LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)

 第4章 決戦 Part8

 その頃 キャラン(浩司)と、ビリーの戦闘域からかなり離れた場所で、戦う BP(バトルプロテクター)の上に、更に、自ら信じる神々の最強戦闘用プロテクター G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))を装着し デストロの1体 8大将軍の1体で、その中心となっているギルのBS(バトルスタイル) ユニキュラーと対決していた。
互いに、プラズマ兵器の使い手 一進一退の攻防。
プラズマの性質上、物体に触れると急速にそのエネルギーを周囲に与えてプラズマ状態ではなくなってしまうため、大気中で使用するためには何等かの方法でエネルギーが逃げるのを防がねばならず、真空中ではプラズマ状態にある物質が拡散してしまわないよう、やはりなんらかの方法でプラズマを閉じ込めなければならない。
プラズマは磁界によって閉じ込めることが可能なので磁界によって絞り込んでビームにしたり、逆に磁界でプラズマビームを防ぐ特徴を持っており 自由に磁界をコントロール出来るユニキュラーが、やや有利に思われていた。
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))が、放ったプラズマ弾が、ユニキュラーの顔面額のネクスタルが、変形して出来た角の上に発生したプラズマを閉じ込める磁界に取り込まれ 更に威力が倍増 カウンター弾として、配下のバトロイド軍に直撃 多くの貴重な戦力の消耗を強いられた。
磁界にプラズマを閉じ込め プラズマ弾として、ターゲット(目標)に向け発射する事しか出来ないG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))。
だが、生体兵器であるユニキュラーは、自らのネクスタルを角に変形させる事により 自らの意思で、ある一定距離の範囲内であったが、プラズマの発生ポイント 磁界を 自由にコントロール出来 更に自らの意思 つまり超能力の1種であるサイコキネシス(念動力)を使いコントロールが可能であった。
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))は、ターゲット(目標)に向け直進させる以外出来ないが、ユニキュラーは、サイコキネシス(念動力)により自由自在に動かすコントロールが可能であった。
元々備わっている戦闘スペック、能力の違いであった。
だが、その程度の戦力の消耗すら全く動じないG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))。
大型強力な兵器であるプラズマ兵器から近接戦闘用のグレート・ゴッド・エクスカリバーに、左腕を変形させ ユニキュラーに対して、近接戦に持ち込んでいた。
ユニキュラーの数倍の大きさを持つG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター))。
見た目と違い、動きが高速で俊敏。
近接戦ならば、大型強力な兵器であるプラズマ兵器は、かえって邪魔になる。
エネルギー充填に、多少のタイムロスを必要とする。
一瞬の隙が命取りとなる。
それに、ユニキュラーは、手に武器など持っていない。
有利・・・・ だが、何かを隠し持っているかも知れない。 油断は禁物。

  「近接戦で勝負 小賢しいまねを・・・・」 そう思いつつユニキュラーは、ネクスタルが変形した角に、意識を集中させる。
同時に、角が微振動を起こす。
そして、角の左右の空間に、突如 形こそ角同様であるが、全長が、約1mの角が、周囲の眼には決して見えない粒子、原子、いや物質の最少単位であるクオーク(素粒子)を周囲から集め 極彩色の光を発しながら 徐々にその形を現し出した。
キャラン(浩司)の利用するレグのオーバーテクノロジーの1つ QCTTシステムとは、かなり異なっている。
こちらは、物質を 量子論で許されるこれ以上分割する事が出来ない最小単位である1つの量子状態に変換し量子テレポーテーションを利用している為 武器などが、瞬時に移動 転送され 現れたり 瞬時に消滅したりする。
だが、ユニキュラーは別宇宙と繋がるネクスタルを通じて供給されているエネルギーを利用し、周囲に無尽蔵にある物質の最小単位と考えられているクォーク(素粒子)を集め物質化 自ら望む武器に変換している。
複雑な構造を伴うオーバーテクノロジーの武器化は困難 単純な構造の剣、槍。斧などのしか出来ない。
現れた2本の角 各々左右両手に握るユニキュラー。
同時に、2本の角全体から何やら約1cm程度の光が発する。
どうやら2本の角全体に、バ磁界を張り その中にプラズマを閉じ込めたらしい。
「見たか? 我がプラズマ・ソードを} 不敵な笑みを浮かべるユニキュラー。
ユニキュラーの近接格闘戦用の主要武器である。

 じり・じり・・・と互いに間合いを測るG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)と、ユニキュラー。
乾いた小さなつむじ風が、細かな砂を巻き上げ この戦の始まりを見つめる様 両者の丁度中間を通り過ぎていく。
先に仕掛けたのは、ユニキュラー 両手に1本づつ持つ角の右手の方を G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に向け突き出す。
同時に、角の先端の最も尖った部分が光る。
その先から1条の光が、G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に向け直進。
プラズマ・ビーム。
だが、G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)も全体から光を発する。
電磁場を利用したバリヤー。
ユニキュラーの発したプラズマ・ビームは、光の壁と言えるバリヤーに衝突 同時に周囲に四散する。
それが合図となったのか? 両者一斉に間合いを詰め 近接格闘戦が開始された。
左腕の電磁波を発生させているグレート・ゴッド・エクスカリバーを まるで、その重量を感じさせい様に、自在に振り回すG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。
両手に持つ2本の理にかなった使い方で受けるユニキュラー。
全長、質量共に、大きく上回るG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)が、上段からグレート・ゴッド・エクスカリバーを振り下ろす。
それをクロスさせた2本の角で挟み込み受けるユニキュラー。
2つのオーバーテクノロジーの武器 電磁波と、プラズマ ぶつかると同時に、周囲に巨大なエネルギーを持つ光が、周囲に飛び散る。
電磁波を発生させているグレート・ゴッド・エクスカリバー プラズマを発生させている角 ぶつかり合うごとに、巨大なエネルギーを持つ光が、周囲に飛び散る。
運悪くその巨大なエネルギーを持つ光の直撃を受けた数体のグロテノスが、瞬時に灰と化し、砂の大地は、直撃を受けた部分がガラス状になる。
超高温の熱エネルギー。
エルと呼ばれる かって我々人類が、神々などと呼称したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の 地球標準時間で、今から約1万2000年前に残していった驚異のオーバーテクノロジー 同じ戦略思想により開発された最高傑作と思われる兵器同士 一進一退の攻防が繰り広げられた。
どちらも本来持つ戦闘スペックは、拮抗している。
微妙な動き 鋭さに欠いている ユニキュラーは、漠然としていたが、決して、数値化出来ない微妙な感覚を感じる。
「どうやら わしの能力を侮っていたか?」 溜息にも似た小声 いや決して、言葉は、外に漏れていない。 ただ脳裏をかすめただけ。

