LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)

 第4章 決戦 Part1

 浩司は、恋人のみなっちを連れ久しぶりに本拠地である 我々の住む宇宙とは、別の宇宙の小惑星にある秘密基地アルファーベースに戻っていた。
やはりみなっちは、通常地球上でのテレポーテーションでは、全く体調を崩さないが、ここアルファーベースへのテレポーテーションをすると、微熱を発し体調を崩す どうやら0.0000000001&(オーナイン)以下の全く無視出来るレベルにしか思えない僅かな微妙な宇宙の構成の違いが、みなっちには、合わないようだ。
その為 地球標準時間で、数日間は、プライベートルームのベッドで横になる。。
その数日間を過ぎれば、元の体調に戻るのだが、少し慣れるのに時間が必要のようだ。
浩司は、みなっちま体調を心配しながらも 1人 セントラルルームで、刻々と送られてくる 地球衛星軌道上を周回する複数のステルス製スパイ衛星ポッパーからの各種データを 思考を持つスーパーコンピューター ノルンと共に解析に没頭していた。
地上のアポリス軍 特に、主力の生体兵器ネクストノイドのほとんどが、世界首都のあるI国に集まっている 我がかに残るネクストノイドは、確かに地球上の拠点に配備されているが、ちょっとした暴動が起きても とてもあの戦力では鎮圧が難しい。 あれではただの監視程度にしかならない少数。
本気を出して、皆殺しにするのなら時間を費やすが可能 だがそれでは意味がない。
まだ圧倒的多数は、ネクストノイドへの改造を受けていないホモサピエンス・サピエンス(旧人類) 変な猜疑心、疑心など持たれては今までの築き上げてきた支配体制が崩壊する恐れがある。
だがそれでも戦力が余にも少ない 広大な地域を僅か数体のグロテノスで、カバー出来ない。
どう見てもあれでは、世界首都のあるI国を中心とした中近東、中東地域以外 放棄したとしか思えない程だ。
その間隙をついて、あのピエール率いる 自らを神々の正義軍と呼称する勢力が、次々と辺境地を制圧 自らの勢力圏を拡大を図っている。
そして、制圧した地域を神々の解放区と呼んで、まだ改造を受けていない・・・・ いや受けられない 受ける権利を持たない進化する事の出来ないホモサピエンス・サピエンス(旧人類)と蔑まされている人類を受け入れている。
その戦力の中心となっているのが、どこで手に入れたのか? 多分エルの残したロストテクノロジーだと推測されるネクストノイド以外の新たな生体兵器 バトロイドだ。
バトロイドは、日増しにその数を増してきている。
当初 数十体程度であったが、今やその数は、1000体程度まで膨れ上がっている。
何よりも ピエール自身 装着しているBP(バトルプロテクター)の周囲に更に装着する更にあらゆる面で、ケタ違いに戦力アップした巨大プロテクター ピエール自身GPE(ゴッドプロテクターエボリューション)。
まだ未確認ではあったが、ネクストノイドの上位モデル 8大将軍デストロのBS(バトロスタイル)と同等 いやそれ以上の性能と推測され その配下のバトロイドを別のテレパシーにより思い通りコントロール出来る。
もはや無視出来ない 今や たった1人個人で戦う 浩司・・・・ いやキャラン(浩司)を除いて、唯一組織だってまともに戦える敵対勢力であった。
一方 かって浩司も所属してい 元々アポリス最大の敵対勢力ヤーナは、議長であるマークと、有能な最高司令官である永井を中心にまとまっているが、その勢力は、弱体化しており1部制圧地域の僅かな拠点を維持するのが、精一杯の状況であった。
個々の兵士は、何度も苦しい戦闘に生き残ってきたベテラン(古参兵)が多く 個としての戦闘能力などは、ホモサピエンス・サピエンス(旧人類)としては、高い能力を誇っているが、所詮ネクストノイド(新人類)の敵ではない。 所有する武器こそ ネクストノイド(新人類)の1形態 主戦力であるBS(バトルスタイル)の1つグロテノスに対抗出来る強力な威力を誇る最新のER03Tライフルを所持するが、数の上で圧倒的劣勢にたたされており 永井司令官の装着するエルの残した驚異ロストオーバーテクノロジーBP(バトルプロテクター)だけが、唯一互角以上の戦闘能力を誇るのみ。
永井司令官を除けば、もはやアポリスの敵としての戦力を持ち合わせていなかった。
