LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)

 第4章 決戦 Part11

 「遂に余の元までたどり着いたか、キャラン(浩司) 一応誉めてやる」
不敵な もはや戦う前勝利でも確信したかのような まさに王者、覇者の余裕を浮かべ言い放つアピリム。
アピリムの近くに、ハイブリット・ペガッサーとの空中戦を制したキャラン(浩司) ゆっくりと、着地を試みようとする。 しかし アピリムの周囲で、強固な陣形を布陣する多数グロテノスが、一斉にガードに回る。
それを制し 元の位置へ下がらせるアピリム。
どうやら 1対1の戦いを望んでいる。
キャラン(浩司)の表情を直視するアピリム。
ここまでの長時間にも及ぶ激戦をたった1人で、戦い抜いた・・・・ スタミナ面では、全く疲労を感じさせていない。 驚異のスタミナ、回復力 だが、精神面での疲労が、かなり蓄積されているのが読み取れる。
両目が周囲が、大きく窪に、かなり精神的に疲れた表情を浮かべている。
ここまで、決して楽な戦いを勝ち抜いてきたのではない。 激しい激戦 ほとんど休息もなく戦い続けてきた。
もはや精神面では、限界を超えているはず。
「何が、貴様 キャラン(浩司)を ここまで付き動かしているのか?」
「余自身を倒し、また無秩序の混乱した世界「を作り上げようとしているのか?」
「余が支配者となってからは、国境と言う言葉は、もはや余り意味を持たなくなり 州境、県境程度 行政区分上の違い程度、人種差別、民族差別などのレイシストも大幅減ったのではないか?」
何か 切実と訴えるアピリム その言葉 1つ1つは、美しいボーイソプラノであり 聴いた者全てを魅了する音楽的響きを持っている。
そして、何と言っても 見る者全てを魅了する まさに神々などと呼称する代物その物の力強い完璧な美しさ。

 対するキャラン(浩司)は、余りにも平凡 さすがに眼光だけは、修羅場ばかりの潜り抜けた者だけが持つ プロの鋭さ。 冷酷、冷徹 そして正反対の深い悲しみを帯びているのに気付く者はたしているのだろうか・・・?
キャラン(浩司)自身を含めて・・・・

 アピリムの問いに、キャラン(浩司)し、何も感銘すら受けなかった。
アピリムの語る ある側面は、確かに事実でこそあった。
ある一方的な側面から見ればだ。
「それで・・・・?」
いつもの皮肉まじりの毒舌的口調で答える。
「それで・・・とはどう言う意味かね」 真意を計りかねるアピリム。
「一方的な側面からだろう」
キャラン(浩司)は、改造を受けたネクストノイド=最終形態に進化したと言う新人類ではない。 確かに、レジェンスと言う 驚異のエネルギー体と、本人の意志を無視され融合こそしている。
だが、基本的には、進化も出来ない旧タイプの旧人類=ホモサピエンス・サピエンスと、蔑まされている少数派に属していた。
旧来の人種、民族間などの差別は、勝手程ではない。 垣根が、かなり低くなっていた。
だが、旧来の差別に代わるネクストノイドの支配する社会は、新たな差別を生んだ。
今までもあったが、多数派である会社、公務員などの組織に属する者と、自営業者、農民、漁民などの個人事業者の差別。
圧倒的多数の強者に属すると言う自己の各種恵まれた特権を維持する為に、他者を犠牲にする現実社会の不条理。
圧倒的多数に属しているを武器に、ネクストノイドの支配する社会システム、各種特権の最も甘美で甘い汁を 圧倒的多数を武器に、全てを独占 巨大で。絶大な権力により守ってくれる組織に、属さない者を 下賤な者と見下し社会の底辺以下に陥れ 社会に対する不満の捌け口、ガス抜きの材料にしてしまい わが世の春を謳歌した。
企業、組織のランク、その中での役職と呼称する階級社会 これらを社会的スーテタスなどと呼び、唯一絶対であり神聖にして不可侵。
自らの都合に合わせて 磐石に築き上げた階層階級社会。 法の下平等などと言う言葉は、ただの絵に描いた餅より価値がない。
どのランクの企業、組織な属し、どのランクにいるのかが、唯一絶対の価値。
それに対して、キャラン(浩司)の様な自営業者は、自力のみ 自力で何をやってのけたか? それだけだ。
社会的ステータスなどと言う言葉、どのランクの企業、組織な属し、どのランクにいるのかが・・・・など全く価値を持たない。
確かに、中世のヨーロッパを例に挙げれば、C宗教による絶対支配の元 階層階級を磐石に固定化 それにより平和などと呼称する物を築き上げた。
全てを磐石に固定化してしまい、それを唯一絶対化してしまえば、争い(戦争)はなくなる。
つまり平和の実現。
他だし 下剋上を失くせば、確かに平和だが、それは、停滞を意味する。
何も進歩、変化もない固定化した平和な社会。 当然 底辺に陥れられた者達からは、不平不満が出る。
・・・・そんな事を考えていても仕方がない。
今 やるべき事 それは、眼の前にいるアピリムを倒す。
ゆっくりと、少しはなれた場所にある階段の上った そう王者の権威 玉座に座るアピリムに向かう。
左手には、いつもの愛用のバトンが、Q,C,T,Tシステムにより転送され握りしめる。
数体のグロテノスが、この異常な雰囲気に飲み込まれたのか? 突如 まるで暴発したかの様に、キャラン(浩司)に対して、猛然と突撃を開始した。
直ぐに、そりの気配、位置を確認 素早く左脇のショルダーホルスターから愛用の44HPマグナムを抜き、少し両膝を曲げ 重心を下げると同時に、珍しくダブルアクションで連射 通常より早く、正確な射撃に重点を置いている為 左手で、ハンマーを素早く引くシングルアクションを多用していたが、今 左手にバトンを握っていた為であった。
だが、3発撃ちこんだ。 それでも少しいつもより長い銃声が、1発 そうしか聞こえない程の速撃ちであった。
狙いも正確 襲いかかった3体のグロテノスの額のネクスタルをぶち抜く。
「これでは、カッコイイヒーロー者の見せ場のワンシーンだなあー」
少し呆れて思うキャラン(浩司) 自身最も似合わない役柄。
決して、ハンサムでもイケメンでもない。 平凡。
いつもの毒舌、皮肉家としての本領を自身に向けている。
かなり自虐気味でもあった。
どう見ても歴史の流れにあがらうヒール役(敵役、悪役)・・・・・
新たに作り上げられた 新たな人類の生存の為? 社会システムにあがらう反逆者。 どう見てもそれが立ち位置。
社会システム、秩序のデストロイヤー(破壊者) と゜ちらかと言うと、クラッシャー(ぶっ壊屋)と呼ばれた方が、本人は、ある程度納得出来るだろう。
好きなSF小説は、高千穂 遥原作 "クラッシャー・ジョウ"。
無限の広がりを持つ この宇宙を永遠に旅して見たい・・・・ 幼い頃からの夢。
今 それに必要な驚異のオーバーテクノロジー等を 既に持ち得ている。
だが、現状 それが許される状況ではなかった。
「旦那には、抗うヒール役(敵役、悪役)なんて、似合いませんでっせえー・・・・」 どこからともなく、今は亡き親友の川村の声が、響いた ただそんな気がしただけに過ぎないが・・・・?
右手に持つ44HPマグナム銃を 右手の人差し指 手慣れた動きで、1回転させ 左脇のショルダーホルスターに戻す。

 その様子を 楽しそうであったが、どこか冷酷な表情で笑みを浮かべるアピリム。
面白い芝居を見せてもらった。 そう言いたいのかも知れない。
確かに、キャラン(浩司)の動き、映画、ドラマなどの様に、芝居かかった動きであった。
それを見る者を魅了する華麗な動きであったが・・・・? 他だし それを演じるのが、美形の映画スター並みのルックス、スタイルが、カッコ良ければの話であった・・・・・ キャラン(浩司)では、役不足。