 頭部から足のつま先まで、未知の特殊合金で覆われたG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。 もちろん顔面も未知の特殊合金で出来たマクスに覆われ 決して、他人が、その表情を読み取る事が出来ない。
もしマスクの下の顔の表情を見る透視能力を持ち合わせていたならば、ピエールの表情に、いつもの 自らを 自ら信仰する神々に選ばれた選民である・・・・ と言う全ての宗教の根幹をなす選民思想によるエリート意識から滲み出る余裕がない事に気付くだろう。
今 BP(バトルプロテクター)の上に更に装着した究極と思われる かって我々人類が、神々などと呼称したエルとも呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残した 数々のオーバーテクノロジーの最高傑作 戦闘用G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター) その本来持つ戦闘スペックは、まさに信仰する神々の力 どんな強力な敵も一撃で粉砕するはず。
そして、その力は、神々最大の裏切り者であるアピリム・ファーストを倒す為のもの まして、格下であるデストロと互角など絶対に有り得ないはず・・・・ そう思いがあった。
自ら信仰する神々は、無敵・・・・

 「テクノロジーは、戦争によって急激に進歩するものだよ ピエール神父」
戦いながら語るユニキュラー。
ギルは、ピエールの性格のある欠点に気付いていた。
それは自ら信じる神々への絶対の信仰心。
神々の力こそ この宇宙で、唯一絶対の無敵の力と、過信・・・・ いや盲信している。
その点に、気付いていた。
その盲信が、せっかくの驚異のハードウエアーであるG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)を入手しても それを更に高める為に、改造を常に施すと言う事を 行わない。
これこそが、究極の力 これ以上どころか、同等すらあり得ない そう盲信していた。
その為 何ら改造 修正ポイント 微調整も行われていなかった。
1度 その力を見せつけられれば、それに対抗する為 新たな力を求め 日夜研究開発が、行われる。
それを怠っていた。
過去の戦闘データを元に、ある程度対策を取られていた。
この戦いに、ピエールが、漁夫の利狙いで、必ず参戦する・・・・ そう睨んだギルは、自らをこの戦いの為に、改造を施していた。
「いつまでも好き勝手は、させん・・・・」 不敵な相手を 罠にかかったエサを狩るハンター(狩人)の様に睨む。
「さあー 楽しいショーの始まり」 いつになく深慮遠望(しんりょえんぼう)で、冷血な科学者と言う側面を持つギルであったが、少し浮かれている・・・・ そんな感じであった。
やはり本来持つ 戦いを好む闘争本能が。いつになく全面に出ていた。

 「ふん この程度 この程度で、この私に勝てる気でもいるのかねDrギル」
自ら信仰する神々によって選ばれたと思い上がる選民思想によるプライドの高さ いやこの場合 それすら超越したもはや高慢と呼ぶにふさわしい 尊大な態度で、見下すよう言い放つ。
「のぽせておるなあー・・・・」
その態度を見て、内心呟くユニキュラー。
うまく心理戦へと持ち込める ある種の確信、手ごたえを感じた。
辛辣な毒舌家であり、物事を皮肉を込めてみるキャラン(浩司)とは違う。
単純明快で、一途と思える単細胞・・・・・ 強いて言えばピエールの性格を表している。
マニアル通り解く方程式の問題には、圧倒的強さ、優秀さを誇るだろう・・・・
だが、戦場に置いて、マニアル通り物事を進むとは限らない。
必ず、不確定的要素が、常に付きまとう。
ピエールは、物事を大局的眼で見る部分に欠けている。
個々の戦術を組み合わせ駆使し勝利する事が、戦略だと思っている。
作戦、任務達成の為 部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術に重点を置いている。
だが、あのキャラン(浩司)は、何を持って戦略的勝利とし、その戦略的勝利を得る為の技術的方法が、戦術だと思っている。
少々の戦術的敗北など、戦略的勝利を収めれば、取るに足りない・・・・・
最も重要なのは、戦術上の勝利ではなく 戦略上の勝利 そう思っている。
実は、戦略と戦術の境界は、非常に曖昧で、明快な基準は存在していない。
今この場にはいない 少し離れた場所で、対キャラン(浩司)用に、ある特殊な改造を施したビリー、そして、デュークと戦うキャラン(浩司)との対比しながら眼の前G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)戦うユニキュラー。
戦術用兵家で、自らを派手な演出で、着飾るピエールよりも 地味で非常に目立たないが、着実に、自ら立てた戦略的勝利を求めるキャラン(浩司)の方が、上だと、ギルは、そう認識していた。
真の敵は、キャラン(浩司)。
あいつは、ただレジェンスと呼ばれる未知の高エネルギーと融合だけでなく、戦略家としての基本的資質を育んでいる。
だが、戦略家として重要な、多くの仲間を従え組織力を持って、問題に対処する・・・・ そのポイントについて、欠けていた。
自営業者出身の為か? 何事に対しても全て、1人でやってのけようとする。
戦争、戦場に置いて、もし、たら、れば・・・・ などは、禁句 その為の準備、用意周到に整えるのが、戦略の基本の1つ、
もしキャラン(浩司)に、欠けているリーダー性があり ある程度の兵力を所持していたならば、現状 どのような勢力世界地図になったやら・・・・
あやつには、兵力の代替に、我々の利用しているエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)とは、異なる未知のEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)のオーバーテクノロジーを利用している。
だが、所詮1人 どんな優れたハードウエアーを所持していても 圧倒的兵力差 多数に勝てる戦略上の有利差を覆す事は不可能。
古代中国 春秋時代の 多分世界初の軍事思想家の孫子もしくは、孫武の著書とされる兵法書の1節 十をもって一を攻める・・・・
まさにその通り。
未だその有効性、有益性は、戦争、戦場において全く失われていない。
いかに優秀な書物であるか。
古代中国 春秋時代から現在のEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジーを用いた戦いにおいても全く遜色がない。
つまり古代中国 春秋時代から現在に至るまで、戦争、戦場、戦闘の本質は、全く変化も進歩もない・・・・ 使用する武器だけが、より殺傷能力を上げ高度化しただけ・・・・
この点について、キャラン(浩司)のやつの古いネット上に公表しておる自説の中にも述べられておるがのう・・・・・
その点について、どう考えておるか? 1度ゆっくりと話し合ってみたいみたいものだが・・・・
内心細く微笑む。