アポリス程ではないが、数機のUFOなどエルの残した驚異ロストオーバーテクノロジーを所有していたが、虎の子の貴重な戦力 必要十分な数が無い為 思い通り運用出来ない欠点もあった。
何よりも問題なのが、今 地球上で起きているあらゆる天変地異であった。
異常気象、巨大な地震、複数の火山地帯の同時爆発など頻発 地域よっては孤立化 絶滅の危機に瀕している。
それに歩調を合わせる様に、新型のウイルスの蔓延もあった。
14世紀 全ヨーロッパにまたがり発生し大流行したペスト(黒死病)の再来と思わせ 全地球規模にまで拡大 猛威を振るい始めた 発生源不明、触媒とされるノミ、蚊などの昆虫類も見つからず、原因不明 空気伝染の可能性も指摘されていた。 何よりも問題点は、僅か数回の細胞分裂で、全く異なったDNA,RNAに変換してしまう為 対抗ワクチンの開発が間に合わず、新たな対抗ワクチンの開発が完成した時点 もはや効き目がなかった。
当初 進化する事の出来ないホモサピエンス・サピエンス(旧人類)と蔑まされていた者だけが感染していたが、もちろんネクストノイドにも感染こそしたが、ネクストノイドの特徴でも体内のナノマシーンにより新型ウイルスを駆逐していたが、だが新型ウイルス それも1種だけではない 元々1種だけだったかも知れない。 途中分化し全く別のタイプのウイルスに進化してしまったのか? 複数、多数のタイプが存在していた。
そのうちいくつかは、更に強力に進化しネクストノイドの特徴でもある体内のナノマシーンをも無力化、破壊する能力を持つタイプまで現れ もはや手に負えない状況になりつつあった。
感染、発病した者は、ほぼ100%が、1週間以内死亡する猛毒性を持つ。
長くびく戦争と、あらゆる天変地異 それに伴う新型致死性の強力なウイルスの蔓延により 最盛期70億人を超える人口を誇った人類が、その数減少に向かっていた。
だがだれが、この地球、人類の支配者になるのか? その政争の為の戦争に明け暮れ その支配者が決まり 支配権を確立しなければ、組織立ち有効的な対策を取れる状況ではなかった。
全地球規模での対策が必要不可欠であったにも関わらず。

 そんな状況であった。
浩司は、アポリス軍の動きから あるメッセージを感づいていた。
「ノルン・・・・」 正面の巨大マルチモニターは、世界地図が゛映し出され 中近東にある世界首都のI国 E市を中心に拡大され アポリス軍の戦力配置が赤い光点となって地図に示されている。
それを見ながら浩司は、小さな声でノルンに問いかけた。
何かを感ずいている。
首都Tを守る陣形ではない。
ある場所に縦深の重厚な布陣を着々を引き始めている。
だれの眼にも明らかだ。 それが意味するもの? そこにはあるメッセージが隠されている。
そして、それはキャラン(浩司)を誘(いざ)なっている
「はい マスター」 女性的やさしい声であるが、どこか機械的 だが、その声には感情など含まれている様に感じられる。
思考、感情を持つ スーバーコンピューター ノルンの発する声。
この声が、コンピューターが作り出した人工的声などと、その微妙な違いに気付く者はまずいない。
「ハルマゲドンの丘・・・・ いや今 メギドの丘と呼ばれてる場所の正確な測量地図及び この時期の気象条件、過去2000年以上の歴史など、詳しいデータを出してくれ」
「はい マスター」
巨大マルチモニター画面 左右にあらゆるデータが映し出され始めた。

 ハルマゲトンの丘 または現在メギドの丘と呼ばれる場所。
メギド 中近東I国にある丘であり、神学的などと呼称する物、歴史的、地勢的な理由により知られている。
古代においてメギドは有力な都市国家であり、この地を神々などと我々人類が呼称したエルと呼んだEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)と、先祖がネピリム(半EBE's)でりる聖母などと呼称するMとの間に出来た子と呼称するネピリム(半EBE's)であり・・・・ いや人工改造生命体?と推測される大工の息子Y率いる光の勢力とサタンや反C宗教集団による闇の勢力が最終決戦を行うハルマゲドンの地であると、聖書などと呼称する物から解釈している者もいる。

