 「俺の友人で、ハリウッドの超1流監督で有名な G,L S,Sも親友 俺から紹介するから 2人の映画に出演しないか・・・」 など波乱があり 丁重に断り 事実 無二の親友であるらしい・・ 家に帰っても 両親 大騒ぎ お風呂でも 由美、詩織のいつものしごきに加え 大絶賛 由美など 「私の娘 やはり違う・・・」 と、もうメロメロ。 風呂上り自室にはいると、「明日 起きるまで、何人(なんびと)たりとも入るべからず」 の張り紙をドアに張り 中から施錠 ネグリジェのまま 大きなベッドへダイビング。 「明日は、学校休みだし 妖魔ハンターのバイト 午後5時から夜の10時まで、それまで自由 宿題もないし・・・」 などつぶやいているうちに、うつぶせで、枕を抱きながら眠ってしまった。 本当に、全精神力を使い果たしていた。 「やはりねー」 合鍵を使い部屋に入った由美 真美の寝姿を見て 微笑む。 「まだ子供ねー」 まさしく母親が、子を見つめる 限りない愛情に満ちた微笑。 そーと 真美にレースを掛ける。 "こんな真美をいつまで観ていられるのかしら・・・" やはり真美が背負うものの大きさを考えてしまう。 人・・・1人が、背負いきれない程の大きなものを その小さな身体で、背負っている。 健やかに小さな寝息を立てる真美。 "どんな夢 見ているのかしら・・・" 由美の母としての思いであった。 TOPページへ Part11へ NEXT copyright (C) lejens All Rights Reserved ページ内の無断転載厳禁