 現在 G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に対して、有利に戦いを進めるユニキュラー。
そう そのはず 新たに加えられた戦闘能力 HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速をいかんになく発揮していた。
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)も 左腕ばかりでなく右腕までもグレート・ゴッド・エクスカリバーに変形させ 二刀流に臨むも。
ユニキュラーを捉えたと思った瞬間 そこにはもういない残存の幻影と言う虚無を ただ虚しく切り裂くだけ。
物質は、光の速度に達する事も 超える事も不可能 だが、G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)の電子アイをもってしても捉える事が出来ず、まるで、亜光速で、移動している様に感じていた。
「速い・・・・」
思わず、言葉が漏れるG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。
元々キャラン(浩司)のスピードに対抗すべく開発された物であったが。

 「ピエール神父 君はいつも我々を ターゲット(獲物、狩られる側)だと思い 自分自身を ハンター(狩人)、狩る側だと思っているみたいだが、立場など、一瞬にして変わるものじゃよ・・・・」
何とも言えない不気味な笑みを 浮かべながら まるで、年下の生徒を諭す教師の様に言うユニキュラー。
人生の生きた時間、くぐった修羅場の数など数々の踏んできたキャリア 比較にならない程 遥かに上回っている。
ピエールなど、まだまだおしめも取れない赤子同然 ユニキュラーには、そう見えていた。
常に自身を 自ら信じるC宗教の羊飼い・・・・だと思っている。
迷える子羊を導く偉大な存在 神々から使わされた預言者だと。
つまり自身 上位に立ち 下の者を つまり迷える子羊達を 神々の意思の下で従わせる偉大な存在。
常に相手は、従順に従うだけの存在 狩られる側だと・
ピエールの本質を現している。

 「窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)じゃよー ピエール神父」
追い詰められ鼠は猫にさえ噛みつく。 絶対絶命の立場に立たされると、弱い者でも 強い相手に勝つ事があると言うたとえ・・・・ だが。
いつまでも同じように、やられてばかりではない 必ず反撃のチャンスを伺い 一瞬にして立場は入れ替わる・・・・ そう言う意味で使っていた。
"はたして、立場が入れ替わった時 どう言う反応を示すのやら・・・・"
またも内心細く微笑む。

 巧みな話術を用いた心理戦である事は、ピエール自身気付いていた。
この誘いに乗れば、自ら墓穴を掘り自滅・・・
相手は、百戦錬磨 やはりそれなりの敬意を持って戦わなければならない敵。
この程度の事 ヤーナ所属時代 あの浩司さんと、いつもの修復不能な対立による激しい激論でやり合っていた。
別に、何ら感銘も受けない。
あの浩司さんの場合 辛辣な毒舌に、たっぷりと皮肉と言うスパイスを付けてこそいたが、真正面から堂々と、ぶつかってきた。
だが、今 眼の前で戦うギルは、ボクシングのボディブローの様に、じわり、じわりと、この私に対して、心理的効果を狙って来ている。
まるで、この私を手玉に取るように、のらりくらりと、はぐらかすように・・・・
戦いの難しい敵である・・・・・
「偉大な神々の御心も知らず、信仰心を持たぬ者に、いったい何が解ると言うのか?」
いつも沈着冷静と言う仮面を被っているピエールにしては、珍しく語気を荒げた。
ピエール自身余り気付いていないが、見事にピンポイントを突かれ 知らず知らず、相手の術中に嵌り出していた。

 「そうだよ ピエール神父・・・・」 この様子を見て、またも内心細く微笑むユニキュラー。
少しずつ敵を精神的追い詰め 弱ってきたところを狩る ハンター(狩人)の基本原則。
難攻不落の無敵の要塞 だが、外敵からの攻撃に対して、難攻不落の無敵のまま攻略された例などいくつもある。
要塞内の内部分裂を図り自滅させる。 要塞内に、何人か侵入させ出入口の1つを内部から制圧 扉を開かせる・・・・ など方法などいくつもある。
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター) エルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジーの最高傑作の1つ。
その秘めたる戦闘能力、スペックは、ケタ違い 勝てるのは、間違いなくアピリム様のみ。
デストロであるわしですら 現状改造を施していても まずほぼ勝ち目など余りない。
まさに、難攻不落の無敵の要塞 だが、どんなに優れたハードウエアーとしての兵器も それを運用する者の能力 つまりソフトウエアーの能力に大きく左右される。
何も真正面から ハードウエアーとしての兵器としては、間違いなく最強のG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)を 完全破壊する必然性などない。
着用するピエールを精神面で追い詰め自滅に導かせる。
そうすれば、ほぼ無傷の形で、2つのエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジーの最高傑作 BP(バトルプロテクター)と、更にその上に装着するG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)をこの手に入手 アピリム様に献上出来る。
今までの装着者が死亡すれは、今までの装着者の全データが、全て初期化され新たな装着者のデータに書き換えられる。
出来る限り無傷で入手したい
現状優勢に戦い進めるユニキュラー ただの亜光速による加速 HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速だけではない そこには、もう1つあるとてつもない秘密が隠されていた。
物質の量子化による超加速。
ユニキュラー自身 額のネクスタル 角に変形しているが、そこから供給される別宇宙からのエネルギーを利用 エネルギーに包み込まれる事により1つの量子化させた。
量子化による2面性 つまり不確定性 原子の内部構造である原子核の周囲に存在する自由電子と同じ 場所を特定すると、方向が解らなくなり 方向を特定すると、場所が解らなくなる。
量子の特性 ただ確率論的にしか表す事が出来ない。
どこに現れ どの方向に移動しているのか? どんなに優れたコンピューターでも確率論でしか導き出せない。
摩訶不思議な量子の世界 それを武器 この場合 自身の持つHyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速の動きに、取り入れた。
どこに現れ、どの方向から攻撃を仕掛けるのか?
「だれも 読み解く事は出来んぞピエール神父」
瞬時に現れたと思った瞬間 もはやそこには実体がある可能性は、確率論的な極めて低い あるのはも残存と言う幻影だけ。
予想は、極めて困難 G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に搭載されている オーバーテクノロジーの産物の1つ量子コンピューターりを利用しているにも関わらず。
ただ無意味に思える数字の乱列が、次々と目まぐるしく変化し表示されるだけ。
薄く笑うユニキュラー。
そう言うユニキュラー自身に、どこに現れるか? どの方向に向かっているのか? 皆目見当がついていなかった。
ただ 敵を中心に、敵に近い場所程 確率論的に高くなり 遠い場所程低くなる。
そして、有効範囲は、一定の範囲内だけであることも。
そして、これは、このオーバーテクノロジーの元の所有者であるエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の 残されていたオーバーテクノロジーの1つの産物であったが、残された時点まだ完成には至っていないオーバーテクノロジーの1つを ギル自身によって、プロトタイプ(試作型)であったが、ようやく完成こぎつけ 自身と、後・・・・ だけに組み込んでいた。
この戦いの為に、勝利する為に。

