LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)

 第4章 決戦 Part4


 同じ頃 ここは、中東 I国にある 人類最終戦争に最もふさわしい場所 と呼ばれるハルマゲドンの丘。
総兵力数百万体を超える圧倒的以前の戦力差に、たった1人 孤独な戦いに挑むキャラン(浩司)。
だが、肉体面の疲れ知らずも 精神的には脆く、もはや精神面の疲労がピークを迎えつつあった。
そこへ 最新鋭の対キャラン(浩司)用i開発されたグロテノス ハイパーグロテノスである ハイパークマンガーMark3が投入 対峙していた。
その様子を 上空のステルス製UFOから監視するヤーナ以外にも 別の少し離れた場所から監視する ネクストノイドのバトルスタイル(戦闘形態)であるグロテノスとは違う 別のバトルスタイル(戦闘形態)の少数の一団が監視していた。
全て同じ形態持つ生体兵器 そうあのピエール率いる 神々の正義軍などと呼称する もう1つのアポリスと敵対する武力勢力の主力生体兵器 バトロイド。
その後方の少し離れた場所に、何処から現れたのか? 突如総兵力約1万体を超える兵力を持つ一軍が現れ 陣形を保った状態で控えたいた。
その中心 つまり本陣とも呼べる場所には、ブロンズ色のBP(バトルプロテクター)を装着するピエール。
刻々と変化する戦況を見守りつつも 表情の読み取れぬ特殊な合金のマスクの下 何かを企んでいるのが伺える。
だが まだそのタイミングではない。
今は、まだ待つ そのタイミングが来るまで、必ずキャラン(浩司)は、この無限の重厚と思える布陣を突破 アポリスを支配する最強の生体兵器 あのアピリム・ファーストと激突する。
戦いは、壮絶を極めるはず、キャラン(浩司)と、アピリム・ファーストは、互いに傷つきその驚異の戦闘能力を消耗する。
その時こそが、チャンス。
キャラン(浩司)と、アピリム・ファーストを倒し この地球を我が手中に収め 自ら信仰するC宗教の神々を頂点としたユートピア(理想郷)である ミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)を実現させる。
キャラン(浩司)と、アピリム・ファーストこそ ミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)実現の為の最大の障害であり 排除する事が、神々の意思。
ピエールは、数ヶ月前 はっきりとその意志を聞いた。
これこそ 歴代の神々の忠実なる下僕(しもべ)である偉大な預言者と称される偉人達と同様。
偶然ではあるが、アピリム・フォースとして誕生したピエールの聖なる勤めである。
まだ最強の生体兵器 アピリムとしての力にこそ覚醒していないが、同程度の力を持ちうる かって神々が装着していた汎用ユニットでり強力な武器でもあるBP(バトルプロテクター)の上に更に装着する この地球上に唯一残された最強のパワードスーツであるGP(ゴッドプロテクター)を その手中に収め 自ら装着する。
この力は、神々の手により造られた最強の白兵戦用兵器 このGP(ゴッドプロテクター)があれば、浩司も アピリム・ファーストも敵ではない。
神々の最強の力の証である。
ピエールは、そう信じていた。
ピエールに取って、聖なる運命(さだめ)に目覚めた時のあの時と同じ事が、今から数ヶ月前の夜起きたのだ。
深い眠りについていた時 姿の見えぬ神々が、ピエールの夢の中に現れ キャラン(浩司)と、アピリム・ファーストを含む 全ネクストノイドを倒し 神々の支配する この世のパライダイス(楽園) ミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)を建設しろと。
これこそ 神々の明快な意思であり ピエールに取って、聖なる宿命でもあった。
今が、その時である。
もうすぐ神々が、再びこの地球上に、降臨される日が近い それまでに、アピリム・ファーストを含む 全ネクストノイドを倒し そして、浩司をも倒し 浩司が融合している不思議なエネルギーであるレジェンスと呼ばれる物を奪い 神々に献上する それが、歴代の預言者の1人 ピエールに課せられた神々からの何ものにも代える事の出来ない聖なる契約でもある。
「戦況は、どうなっている?」
近くにいたバトロイドの1体を呼び寄せる。
そう 外見だけも非常に判断が難しい 全く統一した外観を持つバトロイド だが、よく見ると、それぞれ微妙だか、少し異なっている。
身長こそ、改造前の個人差が大きいが、バトロイドに変身後は、余り変わらなくなる。
BP(バトルプロテクター)を装着するピエールには、1体1体の違いがはっきと解る。
この1体 ヤーナにいた頃からの側近の1人 C宗教の神父の1人ドレークのバトロイドへの変身した姿であった。
ピエールに取って、最も忠実な側近の1人であったが、人の命令に忠実ではあるものの 自主性に欠けていた。
強烈な自主性を持つ浩司とは、正反対の存在。
だが、神々の下 画一、統一された思考などを求めるピエールに取ってはうってつけ。
元所属していたヤーナの最高司令官永井が装着してしまったが、当初 2つのBP(バトルプロテクター)を 入手した際 このドレークに装着させる目論見であった。
本来 BP(バトルプロテクター)は、装着者の身体能力をケタ違いに高める。
身体能力が高い者が装着した方が、その能力が更に高まる特性ずある。
その点 永井の身体能力は、生身の人間としては、多分現在トップの1人。
運動神経、反射神経・・・・あらゆる点 ズバ抜けている。
本来持つポテンシャルは、最高級の軍人である。
ドレークに関しては、年齢を考慮しても、平均よりマシな程度。
そう言う点で考えれば、永井は確かに適任であったが、C宗教側の人間ではない。
こちら側についてくれれば、文句無の人材であるが・・・・
あのマークに忠誠を誓う 典型的忠臣タイプ。
そうあの時 BP(バトルプロテクター)を奪取する際 近くにいたのは永井であり 周囲をグロテノスに囲まれ絶体絶命の危機的状況であった。
その為 永井に装着させたが、この戦いが終了すれば、永井は、もはや無用 逆に後顧の憂いとなりうる危険人物 その点に関しては、抜かりが無い。
BP(バトルプロテクター)を強制的に解除 初期化する方法は解っている。
永井のBP(バトルプロテクター)を 初期化による強制解除させ 永井を始末 ドレークに与えれば良いだけの事。
レアスタルと呼ばれるBP(バトルプロテクター)の頭部 丁度額の部分にある半球体の物質 ネクストノイドのネクスタルと同様 4次元ワームホールを利用し、非常にエネルギー状態の高い宇宙と常時繋がっており そこからエネルギーを供給 ネクストノイドの場合 ネクスタルは、他にも体内のナノマシーンをコントロールし ネクストノイドの特徴でもある 他の生命体のDNAの1部を組み込んであり BS(バトルスタイル)と呼ばれる戦闘形態への変身や、その他生体用の各種兵器を搭載されているが、レアスタルの場合 更に改良され DNAiに他の生命体のDNAの1部を組み込まなくとも 未知の特殊合金に、ナノマシーンを入れ 自由な変形と、各種武器を搭載出来る。
元々 神々は、他の複数の天体 つまり地球外・・・・ いやこの太陽系外の惑星で、誕生 進化した別々の知的生命体の集団 その為 その誕生した惑星外の 生命の定義では、生命と定義されない各種ウイルスや その惑星独自の微生物に、感染した場合 死に至るケースが考えられ その為 機密性の高い船外活動用のスペースジャケットが必要であった。
だが外観から異なる各種EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の集団 1つのモデルでは、余りにも汎用性がない その為 未知の特殊合金にナノマシーンを入れ 自由変形出来るBP(バトルプロテクター)が開発された。
これにより 各種タイプのEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)でも利用出来る 尚且つ その自由変形出来る特性を生かし 各種戦闘用の武器も搭載出来る 非常に汎用性が高いモデル。
1度装着すると、その生命体の各種データが、読み込まれ その装着した生命体のみしか利用出来ない欠点もあった。
装着したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の裏切りなとの場合 戦闘能力が、非常に高い為 制圧に時間を要する その為 その中心機能であるレアスタルの読み込まれたデータを一気に初期化し 強制解除する方法が開発された。
それが、ヒマラヤ山脈の地下に発見したエルと呼んだ 人類が神々と崇拝したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残された 遺跡地下基地で発見した。
これが今 我が手中にある・・・・・
ピエールは、ドレークを見ながら思った。
我が手中には、神々の残した 日本の古代から続くSN宗教の言葉を用いれば、三種の神器とも呼ぶべきだろうか?
神々が、この地球上に残された最も偉大な まさに神々の力。
BP(バトルプロテクター)、GP(ゴッドプロテクター)、それらを初期化するリセクター・・・・
全て我が手中に収めた この三種の神器を持つ私こそ 過去の最も偉大な神々の予言者をも上回る 最も神々に忠実にして、最強最高の予言者。
神々の力を持つ私こそ 神々に次ぐ。神々の最強の力の持ち主 敗北などあり得ない。
神々が支配するこの世のパライダイス(楽園) ミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)を 今こそ実現させるのだ。
もうすぐ この地球上に、神々が、降臨される・・・・
その時 人々が、神々の偉大さにひれ伏せ その力を持つ私を神々に次ぐ存在として、崇める。