 キャラン(浩司)自身ですら そう思い少し苦笑いを薄らと浮かべる。
はた目から見れば、余裕がある様に思えるが、実は、全く無い あえて余裕がないからこそある様に自身に言い聞かしているだけであった。
「さあー 勝負だ アピリム 貴様の生命 今度こそ この俺が貰う」
我ながら似合わないなあー・・・・ そう思いつつ 高周波セイバーの2つのスイッチを押し構えるキャラン(浩司)。
もはやサイは、投げられている。

 ゆっくりと、玉座から立ち上がるアピリム 立ち上がると同時に、羽織っていたゴールドに輝く まさに、現在の人類社会を支配する覇者の風格を漂わせるマントを華麗に、投げ捨てる。
そして、腰のベルトに差し込んでいるサーベルを抜き、ゆっくり階段を降り始める。 決して、慌てない まさに全てを支配する支配者である事を見せつけるように。
階段を ゆっくり下りつつもキャラン(浩司)を見下ろす。
見た目こそ 何も出来そうにないただの平凡な凡人にしか見えない。
だが、見た目に纏わされてはいけない。
8大将軍デストロ 今 ピエールと戦闘注のギル以外の7体のデストロを たった1人で倒した男。
そとて、変身前と言え 余を前回 後1歩のところまで追い詰めた。
決して、侮ってはいけない。
だが前回とは違う。
腰のベルトの右に下げているサーベルを抜く。
柄には護拳と呼ばれる枠状 もしくは、半円の大きな鍔がついており 指や手を保護する構造となっている。
通常湾曲とした 長さは様々だが、片刃の刀になっているが、その部分には何もない。
どうやら エネルギー? ビームなど用いる 一種の光線刀であるようだ。
キャラン(浩司)が、愛用する武器の1つ 高周波セイバーに対抗する為であろう。
自身から発する エネルギービーム、エネルギー弾など以外 銃器などの武器は、「野蛮な(優雅でない、無粋な)武器」と称していることから、戦闘には一種の美学も持ち合わせている。
44HPマグナムなどの銃器も愛用するキャラン(浩司)とは、一線を画している。
キャラン(浩司)の場合 たった1人で、圧倒的多数との戦闘を余儀なくされており 戦略家としての資質を育み 戦略的勝利を重視する姿勢でもあるが、戦略的勝利を得る為の技術的方法としての戦術と言う考えの持ち主であり 戦術方法として、持ちいっていた。
各個人の戦闘に対する考えの違いでもある。
まず複数の戦術を考え それらをどのように組み合わせ運用するかが、戦略と言う 今 別の場所で戦うピエール そして、アポリスの主流の考えも存在する。
1つ言える事は、勝者が、歴史を作る・・・・

 互いに、相手を見据える。
全く隙の無がない。
周囲の空気は張りつめ 異様なまでの静寂さに包まれる。
徐に刀の部分のないサーベルを付きだすアピリム。 同時に、身体全体からゴールドの光が、眩いばかりに発する。
信じられない程の巨大なエネルギー。 そこから強大なソニックブーム(衝撃波)が発生。
周囲の砂、小石、巨大な岩石までをも巻き込み 持ち上げるを荒れ狂う暴風の渦。 普通の人間ならば、その暴風に取り込まれた瞬間 身体は、バラバラにされてしまうだろう・・・

 その様子を まるで何事でもないように、表情1つ変えず、冷酷な目つきで見つめるキャラ(浩司)。
キャラン(浩司)自身 アピリムから発する巨大なエネルギーに対応する様 自らの意志とは、全く無関係に、本来持つレジェンスのエネルギーが、急速に高まりを見せている。
戦闘モードに入ると、自身の身体から発する淡い白い まるで陽炎の様な光が、強烈に輝き始めている。
今まで発していた淡い白い微か光とは違う。
見る者全てを畏敬の念を抱かせる様な・・・・ いや違う まさに宇宙誕生直後の最初のビックバンの光 そのもの強烈な輝きを秘めている そう感じさせる程の輝きを持っている そう感じさせていた。
あえて、強烈な何事にも勝る光を持ちながらも 輝くのを抑え込んでいる。
その為か? 荒れ狂う まさに暴風化したアピリムから発する巨大なエネルギー渦の中にいながらも まるで何事も起きていないように、全く動じず不動の態勢を維持している。

 アピリムから発する怪光は、同時に、刀の部分の無いサーベルの刀の部分に、身体から発するゴールドに輝く光のエネルギーが集約 歪曲の刀が形作られる。
どうやら柄の内部には、エネルギーチューブ、カートリッジなどはないようだ。 自身のエネルギーを集約させ刀を創出する1種のエネルギーサーベルであるらしい。

 にやっ・・・・と不敵な笑みを浮かべると同時に、完成したばかりのエネルギーサーベルを キャラン(浩司)に向け、水平に一振り。
同時に、歪曲した そう三日月型のエネルギーの塊が現れると同時に、キャラン(浩司)を襲う。

 その攻撃に、顔色1つ変えないキャラン(浩司)。
両手に握る高周波セイバーを 襲い掛かる三日月型のエネルギーを 下から持ち上げる様に振り払う。

 三日月型エネルギーの塊は、そのまま上空へと、大きく弾き飛ばされる。

 その様子に、ただのウォームアップと言った表情で見つめるアピリム。
こんな程度の攻撃で、あっさりと終了では、全く面白ないと言った態度を見せる。
それに、前回 痛恨の不覚を取った キャラン(浩司)を 余りにもナメて掛かった。 同じ失敗は繰り返さない。
上限値の無い無限と思えるレジェンスの融合者であるキャラン(浩司)。 だがそれは、決して無敵などの言葉を意味するものではない。
エネルギーの変動が激しく、常に、安定した戦いが出来ない。 それも極端に変動する。
ある程度持久戦に持ち込み 極端にエネルギーレベルが低下した瞬間を狙う。
それと、もう1つ メンタル面 非情に徹し切れない 軟弱な精神構造 それでもここまで良く持ちこたえたと思える程だ。
だが、もうそろそろ限界のはず ここまで長時間の戦闘 一瞬の気の休まる時間などなかった。
その2点を攻める 必ず勝機が生まれるはず・・・・・
アピリムの基本戦術であった。

 遂に戦いの火蓋が切って落とされた。
人類の未来を賭けた戦い。
地球史上 最も強力なエネルギーを持つ まさに最強の特殊能力者同士の戦い。

 突如 アピリムの姿が消えた。
いや 消えたのではない。 瞬時に亜光速に加速した。
「速い・・・・」 思わず呟くキャラン(浩司)。
デストロのBS(バトルスタイル)への変身後のスピードとは、まるで別物に感じる。
まさに本物の亜光速への加速。
「相手の動きを追っても・・・・ その先を読まなければ・・・・」 そう呟きながらも 自身も亜光速へ加速する。

 亜光速で戦う両者 周囲の世界が、まるで別次元、別世界の様に見える。
まるで、周囲が揺らいだ蜃気楼の様に感じる。
激しくぶつかる高周波セイバーと、エネルギーサーベル。 ぶつかる刃からは、強力なエネルギーが、光と、ソニックブーム(衝撃波)となり 周囲の時空を揺るがす。

 「この程度か? キャラン(浩司)」
少し嘲笑し、相手を自らの罠に、誘うよう言い放つアピリム。
「まだ余は、BS(バトルスタイル)に変身もしていぞ、それで余に、本気で勝てるとでも?」
冷酷な薄笑いを浮かべる。