 その頃 ウルフガーと戦う キャラン(浩司)。
丁度時刻は、正午に達していた 太陽が天頂に差し掛かる。
空中戦で戦う両者 ウルフガーが、瞬時に、更に上空へと猛スピードで加速 キャラン(浩司)の眼には、天頂に差し掛かった太陽の眩い光の中に消える。
同時に、フィギアスケート選手のスピンの様に、身体を高速回転 その周囲に、無数の小さな光点が、出現。
現れた無数の光点には、信じられない程 強力なエネルギーを持っている。
口元が、少し歪む。
「喰らえー キャラン(浩司)!!」 ウルフガーは、叫び声を上げると同時に、現れた無数の光点は、キャラン(浩司)に向け一斉襲い掛かる。
まるで、巨大な水量を一気に落下させている巨大な滝の様に。
シューティング・バルカン ウルフガーの持つ大技の1つ。

 瞬時に、球体のバリヤーで、身体を包み込む。
まるで、大粒の雨が、1時間に、100mmを超える猛烈なゲリラ豪雨の様に、情け容赦なくバリヤーに叩きつける。
全弾命中ではない。
光の特性である時空間に対して、直進しか出来ないらしい。
1部 外れた光球は、そのまま砂と、岩だけの岩砂漠の大地に直撃。
隕石が、地表に衝突時に起きる 砂のキノコ雲を上げ 中心部にクレーターを生み出す。
運悪く敵味方関係なくそこにいた戦闘員は、直撃の膨大なエネルギーにより 瞬時に蒸発。

 「相変わらず加減と言うもものを・・・・」
思わず苦虫を潰し舌打ちする この戦いを同じく上空に舞い上がり観戦する もう1体のデストロであるデューク。
自身 強力なバリヤーを周囲に展開。
自身に向かってきたイレギラー弾を防いでいた。
"全力で戦うのは、いい だが、ビリーのやつ周囲の状況を全く考えない・・・・"
"周囲の状況を全く見ないで、猛突進する・・・・"
"猪突猛進・・・・ いやあいつは狼だが・・・・"
ウルフズーに変身したビリーの特徴が、脳裏を過る。

 何とかバリヤーで防ぐも 無数の光球に押されるキャラン(浩司)。
ようやく止んだ。
バリヤーを解除。
殺気。
それも場所が、特定できない・
ランダムに移動する。
パターン化されていない。
瞬時に、ウルフガーが、目前に現れる。 同時に、右ストレートパンチを繰り出す。
キャラン(浩司)も 慌てていない冷静である。
少し遅れたが、カウンター気味に、右ストレートパンチをウルフガーに向け繰り出す。
先に、ウルフガーの右ストレートパンチを左頬にまともに喰らう。
ほんの僅かな差であったが、カウンター気味に放ったキャラン(浩司)の右ストレートパンチがウルフガー顔面にヒット・・・・ のはずが・・・・
何も手ごたえを感じない・・・・ 虚しく虚空、ただの実体のない幻影を貫く。
強力な威力を誇るウルフガーの右ストレートパンチを まともに喰らい大きく後方に弾き飛ばされる。
身体表面全体に発生している、レジェンスのエネルギーが、ある種エネルギーバリヤーの役割を果たしている そのお蔭で、強力なパンチをまともに喰らっても威力は、大幅軽減されダメージは、見た目程受けていない。
大きく後方に弾き飛ばされたが、ここは空中障害物は無いレジェンスのエネルギーにより急ブレーキをかけ停止。
口元から少し血が滲む 右手の甲で拭う。
だが、その眼は、全く意に反していない。
傷も自己治癒力に、瞬時に消える。
「さすがだなあー キャラン(浩司)」 ホバーリング(空中停止)状態で、両腕を組みキャラン(浩司)を睨むウルフガー 楽しそうな笑みを浮かべる。
この戦いが、ワクワクして楽しいと言う表情。
生来持つ野生の闘争本能 敵が強ければ、強い程より一層燃える。
「あの至近距離でありなから 瞬時に、この俺様のパンチを見切り ウィークポイント(急所)だけは避けるとは・・・・・」
少し感心して見せる。
口元が、少しにやける。
「次は、そうはいかないぜ」
"それにしても あのギルのしじい とんでもない能力を この俺様に加えてくれたぜー" 少し顔がにやけるウルフガー。
ユニキュラーの持つHyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速能力 ウルフガーにも加えられていた。
"キャラン(浩司)と戦うには、単純な力押しだけでは勝てない。 スピードも重要だと言っていた・・・・
脳裏に、あの改造を施された時の事が蘇る。

 「マスター・・・・・」 ノルンからのテレパシーがキャラン(浩司)に届く。
「解っている」
「スピードは、マスターの方が上ですが、あの動き・・・・・」
そう見切れない・・・・ レジェンスからのエネルギーを高め 集中すれば、する程 相手の動きがスローに見えるキャラン(浩司)であったが、全くウルフガーの動きが、見切れなかった。
全く予想が出来ない。
まさに、原子核の周囲に存在する自由電子と同じ。
量子論の不確定性原理。
場所を特定すると、方向が解らなくなり 方向を特定すると、場所が解らなくなる。
ただ確率論的に表す事が出来るだけ・・・・
ノルンの計算能力を持ってしても ただの目まぐるしく動く数字の乱列。
常に、大きく変動する数字に頼っても意味がない。