 ハルマゲドン(アルマゲドン)、ハーマグドンと表記される場合もある、日本語では、世界最終戦争は、アブラハムの宗教と呼称される物における、世界の終末における最終的な決戦の地を表す言葉のカタカナ音写。 ヘブライ語で「メギドの丘」を意味すると考えられている。 メキドは、北I国の地名で戦略上の要衝であったため、古来より幾度も決戦の地となった(著名なものに、古代エジプト トトメス3世のメギドの戦いなど)。 このことから「メギドの丘」という言葉がこの意味で用いられたと考えられている。 世界の終末的な善と悪の戦争や世界の破滅そのものを指す言葉である。 (戦争を終わらせる最後の戦争。 一説では大艱難の頂点がハルマゲドンとも言われている。)

 かってのフランス皇帝 ナポレオン・ボナパルトが、この地を訪れた際 「人類最終戦争に最もふさわしい場所・・・・」 と称したと言う真偽出所不明の逸話もある。
旧約聖書などと呼称する物の中の ヨハネの黙示録第16章にも書かれている。

 26層の古代からの遺跡が積み重なっており 紀元前7000年程前から人類は、ここに住み着いている。
現在は、全地球規模の数年間にも渡って続く各天変地異、異常気象などにより 更に乾燥した荒涼した岩と砂だけの砂漠化しつつあった。

・・・・ などと各種データが次々と映し出される そのデータ量は、膨大。
浩司は、ハルマゲトンの丘 または現在メギドの丘と呼ばれる場所については、かなり詳しく知っていた。
その言葉の意味する事も・・・・
元々極端な宗教嫌いで、筋金入りの無神論者で、無宗教、アンチ(反)宗教・・・ など非常にンテリジェンス(知的)? な知性と教養と知能の持ち主 街頭やR翼の街頭宣伝車と全く同じ・・・・ いやそれ以上に悪辣なスピーカーのボリュームをマックスにして街中 迷惑顧みない大音量の騒音をまき散らし 言論の自由を謳歌し、他人の言論自由及び、自ら奉仕宗教の経典、聖書などと呼称する物以外の考えなど絶対を認めず、徹底的弾圧、粛清する者を 論破、撃破する為 詳しく勉強していた。
この点については、常勝無敗、無敵を誇っている。
「おのれ どこが、インテリジェンス(知的)? な知性と教養と知能の持ち主なんじゃわい!!!」 (怒) 久しぶりのみなっちの談 体調の悪さを押しのけてで。 この点については、見上げたもの。
「RAmen(ラーメン」 浩司は、天を見上げ嘆いた。 空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(Flying Spaghetti Monsterism, FSMism, フライング・スパゲッティ・モンスター教, パスタファリアニズム, スパモン教)のノリです。
背中に大量の冷たい物が流れる浩司。
顔は、恐怖に怯え血の気がない・・・・
久しぶりの2人のノロケ・・・・ 伝染(うつ)る・・・・ (作者より)
「そう言えば、第1章 融合以来 ほとんどこれ書かなかったなー」 しみじみと語る作者。

 浩司の口元が少しだけ薄笑いを浮かべる。
「俺に対する招待状・・・」 小声でつぶやく。
この意味する事 直ぐに看破した。
「俺 1人に大袈裟・・・ まあー 百獣の王ランオンは、うなぎ1匹捕まえるのに、全力ほ尽くすと言うしねー 古代中国の史上初の戦略家とも言われる孫子の兵法書の中にも 十を持って一を攻める・・・とあるし でも極端・・・・」 巨大なマルチモニター画面を見ながら 薄笑い・・・いや呆れ顔浮かべつぶやく。
久しぶりに、皮肉家としての頭脳が活発に活動を開始する。
いつだったか? 今は亡き親友の川村と、ジョーダンばかり飛ばしていた時 みなっちがある質問した。
あの時も 今と変わらない状況 たった4人で、全世界を敵に回した戦いっを進めていた。
周囲は全て敵 比較にならない圧倒的多数に囲まれていた。
「・・・・何故? こんな状況下で、そんな下らないオヤジギャグ飛ばして、笑っていられる?」
みなっちのまっとうな疑問であった。
みなっちでなくとも だれもがそう思う。
発狂してもおかしくない状況。
「元々 発狂しているからさー これ以上発狂のしようがない・・・・」 浩司がそう言うと、余りにもおかしかったのか?川村が吹き出した。 それを見て浩司は、腹を抱え笑い出すと、川村も同様抱え笑い出した。
意味が理解できず、唖然とした表情で、2人を見つめるみなっち。
何故か・? あの時シーンが鮮明に蘇る。
あの時と、全く変わらない状況。
今度は、敵さんの規模が、過去にない・・・・ 多分 持ちうる限りの最大戦力 数十万・・・・ いやその程度ではない数百万か? いや現状最大規模を考えれば、全ネクストノイドの総人口である数千万・・・・
戦場の1人の兵士を支えるのに、どれ程の人口が必要なのか?