 「・・・・・」 別に何ら気にも留めず 全く表情も変えず、聞き流すキャラン(浩司)。
何かを見据えている。
ターンする瞬間狙い・・・・・
キャラン(浩司)自身そうであるように、光速に近い亜光速で動いている 慣性の法則による対Gは、計り知れない程大きい 通常なら一瞬に潰れる身体から発する強力なエネルギーバリヤーにより相殺しているのだが、それでもかなり大きな負担だ 1度動きを(ゼロ)まで。瞬時に急減速 そして、方向を変えまた亜光速まで、急加速 信じられない事だが、それをやってのけている。
物理法則 因果律の無視・・・・と思える荒業を平然と・・・・
互いに、互角の超加速状態での戦闘 その為だろう相手の動きは、通常よりスローな動きに見える。
多分 光速を超えたスピードで相手を認識している。
素粒子の中で、仮説上の未発見素粒子の1つ タキオン・・・・光速を超える伝播スピードを持つ仮設上の素粒子・・・・ だが少し違う 量子化による量子テレポーテーションで・・・・相手を認識しているのか? それとも、もう1つの仮説上の未発見素粒子の1つ 光速を超える伝播スピートを持つ スーパーブラディオン・・・・ 多分2つの組み合わせだろう・・・ この忌々しいとさえ思えるレジェンスのエネルギーにより とてつもないエネルギー、能力・・・・・
それにより認識、判断、行動などが対応 このバカげた亜光速と言うスピードの動きを可能にしている。
まあ これはどうでもいい。
アピリムは、どういう原理を利用しているか? 解らないが、俺と同様 ターンをする時 1度スピードが停止する。
その一瞬を狙う。
まだ限界スピードではない。
多分 光速を超える超光速を出せるはず。
BS(バトルスタイル)への変身前に片を付けられれば・・・・
そう思いつつ アピリムの動きを眼で追うのではなく、身体全体の研ぎ澄まされた感覚で追うキャラン(浩司)。

 互いに、ヒットアンドウエー(一撃離脱)の攻撃を繰り返す。
ぶつかっては、そのまま正面を向いたまま後退 少し距離を置くと、また互いに、ぶつかるを繰り返す。
うまくタイミングが掴めないキャラン(浩司)。
先手を打たれ防戦 押されている様に感じる。
アピリムの動きに合わせ対応 余り自ら攻撃を仕掛けない。
「何か? 狙っている・・・・」 声、表情にこそ表さないが、アピリムに、ある程度読まれてしまった。
ワザと一瞬の隙を作り誘うアピリム。
その瞬間 更にスピード上げ 猛然斬りかかるキャラン(浩司)。
「なる程・・・・」 この攻撃を予想していた。
身体の周囲に展開している自ら発するエネルギーから 小さな光球を作り出し 猛然とスピードを上げ斬りかかるキャラン(浩司)目掛け撃ちこむ。

 「このスピードで、エネルギー弾を・・・・」
一瞬驚いた表情を浮かべるキャラン(浩司)。
想定外の攻撃であった。
無数の光球が、突如アピリムの周囲に発生したかと思うと、一斉に襲い掛かってきた。
キャラン(浩司)自身 亜光速で動いており避けきれない。
1発 1発の光球の威力は、大した威力ではない。
キャラン(浩司)自身のショットアタックに似ているだろう。
だが、数にモノを言わせている。
慌てて身体全体にバリヤーを張るものの その威力まで防ぎきれず、地面へと叩きつけられる。
地面に叩きつけられたキャラン(浩司)を中心に、大きく窪み 周囲の砂を空中高く巻き上げ、まるで、宇宙から衝突した隕石によるクレーターが出来る。
その中心には、背中から叩きつけられた状態のキャラン(浩司)。
意識こそ失っていないが、かなりダメージを受けた様であった。
直ぐには立ち上がれない。
「不覚を取ったぜ・・・・ まさか亜光速状態で、エネルギー弾を撃てるとは・・・・ 並大抵でないことは、前回の戦闘で解っていたが、前回より予想以上に強くなっていやがる・・・・」 自嘲気味に思う。
亜光速は、膨大なエネルギーを消費する為 キャラン(浩司)自身でさえ エネルギー弾などを撃てるか? 定かではなかった。
それを あのアピリムは、まだ手加減した状態 BS(バトルスタイル)変身前にやってのけた。 今まで戦ったグロテノス、デストロ そのハイパータイプ・・・・などと全く別次元 本来持つ戦闘のポテンシャルの違い ネクストノイド最強の まさに戦う為に開発された生体兵器。

 一瞬の隙も与えない。
この程度で、
倒せる敵ではない。 アピリムは、両手をキャラン(浩司)の前に突出し 両手首を立てる 瞬時に、巨大な直径数mはある 巨大なエネルギー球を発生させる。
エネルギー球の内部は、数値化する事自体 何ら意味を持たない・・・と思わせる程の強力なエネルギー渦が、荒れ狂っている。
瞬時に完成と同時に、地面に背中から叩きつけられ 身動き出来ないキャラン(浩司)に向け発射。

 「この一帯をブッ飛ばす気か!!」
瞬時に、エネルギー量を感覚で図るキャラン(浩司)
膨大なエネルギー量 直撃すれば、ここハルマゲドンの丘全てを瞬時に、蒸発、消失させる程の巨大なエネルギー量である事に気付く。
まだ ここにには、昔の仲間であるヤーナの残り少ない兵力が、多数のロテノスの軍勢相手に、必死に防戦している。
それに、なんと言っても ここから少し離れた場所には・・・・ みなっち そうキャラン(浩司)の唯一に最愛の恋人。
岩陰に身体を潜め キャラン(浩司)の帰りを待っている。
果たしてこれが、大義などと言えるのか? 不明だが、細々とした戦略上の目的、歴史の方向性・・・・ で始めた たった1人で空しいまでの抵抗 今の人類社会を支配する アポリスへの抵抗 レジスタンスと言えば聞こえが良いかも知れないが、見方を変えれば、テロリズム? 今の社会システムに購ない 殺傷兵器を用いて、この社会システムを守る側に、戦争と言う名の殺し合いを行っている。 どちらが、正義などと言う人類・・・・ いや全多宇宙が誕生以前から存在しない言葉などどうでもいい・・・・
各個人の主観による勝手な正義 それに対して、正反対が悪・・・・ 実に下らない対称性。
まあー こんな事はどうでもいい。
結局の所 今の社会を壊し 自ら望む新たな社会システムに、つくり変えようとしているだけなのだ。
みなっちが、アポリスの一員となり ネクストノイドのグロテリスに改造され血で血を争う戦争と言う名の殺し合いに、巻き込みたくないだけ。
本当の理由は、それだ。
敵を殺さなければ、自分自身が殺される。
自らが生き残る為に、他人の生命と血を捧げる。
みなっちの両手は、まだ血で汚れていない。
俺の様に、背負いきれない数多くの流させた生命と、血で、汚れきっていない。
みなっちには、平穏、平凡な人生を送らせたい。
ただそれだけの理由だ。

 キャラン(浩司)の本音であった。

 向かって来る 膨大なエネルギーを持つ巨大なエネルギー球。
エネルギー量が膨大な為か、スピードが、かなり遅い。
少しよろめきながら立ち上がるキャラン(浩司)。
更に自身のレジェンスのエネルギー量を高め 受け取る態勢に入る。

 「何をする気だ」
不可解な行動に、一瞬疑念の表情を浮かべるアピリム。

 受け取る態勢に入ったキャラン(浩司)の身体から発する強力なレジェンスのエネルギーが、まるで火柱となり揺らめく まるで、火柱そのもののが、生命を宿しているかの如く そう・・・・天空から降りてきた美しい天女が、優雅に華麗に、その美しさを誇るように舞い踊っているようにすら感じられる。 そして直撃直前 巨大なエネルギー球を オブラートで包み込む様に、やさしく包み込む。
爆発しない まさに、爆発を抑え包み込んでいる。
どうやら一種のバリヤーであろう。
バリヤーの使い方の応用。
そのまま直進を止め ホバーリング(空中停止)状態となる。
キャラン(浩司)の目元と、口元が、少し薄く笑う。
今まで見せたことがない、多分初めてであろう 突如 大声・・・・まさに戦闘前の肉食の野生動物の様に、力を誇示する雄叫びを上げ、そのまま自身から発するレジェンスのエネルギーのバリヤー効果で包み込んだエネルギー球を押し返す。 アピリムに向け。
押し返されたエネルギー球は、アピリムから発した時と違い、今度は、かなりのスピードであった。
慌てて避けるアピリム。
ぎりぎりアピリムを身体をかすめ 更に急加速しながら大気圏を突破 更に加速を増すエネルギー球。
そのまま宇宙空間へと飛び出し 宇宙空間で、巨大な大爆発を起こす。
その模様は、ここハルマゲドンの丘で戦う者全てが肉眼で確認出来る程の強大な大爆発であった。
余りにも強大な爆発であった為 ここハルマゲドンの丘すら その強大なソニックブーム(衝撃波)で、地面をも揺るがすのでは思わせる程であった。
眩いばかりの巨大な怪光は、一瞬ではあったが、夕暮れには、まだ少しは、時間 まだ日差しの明るいこの場所を 昼間以上に明るく照らした。