 ウルフガーが動いた。 また同じ攻撃を仕掛けてくる。
同時に、キャラン(浩司)も 両目を閉じ集中力を高め 全ての感覚を高める。
眼、数字に頼っても ウルフガーの動きに対応出来ない。
心眼・・・・
研ぎ澄まされた感覚、ウルフガーの殺気を 全身で感じる以外方法はない。
同時に、キャラン(浩司)も加速状態に入る。
もしキャラン(浩司)の考えが正しければ、原子と同じ構造を応用しているはず・・・・
グルーオン(強い核力=強い力)により内部の陽子と、中性子を結びついている原子核の周囲に周回する電子もしくは、自由電子は、その中心にある原子核に近い場所程確率論的に、出現の可能性が高く。 遠く離れる程 確率論的に低くなる。
つまり敵に近い場所程 確率論的に高いはず・・・・
殺気、気配などを感じ ウルフガーが、実体としてその姿を現す瞬間を狙う。
実体として、現れた時では、もう遅い。
ウルフガーの殺気、気配 常に変動しバラバラに感じる 場所、方向が特定できない だが、必ず1点で交わるポイントがある 必ずそこに実体として、一瞬だが現れる。 攻撃を仕掛ける為に。
その現れる一瞬のチャンスを狙う。
こちらは亜光速 そう簡単には捉えられないはず・・・・・
だが、結果は、予想に反していた。
亜光速のスピードで動くキャラン(浩司)の動きに対応・・・・ いや読んでいた?
ことごとく至近距離 丁度必殺の間合いに瞬時に現れパンチを喰らう。
反撃しようにも 直ぐに実体どころか、その気配、殺気までもが、バラバラの場所に感じられ、場所を特定すると、方向が解らなくなり、方向を特定すると、場所が解らなくなってしまう。
全くお手上げの状態であった。
「どこに、眼を付けているんだキャラン(浩司)」
挑発する声が、無数の場所から響き渡る。
「こちらは、亜光速・・・・ そう簡単には・・・・・」
「デストロのBS(バトルスタイル)に変身したウルフガーと言えども このスピードでは動けないはず・・・」
焦るキャラン(浩司)。
「まるで何か? 強い力で、俺が引きずっているような・・・・」
ある考えが浮かぶ。
「もう少し考えを広げなければ・・・・・」
更に、お得意の宇宙物理学が、脳裏で思考実験を開始する。
それは、原子核と、電子が、宇宙構成する4つの基本相互作用(力)の1つ力を伝達するゲージ粒子・・・・・(いやゲージ粒子の交換によるものと考えられているの1種であるフォトン(光子)である電磁気力により結びついており 相対的に原子核に近い場所程 より結び付く力が強い為 つまり相対的に遠い場所程 より結び付く力が弱くなる為だが、中心である原子核に近い場所程 相対的に、あくまでも不確定性の確率論でしか表せないが、確率論的に高くなる。
つまりウルフガー自身 自身を電子化しているのではないか?
そして、キャラン(浩司)自身の身体に流れている非常に微弱な電気 つまりフォトン(光子)である電磁気力を捉え ゲージ粒子の結びつき・・・ いやいやゲージ粒子の交換により・・・・
その為 亜光速のスピードで動いていても ゲージ粒子による結び付きで、常に一定距離内 この場合 必殺の間合いの範囲内にいる・・・・
そして、実体は、ウルフガー自身 原子核の周囲に存在する電子化により・・・・ ここからは、まだ未完成だが、5つの超弦理論の統一理論で、まだ更に未完成の仮説理論の1つに過ぎないが、M理論の応用・・・・ 多分5次元に実体、本体が・・・・・?
メンブレーン(membrane;膜、超弦理論における「ひも」の構成要素)の状態で、常に、俺自身を中心に、5次元で、揺らいだ波の状態で存在し ある一定の波の高さに達すると、瞬時に、この4次元の世界に現れる・・・・
頭脳の思考実験で、瞬時に答えを導き出した。
「これじゃ・・・ HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速ではないぜ。 ネーミングに偽りあり・・・・」
呆れるキャラン(浩司)。
「だが、これを理解出来る人間は、そうはいない。 理解出来るのは、多分開発者である あのギルだけ。 多分 見た目には超加速に思えるからこのネーミングにしたのであろうが・・・・」
更に呆れるキャラン(浩司)。
「原理は、多分間違いない だが、対策方法は?」
「アルティメット・クラッシャーで、5次元ごと・・・・」
一瞬 その考えが思い浮かんだが、直ぐに止めた。
レジェンスの究極の禁断の大技 多分全ての次元ごと破壊出来るであろう・・・・ だが、コントロール不能 使用すれば、直ぐに暴走し間違いなく11以上の次元が存在し その集合体であるこの宇宙そのもののを瞬時に破壊しかねない それもビックバン以前の真空エネルギーが高い状態にある超ミクロ宇宙が「トンネル効果」によって突然誕生する 全ての多重宇宙の始まりだと考えられている 無 量子論上の・・・・・ 無数のエネルギーが1つの値をとりえず、たえずゆらいでいる状態の・・・・
「どうやって、ウルフガーのやつを 電子化によるゆらいだ膜の状態でいる5次元から 実体として、この4次元の世界に引っ張り出すかだ?」
色々思考巡らすキャラン(浩司)。
反面 M理論の5次元(M理論では11次元までの存在が定義されている)考えに生理的に受け付けない面があった。
5次元から11次元jまでの存在を否定しているのではない。
人間の五感では、認識出来るのは0次元からこの宇宙である 3つの異なる方向によりその内部を立体的表す事の出来る3次元に、時間と言う次元を加えた4次元宇宙。
5次元の存在を認めると、そこは、超高次元の至高な存在であり神々などと呼称するものが存在する世界だ などと嘯くまやかし、オカルトの疑似科学を真の科学だと嘯く知性(はたして知性など持ち合わせているか? はなはな超疑問だが・・・・ 間違いなく存在しない) 宗教などと呼称する怪しげな物を信仰する狂信者 ほぼ同レベルで、UFOを宗教などと呼称する物や その神々などと呼称する物と同一視している怪しげで、まやかしを奉仕する低能の 下らない超自己中の勝手なペテンと同レベルに、付け入る隙を与えかねないからだ。
いったいどう言う思考を用いて、こんな幼児向けおとぎ話以下の発想が出来るのか?
はっきりと言って、幼児向けおとぎ話の方が、相対的意味に置いて、比較にならない程 ハイレベルだが・・・・
科学的見地から物事を述べず、常に自己に取って都合の良い解釈で、それを真の科学などと嘯く・・・・
全く科学的根拠もなく・・・・・
話がそれたが・・・・ この辺については、戦いが終り 無事生き残れれば、ノルンにゆっくり話を聞いて見たい。
そう考えるキャラン(浩司)。
それより 今 切羽詰まった問題の解決が、最重要 ウルフガーを 5次元から4次元へ引っ張り出すかだ。
その時 あるレジェンスの大技の1つが、脳裏を過る。
「次元刀・・・・・」
時空間、次元そのものを切り裂く大技。
1度 あのハイパービューカーの1体 妙子との戦い時に使用した事があった。
結果は、あまり芳しくなく 本来の威力を発揮出来なかった。 アルティメット・クラッシャー同様 大技で、コントロール不能 下手に暴走すれば、宇宙そのものが、時空間、次元ごと切り裂いてしまう可能性もあり そのまま封印していた。
「余り使いたくないが・・・・・」 小さくため息まじりに言葉が漏れる。
瞬時に、有効的対策方法など簡単に浮かばない。
亜光速の動きを止め立ち止まる。
「どうしたキャラン(浩司) この俺様に勝てないと解って、諦めたか?」 かなり嘲笑した勝ち誇った声が、決して肉眼では見る事の出来ない そこには何もない空間の色々の場所から木霊しまるで複数の場所に同時に存在しているかの様に響き渡る。
だが、何事も無いように両目を閉じ、精神を集中させる。
キャラン(浩司)自身の必殺の間合い内に、球体を描くイメージで、レジェンスのエネルギーを集中させる。
自身を中心に一定範囲内にエネルギーの壁を生み出し 一定距離内に膨張させる つまりバリヤーを張る時とは、違っている。
エネルギーを高める。
淡い白い光が、丁度真球体に発生。
更にエネルギーが高まる。
発生した真球体のエネルギーの 僅か数mmの部分に、漆黒の闇すら存在しない そこには、何もない まさに虚無の領域と呼ぶべきか?
多分 それを見分けるのは不可能であろう。
次元の切り裂いた切断面?
その1部分から方向にパターンを持たない揺らいだメンブレーン(membrane=膜)の様なものが、急速に何かの形になって実体化を始める。
1秒にも満たない 量子論上許されるこれ以上分割出来ない最少単位 10-44{10の-(マイナス)44乗}/sec(秒)の極小時間にすら感じられた。
その1点に向かい 「そこだ!!」 キャラン(浩司)は、叫びながら右ストレートパンチを繰り出す。
それこそウルフガーの実体 そう直感した。
直感通りウルフガーの実体であった。
だが、実体として現れたウルフガーも直ぐに、キャラン(浩司)の攻撃に対応。
5次元から引きずり出されたにも関わらず、キャラン(浩司)の位置を把握しており 同じく右ストレートパンチを放った。
引きずり出されたのと同時に、真球体のエネルギーは、消失しており攻撃がたやすい状態でもあった。
2人の拳が、丁度中間点で衝突。
2人共 右拳には、エネルギーを集中させており 拳がぶつかり合うと同時に、巨大なエネルギーが、球体となって爆発膨張。
余りの威力に、互いに後方へ大きく弾き飛ばされる。
すぐさま態勢を立て直すウルフガー 再度HyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速に移ろうとするが、だが・・・・?  何も起きない。
さのままホバーリング(空中停止)状態。
何度も試みるが、結果は同じ。
顔色を少し変えるウルフガー。
まだ完全に完成された技ではなかった。
開発途中で、遺棄された物をギルが見つけ 独自に研究開発を続けプロトタイプ(試作型)の完成に、ようやくこぎつけていた。
まだほとんどテストも行われておらす、まだ未知の部分が多く数多くの実戦によるデータ収取と、それによる改良を必要としていた。
だが、キャラン(浩司)との対決の時間が迫り 未完成であったが、自らと、ビリーと、もう1体に取り付けていた。
無限と思えるエネルギーを持つキャラン(浩司)との対決には、絶対必要でもあった。
あの亜光速のスピードに対抗するために・・・・
作動しなくなった原因は、今 ソニックブーム(衝撃波) もしくは、キャラン(浩司)との互いの右ストレートパンチの拳同士の衝突により キャラン(浩司)のレジェンスのエネルギーを受け 何らかのトラブルが発生 緊急停止したのかも知れない。
だが、その程度で動じる気配さえ見せないウルフガー。
仕方ねえなあー・・・と言った少し呆れた表情、ポーズ 両目を閉じ少し顔を左右に振り 両手を持ち上げた。
だが、まだ薄笑いを浮かべ、かなりの余裕を漂わせている。
「子供だましのオモチャじゃ直ぐに壊れる・・・・・」
「キャラン(浩司)のやつをぶっ倒すには、やはり俺様らしく正面から力づく・・・・」
そう独り言を呟く。
口元を少し歪ませると同時に、両手を大きく開き 全エネルギーを高めるように、まるで、狼が吠える。
全身が、エメラルドに発光 同時に、身体の全ての筋力が増大を始める。
他だし 怪力のボディビルダーの様な筋肉の鎧を身にまとった肉体ではない。
今まで同様 均整の取れた鋼の肉体のままであった。 だが、身体全体が、今までより1回り巨大化する。
全身が約2倍に巨大化した様に見える。
そして、身体全体から発するエメラルドのエネルギーが、まるで陽炎の様に揺らぐ。
「これぞ俺様の最大のBS(バトルスタイル) ハイパーウルフガー・・・・・」
高らかに宣言する。
そう これこそウルフガー最大の大技であった。
対キャラン(浩司)用の最大の隠し技。
ハイパーグロテノスのテクノロジーを応用 それをデストロに移植した。
エネルギーを一挙に最大限に高め ほぼ一撃必殺で相手を倒す。
いや違う 本来持つポテンシャル・エネルギーを限界以上に高める。
その為 ハイパーグロテノスの致命的欠陥のエネルギーの維持出来る時間に限度がある。