その何百倍、何千、何万倍の人口を必要としている。
それを無視すれば、どうなるか? その程度の事知らないはずがない。
だが、現状の兵力の集中を見ると、完全に無視している。
第2次世界大戦以降 国土の大半が廃墟化した日本が、奇跡的とも言える復興を短期間で成し遂げられたのも 国防費がGNP(国民総生産)の1&以下に抑え 復興費用に重点投資したのも大きな要因の1つ・・・・
公共事業費の名の下 ある特定業種に肩入れしそこから上がる莫大な利権を貪る特権階級であるくそ政治家、くそ役人、くそ企業人・・・・ 腐りきった盤石に固定化した社会構造を作り上げると言う負の側面も・・・・
これもある意味での平和と言う名の下の盤石、鉄壁に固定化された社会のなれの果て・・・・
戦争=人殺し それも集団ヒステリーをやっているよりは、相対的な意味において、少しはマシではあるが・・・
呆れて物も言えないと言った表情を浮かべる。
だが、これは浩司が自ら望み 望んだ通り状況であった。
敵を1カ所に集中させ 一気に叩く・・・・
兵力分散、それによる逐次投入の愚を気付かせ 各個撃破による無駄な戦力消耗を防ぐ・・・・ など
その為 今まで、神出鬼没のゲリラ戦術を用いてきた。
全世界に分散する敵アポリス軍の戦略上重要拠点を叩いてきた。
その成果が今こうして現れてきた。
招待状・・・・ いや挑戦状なのかも知れない この形として。
圧倒的物量に物を言わせた 多数の兵力と火力等を用いて、下手な小細工無しに、正面から力でねじ伏せる。
相手は、俺 たった1人 下手な小細工を仕掛けるような労などしないはず 逆手に取られ墓穴を掘る危険性がある。
敵 アポリスの狙いは良くわかる。
敵 アポリス その頂点に立つ 最強のネクストノイド いや生体兵器アピリム 自ら囮、餌となって必ず自ら最前線で陣頭指揮を執るはず。
いよいよだぜ川村・・・ 浩司は、今は亡き親友の名を心でつぶやく。
浩司を信じ 唯一と言えるたった1人の仲間、戦友、何よりもかけがえのない親友・・・・
後世の歴史家にその判断を任せるしかないネクストノイドとの共存する社会の実現 はたしてそれが正しい選択なのか?
それも この戦いに勝てればの話だが・・・?
我々人類が、はたしていつまで存続、生存出来るのか? 数千万年後、いや数億年後・・・・? そこまで存続、生存した場合 多分 今とは、全く別形態に進化しているのかも知れない・・・・?
それも多種多様化し 現在種の我々人類と、類人猿が、同一の共通先祖を持つように、共通の同一種から分化し多種多様化した子孫として。
・・・・今 そんな事を考えても始まらない 今 何をすべきか? 出来ることは? その為の自らたてた最終戦略を達成する為戦うしかない。
後の歴史家に、この時代 人類の統一と、進化などを阻害しようとした 歴史上最悪のヒール(悪役)の1人として名を残す事になっても・・・・
「旦那には、ヒール役(悪役)なんか似合いませんぜー 余りにも平凡過ぎる・・・・」 浩司の容姿を見ながら、よく川村が語っていた。
過去の歴史など、各々の時代によって、評価は変わる・・・・。
そんな事の為 川村は、大事なその生命を・・・・
今は亡き川村、そのフィアンセであった百合(ゆり)の為にも やれるだけの事をやるしかない。
正面の巨大なマルチモニター画面を見ながら 腕と脚を組み 色々思考する浩司。
「敵の兵力が展開完了 考えられるあらゆる戦術シュミレーションを可能性の高い順番から映し出してくれ」
巨大にマルチモニター画面が、全面画面に切り替わり 上空を含む重厚な半円球上に、虫1匹取り逃がさない陣形で周囲を取り囲まれる。
「やはり これしかないか・・・・」 小さくつぶやく浩司。
「マスター ホッパーからの対地支援は、どのタイミングで・・・」 ノルンの声が響く。
少し離れた 小高い丘の上には、アピリムが、残りのデストロ及び、親衛隊等に守られ布陣している。
1番ポピュラーで、オーソドックスの布陣 成功率の高い陣形でもある。
「アピリムの布陣している場所にたどり着くまでは、俺の命令が無い限り攻撃態勢で待機」 浩司の眼は鋭く光る。
やはり正面から テレポーテーションを使わず、敵の陣形に1本の活路・・・いや血路を開き正面突破以外方法はないなあー・・・と感じていた。
戦場は、生き物 常に、刻々と変化する。
今まで正しい戦術が、その瞬間の変化により 正しいとは限らなくなる。
刻々と変化する状況を瞬時に把握し それに対処する独特の匂いのかぎ分けが重要・・・・
この段階は、もはや戦略レベルではなく戦術レベルの話。 元々軍事上戦略レベルでは全く勝ち目などない。