 だが、ピエールは、自ら信仰するエルと呼ばれ、神々と呼称したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の驚異のオーバーテクノロジーを余りにも直視、盲信し過ぎていた。
もし浩司が、この話を聞いていたならば、別の観点から色々文句をつけただろう。
エルと呼ばれ 神々などと呼称したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残した驚異のオーバーテクノロジーであるのだが、それは、今から1万2000年前 地球時間での時間の単位だが、遺跡とも言える古代文明 時間の経過と共に、テクノロジーは、更に進化する・・・・ その点を忘れていた。
確かに、人類の持ちうるテクノロジーを遥に上回っている その点については、認めざる得ない。
だが、地球時間で、1万2000年も経過すれば、もはや過去の遺物とも言うべき超ローテク。
浩司は。レジェンスとの融合と共に、エルとは、別のレグと呼ばれた EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)のオーバテクロジーを受け継ぐ知的生命体 マスターと呼ばれようになったが、エルなど比較にならない 更に太古にこの宇宙に誕生し、滅亡したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)でありながら その驚異のオーバーテクノロジーの数々は、エルの残したオーバーテクロジーなど比較にならない程 進んでいた。
エルの残したテクロジーは、基本的ナノテクノロジーであり 原子レベルのコントロールであるのに対して、レグは、更に進んでおり 物質などの最少単位であり量子レベルのコントロールを可能としていた。
量子テレポーテーションを利用した物質の瞬間移動であるQCTTシステムなど、その典型的サンプルである。
もしエルが、今でも現存しているのならば、想像もつかないレベルまで、オーバーテクノロジーは、更なる進歩を遂げているはず。
1万2000年と言う 地球時間は、十分過ぎる程の時間である。
我々人類も 地球時間で、2000年程で、数々のテクノロジーを生み出してきた。
テクノジーの進歩が停滞する時 それは、知的生命体に取って、滅亡を意味するはず・・・・ 浩司は、そう思っていた。
だが反面 テクノロジーに対する過度の依存などは、視野を狭めてしまう テクノロジーは所詮ハードウエアー それを運用するソフトウエアー つまり個人の能力に大きく左右される。
運用を間違えれば、また運用すら出来なければ、ただの無駄な長物でしかない。
その点を 浩司はいつも考えていた。
だが、たった1人で、アポリスと言う 超巨大な組織に反旗を翻し 戦いを挑むにあたりレグの持つオーバーテクノロジーは、魅力であり 物量、戦力差など、少しでも埋める為には、頼らざる得ない面もあった。
だが、少々のテクノロジーの差など、圧倒的、物量差、兵力差で、簡単に補えてしまう事を 良くわきまえていたが、勝利を収めるには、未知のオーバーテクノロジーにすら頼らざる得ないのは、浩司もピエールも同じであったが、そのオーバーテクノロジーに対しての 捉え方 運用、認識・・・・ など 浩司と、ピエールでは、全く異なっていた。
オーバーテクノロジーと言っても 所詮ハードウエアーに過ぎず、運用する個人の能力、資質などに、左右される つまり運用する個人のソフトウエアーの能力が、より重要と考える浩司。
オーバーテクノロジーそのものすら神格化、絶対的な物と捉えるピエール。
忘れてならないのは、第2次世界大戦中 旧日本帝国海軍の誇った 当時史上最強と呼ばれた戦艦大和を・・・・
大鑑巨砲主義の末路を・・・・
浩司は、その点をよくわきまえようと、日々自問していた。
どんなに優れたハードウエアーも 運用する個人のソフトウエアーの能力に、大きく左右される。
何よりも忘れてならないのは、浩司には、宗教に対する信仰心など、全く存在しない。
極端とも言える極度の宗教嫌いの 筋金入りの無神論者。
全てを神々と呼称するものの教えだか? 何やらで依存し 委ね、絶対化するピエール。
全く異なる人生を歩み続けてきた2人。