 「遂に、奥の手を使ったか・・・・・」
この戦闘を見ているデュークは、薄笑いを浮かべ呟く。
そして、対戦相手のキャラン(浩司)を見つめる。
こちは、この様子に、全く驚きの表情1つ浮かべず、鋭い眼光で、ハシパーウルフガーを睨んでいる。
その表情からは、全く心理を読み解くが出来ない。
ただ キャラン(浩司も ハイパーウルフガーに合わせ 集中力を高めエネルギーを高めている事だけは解る。
僅かであったが、全身の表面から発する淡い白い光が、今まで以上に、輝きを増しながら膨張している。
感じるエネルギー量 計り知れない まさに上限値があるのか? 無限・・・・
身体全体が、ぞくぞくする程・・・・・
ビリーのやつが、ムキになってこだわるのが、解る。
薄笑い浮かべ戦いを見つめるデューク。

 自ら何も意識などしていない。
ハイパーウルフガーに対して、集中力を高めている ただそれだけなのだが、無意識であろうか? エネルギーを高めるハイパーウルフガーに対して、自らのエネルギーが高まっているのを自身感じていた。
高めれば、高める程 よりコントロールが難しくなり、不安定化する。
レジェンスからのエネルギーの変動が激しくなり 全くコントロール不能の状態に陥る。 最大の欠点でもある。
だが、ハイパーウルフガーは、エネルギーを1点集中している。 間違いない。 何か強力な一撃必殺の大技のエネルギー弾を撃つ・・・・
一撃勝負に掛ける気だ。
それに、ゆっくりとだが、太陽を背に向けた方向へ移動している。 同時に、身体から発生しているエネルギーだけを集中しているのではなく、太陽からの光までも吸収、集中させ始めている。

 「やめろ!! ビリー」
近くで、この戦闘を見ていたデュークが、叫ぶ。
「ハシパー化した状態で、そんな大技を放ったら身体が・・・・」
真顔で、止めにかかるデューク。
そんなデュークの心配を無視するハイパーウルフガー。
「心配するな!! 俺様は不死身だ!!」 大声で叫ぶハイパーウルガー。 顔は、全てキャラン(浩司)に向けて1点集中している。