敵 アポリスの弱点を叩き アピリムと、残りのデストロを叩き 残りのネクストノイドを支配するテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)の呪縛から解放し ネクストノイドとの共存する社会を実現に向けて、歴史の流れ、方法を向ける・・・・ を戦略上の勝利の主眼に置いていた。
その為の戦争でもある。
「戦わず 歴史が望む方法へ動けば・・・・」 1人でいる時の口癖。
戦わずして勝 戦略家の本道 だが良い方法が見つからなかった。
結局 まだ何も知らない時代 偶然の気まぐれ? 本人の意思と無関係に融合してしまったレジェンスと呼ばれる驚異のエネルギー体と、その時 同時にその場にあったレグと呼ばれる 太古の昔に滅んだEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の驚異のオーバーテクノロジーに頼らず得ず、流れ行く歴史に翻弄され、もがき、抗いながらここまで来てしまった。
驚異の・・・ 多分最強のハードウエアーである レジェンスと、レグの残した数々のオーバーテクノロジー だが所詮 ソフトウエアー・・・・ つまり運用する個人の能力に大きく左右される。
またもに運用出来ない コントロール出来ないハードウエアーなど、無用の長物。
それがどんな最強のポテンシャル・エネルギーを誇ろうとも・・・・
決して、自らを優秀な人材だと思った事などない 学歴など落ちこぼれ高校卒 よりどちらがより劣っているか? 下らない相対的なものに過ぎない・・・・が口癖。
より劣っている方が、負けるだけ・・・・
自らを 余りにも稚拙すぎる・・・とさえ 何度も自問を繰り返す日々。
何故? 戦うのか? この問いに自ら明快な答えを見いだせないでいた。
元来、戦争嫌いの反戦主義者 それが、学生時代 人は何故? 戦争を起こすのか? 素朴な疑問が、その背景にある壮大な歴史を含む 戦略論、戦術論を独学するきっかけとなり 戦略家としての資質を育むきっかけとなった。
最終的戦略上の勝利は、歴史の流れ、方向性 自ら望む方向へ動くのか? その点に尽きると考えていた。
戦術的勝利で、戦略上の勝利を覆すことが出来ない・・・・ その点を 良くわきまえている。
色々な思惑を思い浮かべながら巨大なマルチモニター画面を見据える浩司。
もし この場に、第3者の傍観者がいたならば、その表情は、無表情 何を考えているのか? 決して読み取る事の出来ない冷酷な表情を浮かべながらも 瞳は、鋭い眼光を発している 深慮遠謀な戦略家に見えたかも知れない。
本人に取っては、迷惑なありもしない虚像、過大評価であるが。
戦略の最終目標であるネクストノイドとの共存する社会 だがそのビジョンは、まだ漠然として具体的な方法は、考えていなかった。
何よりも この戦いに勝ち 自ら権力を握りリーダーシップを発揮する・・・・など皆無。
極度の権力嫌いであり 権力など史上最低の汚物以外何物でもない・・・とさえ思っていた。
だが、権力を握る者に対しての辛辣で、辛口の毒舌、皮肉は決して忘れていない。
自ら権力を握り頂点に立ち 自らの理想を実現する・・・・ 点に対して、川村のある日の質問に対してだが、「自ら権力を握れば、最終的に独裁者になるだけ・・・・」 「独裁者は、独裁者として現れない 最初は、メシア(救世主)だのヒーロー(英雄)だと、祭り上げられた者のなれの果て・・・」・ など評して、決して手に入れようとするそぶりさえ見せなかった。
現状でさえ その為の必要な多くの仲間を得ようとせず、たった1人で、この戦いに臨んでいる。
この点に関しては、覚悟が不十分であった・・・・ としか言いようがない。
「後は、多数の人達の英知に任せる・・・・・」
だが、浩司らしい一面でもある。
人が人を支配する為の便利な道具 権力 ただの腐りきった汚物以外何物でもない。
自ら手に入れようと思わない
浩司の本当の望みは、たったの1つ 恋人のみなっちと、平凡ながらも幸福な人生・・・・

 その頃 世界首都E郊外のアポリス本部地下に建設されている中央作戦本部 ここに今この地球を支配するアポリス最高幹部一堂が集結していた。
地球を支配した直後に比べ随分顔ぶれが少なくなっていた。
最高支配者でアピリムを筆頭に、8大将軍デストロの生き残り ギル、ビリー、デュークの残り3体 後の5体は、あのキャラン(浩司)に倒され今ここにいない。
そしてその後方には、アピリム直属の親衛隊 パーサーカー5の生き残り ロイと、麻子 残り3体は、新型B,P(バトルプロテクター)のG,P(ゴッドプロテクター)を装着したピエールに倒されていた。
そして、ギルの後ろには、あの世紀の絶世の美女 リンが控えている。