 キャラン(浩司)は、新手のハイパークマンガーmark3に周囲を包囲され じり じりと包囲網を狭められていた。
カウンター攻撃に特化したモデル その最新、改良タイプ。
どのような攻撃を仕掛けるべきか? 判断に迷っていた。
このまま手をこまねいていても包囲網は、更に狭まり 追い詰められる。
先手を こちらから仕掛けるしかない。
手に持つ高周波セイバー はたしてこれで、斬れるのか?
レジェンスのエネルギー弾 例えマグナムアタックなどでは、ハイパークマンガーmark3の身体全体を覆う あの特殊なミラーコーティングで、前回同様 弾き返される
残りの武器は、44HPマグナム弾・・・・
「それしかないかー・・・・」 内心呟く。
むやみ撃っても 多分弾かれる 1点集中のミラクルショット 6発全弾寸分の狂いもなく・・・・ ダメな場合 スラッシャー・・・・ 多分 エネルギーによる切り裂く技・・・・ 弾かれる可能性が高い 後は、次元刀 こちらは、時空間そのものを切り裂く大技 だが、まだこのケースで、レジェンスのエネルギーを利用した大技は、使いたくない。
出来れば、デストロと戦うまでは。
色々戦闘シュミレーションを繰り返す。
デストロとは違う 最強のアピリムではない 確かに格下 だが、全身からみなぎるプレッシャーを強く感じていた。
それに敵は、6体 非常にやっかいだ。
だが、このまま何もしないで対峙 にらめっこしていても何も始まらない。
先手必勝。
こちらから仕掛ける。
覚悟を決める。
まずは、正面にいる1体。
キャラン(浩司)は、両手に持つ高周波セイバーのスイッチを切り 左ベルトのフックに掛ける。
素早く右手を左脇へ ショルダーホルスターから44HPマグナムを抜く。
その動きに、不敵に笑みを浮かべる6体のハイパークマンガーmark3。
まさに想定済みの表情。
同時に、正面の1体のハイパークマンガーmark3に向け 銃口を向けトリガーを引く 珍しくダブルアクション。
通常 少し威力が落ちるが、左手で、ハンマーを引くシングルアクションで撃つ事の多いが、少しでも威力を上げる為でもあった。
6発全弾を ほとんど同時に近い速さで正面のハイパークマンガーmark3の胸 それも まさに1点 全弾命中のミラクルショット・・・・・
だが・・・・・
何も起こらない。
不敵な笑みを浮かべるハイパークマンガーmark3。
やはり この程度の威力では、あのミラーコーティングを破る事が出来ない。
少しづつ後退するキャラン(浩司)。
だが、焦りの色は見えない ポーカーフェイスを装っている。
44HPマグナムのフレームからシリンダーを外し 空になった薬莢を捨て ポケットからスピードローターを取り出し シリンダーに装填。 シリンダーをフレームに戻す。
また素早く片手で構え 今度は、1発だけを発射 狙いは、ネクストノイドのエネルギー供給源であり 共通の弱点である 額のネクスタル。
狙いは正確 ピンポイントで、直撃・・・・ だが、瞳の瞼の様に、ミラーコーティングされた皮膚に覆われ これも簡単に弾かれる。
「もうおしまいか? キャラン(浩司)」 攻撃を喰らったハイパークマンガーmark3が、余裕の表情を浮かべ言い放つ。
「その程度のオモチャで 我らの最強のミラーコーティンクが破れると」 笑い声を上げる。
「だろうなあー」 何故か? 同じく余裕の表情を浮かべ同意するキャラン(浩司)。
素早く44HPマグナムを左脇のショルダーホルスターに戻す。
"やはり 近接戦での肉弾戦しかないかあー" 内心呟く。
それには、今以上にレジェンスのエネルギーを高めなければならない。
今 コントロール出来る最大値 これ以上上げると、コントロール不能の状態になる。
だが、このまま手をこまねにいてはいられない。
前進し、最大の目標である アピリムと、残り3体デストロを倒さなければ、戦略目標は達成出来ない。
今 最初にして最後の最大のチャンス・・・・。
武器を手にせす戦闘ポーズを取る。
いつもの事だが、数の有利差を活かし フォーメーションで攻撃を仕掛けてくる。
1体だけに、集中出来ない。
スピードを上げ こちらがタイムラグ(時間差)で、各個撃破に出るしかない。
キャラン(浩司)は、レジェンスのエネルギーを高める。
身体全体から 淡い白い光が発する。
同時に動く。
まず正面の1体。
だれの眼にも映らないスピード 瞬時に正面のハイパークマンガーmark3の前に姿を現す。
余りのケタ違いのスピード 唖然とした表情を浮かべるハイパークマンガーmark3。
また忽然と姿を消えた様に見えるキャラン(浩司)・
だが違う姿を消したのではない。
態勢を低くし そのまま足払いを掛ける。
何が起きた解らない表情のハイパークマンガーmark3 そのまま両足をすくわれ背中から地面に倒れる。
少し憐みの表情を浮かべハイパークマンガーmark3を見下ろすキャラン(浩司)。
ここで、重要な事を忘れていた 敵は、今地面に倒した1体だけではなかい。
無防備に立つキャラン(浩司)に対して、周囲を取り囲む残り4体のハイパークマンガーmark3と、多数のグロテノスから強烈な攻撃を受ける。
まさに、フレンドリーファイヤー(同士討ち)を覚悟の十文字攻撃。
あらゆうるエネルギービーム、エネルギー弾が、一斉にキャラン(浩司)を襲う。
直撃。
キャラン(浩司)を中心に、怪光が上がると同時に、きのこ雲が上がる。
同時に、強力なソニックブームが発生 周囲を取り囲んでいた4体のハイパークマンガーmark3も、多数のグロテノスも 余りの衝撃波に耐え切れず、地面に叩きつけられ 後方に弾き飛ばされる。

 「やったかー!!」
この様子を離れた場所で、モニターで観戦していた 8大将軍デストロの1体 ギルが、大声を上げた。
ここまでの戦闘 全てギルのテレパシーによるマインドコントロールで、多数のグロテノスを動かしていた。
舞い上がった土煙がはれ始める。
しかし その隙間から淡い白い光が漏れ始める。
淡い白い光のバリヤーに包まれたキャラン(浩司)が、その姿を現し始めた。
「やはりあの程度では・・・・」 苦虫を潰した表情を浮かべるギル。
だが、少しキャラン(浩司)の様子がおかしいのに気づく。
「少しは、効果があったみたいだのうー」 少し表情の緩むギル。 不敵な笑みを少しだけ浮かべる。
隣で、この戦闘を見つめるアピリムの表情を窺う。
少し面白そうな表情を浮かべるアピリム。
「早く余の元へ来いキャラン(浩司)」 小声で呟く。

 強力なエネルギービーム、エネルギー弾に、気付くのが遅れたキャラン(浩司)。
だが。融合しているレジェンスの防衛本能と呼ぶべきか? そのお蔭て、直撃直前 身体全体から発行するレジェンスのエネルギーフィールドが、バリヤーの役割を果たし 生身への直撃こそ避けられた。
だが、その威力まで、全て防げたのではなかった。
いつになく 表情に疲労の色を浮かべ 身体全体で、大きく荒い呼吸を繰り返している。
額には、汗すら浮かべ かなりダメージを受けたのが、だれの眼にも明らかであった。
バリヤーを解除する。 その時だった 突然 何者かの手が、積み上がった土砂から伸びキャラン(浩司)の右足首を強烈に掴む。
そう 先程 足払いを喰らわしたハイパークマンガーmark3。
そのまま積み上がった土砂から払いのけ身体を現す。
だが、自慢のミラーコーティングは、至場所に大きな亀裂が走り こちらも相当のダメージを受けていた。
そのまま片手で、キャラン(浩司)を頭より高く持ち上げ地面に叩きつける。
背中から地面に叩きつけられ苦痛の表情を浮かべるキャラン(浩司)。
「死ね!! キャラン(浩司)」
ハイパークマンガーmark3の額のネクスタルから強烈な光が発し 全身が赤い光に包まれる。
自爆。
キャラン(浩司)の脳裏を過る。
自爆による道連れ ハイパークマンガーmark3の残された唯一の戦闘方法であった。
もはや身体の内部からズタズタ このままでは、助かる見込みもない。
残された唯一の戦闘方法を選択した。
レジェンスのエネルギーを無理やり高めるキャラン(浩司)。
更に、身体全体から発する淡い白い光の輝きが増す。
倒れているキャラン(浩司)を そのまま抑え込み入ろうとしたハイパークマンガーmark3を 右足で、腹部に強力な蹴りを喰らわす。
ハイパークマンガーmark3は、そのまま空中高く蹴り上げられる。
素早く立ち上がると、右腕を蹴り上げ空中高く舞い上がったハイパークマンガーmark3に向け構える。 同時に手首を立てる。 マグナムアタックの構え。
自慢のミラーコーティングの各部に大きな亀裂が、いくつも入っている。
今がチャンス。
マグナムアック弾を発射する。
同時に、身体全体にバリヤーで取り囲む。
キャラン(浩司)の放ったマグナムアタック弾は、空中高く蹴り上げられたハイパークマンガーmark3に直撃 自身の高めたネクスタルのエネルギーとも加わり まさに、核爆弾が、空中爆発したかの様に、強烈な爆発を起こす。
またも地面には、爆風を伴う強力なソニックブームが発生し 周囲の土砂を舞い上げ 少し離れた場所にいた多数のグロテノスをもなぎ倒し 後方へと弾き飛ばす。
同時に、舞い上がった土砂は、大きなきのこ雲を舞い上げる。
威力、範囲を小規模に限定した超小型の戦術用核爆弾が、爆発したと思われる程の威力であった。
ただ こちらは、核爆弾と違い 危険で、有害な放射能こそなかったが。
舞い上がった土煙が収まり始めた。
「まだハイパークマンガーmark3が、残り4体 それに、多数の各グロテノス まだ後方には・・・・・」 小さな声で呟く。
余りの圧倒的数、物量・・・・ その他の違いに呆れて思った。
"少しで、敵アポリスの兵力を削減しないと・・・・"
楽して勝・・・・ モットーとしたいキャラン(浩司)であったが、全くその方法が無かったのではない。
大量破壊・・・・ 自身 その能力、エネルギーを有している。
あの過去 死火山の戦いで使った あの究極大技 アルテメットクラッシャーと名付けた大技。
だが、あれは使用すれば、地球そのもの・・・・ いや下手すれば、宇宙そのものを破壊しかねない。
使用する事が出来ない。
あれは、戦略無視のただの大量破壊、ジェノサイド(大量殺戮)でしかない。
まだ土煙が、完全に収まる前 見通しがはっきりしないチャンスを生かす事にした。
バリヤーを解除すると、左ベルトのフックから高周波セイバーを取り 動いた。
狙いは、周囲を取り囲む グロテノスの1部隊・・・・ と言っても100体程の数を有しているが、これらを先に片付ける。
超高速の動きで、斬りかかる。
周囲に展開 取り囲んでいた各グロテノスは、何が起きた解らないうちに、次々と切り裂かれていく。