 「・・・・」 大きくため息を付く さすがに、ちょっと小手試しにしては、やり過ぎ・・・・ と思わせるエネルギー量。
反面 後先考えず本気で、意味もあるだろう・・・・
不敵な笑みを浮かべるアピリムを睨む。
秘めたるポテンシャル・・・・ この程度ではないと言わんばかり。

 「よくぞ 弾き返したな」 余裕の態度で言い放つアピリム。
「これからが、本番だ」 腰のベルトのフックに戻していたサーベルを抜き構える。
今までのは、ただのウォームアップ・・・・ 表情が語っている。
全身に、まさにエネルギーが、まるで太陽から放射される太陽フレア(ソーラー フレア=Solar flare)の如く、身体表面から発せられている強力なエネルギーの爆発現象の様にほとばしる。
同時に、身体が大きく変化・・・・? いやほとんど何も変化しない。
間違いなく、アピリムの最強の戦闘形態 BS(バトルスタイル)の変身のはずであるのだが・・・・
太陽フレアの様に、身体表面から発せられている強力なエネルギーの爆発現象は、まるで、太陽の磁場構造に沿ってアピリムの背中に、何かを形作り始める。
それはそう まさに、2枚の翼 それも強力なエネルギーは、翼を形作りながらゴールドに光輝き始める。
まさに、天界などと称する場所から地上に舞い降りたゴールドの翼を生やした神々と呼称する物 そのものの神々しいばかりの美しさ。
身体そのものは、他のネクストノイドのBS(バトルスタイル)の様な 他の生命体の特徴を持つ形態への変化は、ほとんど見受けられない。
余りの完璧な美しさのまま ただ背中に、2枚の翼を生やしただけの状態。
だが、身体からほとばしる秘めたポテンシャルエネルギー量は、まるでケタ違い。
例え8大将軍デストロのBS(バトルスタイル)への変身後の総エネルギー量 全てを合わせても アピリムの現在のエネルギー量には、到底及ばない。
まさに、ケタ違い。
2枚のゴールドの翼からは、プラズマよりも遥に高エネルギーである 高エネルギー荷電粒子が、ほとばしっている。

 別に何ら感銘もなく ただありのまま冷静な表情で、顔色1つ変えず、この様子を見つめるキャラン(浩司)。

 「これぞ我が最強のBS(バトルスタイル)」 自信にみなぎった表情で、右手をキャラン(浩司)に突き刺すアピリム。

 「これからが、本番だ」
「貴様を殺し 貴様に殺された多くのネクストノイドの敵(かたき)を取らせてもらう」
「そして、貴様の融合するレジェンス この余が貰い受ける・・・・」
不敵で、自信にみなぎる表情 態度で言い放つアピリム。

 表情1つ変えず、 まさに、ポーカーフェイスのキャラン(浩司)

 互いが発する巨大なエネルギーは、球体上に膨張 互いの中間点で激突。
荒れ狂うエネルギーが、まさに無数の稲妻となり周囲にほとばしる。
1部は、地面に、まさに突き刺さり 瞬時に、お椀型の小さなクレーターを瞬時に、次々と作り出し。
誤って、かなり離れた場所であったが、周囲を取り囲む多数のグロテノス兵の1部に直撃 こちらも余りの強力なエネルギーに、耐え切れず。こちらも瞬時に、跡形もなく消滅。
球体の周囲は、時空そのものが、まるで時空嵐を起こしているかの如く、猛烈な暴風の様に周囲の全てを巻き上げ荒れ狂う。
余りの強力なエネルギーを持つ球体 だれもが近付かず、ただ見つめる以外出来ない。
下手に近づけば、ブラックホールの周囲に展開するエルゴ球(領域)に取り込まれた物質の様に、荒れ狂うエネルギーによりプラズマ化 消滅するかのように思えた。 それ程強力なエネルギーでもあった。

 全くの互角 このままこの状態が、永遠に続くかの様に思えた。
キャラン(浩司)、アピリム共 その辺は、解っているらしい。
互いに暗黙の了解 何か事前打ち合わせていたのか? アイコントクト? 互いに、口元が、少し不敵な薄笑みを浮かべる。
「このまま続けていても・・・・・」 小さく独り言を呟くアピリム。

 互いに、テレパシー能力を保持しているものの テレパシー波? 波動の性質による違いなのか? テレパシーによる意志相通が出来ないはずなのに、キャラン(浩司)は、その事が理解しているように対応する。
「ふん・・・・」 小さく、こちらも独り言を呟く様に、更に少し不敵な薄笑みを浮かべる。
どうやらアビリムの意志が伝わっている。

 それがサインであったのか? 同時に、互いに発する強力なエネルギーの放射を止める。 同時に、手に持つ キャラン(高周波セイバー、アピリムは。エネルギーサーベルを持ち 互いに向かって、猛烈にダッシュする。
今度は、亜光速ではない。
だが、確実に、マッハ(音速)を超えるスピード。
余りのスピードに、そのスピード、動きを見切れる者は、余りいないだろう。
互いに、衝突しては、少し離れ また衝突を繰り返す。 ヒット アンド ウエー 衝突時には、エネルギーのぶつかり合いよる 時空振? と呼べる 強力なソニックブーム(衝撃波)を発生 周囲の時空そのものを震わせている様にさえ見える。
互いに、ぶつかりあった瞬間 互いに、何とも言えない妙な笑みを浮かべる。
声、言葉による会話ではない。 ましてテレパシーでもない。
だが、それは、紛れもない会話の1種。
拳を交えた者同士しか、決して解らない会話。
同じ世界、領域にいる者しか解らない 独特の世界と言うべきかもしれない。
「なかなか やるなあーキャラン(浩司)・・・・・」
「そちらこそ アピリム・・・・」
確かに、その様な会話をしているに感じる。

 少し距離を置くアピリム 同時に、周囲に無数の小さな光点を発生させ キャラン(浩司)に撃ち込む。
「同じ攻撃は、通用しないぜ・・・・」 小さく呟くキャラン(浩司) 空いている左手首を立て 小さな光球を発生させる。 同時に、発生させた小さな光球から こちらも無数の光点を発射 ショットアタック レジェンスのエネルギーによる技の1つ。
アピリムの発射させた光点に対して、カウンター攻撃 全て命中させ対消滅させる。

 そのカウンター攻撃を お見通しと言わんばかり、対消滅により発生した煙幕を突き破り 猛然とスピードを上げキャラン(浩司)に突撃 斬りかかるアピリム。
寸前で見切り まるで蜃気楼でも斬りかかった様に、キャラン(浩司)の幻影を 切り裂くアピリム。
「実体は・・・・」 別段驚いた様子もなく 周囲の微かな気配を読み取ろうとするアピリム。

 その瞬間 僅かな殺気を感じる 斜め上・・・・

 傾きかけた太陽を背に、猛然と。斬りかかるキャラン(浩司)。
上段から振り下ろす高周波セイバーの刃を エネルギーサーベルの刃を受けるアピリム。
こんな子供だまし的 使い古された眼くらまし戦法。 相手を眼で見ているのではない、全ての感覚を使って見ている。
眼が見えなくても そうキャラン(浩司)の様な日本人が、良く使う相手を眼以外で認識、それも細かな動きまで、詳細に読み取る 東洋の神秘と言える心眼で見ている。
そのまま力任せに、キャラン(浩司)を 大きく後方へ押し飛ばす。
一進一退の攻防。
どちらも隙がなく、決め手に欠けた状態が続く。

 互いに、相手の出方を見ているようであった。
決定的ダメージを与えられない。 手探り状態の戦いに見える。
複数の必殺の大技を持ちながら 発動のチャンスを窺っているものの 発動時のタイムロスを気にしているのだろう。
大技は、エネルギーチャージにどうしてもある程度時間を要する。
一瞬の隙が命取りになる。
それと同時に、互いに何か? 別の気配 それもとてつもなく大きく強い 決して、具体的ではない 何か? 漠然とした・・・・ 不安感・・・・ そんな感じがするものであった。
キャラン(浩司)もアピリムも かなりの遠い距離まで、とてつもなく大きく強い気配ならば具体的に感じる能力を持っている。
だが、具体的に感じる事が出来ないでいた。
余りにも漠然とし過ぎていた。