そのリンを嘲笑と、悪意の持った眼で睨む麻子。
どうもリンの事を芳しく思っていない。
麻子は、自身この世で最も大人の上質に洗練された芳醇な甘く危険な香りを漂わせる史上最もいい女だと自負していた。
今は、もう元の姿に戻る事の出来ないミューグロテノス だがボディーラインは、全く崩れがなく細身て゜ありながらも美しい曲線を描いている。
一方リンは、中肉の特性を生かした完璧なダイナマイト・バディ。
ここに集結した一堂 頂点立つアピリム、そしてギル、ロイ、朝子を除いて、ギル自身が、ほとんど無傷のまま某所の地下で発見したエルの残した大型マザーシップ(母船)内にあったポットで、新たな改造を施していた。
対キャラン(浩司)に特化。
更に全面的 各機能を大幅に向上させていた。
今までとは、比較にならない程 大幅に戦闘能力が向上している。
だが最も改造が必要だと思われたアピリムであったが、前回 BS(バトルスタイル)に変身前と言え あのキャラン(浩司)に後一歩のところまで追い詰められた。
更なる各機能大幅向上による戦闘力をアップしなければならないが、余りにも未知の高度オーバーテクノロジーが随所に使用されており 下手な改造は、逆に各機能の大幅低下をもたらす懸念があった。
BS(バトルスタイル)に変身すれば、ケタ違いの戦闘能力を誇っている。
だが・・・ ギルの知る限りアピリムは、BS(バトルスタイル)に変身する事に、ためらいを持っている 理由は不明だが・・・・
それと、ミューグロテノスである ミューホーカー・ロイと、ミュースキャット・麻子は、何故? この様な事が起きたのか? まだ詳しい原因が解っておらず、改造を施せる状態ではなかった。
8大将軍デストロである ビリーと、デューク 元々ギル自身の手によりデストロへの改造が施されており 更に最新テクノロジーを惜しみなく加えた。 ギル自身 芸術の域に達したと、思わず自画自賛したくなる程の完璧な仕上りであった。
「・・・キャラン(浩司) わしらネクストノイドの戦闘能力は、いつまでも同じだと思っておると、痛い目に合うぞー」 内心細く不敵な笑みを浮かべながらも微笑む。
いつの時代も戦争は、あらゆる科学技術面を飛躍的に向上させる・・・・ いつの時代も 飛躍的 そう武器、兵器、それに関連するテクノロジーは、まるで超特急のごとく異常と思えるスピードで、飛躍的向上を遂げている。
だが、ギルの手により改造されたのは、後リン他数体に過ぎず、キャラン(浩司)により主要施設が、再建不能な状態まで叩かれたのが痛かった。
キャラン(浩司)の手から破壊を逃れたのは、某所の地下で発見したエルの残した大型マザーシップ(母船)だけ 数に限りがあり優先順位の高い者から優先的に改造するしかなかった。
その残っていた僅かなポットも 現在余りの無理なフル活動に、オーバーヒートを起こし使用不能となっている。
エルの残した驚異のオーバテクノロジーの最大の受益者であるアポリスだが、現在持ちうるアポリス最大の科学技術を利用してもポットを始めとするエルの残した驚異のオーバテクノロジーの部品1つとっても再生産出来ない未知のテクノロジーが、数多く存在した。
アポリスに取って最重要の1つ補給線 つまり食料、水、武器、弾薬などの補給ではなく兵力そのものの補給線を ほぼ断たれてしまった。
圧倒的多数で、強大な敵とわざわざ正面から決戦を挑む必要性などない 敵の最重要補給戦を叩き孤立化させれば、後は、自滅ほ気長に待つ・・・と言う方法もある。
キャラン(浩司)の狙いは、ここにあると睨んだ。
数少ない戦略家としての資質を育んでいるキャラン(浩司) 圧倒的以前の不利な状況を覆す狭い数少ない選択の1つとして採用してもおかしくない。
そうギルは、読んでいた。
ここは、戦略の本堂で臨むべきとギルは、アピリムに提言した。
絶対的有利な、比較の対象にもならない極端な戦力差を活かす 全戦力を1カ所に集中させ 多数を持って全力で、少数を一気に叩く。 戦略の本道。
まかになりも戦略家としての数少ない資質を育むキャラン(浩司) 相手が、崖っぷちの後のない戦いを挑んで来ている。
やはりここは、同じ戦略家として礼節を重んじ こちらも現状最良と思われる戦略的見地に立ち 敵 キャラン(浩司)を完膚なきまで叩く。
下手な小細工無用 正面から力押しするのみ。
最も単純な戦法であり 比較すらならない圧倒的戦力差を最も活かす戦法でもある。
後のないキャラン(浩司)には、退路はない 活路を見出すには、正面突破以外 方法はない。
戦闘能力的には、キャラン(浩司)の敵ではないグロテノス だが、その数が1千万を超える規模のグロテノスを相手に、はたしてどこまで持ちこたえる事が出来るのか?