 かなりの大技である事が、キャラン(浩司)にも理解出来る。
エネルギー充填に、かなりのタイムロスが生じている。
多分バリヤー事 ふっ飛ばす強力な破壊力を秘めているはず・・・・
ここハルマゲドンの丘を一瞬にして、全てを消滅させる程の強力な・・・・
元々ハイパーは、一撃離脱の大量破壊型 近接戦、白兵用ではない 威力は、計り知れないはず・・・・
逃げれば、大惨事になる。
覚悟を決めるキャラン(浩司)。 両腕を右脇腹の横へ下げ 少し間を開けた両手の中間に、レジェンスからのエネルギーを1点集中させる。
過去 アジス、龍(ロン)などのデストロを次々と葬り去った大技の1つ スターバーストの構え。
身体からの淡い白い光の輝きが、1段と増し そのエネルギーは、両手の間の1点に集中する。
だが、思うようにエネルギーが集中しない。
ここへきて、またエネルギーの変動が激しくなる。

 まだ、キャラン(浩司)に決定的ダメージを与えていないのに、ここでハイパーウルフガーが、最後のとっておきの切り札をきったのか?
それには、理由があった。
現状では、キャラン(浩司)には勝てない。
前回 キャラン(浩司)との対決で、BS(バトルスタイル)への変身前であったが、だれの眼でみても互角の引き分けに見えた。
だが、ビリーの身体内部には、計り知れないダメージを受けていた。
圧倒的戦闘能力の差を・・・・・
現状では、勝てない。 例えBS(バトルスタイル)へ変身しても結果は同じ。
そこで、プロトタイプ(試作型)の まだ未完成のHyperAacceleration(超加速) HAと呼ぶ瞬間超加速と共に、もう1つ ギルにある改造を施してもらった。
とは言ってもあのビリーの性格である 頭を下げての懇願ではなく、高飛車の態度、口ぶりであったが・・・・
それこそ このハイパー化であったが、だがこれは、諸刃の剣。
この改造により ビリーの身体は、巨大なエネルギーに耐え切れず、限界に達していた。
原因は、ハイパー化 通常の限界を遥に超える それも極端なオーバースペック化であった。
これでもビリー自身納得したのではない まだまだ足りない・・・・
だが極端なオーバースペック化による弊害 もはや残された時間は僅か。
キャラン(浩司)との決着を付ける為 最後の大勝負に出た。
自らのエネルギーだけでなく、周囲の太陽から届く光のエネルギーを吸収し 強力なエネルギービーム サンシャイン・ハンマーとして・・・・
この一撃に全てを掛ける。

 「喰らえ キャラン(浩司)!! 俺様の最大の武器 サンシャイン・ハンマーを!!」
そう叫びつつ 身体周囲に集中、吸収したエネルギーを ビームとして、キャラン(浩司)に向け発射。

 それに対応 キャラン(浩司)も大技の1つ 両腕を前に突出し 集中させていたエネルギーを ビームとして発射 スターバースト。
強力なエネルギービームは、丁度 両者の中間点で激突。
巨大なエネルギーの衝突により まるで時空振が起きのか? 空間そのものを激しく振動させる。
両者の放ったエネルギーピーム激突する中間点では、激しい衝突 周囲を光の渦と化しながら急膨張 巨大なまさに全てを破壊するエネルギーを持つ球体となり大爆発。
余りの激しい光量爆発。
取り込んだ全てを高熱、ソニックブーム(衝撃波)などで、跡形もなく消滅。
ビックバンでも起きた様な感じさえ与える。
余りの激しい威力 至近距離にいたキャラン(浩司)は、自身を球体のバリヤーで、防ぐ余裕もなく 両目を固く閉じたまま そのまま後方へ大きく弾き飛ばされる。
身体の表面には、レジェンスから発するエネルギーが、バリヤーの役割も果たす為 超高温などの物理的エネルギーによる被害はないものの ソニックブーム(衝撃波)の威力までは防げない。
予想外であった。
キャラン(浩司)自身 自ら放った大技 スターバースト ハイパーウルフガーの放った大技のエネルギー・ビーム サンシャイン・ハンマーをも取り込み そのまま押し込みカウンター攻撃で、ハイパーウルフズーに直撃するはずと予想していた。
だが、思った程のエネルギー量ではなかった。
そんな事を考えていた為 一瞬の隙が生じたように見えた。
その隙をハイパーウルフガーは、逃さない。
キャラン(浩司9とは、丁度正反対の方向に弾き飛ばされていたものの いち早く態勢を立て直し まだ態勢を立て直せず 更に後方に飛ばされているキャラン(浩司9に、最大加速で追いつく。
そのまま右拳に全エネルギーを集中させる。
「喰らえ!! キャラン(浩司) 俺様の最終必殺技を!!」
「貴様は、やはり俺様の拳で沈めてやる!!」
先程放ったサンシャイン・ハンマーを遥に上回る巨大なエネルギーがほとばしる右拳 これこそハイパーウルガーの最終必殺大技 フラッシュパンチ。
やはり近接、至近戦闘による肉弾戦にこだわるハイパーウルフガーに、最もふさわしい最終必殺大技。
巨大なエネルギーを持つ右拳を 直接ストレートパンチで敵に喰らせ 敵をパンチの威力と、同時に叩きつける全エネルギーによって消滅させる。
「キャラン(浩司) 貴様こそ この俺様のパンチで沈めさせるふさわしいやつだぜ!!」
楽しそうな笑みを浮かべる。
ハイパーウルフガー そうビリーに取って、強い敵を倒す事こそ 最大の快感。 まさに人生は、その為に生きている。
そう叫びながら全エネルギーを集中させた右拳のストレートパンチを またもたつき態勢が立て直せ位用に見える キャラン(浩司)の左頬に向け放つ。
巨大なエネルギーの渦を伴う右ストレートパンチ その名前の通り そのスピードは、フラッシュ つまり光のスピード 外す事など有り得ないはず・・・ それも必殺の間合いでの距離 見事にキャラン(浩司)の左頬を直撃・・・・ のはず・・・・ だが、またも・・・・ 完全に捉え叩きつけたはず・・・・ しかし・・・・・
そこには、幻影・・・・ いや ただの虚空、虚無? 全く手ごたえさえない そこには、実体がない ただキャラン(浩司)と言う幻を虚しく切り裂くのみ。
右拳に集中させていたエネルギーは、ただ虚しく1点の球体となって、上空を突き破っていく。
「何!! 外した・・・・・!!」
「そんなバカな事か゜あるはずねえー!!」 思わず大声を上げ絶叫。
呆然とした表情を浮かべるハイパーウルフガー。
放ったパンチのスピードは、光速 あの俺をここまでの最強に改造したギルすら認めていた。
俺様の最終必殺技 フラッシュパンチは、最強だと・・・・
どんな物質でも 光以外 光速に到達する事も まして、光速を超える事は出来ないと・・・・
つまり必殺の間合いから放つパンチを避けられる事は不可能 よって、この俺様のフラッシュパンチこそ 最強・・・・・
実は、ハイパーウルガーのフラッシュパンチは、光速に到達していないのだが・・・・・
質量が存在する物質は、光速に到達出来ない。
その為ほんの僅かであったが、光速より遅い。
だが、限りなく光速に近いのは事実であったが・・・・
「キャラン(浩司)のやつ 光速よりも速く動けるのか・・・・・?」
理解出来ない表情を浮かべ呟くハイパーウルフガー。