 「何を ボケッとしている!!」
一瞬 とてつもなく大きく強い気配に気を取られたキャラン(浩司)。
その僅かな一瞬の隙を見逃さないアピリム 襲い掛かる。
だが素早く反応するキャラン(浩司) 互いが持つ高周波セイバーと、エネルギーサーベルの刃が激突。
「貴様の この何だか解らないが、不快な気配 感じているのか?」
力づくで押し込もうとするアピリムが、すさまじい まるで鬼神の如く表情を浮かべながら語りかける。
不快と言うより 何か? 漠然としているが、互いに引き合っている・・・・ 似ているが何か? 異なっている・・・・ キャラン(浩司)には、そう感じている。
そして、何よりも あの決して、入ってはならないAbsolute Area(絶対領域)にある感覚でもあった。
「あーあ・・・・」 すぶらに答えるキャラン(浩司)。
その瞬間 腹部に、アピリムの強烈なキックをまともに喰らい またも後方に、今度は、大きく蹴り飛ばされる。
まともに喰らい、顔が、苦痛で歪む。
更に、追い打ちをかける様 今度は、背中に生える2枚の翼を大きく広げる ゴールドに光輝く翼の各々から小さな光点が発生と同時に、ビームを発射 無数の細長いビームが、大きく後方へ弾き飛ばされ無防備のキャラン(浩司)目掛け直進。
直撃 バリヤーを張るのも間に合わない そのままキャラン(浩司)の身体を貫く・・・・?
いや・・・・ そうならない。
キャラン(浩司)自身の身体から発する淡いレジェンスの光により まさに重力レンズエフェクト(効果)でも起きたのか?
バリヤーによって、阻まれたのとは違う。
時空間 つまり未完成のM理論を用いれば、2次元面に対して、直進する性質を持つ光=ビームが、屈折する。
巨大な重力源などがあれば、時空は、まるで、ゴムの様に引き伸ばされる。 それにより屈折する。
この応用が、人工衛星などの宇宙探査機のスピードを上げたりブレーキを掛ける為に、惑星などの重力を利用したスイングバイであるが。

 「ほう・・・重力レンズエフェクト(効果)・・・・ バリヤー以外にも その様な技も持ち合わせているとは・・・・・」
感心した口調とで言うアピリム。 だが顔は、楽しげな笑みを浮かべている。
「少しは、楽しめそうだな・・・・ 余をこのまま失望させないでほしい」 そう言いながら 今度は、広げた翼から 羽根が何枚も抜け落ちる 抜けた部分は、直ぐに再生される。 抜けた羽根は、そのまま地上に、落下するのではなく 途中で空中で浮かんだ状態で、アピリムの周囲に展開 1枚1枚の羽根は、先端が尖ったまるで鋭利なナイフの様である。
「行け」 アピリムの命令と共に、一斉にようやく態勢を立て直しつつあったキャラン(浩司)目掛け突進。

 慌てて、高速で回避行動に出るキャラン(浩司)。
直進しかしないビーム、エネルギー弾などとは違う ランダムに動きながらキャラン(浩司)の動きに合わせ、どこまでも追尾する。
どうやら質量を持つ物質。
数は、約30を超えたぐらいか?
上手く避けながら数枚を高周波セイバーで切り裂く。
手ごたえを感じる。
「やはり・・・・」 ある事に気付く。
「あの羽根は、エネルギーで出来ているが…・」
「エネルギーから物質が生まれる その応用・・・・」
ある点に気付く。
「宇宙物理学の基本のお勉強・・・・」 自身に呆れる。
武器、自身から撃ちだすエネルギービーム、エネルギー弾など全て物理法則によって、支配されている。 因果律は、破れない・・・・
逃げるのを止めるキャラン(浩司) そのまま空中で、ホバーリング(空中停止)状態に入るのと同時に、周囲に球体のバリヤーを展開 そのバリヤーに向かい、鋭利なナイフのような複数の羽根が激突。
電磁場を利用したバリヤー やはり突き破る事は出来ない。
そのまま突き刺さった状態になる。

 その瞬間アピリムの顔が綻ぶ どうやらこの状態になるのを狙っていた。
数々の戦闘で、キャラン(浩司)の戦闘状態における癖、パターンを どうやら理解、読んでいる。
敵(もしくは彼)を知り己を知れば百戦して殆うからず・・・・ 古代中国春秋時代の軍事思想家 孫文もしくは、孫子とも言われる著者である兵法書の有名な格言の実戦でもあった。
ここまで、数々のキャラン(浩司)の戦闘データから導き出した答えの1つでもある。

 周囲に展開したバリヤーを解除しようとするキャラン(浩司)。
だが、顔に疑問形が浮かんだ表情を一瞬だが見せる。
そうそのはずであった。
今まで、確かに、格下と言えるデストロの それもBS(バトルスタイル)変身後の強力なエネギー弾などの大技 全てを このバリヤーは、防いでくれた。
決して、ハート゜ウエアーに対する絶対的な信仰心など皆無。
絶対無敵など死語 それくらい理解している。
確かに、、バリヤーは、防いだ。
だが、突き破られこそ防げたが、後少しで突き破られる所であった。
本来持つアピリムの戦闘ポテンシャル やはり並ではない事を思い知らされる。
強大な敵・・・・・

 「どうしたキャラン(浩司) 自慢のバリヤー 限界か?」
不敵な笑みを浮かべ挑発するアピリム。
キャラン(浩司)のバリヤーの特性を理解しての攻撃であった。
キャラン(浩司)のバリヤーは、電磁場を利用している。
古典的とも言える まさに光(フォトン(光子)=電磁気力)の壁。
特性が解れば、それに対応出来る。

 バリヤーを解除 突き刺さった複数の羽根が、地上に落下・・・・・

 一瞬 僅かな気配の違いを感じるキャラン(浩司)。
エネルギーを消失 そのまま地上に落下すると思われた複数の羽根が、再度エネルギーを充填したかの様に、少し光ると同時に、またも下方からキャラン(浩司)に向け襲いかかる。
至近距離 再度バリヤー展開は間に合わない。
いくつかの羽根は、高周波セイバーで、叩き斬るも 数枚の羽根は、キャラン(浩司)の腕、足を掠める。
覆っていた衣類は、その部分だけ裂け かすっただけであったが1本の血の筋が出来る。
この程度の掠り傷 直ぐに傷跡は、何も無かった様に消える。

 残り4枚の羽根が反転 またも予想の難しいランダムな動きで襲いかかる。
だが、慌てた素振さえ見せない。
こちらも同様であった。
「眼で追うな・・・・」 自ら言い聞かせる。
同時に、両目を閉じ、全ての感覚を研ぎ澄ます。
心眼 心の眼。
数値化し比較する事は出来ないが、この能力は、アピリムを大きく上回っていた。
感覚と言う眼で、ランダムに動く4枚の羽根の動きを この先どう動くか? ある意味での予知能力の様に読み取る。
動きを止め 高周波セイバーを左手1本に持ち アピリムのコントロール化 自在操りランダムな動きをで追う4枚の羽根目掛け  左脇のショルダーホルスターから愛用の44HPマグナムを右手で抜き 素早くシングルアクションで、4連射。
またも ちょっと長めの銃声にしか聞こえない。
だが、別々の方向に向け4発撃っている。
アピリムのサイコキネシス(念動力)とテレパシー(思念波)の組み合わせにより自在にコントロールされていた残り4枚の羽根に、まさに軌道を読んでいたの如く正確に命中。
木端微塵に破壊する。
いつもの癖であったが、何事でもなかったクールな、いつもの事と言う表情を浮かべ、右手人差し指で、銃を1回転させ 素早く左脇のショルダーホールスターに戻す。

 「相変わらず、楽しい芸を見せてくれる・・・・」
楽しそうな笑みを浮かべ言うアピリム。
この程度の攻撃を破られても 単なる小手調べ・・・ と言わんばかり。
まだまだ本番は、これから そう言う表情であった。
「これならどうだ!!」  雄叫び上げ 愛用のエネルギーサー゛ベルを片手に、再度近接白兵戦に挑むアピリム。