更に、その後方には、対キャラン(浩司)用に特化した新型ハイパーグロテノスの大部隊など次々と控えている アピリム様以前のどこまでたどり着く事が出来るのか?
ギルは、内心 細く微笑む。
かってこれ程までに重厚な布陣があったのか? それも地上兵力だけでなく上空もだ。
ただし問題点はある これだけの大兵力 主にグロテノス、ハイパーグロテノスなどを たった3体のデストロと、アピリム様だけでマインドコントロール(精神支配)しコントロールしなければならない点であった。
戦略の基本の1つ 情報伝達の正確さと、いち早く伝える この点については全く問題がない 全てテレパシーによる情報伝達である まさにリアルタイム だが動かす兵力が余の膨大な点 その点であった。
遊兵を作らず、逐次投入の愚を犯さず、全兵力を用いて一気に叩き潰す・・・・ 大軍を率いて戦う最大のメリットをいかに活かすか・・・・
それと、もう1つ気がかりなのは、デストロの1体ビリーじゃ。
あいつ強い相手を見ると、兵を率いる指揮官としての役割を放棄し 自ら戦い望む。
あやつ更なる改造で、更に強くなっておる 前回 キャラン(浩司)との対決で、途中中断、外的要因であったが、決着が先延ばしなったからのー だれよりもリターンマッチ(再戦)を望んでおった。
「あんな強いやつ アピリム様以外にいたとは・・・・」 いつも事ある事に口にしおる。
「あいつキャラン(浩司)を倒すのは、この俺様だ!!」 
その点を良く言い聞かせ釘を刺しておかねばのうー。
そう思いつつビリーの顔を少しだけ見る。
野生の闘争本能を刺激されているのか? 何やら不敵な表情を浮かべている。
後 多分 数週間・・・いやそんなに長いはずがない せめて数日後に始まるだろう キャラン(浩司)との戦い。
あいつ1人倒すのに、余りにも大袈裟な大兵力 現状持ちえるほぼ全兵力と言っても過言がない大兵力が、日夜問わず、ここ北1国にあるハルマゲドンの丘 いやメギドの丘に集結している。
だがビリーは、あいつキャラン(浩司)1人倒すのに、"俺で十分だ" と、言わんばかりのだれも見ても読み取れる豪胆な笑みを浮かべている。
もう1体のデストロであるデューク こちらは沈着冷静な だれもが読み取る事の出来ないポーカーフェイス。
まさにクールビューティー。
まさに地上に神が降臨したと思わせる絶世の美しさを持つアピリム様とは、比較が難しいが、ハリウッドなどのムービースター顔負けの超イケメン、ハンサム 超美形・・・・。
物腰も貴族的に洗練されており 優美で、優雅、紳士、騎士道精神などの礼節を重んじ 柔らかく 常にマナー、気品、品格良く、礼儀正しく振る舞う。
まさに社交界のプリンス。
だが1度 戦闘に入ると、勇猛果敢な戦士として側面を見せる。
常に、自ら最前線の先頭に立ち戦う。
正装時や、戦闘時には、左腰に、騎士道の精神としての象徴でもあるレイピア(細身剣)を下げている。
そのレイピア(細身剣)もただ身の回りを飾るインテリアではない フェンシングに長けているデュークの強力で、最も得意とする必殺の武器でもある。
全て好対照の正反対のビリーと、デュークであったが、何故か? この2体気心が合うのか? 良く2体でつるんでいる事が多い。
アメリカ合衆国のニューヨークのダウンタウン それも史上最悪と呼ばれる有名なスラム街で、父親不明 母親でさえとても平凡とすら言えないジャンキー(麻薬中毒者)で、生後すぐに、育児放棄で捨てられ 施設で育てられ その施設ですら息苦しいと、飛び出し ひたすらアウトロー(無法者)街道を 自らの力だけを頼り突き進んできたビリー。
ヨーロッパの名門貴族の本家の家系の家督を継ぐ長男として生まれ、厳しくあったが、あらゆるエリート教育を受け 何自由なく育ったデューク。
・・・やはり ビリーの単独の戦闘を抑えるには、デュークしか・・・・・ 色々な戦闘状況をシュミレーションするギル。
どんなに準備万端に整えても不安は消えない。

 一方 ヒマラヤ山脈の地下奥深くにある 神々の正義軍と自ら呼称する ピエール率いる勢力の秘密基地。
ピエールは、この基地を第2のエデンの園と命名していた。
大量の土砂のしたに、約1万2000年間も埋もれていた ほぼ無傷の状態で残っていたエルと呼ばれるかって我々人類が神々などと呼称としたEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残した 超大型ラグビーボール型のマーザーシップ。
その内部の一角には、アポリスが、ネクストノイドへの改造の為に使用するポットとよく似たカプセルと呼ぶ構造の物体が、いくつも整然と並べられている。