 「ようやく 少しは、本気を出し始めたか?」
この戦闘をモニター画面で見つめるアピリムは、呟いた。
やつの実力からして、こんなのお遊び程度・・・・ としか思っていない。

 瞬時に、約100体もの取り囲んでいた各グロテノスを切り裂いた。
普段 肉体面に関して、疲労すらしないはずが、珍しく疲労感が出る。
立ち止まり 大きく荒い呼吸を繰り返す。
さすがに、瞬時に約100体もの各グロテノスを切り裂くシーン もちろん余りに速過ぎて、その眼に止まらなかった4体ものハイパークマンガーmark3。
驚愕の顔色を浮かべる。
レベル・・・・その戦闘能力のケタ違いの実力。
だが、相手は、疲労感を浮かべ始めている。
チャンスはある。
巧みなフォーメーションで、一斉にキャラン(浩司)に、襲い掛かる。
1体が囮となり その隙に残り3体が、3方向から攻撃を仕掛ける。
その間を利用して、新たな増援部隊が、周囲に展開を開始する。
隙を与えず、もちろん休息すら与えず、精神的疲労を蓄積させる。 ギルの取った戦術であった。
4体のハイパークマンガーmark3を同時に相手 それに、ようやく1部隊を殲滅させたが、新たな部隊に周囲を取り囲まれ なす術がないように感じられた。
どんなに倒しても、敵は、無限の回復力を持って襲い掛かってくる。 そんな感じを与えていた。
圧倒的物量差。
こちらは、キャラン(浩司)自身ただ1人。
さすがに、この様子を見かねたノルンが、残りのポッパーによる 支援をテレパシーで伝えたが、キャラン(浩司)は、拒否。 まだそのタイミングではない。
デストロ・・・・ アピリムとの対決時までは、その時にこそ戦闘に集中する為 牽制の意味を込めて、ポッパーによる対地支援攻撃が必要であった。
4体のハイパークマンガーmark3の果敢な攻撃に苦戦しながらも 手に持つ高周波セイバーで応戦。
だが、あのミラーコーティング、高周波では、傷1つ付けられず、決め手に欠いていた。

 そんな時だった。
突然 後方 それもかなり離れた場所から 爆音とも共に爆炎、爆煙が舞い上がる。
キャラン(浩司)も 周囲を取り囲むグロテノスも 同時にそちらの方振り向く。
「新手の敵・・・・」
一瞬キャラン(浩司)は、そう思った。 だが、どうやら違う 攻撃されているのは、アポリス軍。
こんな無謀な戦いに参戦するバカの勢力など・・・・ それに、これは、俺個人の・・・・
まさか? 疑問が脳裏を過った。
こんなバカがいる勢力は、そう前 キャラン(浩司)が、所属していた 対アポリス最大勢力であった。 ヤーナ。
マークじいさん、永井司令官 ブラウン副司令官・・・・ 次々と名前と顔が思い浮かぶ。 こんな事を考えるのは・・・・
ピエールなどと違って、漁夫の利など考えない。
情に脆い・・・と言えばそれまでだが、戦略的見地、大局から見れば、疑問? 損得抜き。
見覚えのある シルバーの装甲に全身を包んだBP(バトルプロテクター)-1を先頭に、総勢100人程度の部隊が、キャラン(浩司)のいる場所に向かい進撃してくる。
「浩司殿!!」 聞き覚えのある老人の大声 そうこの声は、マークじいさん。