 余りの激しい攻防に、周囲で、戦闘をおこなっていた全兵士達 マーク議長、永井司令官が率いる 残り僅かとなったもはや兵力と言える規模ではない ただの残党となっていたヤーナ軍。
それの周囲をねずみ1匹逃さない強固の陣形で取り囲み じわじわと消耗を強いり殲滅していた圧倒的多数のグロテノスの各部隊。
互いに、暗黙の了解でも結んだの様に戦闘を 中断させた。
多数のグロテノスの精神的支配していた マインドコントロール(精神支配)が、もはやアピリムと、ギルを残すのみとなり 解けたのも原因の1つであったが、BP-1を装着 たった1人で、残りの残党となった軍の残存兵力を守る永井 たった1人の敵であったが、捕虜を取り武装解除を求めれば、その瞬間チェックメイト だが、うきく捕虜を確保しても 捕虜となったヤーナ兵は、強力な手榴弾で、周囲の取り囲んだグロテノス兵を道連れに自爆していた。
「これでようやく愛する家族の元・・・・」
「待っててくれ高い・・・・・」 今は亡き ネクストノイドに殺された永遠の愛を誓った彼女、フィアンセの名前を言う者も。
そんな者達を心痛な思いで見送る事しか出来ない、マーク、永井。
だが、マインドコントロール(精神支配)の呪縛から解き放たれたグロテノス兵。
敵は、たった1人 BP-1を装着する永井を倒せばいい ただそれだけなのだが、個としての戦闘能力が、余りにも違い過ぎた。
まとも戦って勝てる相手ではない。
グロテノスのほとんどが、ネクストノイドへの改造前 会社、組織などと言う温室で守られ、各種特権に恵まれたサラリーマン、公務員などであった。
他人を口先だけで動かし、その上げた成果を自らの物にするだけしか知らない。 失敗すれば、命じた相手のミスばかり攻め保身しか知らない者ばかりであった。
互いに、「お前が行け・・・・」 そう周囲に口先だけを発するだけで自ら動かない。
死ぬのが解っている。
周囲の者を口先だけで動かし勝利し その手柄を自らに独占したいだけであった。
中に、知ったかぶりで周囲に、指示と言う名の作戦らしき物を言う者もいたが、「お前がやってみろ・・・・」 と言われるだけの始末であった。
自ら先頭を切ってやろう・・・とする者は皆無。
ここにいるだれもが、1番安全な後方でも口先だけで、手柄を立ておうとする野心しか持ち合わせていなかった。
マインドコントロール(精神支配)が、解けた事により 本来持つ資質が、この場及んで現れていた。
だれもが、一定以上の距離を開け 前へ出ようとしない。
ただ周囲を完全に取り囲んでいるこそ 何もしないで、睨む・・・・ いや見ているだけ。
そして、少し離れた場所で、見たこともない激しい戦闘を 1対1で繰り広げている キャラン(浩司)と、アピリムの戦いに、眼を奪われ始めていた。

 同じ頃 別の場所で、同じく死闘を繰り広げる G,G.P(クレート・ゴッド。プロテクター)を装着するピエールと、最終BS(バトルスタイル)に変身したギルこそハイブリット・ユニキュラー。
互いに、決して戦闘不能な状態までは行っていないが、瞬時に、修復不能な傷を何ヶ所もあった。 まさに激戦、死闘を繰り広げているのがだれの眼にも明らかであった。
G,G.P(クレート・ゴッド。プロテクター)もハイブリット・ユニキュラーも 空間を伝わり身体全体に伝わる 2つの強力な力、エネルギーに引き寄せられるように、戦闘を あ。うんの呼吸で停止する。
そして見つめる先は、そう 今での自分達の戦闘が、まるで子供のケンカ程度でしか思えない程の まさにケタ、レベル違いの戦闘を繰り広げる キャラン(浩司)と、アピリム。
互いに、シンプルなヒット アンド アウェー(一撃離脱)戦法をを繰り返している様に見える。
だが、それはド素人の眼 互いに、威力こそ大した威力ではないが、小さなエネルギー弾、ピームを巧み混ぜ、バリエーションに富んだ攻撃を浴びせていた。
スピードこそ 先程までの亜光速加速までは、届いていない。
ややアピリムの方が、押し気味に見える。
だが、この程度の差 意味などない。

 その頃 戦闘が行われているハルマゲドンの丘の外れの荒涼した岩と砂だけに覆われた地帯で、岩陰に、そっと身体を隠し 天国などと呼称する世界があり そこにいると言う 自ら信仰と言っても 決して、熱心、熱狂的でも 更にそれ以上の狂信的でもないが、素朴な信仰し その信仰心の対象となる神々と呼称する物に、ひたすら浩司の無事な帰還を祈り続けるみなっち。
その時 みなっちにある列して、言葉にする事が難しい 身体に危険が迫る様な 猛烈な違和感? みたいな物を感じ始めていた。
そっと眼を開け周囲を見渡す。
何も周囲には無い。
あるりのは、ここに来てから そこにある無数の奇岩と、地面を覆う細かな砂。
「気のせい・・・・」 ぽつんと呟く。
遠くからは、聞こえてくる激しい戦闘音や爆撃音 これが聞こえてくる限り 間違いなく浩司が、まだ無事生きている証拠。
この音が聞こえなくなった時 その時は・・・・・
だが、何とも言えないこの不快感 いったい何のなのか?
みなっち自身 全く気付いていないが。実は、浩司が融合している 驚異の無のポテンシャル・エネルギー体であるレジェンスのエネルギーの影響を最も強く受けていた。
常に、浩司の傍らに寄り添っていた。
自らの望んだ結果ではなかったが、僅かだが、感覚が鋭くなっていた。
これは、キャラン(浩司)も感じている 強い、それも決して、数値化出来ない、自ら融合するレジェンスのエネルギーと非常に良く似ているが、どこか? 違う 曖昧で漠然とした感覚であった。
それが、ゆっくりと、確実に近づいている。
何か>? 良からぬ事を運んで来る。
何故か。そう感じていた。
それが、みなっち自身 今後の運命を決める事になるとは、気付く事は、みなっちを含め だれもが気付く事は、決して出来ないであろう。
それが、この不快な感覚であった。
みなっちに対する、警告。
もし気付いたならば、手持ちのQCTTを利用 別宇宙にあるアルファー ベースに、瞬時に、テレポーテーションしたであろう。
だか、ここで、浩司の帰還をひたすら待つみなっち 最後まで待つ事に決めていた。
それに、具体的に認識出来る危険は、眼に見えない。
ただ漠然とした感覚 この場所から離れる事など出来ない。
「単なる気のせい・・・・」 気持ちが余にも高ぶり 良くない事ばかり考えていた為 だと自ら言い聞かせ そんな感覚を腐食しようと、顔を大きく左右に振る。
「こーちゃんの帰りを 最後まで、ここで待つ そう決めた・・・・・」 自ら言い聞かす。 今にも。押し潰されそうな不安な気持ちを必死で、打ち消すように。

 一方 キャラン(浩司)とのアピリムの戦闘 いよいよ佳境に近づきつつあった。
壮絶を極める戦闘。
アピリムの放った巨大なエネルギー球 小さく分裂 丁度キャラン(浩司)の周囲を円形に取り囲む様に、それも見渡す限りの何重の列となり展開。
展開と同時に、小さなエネルギー球は、光の槍状に変形 そり鋭い先をキャラン(浩司)に向ける。

 少し口元が歪むキャラン(浩司)。
「この場及んで・・・・」 内心呟く。
そう いつもの事であったが、レジェンスのエネルギーが、またも大きく揺らぎ始め。 一定レベルで維持出来なくなり始めていた。
高いレベルでの変動なら まだいい だが、かなり極端に低下している。
今のレベルでは、一気にこの何重の列となり円形に取り囲んだ光の槍を 亜光速まで加速 抜け出す事も テレポーテションで、脱出も不可能。
これだけの数の槍 手持ちの高周波セイバーで、全て叩き斬る事も出来ない。
余りの数の多さ。
それに、1つ1つの光の槍から感じるエネルギーは、とてつもなく大きい。 先程喰らったあのキャラン(浩司)自身のバリヤーを後1歩の所で、貫通出来なかった羽根の数倍はある。
バリヤーを張った所で、簡単に破られる・・・・・
少し焦りの色が表情に浮かぶ。