 この危機的状況に瞬時に反応したのは、キャラン(浩司)自身ではない。 融合しているレジェンスであった。
融合者であるキャラン(浩司)の危機的状況に、自己防衛機能が働いた。
態勢を立て直せずいたキャラン(浩司) だが、キャラン(浩司)レジェンスとの融合により身体全体に、レジェンスのエネルギーにより覆われている そのレジェンスのエネルギーそのものを 瞬時に1つの量子化し 光速で移動 危機を脱した。
無限と思えるエネルギー体であるレジェンスであればこそ出来る方法であった。
量子論で許される これ以上分割出来ない最少単位である 10-44{10の-(マイナス)44乗}秒で、量子化 光速移動。
ネクストノイドの上位モデルのデストロの BS(バトルスタイル)であり 最新最強モデルであるハイパーウルフガーでも見切れぬ速さであった。
眼に捉え、頭脳で認識するのに、僅かなタイムラグ(時間差)が、存在する。
厳密の意味でのリアルタイムは、不可能。
認識し攻撃を仕掛けた時点 もはやそこには、キャラン(浩司)の実体は、量子化による光速移動しており存在していなかった。
目に移り頭脳が、認識してた時点 そして、身体全体で感じる敵であるキャラン(浩司)の気配、闘気・・・・など感じていた時点・・・・
そこにあったのは残像・・・・
唖然としながらも 周囲の気配を探りながら周囲を見渡す。 いた 少し離れた場所に、首を左右に軽く何度も振りながらキャラン(浩司)が、戦闘態勢を取りつつ。
それに、あの構え そうもう1度先程の大技 スターバーストを打つ気だ。
もしあの大技を喰らえば、今度は・・・・

 キャラン(浩司)自身 自分の身体に何が起きて、どうしてこうなったのか? まるで理解していない表情を浮かべている。
これまでかー? と覚悟を決めた瞬間 突如この場所に移動していた。
自身の持つテレポーテションならば、もう少し時間が必要。
こんな瞬時に、テレポーテーションは出来ない。
目的地への意識を集中 レジェンスのエネルギーを高め 身体の周囲に、球体のエネルギーフィールドを作り エネルギーフィールドを量子化 量子状態における量子テレポーテーションを行う。
そのプロセスが必要な為 ある程度時間が必要であった。
元々瞬時に、長距離 それも光年単位や、多重宇宙の別宇宙への瞬間移動を目的としており 戦闘中などに利用する技ではない。
キャラン(浩司)自身が、融合する レジェンスの持つエネルギー まだ知らない未知のポテンシャルには、驚かされ、戸惑うばかり。
どれ程のポテンシャルを秘めているのか?

 もはや残された時間は、僅か。
ほぼ全エネルギーを使い果たした。
残された手段は、たった1つ キャラン(浩司)は、日本人 やつの母国の古い戦争に使われた 最もクレージーな戦法。
それは20世紀中盤歴史上第2次世界大戦もしくは、太平洋戦争と記される 世界規模の戦争で、当時窮地に追い詰められた日本軍が取った最もクレージーなあらゆる戦略、戦術無視の 最も卑しむべき戦法。
バンザイアタック(神風特攻) 玉砕、自爆攻撃。
そんな考えが、脳裏に過った。
だが・・・・・
バンザイアタック(神風特攻) 玉砕、自爆攻撃なんぞ、やはり性に合わねえ・・・・
やはり力づく倒す。
自爆攻撃など勝ではない。
俺は、最強 負け、引き分けなどに意味がない。 勝つこと・・・ それだけだ。
身体が、完全崩壊する前に・・・・・
キャラン(浩司)の必殺の間合いに入り込み ウィークポイントに、残りの全ての力を叩き込む。
「これで止めだ!!」 最後のハッタリにも似た雄叫びを上げ 猛然とキャラン(浩司)に突撃する。

 ハイパーウルフガーの動きに冷静に対応するキャラン(浩司)。
どうやら自身の力に余りにも過信し もうほとんどエネルギーを使い果たしている様に見えた。
動きが、先程と変わって非常に遅い。
余りにも真正面から力勝負に、こだわり過ぎていた。
後先を考えず ただ猪突猛進。
濁流を制する者は、静水 柔よ剛を制する・・・・・ ではないが、力に溺れる者は、より大きな力の持ち主の前に必ず破れ、己が不名を悔いる羽目になる・・・・ キャラン(浩司)自身にも当てはまる格言でもある。
自戒込めてそう思いながら エネルギーを集中させていたスターバーストを ハイパーウルフガーに向け放つ。
「・・・・・・」
何事を呟いたのか?
キャラン(浩司)の放ったスターバーストは、真正面から襲い掛かるハイパーウルフガーを直撃。
先程放ったスターバーストとは、エネルギー量が、ケタ違いであった。
強力なエネルギービームは、ハイパーウルフガーを取り込み 瞬時に、゜その存在自体を 強力なエネルギーにまで変換させる。
その瞬間 そう直撃の瞬間ハイパーウルフガーは、多分生涯初・・・ いや2度目かも知れない。 顔が恐怖で強張る・・・・ いやそう見えただけで、実は信じられない思いであったのだろう・・・・・
思わず大声を張り上げた。
「この俺様が負けるだと・・・ そんな事絶対に・・・・・」
最後に発した言葉であった。
キャラン(浩司)の放ったスターバーストのエネルギービームは、一条の光の帯となり一直線に、大気圏を突破 光速のスピードで、その膨大なエネルギーを周囲に拡散 徐々にエネルギーを吸い取られるよう消えていく。
ハイパーウルガーがいた場所には、何も残っていない。
少しだが、ほっと表情を浮かべるキャラン(浩司)。
いつもの事であったが、この瞬間の後味 決していいものではない。
言いようのない自己に対する漠然とした自責の念ばかりが残る。
ハイパーウルガー・・・・ いやビリーも倒した。
残るは、不敵な笑みを浮かべ、見ているデューク。
仲間が倒されたと言うのに、何も感じていないのか?
そして、本命のアピリム。
この場所にはいない。 だが多分本陣で、この戦いの一部始終を見ていただろう・・・・・
まだ先は長い。
色々な思いが交錯する。




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