 ヤーナの全兵力を乗せた数機のUFOは、眼にも見えないステルス機能を利用し 敵に見つからぬ様に、敵中に強行着陸。
突如 何も無い空間からBP-1を先頭に、ヤーナ軍兵士が、その姿を現した。
まるで、眼に見えないドアから飛び出して来るように。
ハルマゲドンの丘に布陣するアポリス軍も この光景に驚いた。
命令が下されるまでは、現場で待機 離れた場所で繰り広げられる戦闘を観戦を興味津々 熱中しながら見ている以外何もやる事がなく。
警戒を怠っていた。
敵が現れるとしても 上空か、地上の場合 どの方向か? 周囲の部隊が気付くはず、まさか布陣している真っ只中に、突如現れるとは、だれもが想像すらしていなかった。
地上を進撃してくる場合の複数の予想ルートには、あらかじめ迎撃部隊を重点的に配置していた。
意表を突かれた格好になり 指揮系統は、混乱 総勢100人程度の部隊が相手 それも戦闘用に改造されたネクストノイドとは違う ホモサピエンス・サピエンス(旧人類)と蔑ます部隊員 個としての戦闘能力など、比較からならない程劣っている相手に、浮足立ち混乱してしまった。
生体兵器と言っても 改造前は、ほとんどが、軍人ではなく民間人それも個人で判断し行動する自営業者と違い、上からの命令をただ忠実に実行するだけのサラリーマン、公務員上がりばかり 上から つまりデストロなどからの命令、テリパシーによるマインドコントロール(精神支配)がなければ、行動出来ない。
右往左往するだけで、組織立っての応戦が出来ず。
数の多さが、逆に混乱状態に追い打ちをかけた。
陣形は、瞬く間崩れ 下手に攻撃を加えると、逆に、フレンドリファイヤー(同士討ち)を招く有様。
強力なリーダーの元では、鉄壁、完璧と思われてがちであったが、リーダー不在では、ただ数が多いだけの烏合の衆に過ぎなかった。
そこを巧みな用兵を用いて切り崩す永井。
部下は何度も戦場を生き抜いたベテラン揃い。
統制が取れた行動で、瞬く間に蹴散らしていく。
決して、むやみな戦線拡大を図らず、密集陣形を用いて、まず第1目標である浩司との合流に向かった。
まず浩司と合流し、その後 アピリムのいる場所まで、血路を切り開く。
アピリムとの戦闘に、浩司を集中させ 残りのデストロであるギル、ビリー、デューク その他各グロテノスを一手に引き受ける。
玉砕戦法と言える 行きだけの死地への片道切符。
圧倒的数の多さが、逆に禍となった。
テレパシーによるマインドコントロール(精神支配)による態勢の立て直しを図るが、コントロールするのは、アピリムと、ギル、ビリー、デュークの4体。
1度 態勢が崩れると、容易に立て直せない。
その混乱に乗じて、ヤーナ軍は、浩司の周囲を取り囲む。
さすがに、疲労の顔色を浮かべる浩司。
「久しぶりじゃのう 浩司殿」 元気そうで何よりじゃ・・・・」
場違いの笑みを浮かべ近づくマーク。
「何をしに来た マークじいさん それにみんな!!」
怒りの声を上げる浩司。
「浩司殿の助太刀にまいったのじゃがのう・・・・」
少しとぼけた口調で言うマーク。
「助太刀・・・・? これは、俺個人の私怨による戦いだ!!」 浩司の本音を怒りにまかせたような口調で言い放つ。
「そうですよ 和田評議員待遇」
「正義のヒーロー、主役は、ここぞと言う場面に現れる」
など口々に言う周囲を固める兵士達。
だが、周囲を警戒している為 顔は、周囲を注意深く隙なく見張っている。
混乱、指揮系統が乱れているとは言え、組織立った攻撃ではないものの単発的な攻撃を受けている。
浩司の顔を見る余裕などない。
ここは敵中のど真ん中。
周囲は、全て敵。
「未婚で、社会と接点がない孤立無業者(Solitary Non-Employed Persons:=SNEP)の死んでもだれも悲しむ人も困る人がいない見捨てられ 守るべき、愛する者もいない独身者限定の楽しいパーティーに招待した憶えなど無いぜ!! それに、この世のどぶさらいは、俺のみの仕事だ」
痛烈な皮肉まじりに、荒ひれた口調で言う浩司。 ただの邪魔者としか思っていない口ぶりであった。

 「その楽しいパーティーに、わしらも参加させてもらえぬかのうー」 とぼけた、楽しげな表情のマーク。
「そうですよ、和田評議員待遇」
「自分1人だけ こんな楽しいパーティー楽しんでいるなんて」
「ちょっとずるいですよ」 口々に言い放つ兵士達。 全員 何やら楽しそうであった。 今にも笑い出しそうな笑みを浮かべている。

 「それに、ここにいる全員 元は、確かに結婚などしておったが、現在独身者ばかりじゃ」 更に追い打ちかける言い方。 役者、今まで歩んで来た狡猾、老練・・・・ 違い過ぎる。
「そのセリフ そのまま浩司殿にお返しするがのう・・・・・」 笑みを浮かべ答えるマーク。
何やら楽しそうな表情でもある。 この状況下 互いの悪口の交換会を楽しんでいる。 煮ても焼いても食えない狡猾で、老練なたぬきじじい。
「そうですよ 和田評議員待遇」
「評議員待遇には、可愛い彼女がいるんでしょうが・・・・」
「あんな可愛い彼女 ほったらかしにするんですか?」
「1番 条件に当てはまっていなのは、和田評議員待遇ですよ」
口々に言う周囲を固める兵士達。
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ・・・・ じゃなく、死して、舞台から退場するものじゃよ」 うれしそうに答えるマーク。
「それよりも 先程から俺の事を 評議員待遇と言っているが、俺はやめた人間だぜ」
反論に窮した浩司が、矛先を変えた。
「確かに、辞表は受け取ったが、受理しておらんがのう・・・・」 すっとぼけるマーク。 役者が違う。
「なら 評議員待遇として命令だ 今すぐここから撤退しろ 死ぬな 生きて帰れ!!」 怒りにまかせぶちまける浩司。
普段沈着冷静で、辛辣な皮肉ばかり言う浩司には、珍しく感情を露わにしている。
「えーっと いつも命令無視の常習者は、だれでした?」
「それに、評議員待遇の上の議長命令じゃないですよね・・・・」
面白そうに答える兵士達。
いつも浩司の利用する論法を逆手に取って面白がっている。
「和田評議員待遇をからかうのは、この辺にしておいて、本来の作戦行動に入るぞ」
周囲を固める兵士達の指揮を執っていたBP-1 BP(バトルプロテクター)を装着する永井が言い放った。
敵の無秩序だった動きが、本来の統制の取れた動きに変わりつつあった。
どうやら混乱した状態から抜け出しつつある。
元の統制の取れた行動に出られたひとたまりもなく 瞬時に全滅させられる。
まだ少しでも有利である状況に、次の作戦に移らなければならない。
「おう!!」 周囲の兵士達が一斉に声を上げる。
だれの眼にも 恐怖の色を浮かべていない。
逆に、熱狂し、陶酔し、これから始まる事への楽しみを浮かべている・・・・ そんな眼をしていた。
「下らない事を考えるな!! 永井司令官 撤収命令だ!!」
何を考えているのか? 浩司には、理解できた。
血路を開く アピリムまでの道を。
血で塗り固められ舗装された道を 行くつもりなどない。 自ら切り開く。
「さっさと、愛する者、家族の元へ帰れ!!」
「さっきも言ったでしょう?」
「和田評議員待遇ず、1番 ここにふさわしくないって」
「評議員待遇こそ、大事な彼女を悲しませる気ですか?」
「ここにいる者 全員 愛する者、家族を ネクストノイドに殺された者ばかり」
「早く 愛する者、家族の元に帰りたいやつばかり」
「それを いつも邪魔をしたのは、だれでした?」
「後1歩と言う時に現れて・・・・・」
「邪魔ばかり・・・・」
「今度こそ 愛する者、家族の元へ行かせてもらいますよ」
何か? 達観した口ぶりで言う兵士達。
遠い 遥かに遠いずっと彼方の遠くの・・・・ そんな遠くを見つめる眼であった。
そこには、愛する者、家族が、帰り? いや行くのであろうか? あたたかな温もりに満ちた自分の居場所・・・・
過去 何度かの戦闘中 所属していた部隊が、敵中に孤立した時 どこからともなく浩司が現れ 無事救出された者ばかりであった。
敵中に包囲され 逃げ道を失った時 これで、ようやく愛する者、家族の元へ行けると、覚悟を決めた時であった。
生命を助けてくれた最大の恩人であるはずなのだが、またこれで、愛する者、家族との再会が、先に延ばしされた・・・・ としか思っていない。
ある意味で、逆恨みなのかも知れない。
「運悪く また生き残ってしまった・・・・」 ある意味で本音でもあった。
だか、再会するにも やはりそれ相応の手土産が必要 それは、何体のネクストノイドを道連れにするか?
その為だけに、今まで生きながらえてきた・・・・ そう思っている者ばかりであった。