 「行けー!」 アピリムの号令と共に、無数に取り囲んだ槍 キャラン(浩司)目掛け一斉に襲い掛かる。
まさしくガントレット。

 「どこまで、持ちこたえられる」 見下し嘲笑するアピリム。
技の名前は、ヘルガントレット。

 襲い掛かる光の槍を 手に持つ高周波セイバーで薙ぎ払う とても間に合わない。
バリヤーを周囲に展開。
だが・・・・
予想通り 簡単に突き破られる。 まるで、ガラスが粉々に割れるように、電磁場で出来たバリヤーが、粉々に砕け散る。
突き破った後に続く数本の光の槍は、キャラン(浩司)の手足を掠める。
必死に手持ちの高周波セイバーで、薙ぎ払おうとするキャラン(浩司)。
「しまったー!!」 思わず小さな焦り声が漏れた。
1本の光の槍が、左腕に突き刺さる。
苦痛に、表情が歪む。
右手1本 更に数を増す光の槍 とても対応出来ない。
まず1本の光の槍が、キャラン(浩司)の左脇腹に突き刺さる。
間を置かず、複数の光の槍が、キャラン(浩司)の腹部に次々と突き刺さる。
まさに串刺し状態。
激しい苦痛を通り越し もはや感覚さえ失いつつあった。
眼は霞み はっきりと見えない。 意識すら遠のき始める。
「まだ こんな所できける事は・・・・・」 絞り出すように だが、言葉に力はない。
もしこのシーンを みなっちが目撃したならば、悲鳴、絶叫を上げ狂ってしまったであろう。 余りの惨い状態。
力を失くした様に、ゆっくりと、地上に向かって落下を始める。
だが、まだ死んでいない。
「こんな所で、くたばってたまるかー」 自ら鼓舞する言葉、弱々しく発する。

 その声に反応するアピリム。
「これで止めだー!!」
大声を上げ 両腕を まるで西の空に沈み始めた太陽を掴むかの様に高く上げる。
両手の上には、まさに燃え盛る太陽が現れた。
直径数十mもの 燃え盛る太陽の様なエネルギー球が現れる。
「喰らえー ファイナル・サン・アタック」
珍しく大声を上げ 技の名前を叫ぶアピリム。
そのまま 自ら持つエネルギーで、作り上げた人工的太陽を キャラン(浩司)に向け振り下ろす様に。投げつける。

 ゆらゆらと力なく ゆっくりと、落下しているキャラン(浩司)。
突如 小さな・・・と言っても数十mはある 人工的に造り出された太陽が、目前に迫ってくる。
もうはやどうする事も出来ない。
瞬時に、激突 そのまま内部に取り込まれる。
内部は、太陽と同じ構造?
キャラン(浩司)の身体は、余りの高温に焼きただれ 原子の状態に還元・・・・
そのまま人工的に生み出された太陽は、自らの質量に他切れないかの様に、巨大な直視する事など出来ない眩いばかりの怪光 周囲の全てを吹き飛ばす勢いで大爆発。
その瞬間 何か? 人影らしき? 物体が、その中心から ものすごい勢いで、地上の砂丘に向け 宇宙空間から落下する隕石の様に、激突。
巨大な まさに核爆弾が、地上近くで爆発 巨大なキノコ雲を上げるように、砂まじりの巨大なキノコ雲を上げる。
それは、アピリムが創り出した人工的 まさに疑似太陽の中心核が、地上に、ものすごい勢いで落下したのではない。
余りの強烈な爆発 だれもそれには気付く者いなかった。
近くで、この戦闘を見上げていた多数のグロテノス兵は、その爆風に巻き込まれ瞬時に、身体が蒸発した。
少し離れた場所で、この戦闘を見ていたヤーナ軍の残党も 余りのまさに、小型核爆弾並の威力を持つ爆風に、バリヤー機能を持ち合わせていなかったが、永井が装着するBP-1が、身体を呈して防いだ。
バリヤー機能を持つ G,G,P(グレート・ゴッド・プロテクター)と、ハイブリット・ユニキュラーも それぞれ自身の持つバリヤーを展開 ただこの爆心との距離が近かった為 その爆風の威力まで、防ぐ事が容易ではなかった。
思わず、吹き飛ばされそうになる程であった。
まさに、超小型の太陽が、その最期を迎え起こした超新星爆発(スーパーノヴァ)でも起こしたように、だれもが感じた。

 落下した中心点には、巨大なクレーターが、瞬時に形成されていた。
ここにいただれもが、2度目の大爆発が起こった そう思えた。

 舞い上がった砂煙 全く視界が利かない。
その中心部には、何か、人らしき物体が、丁度仰向けの状態で、地面にのめり込む状態で、倒れている様に見える。
普通なら即死 それも死体すら余りの激しい衝突に、粉々に砕け残っていないはずである。
だが、そこにある物体は、確かに、人としての形を保っていた。
だが、全く動かない。
少し砂煙が、収まり始めた。
微かに動いた。
キャラン(浩司)であった。
アピリムの放った大技の1つファイナル・サン。アタックを まともに喰らい まさに疑似太陽に飲み込まれ 原子レベルに変換したかの様に思われた。
まともにバリヤーすら張れる状態ではなかった。
だが、融合しているレジェンスの融合者に対する自衛機能が働いたのか?
自らの身体から放出しているエネルギーが、この極限状態の中で、バリヤーの役割を果たしのか? 何とか耐え抜いた。
だが、爆発時のソニックプーム(衝撃波)までは防げず、その与えられた勢いのまま地面 クレーターが出来上がる程の勢いで、叩きつけられた。
その時まで、バリヤーが、身体を最後まで包み込み 守ってくれていた。
だが、その時の衝撃力は、かなりのダメージがあり。
先程まで、腹部に突き刺さっていた何本もの光の槍 レジェンスの持つエネルギーにより驚異の自己治癒力によりほとんど傷跡は、消えたていたが、バリヤーにより守られていたが、度面に、猛烈な勢いで、叩きつけられ更に、あたらなダメージが加わり もはや身体は、自己治癒力を上回るダメージを受け ボロボロの状態であった。
「う・う・う・・・・」 小さなうめき声が漏れる。
ボロボロの状態であったが、意識は。失っていない 何とか、保っていた。 余りの全身を襲う激痛 逆に意識を保たせていた。
「やはり 強いなあー」 少し呆れ気味の小さな声が漏れる。
今まで、倒してきた全デストロのBS(バトルスタイル)への変身後 ゜が、束になっても アピリムの強さには、遠く及ばない。 そう感じていた。
「さすがあー ネクストノイド最強の生体兵器」
アピリムの強さを 正直認めざる得ない。
「今のままでは、余り勝ち目はなさそうだ」
少しずつであったが、前進を駆け巡るレジェンスのエネルギーにより 急速に、自己治癒力が高まり 全身を襲う激痛が、和らぎ始める。
gキャラン(浩司)自身 各臓器は、ボロボロ、各骨も砕けているのが解っている それが急速に、修復されている事も。
「不死身の身体か・・・・」 少し自身に対して、呆れた、ちょっと皮肉まじりの口調でもあった。
「レジェンス・・・・って、いったい何なのか? この俺に何を求めているのか?」
レジェンスとの融合以来 思い続けてきた根本的問題。
少しばかり、色々な事を同時に考えていた。 急速に身体が何とか動かせる状態まで回復してきた。
その時だった。
舞い上がった砂煙に隙間出来始めてきている。
その僅かな隙間から 強烈なゴールドの光が、まさに突き刺さると言う表現がふさわしいだろう。
強烈なゴールドの光が、キャラン(浩司)を捉える。
「もう 感ず枯れたか?」 思わず舌打ちするキャラン(浩司)。
「のんびりと、タバコ1本・・・・ なーんて暇 ないよなあー」
自らの余りの場違いの考えに呆れて思った。
仕方なさそうな表情を浮かべる。
「やっこさん そんなに甘くないしねー・・・・」
独り言を呟く。