 「バカな事を言うな 生きてこそ意味がある 死んだら何も生まれないし、残らない・・・・」
浩司の言葉には、先程の勢いを失くしていた。
浩司は、こう言うバカが好きだし 自身こう言うバカである。 バカに徹して生きた。
好きな女の為に、生命を投げ出す・・・・・ 最もイカして、最もクレージー・・・・・
その為に、今まで戦ってきた。
みなっちとの平凡な生活・・・・ ただその為だけに。
女は、やはり魔物なのかも知れない・・・・ 男を狂わせ 時には、歴史をも・・・ 歴史の陰に女あり・・・ 浩司の脳裏に、何故か? みなっちが過る "やはり魔物・・・・???"
"だれが、ま・・・・も・・・・の・・・・じゃわいーーーー!! だれが、そんな女にした。 だれが悪いんじゃ・・・・・!!! "超猛烈い・か・り!!!" (みなっち談)
"やはり魔物・・・・・" "おびえ・・・・" (浩司談)
「それに、浩司殿 少しばかりカッコつけすぎじゃ 何もかも自分1人で、しょいこみ 1人で、ケリ(決着)をつけようなど」
たしなめるよう マークは言う。
「俺は1匹狼だ!!」
反論する浩司に、マークは更にたしなめる。
年齢によるキャリアの差 狡猾に生きてきたマーク まだ浩司では、勝負出来ない。
「周囲には、ほれ こんなに多くの仲間がおるんじゃ みんな浩司殿の為に、その大事な生命を投げ出す覚悟じゃ もっと浩司殿は、仲間を信じるべきじゃよ ここにいる者は、みんな浩司殿に、その生命を救われた者ばかりじゃ 今 その借りを返そうとしておるんじゃ その者の気持ちを汲んでやらねばいかん 確かに、口汚い者ばかりじゃが、根はいいやつばかりじゃが・・・・」
突撃用密集隊形を組みながら浩司の傍らで語りかけるマーク。
先頭には、BP-1を装着する永井 浩司と、マークは、その中央。
「それにのうー 浩司殿 この戦いアポリス・・・・ いやネクストノイドとの戦いは、わしら旧島民が、始めたものじゃ 浩司殿は、わしらが、強引に加入させ 巻き込んだに過ぎん いわば巻き込まれた被害者じゃ ケリ(決着)を着けねばならぬのは、わしらの方じゃよ・・・・」
意味ありげな狡猾な笑みを浮かべるマーク。
浩司は、こう言う熱くなってくるバカが好きだ。 自身がそうであるよに、自身を含めて、本物のバカ揃い・・・・ だが反面 生まれ持った資質としての冷徹、冷酷なまでの戦略家としての血も その身体に流れていた。
ただ熱いだけの損得抜きのバカでは、戦争には勝てない。 これはある意味 人類の未来を掛けた戦い=戦争。 戦争は、勝ってこそその意味がある。 敗者には、歴史が作れない。 歴史を作るのは、勝者。
何を持って、勝利とし 歴史を自らの望む方向へ動かすか? その為の準備を用意周到に整えるのが、戦略・・・・・ 戦略上の勝利こそが最も重要。 特に、戦争時に置いて・・・・
2つの異なる・・・・ いやまるで接点の無い考え 常に全く接点もない、異なるあらゆるケースを想定し考える。 浩司らしい一面。 まさにパラドックス(矛盾)。

 「さあー 野郎ども 地獄へのハイウェー 切り開くぞ!!」
BP-1を装着する永井の 号令が響く。
納得しかねる表情の浩司。
1人でも多くの仲間の生命を救うには? テレパシーによるコントロールで、残り4基となったホッパーによる 対地支援攻撃を行うべきか?
瞬時の判断。
だが、迷う。
ジェノサイド、キリングフィールド・・・ 嫌な言葉が脳裏を過る。
それに、ここは、ハルマゲドンの丘 人類最終戦争の地。
上空に、飛行タイプのグロテノスの部隊が現れた。
地上の混乱し、指揮系統が乱れていた各部隊も秩序を取り戻しつつある。
上空、地上両面からの一斉攻撃を仕掛ける気でいるらしい。
迷ってなどいられない。
キャラン(浩司)は、動いた。
「永井司令官 地上は、任せます」 そう言いつつ キャラン(浩司)は、空中高くジャンプ そのまま飛行態勢に移る。
現状 上空からの支援攻撃を喰らえば、ヤーナ側は、バラパラに蹴散らされ、地上部隊のグロテノスの各個撃破され 皆殺しにされる。
まずは、上空の敵を殲滅させる事が先決。
先程まで、一時期であるが、制空権の更に上空 成層圏の上の地球衛星軌道上からの制宙空権を確保し、敵 アポリス軍の上空からの航空攻撃を抑える事に成功していた。
だが、今は、失われている。
たら・・・ れば・・・・ 戦場における禁句。
失った物は、簡単には、取り戻せない。
現状 最善を尽くすしかない。
地上を見ると、アポリス軍の陣形が良くわかる。
先程までいた あのハイパークマンガーmark3は、どこにも見当たらない。
理由は、不明だが、後退したらしい。
あれがいては、BP-1を装着する永井でも 勝ち目がないかもしれない。
BP-1の、主要武器である エクスカリバーでは、多分斬る事が出来ないだろう?
上空の飛行タイプのグロテノスと対峙する。
数は、約50体 これを殲滅させれば、余り飛行タイプが残っていない事を 祈るしかない。
数百万を超えるネクストノイドの兵力、人口 だが、バランスについては、かなりアンバランス。
飛行タイプのグロテノスは、総数占める割合が、極端に低い。
地上兵力が、ほとんどを占めている。
DNAのネクストノイドへの適合率で、改造が施される。
どのタイプのグロテノスに、最も適正率が、高いかだ。
向き、不向きで決まる。
地上タイプ向けが、ほとんど。
元々素体ベースとなる人類は、飛行能力を持たない為なのか?
その為 1部のグロテノスしか飛行能力を持たない。
数少ない盲点と言うべきなのかもしれない。
まずは、今 目の前に包囲網を築こうとしている飛行タイプの各タイプのグロテノスの殲滅が、優先。
まあー 運がいいのか? この部隊には、あのリンがいない。
あれがいると、やっかい。 最も戦いにくい、苦手と言うべき やりにくい相手。 どうも調子が狂う。
左ベルトのフックから愛用の高周波セイバーを手に取り ホバーリング(空中停止)状態に入りながらキャラン(浩司)は思った。

 突如 キャラン(浩司)との戦闘から後退した 4体のハイパークマンガーmark3は、別の敵との対峙していた。
ピエール率いる 神々の正義軍。
こちらは、光学迷彩のステルス機能を持つ 主に、周囲の偵察、スパイ用に特化した カメレオンに似たグウルスの1体に発見された。
キャラン(浩司)と、アポリス軍の全面対決を 少し離れた場所に陣取り 観戦していたのを発見されてしまった。
周囲の警戒にあたっていたドレーク率いる部隊が、グウルスに発見され そのまま出会いがしらの遭遇戦から、規模が、全面対決へと拡大しつつあった。
1体のグウルスからの報告をテレパシーにより受けたギルは、4体のハイパークマンガーmark3を中心に、数個師団を ピエール率いる神々の正義軍に向けるよう アピリムに進言。
アポリスに敵対する勢力では、最大規模を誇る 総兵力1万を超える神々の正義軍。
それに、全兵士 ネクストノイドとは、別の生体兵器 バトロイド。
それなりの規模の兵力を必要としていた。
その中には、アピリムの許可を貰ったミュースキャット麻子も 自らの部隊を率いて、ピエール率いる神々の正義軍との対決の場所へと、急行していた。
今度こそ、ピエールとの長年に渡る因縁のケリ(決着)を付ける為。
「今度こそ 愛しのピエール神父様 そのお生命 この私が頂戴しますわ・・・・」 内心細く微笑む。
ミュースキャット麻子自身 この戦いが、最後の決着をつけるべき戦いになると、予感していた。
勝か? 負けるか? 生か死か? 2つに1つ・・・・・
対照的 異なる結果のみ。

 「これで、全ての役者が出揃った・・・・・」 独り言を呟く様に、ギルに語りかけるアピリム。
巨大な いくつかの画面に分けられたマルチモニター画面を見ながら 薄笑いを浮かべる。
「勝利か、完全なる勝利か、今 余は、それをこの手に握る時」
自信に満ちた表情態度で、言い放つアピリム。
「やつらは、互いの連動性に欠けておる 各個撃破の対象」
目的は、ほぼ同じでありながらも 1つの組織として機能はなく。 全く独立した存在でしかないのが、素人の眼にも明らかであった。

 本陣の周囲を警備する アピリム親衛隊 隊長 ミューグロテノスである ミューホーカー・ロイ。
気になるのは、本陣に向かって進撃を開始した 僅か100人にも満たない小兵力の一軍 そうヤーナの最終部隊。
その先頭には、シルバーのBP-1を装着する 永遠のライバルと呼ぶべき あの永井。
アメリカ陸軍 特殊部隊 グリーンベレー時代からの最強のライバル。
「やつは、必ず 俺の前に現れる 最後の決着をつける為・・・・」
「早く 来い!!」 小さな声で、自らに鼓舞する。
「永井 貴様を倒すのは、この俺だ!!」
永井が、向かってくる方向を見つめるミューホーカー・ロイ。
その眼には、今までの長き渡る 永井との熱き戦いの日々が蘇っていた。
永井との対決は、いつも身体から熱き血潮が燃え上がり 心が躍る最高の祝福の瞬間。
だが結果は、1度も決着がつかず いつもドロー(引き分け)。 実力が互いに、拮抗している為でもある。
全くの互角とも言えた。
多分 決着(ケリ)がつくのは、どちらが、天に愛されたか? 微妙で、気まぐれな運が傾くか? その時だけであろう・・・・
時は満ちた。
今 最高の舞台が用意されつつある。
ここは、2000年以上の長きに渡り 戦乱の絶えない 血と憎しみが染みついた呪われた 岩と、砂だけの荒涼とした砂漠。
やつとの最後の決着に、これ以上ない最高の舞台。
高揚感に包まれる。

 上空に舞い上がったキャラン(浩司)。
右手1本に、高周波セイバーを持ち 左手で、ポシェットからブラッディカードを取り出す。
いつものシュチュエーション 上空でありながらも、ホバークング(空中停止)状態で、周囲を 50体の飛行タイプの各グロテノス包囲されている。
今 目の前にいる飛行タイプの各グロテノスを 早く殲滅させなければ、地上のヤーナ軍は、ちりちりになり各個撃破の餌食になる。
余り時間がない。
3枚のブラッディーカードを 気づかれぬよう 軽くスナップを利かせ投げる。
レグのオーバーテクノロジーの産物の1つ 未知の超強度特殊合金で作られ 厚さ0.1mmも満たない薄いトランプ状の武器。
未知の原理で超高速飛行し キャラン(浩司)のテレパシーによる思考誘導で、自由自在にコントロール出来る。
突如 数体の飛行タイプのグロテノスが、苦悶の悲鳴を上げると、同時に、血しぶきを上げながら 手、足、動体が、切り裂かれていく。
何かが起きたのか?
唖然とした表情を浮かべる。
眼にもとまらぬ高速飛行 何か? 空気を切り裂く音が聞こえた同時に、身体の各部が切り裂かれる。
気付いた時は、既に手遅れ。
バリヤーか、身体が、特殊な硬質皮膚で覆われていない限り グロテノスの戦闘能力では、対処出来ない。
相手の動揺した 包囲網が崩れる。
顔色1つ変えず、ただポーカーフェイスを装うキャラン(浩司)。
その左手の人差し指と、中指の間に、切り裂いた複数のグロテノスの血に染まったブラッディカードが収まる。
まさに、ブラッディカード(血のカード)。
ポシェットに収納する。
まだ周囲を取り囲む各飛行タイプのグロテノスは、理由も解らず動揺し動きが緩慢 互いのフォーメーションは、崩れている。
その瞬間を狙い キャラン(浩司)は、突撃する。
瞬時に、動揺し、動きが止まった飛行タイプの各グロテノスを 高周波セイバーで、次々と切り裂く。
僅かな時間で、50体もの飛行タイプの各グロテノスを 殲滅。
そのまま こちらも周囲を完全包囲され 防戦一方のヤーナ軍へ合流する。
先頭で、多数の各タイプのグロテノスと対峙 1人激戦するBP-1を装着する永井。
指揮は、グリーベレー時代からの親友で、副司令官でもあるニグロイドのブラウンに、軍の指揮を任せ 1人奮闘する。
エルの残したオーバーテクノロジーのスーパーウェポン。 最強のパワードスーツ。
ネクストノイドの様に、自らのDNAに、他の生命の改造したDNAの1部を組み込み 体内に注入した大量のナノマシーンでコントロールする・・・・ など複雑な工程などいらない。
その戦闘能力は、グロテノスを大きく上回っているものの 圧倒的数の前では、苦しい防戦を強いられていた。
後方の味方も損害が出始め 無視出来る状態ではない。
僅かな残存兵力 手持ちの全兵力 もう予備兵力はない。
せめてここにいる兵士全員が、自身と同様BP(バトルプロテクター)を装着していれば・・・・
だが、戦場では、・・・・たら ・・・・れば は、禁句。
その為の用意周到な準備をする事が、戦略の基本。
だが。未知のオーバーテクノロジーであるエルと呼んだEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残した 今から約1万2000年前のスーパーウエポンを再現出来るテクノロジーなどない。
無い物をねだっても仕方がない。
目標は、浩司さんをアピリムの元へ連れて行き アピリムとの戦闘に専念させ 残りのデストロと、各グロテノスを一手に引き受ける。
それと、同時に、可愛い部下の兵士達を1人でも多く生き残らせる事。
複数の異なった難題を 同時に解決し勝利に導く それが司令官としての務め。
要するに、効率よく味方を殺す・・・・ 浩司さんが、良く使う用兵の基本。
そんな程度の事 言われなくても解っている。
左腕を 光粒子ガトリンナグ砲に変形させ 迫りくる各グロテノスを 光粒子弾で、蹴散らしているものの 敵の数が多すぎて、焼け石に水の様に感じられていた。
一気に 取っお気の必殺技 大出力のエネルギー砲 ハイパーブラスターで、軸線上の敵の中央部に大きな風穴を開けたいのだが、それを使用すると、一気にエネルギーを消耗してしまい 再チャージにかなりの時間を要する。
必ず来る ここぞの場面まで使用したくなかった。
ジレンマと戦いながら 孤軍奮闘する永井。
突如 上空から 余り見覚えの無い光粒子弾が、敵のグロテノス兵に対して、降り注ぐ。
フェイスメット内のレーダーには、機影・・・・ いや違う これは、人影・・・・
「浩司さん・・・・」 永井は、呟く。
ズームアップされた電子アイのモニター画面には、浩司の ほぼホバーリング(空中停止)状態で、ゆっくり移動しながら 見慣れないライフル銃を手に持ち ライフル銃を 地上の各グロテノスに対して連射させている。
それに、気付いた地上のグロテノスの対空砲 長距離砲を持つグロテノスが、キャラン(浩司)に対して一斉砲火を開始。
すさまじい轟音を鳴り響かせ多数のエネルギービーム、エネルギー弾が、空中の1点 キャラン(浩司)に向かい突進する。
だが、キャラン(浩司)は、瞬時に場所を移動 すさまじい轟音を鳴り響かせた多数のエネルギービーム、エネルギー弾は、そこにあるべきターゲット(評的)は瞬時に消え ただ虚しく何も無い嘘空を 貫いていく。
空中のキャラン(浩司) 今攻撃仕掛けた部隊に対して、ライフル銃を右手1本で持ち 左腕を突出し左手首を立てる。
身体 表面の淡い白い光の発光が少し強まると同時に、発光の1部が、左手の前に集中 小さな光る球体が現れる 同時に、そこから無数の光粒子が発射させる。
レジェンスのエネルギーを利用した必殺技の1つ ショットアタック。
無数の光粒子が、まさに土砂降りの雨の様に、光速で降り注ぐ。
小さな光粒子 1つ1つの威力は、それ程ではない。 だがそれが無数に集まると、すさまじい威力を発揮する。
核分裂反応の1つ1つは、大してエネルギーを持たない だが、無数に集まると、すさまじい威力を発揮するのと同様。
水 一滴 一滴と同じである。 水 一滴では、ほとんど威力はない だが、それが無数に集まると、洪水など、すさまじい威力となるのと同じである。
一瞬にして、複数の部隊を壊滅させる。
だがここまで、突如 後方から不意に複数のビームが、キャラン(浩司)の背中に直撃 レジェンスの戦闘モードに入っている為 身体表面に発行しているレジェンスのエネルギーが、バリヤーの役割を果たし 掠り傷1つないが、その威力までは、軽減出来ず、大きくバランスを崩す。
後方へ振り返る。
そこには、最も戦いたくない相手が、なまめかしい笑みを浮かべ 過剰とも思えるフェロモンを周囲に発散 ホバーリング(空中停止)状態で、キャラン(浩司)を見つめていた。
「お久しぶりね 愛しのダーリン・・・・・」 色香の艶のある声を響かせる。
そう 最もやりにくい苦手と言える相手 そうハイパーグロテノスである ハイパービューカー・リン。
「前座のお遊びは、ここまでよ 今度こそ私と勝負しなさい」
何も答えず ただ少し憐みの表情を浮かべ リンを見つめるキャラン(浩司)。
ノンの戦闘能力程度では、もはやキャラン(浩司)の敵ではない。
だが、問題は、例のキャラン(浩司)自身すら苦しめている レジェンスのAbsolute Area(絶対領域)とよく似た現象 元々ネクストノイドのネクスタルは、かって、我々人類が、神々などと呼称したエルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)が、レジェンスを人工的に生み出そうとした歳 偶然に出来たオーバーテクノロジーの産物。
超えてはならない一線を超えた先にあり 無限とも思えるエネルギーの供給を得られるが、その反面 ネクスタルそのものが、アナザー(もう1人の自分)と呼ばれる自我の目覚めにより 精神、肉体を支配し 上位モデルのアピリム、デストロのテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受けなくなり 尚 無差別に全てを破壊しようとする。
1度 リンが、その兆候を示したが、何とか食い止める事に成功したが、その後 妹の様に可愛がっていた、同じハイパービューカーの妙子が、グロテノスであった両親を キャラン(浩司)の手により殺された憎しみから我を失い暴走 アナザー(もう1人の自分)であるアルテミーラに、自我、意識、肉体の全てを乗っ取られ 結局 キャラン(浩司)自身の手により殺す 何とも後味の悪い結果だけが残った。
戦争の悲劇・・・・ と、言ってしまえばそれまでだが・・・・