 同時に、アピリムが、上空から急速接近 「このくたばりぞこねが・・・・」 叫び声を上げ突撃してくる。
身体周囲に、小さなエネルギー球を多数発生 発生と同時に、キャラン(浩司)目掛け撃ち込む。

 まさに流星群 無数の隆盛が、降り注ぐように、キャラン(浩司)に直撃する。
まだ完全に、回復していない。
身体表面に薄らとバリヤーを展開 何とか防ぐも その威力まで、完全に防ぎきれない。
回復途中にあった身体 特に、内部の傷が、まった悪化する。
「簡単には、くたばりそうにないなあー」
呆れて、自分自身の事を思う。
決して、死なないと言える身体 レジェンスとの融合らよるもの・・・・
「簡単に、くたばけば楽になるのに・・・・」
身体の各所から伝わる激痛 簡単に死ねない身体 レジェンスとの融合が解除されにい限り レジェンスとの融合解除 それはね死より更に上の 全ての消滅?
「このまま死んだ方が・・・・」
余りの激痛に、つい弱音が漏れてしまった。
今までの余りの無茶、無謀のツケが回ったのか?
元々そんなに強い精神構造の持ち主ではない。
そんな時だった。
どこからともなく、決して、外部からではない。
そう心の内部に、ある音楽が、こんな状況下の中、響き始めた。
周囲には、猛烈な、まさに、流星群が、ゲリラ豪雨の様に降り注ぐ中 激しい、爆撃音で、聴覚機能が、マヒしてもおかしくない状況であった。
反撃の糸口さえ考えつかない状況下。
それは、キャラン(浩司)の大好きな 今は亡き ある天才ロック、シンガー、ソング、ライターの歌? いや歌を超越した 心。魂の叫びと言った方が、適切であった。
決して、傍にはだれもいない。
だが、近くに感じる。 直ぐ傍に。
霞がかかり はっきりと見えない。
ある男のシルエット。
心からの絞り出す まさに魂の叫びが、キャラン(浩司)の心に、深く響く。
大人、社会、学校・・・・等の 築き上げられた社生きていく為と言う会システムの矛盾 そこからの離脱 その先に何があるのか解らない? ただその先を求めて・・・・
そして、その社会システムに怯える小さく儚い物を信じて・・・・
そんな歌詞。
「こんな俺の為に、涙を流し 歌ってくれるのかー・・・・・」
聞こえてくるのは、彼のデビュー曲。 最もキャラン(浩司)の好きな曲。 15歳の時のある事件 実際は、14歳の時であるそうだが、語呂が悪いので15歳となっているそうであるが・・・
思わず小さく呟くキャラン(浩司)。
心が押し潰されそうになった時 絶望的とも言える危機的状況か ここまでの各種色々な思いが、1人の男に擬人化されたのだろう。
そんな事は、キャラン(浩司)自身、解りきっているね。
だが、しつも絶体絶命の危機的状況化 その1人の男が、キャラン(浩司)の心の中に現れ こうして歌い 心を救ってくれていた。
数少ない 心の Mein Freund(マイン・フロイント=我が友)。
「いつも こうして・・・・・」
そう いつも絶望的字容共の中で、こうして心を支えてくれていた。
そして、霞のかかったシルエットだけしか男の傍には、両膝を地面に着け、両手を合わせ ひたすら浩司の無事を祈るみなっちの姿 心配さうに見つめる 今は亡き親友の川村と、百合の姿も そこにあった。
「こんな所で、まだくたば理由(わけ)には、ゆかないよなあー」
顔をしかめ小さく呟くキャラン(浩司)。
「自分で決めた事・・・・」 自身呆れながら思う。
運命のイタズラ? 翻弄され 主役でもないのに、まるで強引に押し出され舞台の中央に断たされた・・・・ まあー勝手な思い込みでありもあるのだが・・・・
色々な思いが過りながらも ゆっくりと、両手を押し出すよう 前へ付きだす。
身体の表面に張られている薄いバリヤーが、それに合わせ 前へ突き出した両手の前に、厚みを増しながら光と、エネルギーの壁を 大きく構築する。
完全に、アピリムの放つ 無数の光球のエネルギー弾を遮断。
ゆっくりと、立ち上がるキャラン(浩司)。
両目は、ホバーリング(空中停止)状態で、攻撃の手を休めないアピリムを 鋭く、冷酷な眼差しで捉える。
まだ1度も試していなある事を 試みる決意を瞬時に下す。
出来る事は、理解している。 だが余りうまく行くか自信がなかった為 今まで1度使用していなかった。
精神を 張っているバリヤーの前の1点に集中させる。
同時に、そこに小さな光点が1つ現れる。
超ミニブラックホールの様に思えるが、違う。 ブラックホールならば、時空間を無限に引き伸ばし 光さえその中心部 特異点へと吸い込んでしまう為 自ら発光しない。
しかしこの光点は、確かに小さいが、自らそのエネルギーにより発光している。
キャラン(浩司)が、精神を集中させ作り出した小さな光点は、周囲のアピリムの放つ光球弾を 次々と、まさにブラックホールが、その周囲 エルゴ領域(球)内に入った全ての物質を瞬時に取り込むよう 次々と吸収 吸収と同時に、膨張を始め 巨大なエネルギー球へと成長を始める。
久しぶりに、使用するレジェンスの大技の1つ バックファイヤー。
バックファイヤーなら そんなに自信が持てないのではなかった。
通常 バリヤー展開すると、他の技が使えないはずであったはず。 バリヤーにより相手の攻撃を防ぐ為 こちらから攻撃出来ない。
他も同様 同時に、2つ以上の技は、使用出来ない・・・・ そう思っていた。
だが、どうしてか? 理由は解らない。 漠然としていたが、何となく2つ以上同時に、使用出来る事理解していた。
今 初めて試みた。
気合を入れ バックファイヤーをアピリムに向け放つ。

 突如 目の前に、自ら放っていたエネルギー弾が、1つに塊 巨大化し襲い掛かってくる。
一瞬表情に驚きの色をうかべねが、沈着冷静に対応 慌てた素振も見せず、十分にひきつけ 右手で払いのける。
払われた巨大なエネルギー球の塊は、そのまま大気圏を突破 宇宙空間へと飛び出し自爆。
「下らん バックファイヤーによるカウンター攻撃など、余に通用せず」
不敵な笑みを一瞬見せ 自信に満ちた口調で言い放つアピリム。

 戦闘が行われているハルマゲドンの丘の外れ 荒涼とした巨石群の中で身体を潜め ひたすら浩司の無事の生還を祈るみなっちは、ある異変に、気付いた。
まだ夕方には、少し早い時間。 1番星が輝くには、まだかなり時間がある。
巨石の隙間から見上げる空は、雲1つない青々としたスカイブルーの晴天。
だが、突如 無数の まさに、みなっちが信じる宗教と呼称する物の 神々の光? と思える無数の小さな光点が、瞬時に現れた。
何となく上空から 今まで感じていた漠然としていた一種の不安感に思える感覚が現れた気がした。
そこには、無数の光点が、次々と現れ出した。
両目を開け 巨石の隙間から上空を見上げる。
「まだ 星が輝くには、早いはず・・・・」
上空を見上げ、不思議に思う みなっち。
急速に接近しているのだろう 小さな光点 どんどんと大きくなってくる。
「神様に祈りが通じて、降臨された・・・・」 上空を看憂げながら思う。
確かに、その光点の輝きは、この世の物とは思えない輝きを放っていた。
どこか、金属的でもあったのだが・・・・
それは、まさにみなっちが信じる宗教と呼称する物の 神々の放つ光? にも感じられたもしれない。
だが、それにしては、何かが違う気がした。
「こーちゃんから感じる感覚ににているけど・・・・」
その無数の光点に見上げながら思う みなっち。
確かに、似ているが、根本的何かが、まるで違っていた。 それは本質的な物。
吸い込まれるよう見つめる みなっち。
上空に、突如現れた無数の光点は、急速接近しているのか? 現れたと同時に、接近に伴い巨大化する。
みなっちの身体に、緊急時を告げる警告音が、大音響を上げ鳴り響く。
「こーちゃん・・・・・」 恐怖に怯えた悲鳴が、巨石群の中を響いた。




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