 リンの表情を伺う。
相変わらず、なまめかしい色香を漂わせた表情を浮かべ、キャラン(浩司)を見つめる。
どうやら 通常 アナザー(もう1人の自分)に乗っ取られていない。
だが、いつ 何らかのきっかけで、暴走 アナザー(もう1人の自分)に、乗っ取られる可能性を否定出来ない。
その為の対策を施しているのだろうか・・・・・?
リンの後方には、自ら指揮する飛行部隊だろう 50体を超える飛行タイプのハイパーグロテノスを率いている。
更に、地上には、対空砲を兼ね備えたグロテノスの部隊が、複数。
どうやら 空と、地上の部隊を連動させた 言葉が正しいか? 不明だが、"ガントレット" 狙い・・・・・?
空中と、地上からの2列の挟み撃ち。
原始の時代 戦闘、戦争は、個の能力に大きく左右されたが、古代 中国 春秋時代の軍事思想家で、世界初の軍事戦略家とも言われる 孫子もしくは、孫文の著とされる兵法書 それ以降 集団戦が、主流となり 駒として、利用する個人の能力も 確かに重要だが、それ以上に、有能な指揮官の能力による 集団、組織を利用した総力戦が、現代まで続いている。
"十(じゅう)を持って一(いち)を攻める・・・・" など その典型例。
少々の個人戦闘能力の差など、圧倒的多数の敵ではない。
その差を 埋める為には、核兵器を中心とした大量破壊兵器・・・・
考え出したらキリがないが・・・・

 それより重要な問題は、今 眼の前の敵 特に、あのリン。
もしリンとの戦闘中 リンが、例の我を忘れ暴走 Absolute Area(絶対領域)に突入 ネクスタルが、自我に目覚め アナザー(もう1人の自分)に、乗っ取られてしまった場合の対処方法。
妙子の場合 途中 妙子自身の自我と、アナザー(もう1人の自分)であるアルテミーラの精神面での葛藤があり その隙を突くことで、何とか倒せたが、そう何度もうまく行く事などあり得ない。

 同じ不安を リンの改造担当であったギルも抱えていた。
無限のエネルギーを得る事の出来る Absolute Area(絶対領域)であったが、反面 ネクスタルそのものが、自我に目覚め アナザー(もう1人の自分)によって、精神、肉体など全てが乗っ取られ テレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受け付けなくなり 全てを破壊しようと暴走する。
未だ原因が良くわからず、その為のセフティー機能を リンと、妙子以外外す事は出来なかった。
その後 リンのセフティー機能を元通り戻そうとしたが、結局失敗 外した状態のままである。
これまで観察を 続けてきたが、アナザー(もう1人の自分)二乗っ取られる兆候を示してはいないが、本格的戦闘時に、はたしてどうなるか? 不安をぬぐえていなかった。
対キャラン(浩司)様に、開発したハイパークマンガーmark3を 手薄のピエール率いる神々の正義軍などと呼称する 逆賊どもえ投入させおえず、キャラン(浩司)のとのケリ決着)を なによりも望んでいたリンに 任せる以外 手詰まりの状態に陥っていた。
所詮 リンでは、キャラン(浩司)の敵ではない。
だが、キャラン(浩司)は、リンとは、戦いたくない、苦手意識を持っている。
あれ程の美貌を持つ 世紀の絶世の美女 自らの手で殺すなど、男としての本能が邪魔をするのだろう・・・・
狙い通り リンとの戦闘で、キャラン(浩司)の致命的弱点である 精神面の脆さ 更に追い込むこと出来れば、やがてキャラン(浩司)は、自ら自滅へと追い込む事が出来るはず。
モニター画面を見ながら ギルの脳裏には、色々な思惑が過っていた。




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