やはりカプセルも元々エルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジー ネクストノイド改造用のポットと同様 透明の液体に満たされており その中には、現在改造中の人で、全てが埋まっている。
だがその数は、僅か10基しかなく、神々の正義軍と自ら呼称する ピエール率いる勢力の主力戦力であるバトロイドの戦力補充には、やはり時間が必要としていた。
スプセルもポット同様 エルと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジーである為 1度どこか故障するて、修理がままならす 部品を新たに作り出すなど現状持ちえるテクノロジーでは不可能であった。
その点をアポリスは、キャラン(浩司)に疲れ 手持ちのポットがある全ての改造施設を破壊された。
残るのは、ほとんど無傷で残っていたエルのマザーシップ内に残された僅か数基のポットだけ。、
だがこの秘密は、キャラン(浩司)もピエールも知らない。
全て叩き潰したと思っていた。
13日間戦争以前の高度なハイテク兵器も、大型の空母、戦闘機、戦車・・・・その他 特に、核兵器、B,C兵器などの大量破壊兵器など、その後アポリスによる支配で、ほとんとが廃棄され 個人が使用出来る小型軽火器類が細々と生産を続けてきたが、今はほとんど破壊され生産が再開出来る状態ではなかった。
余りにも多発する世紀末を思わせる各天地災害。 そま対策に追われ武器、兵器など後回しされていた。
主力の生体兵器が、これまでのどんな強力な武器、兵器よりもはるかに優れていた。
破壊力、大量殺傷能力などは、やはり核分裂反応の利用した核兵器、他にもB,C(生物、化学)兵器などには、太刀打ち出来なかったが、運用の不便性、維持管理などの手間など考えた場合 有効的に利用出来る範囲が、非常に限定的で、限られていた。
使用にあたって、大きなリスクを背負う。 もろ刃の剣。
敵に大き打撃を与えられるが、同じ・・・・いやそれ以上の深刻な被害を長期に渡って受ける・・・・
非常に汎用性の低い、取扱いの難しい大量破壊兵器であった。
その点ネクストノイドは、生体兵器であり そのような制約が少なく運用面で、高い有効性、優れた実用性などを誇っていた。
バトロイドも同様である。 ネクスノイドに比べれば、生体兵器としての攻撃性、攻撃能力、破壊能力などは劣っているものの ネクストノイドに比べ、単一、画一タイプによる 改造の混雑さや複雑さ、多種タイプによるコスト面などの効率性に優れており 特に、ネクストノイドと違い、DNAの適正率などの諸問題がなかった。
だれもが、簡単に改造を それも短時間に受けられる。
他だし ネマストノイドと違い ネクスタルなどによるエネルギー供給源が無い為 特殊な生体武器がなく 体力、運動、反射神経等のケタ違いの大幅向上のみ。
だが、マインドコントロール(精神支配)が可能で、ピエールがB,P(バトルプロテクター)の上に更に装着するGPE(ゴッドプロテクターエボリューション)からの特殊なテレパシーにより自由自在にコントロール出来るメリットがあった。
安価で大量生産可能で、統一、画一化された生体兵器であった。
「どうしましょうか? ピエール神父」
黒の神父姿の男が、大型スクリーンを正面に見据え後方中央部のチェアーに足を組んで座り右肘を膝がけに乗せ頬杖をしながら 大型スクリーンを少し愉快そうに見つめるピエールの耳元で囁く。
「浩司さん1人を倒すのに、ほぼ全兵力を1点に集中 我らの神々の敵 裏切り者でもある あのアピリム自ら陣頭指揮を取るか・・・・」
映し出されている 予想配置、戦力図を見ながら 呟くピエール。
だれも眼にも明らかであった。
そこからは明確なメッセージを読み取る事が出来る。
「アポリス・・・ いやネクストノイドのやつら 我々など眼中にないと言う事か?」 少し面白くなさそうに言うピエール。
だが不敵な笑みを浮かべている。
どうやら策がありそうな表情である。
「浩司さんと、アピリムを相撃ちさせ その間隙をつく方法も取れなくもないが・・・・」
独り言をつぶやくピエール。 どうやら色々な状況を予想しているようであった。
この方法は、ピエールには余りお気に召さないらしい。
タイミングを見計らい 持ちうる全戦力を投入して、キャラン(浩司)、アピリム、その他 全ネクストノイドを一掃をする その為の作戦を考えているようであった。
勝利を横取りすれば、今後の神々を頂点に置く支配体制に、不都合が生じると、考えているらしい。
自らの手で勝利を勝ち取り 全人類を支配する。
「・・・・そして作り上げるのだ 今度こそ 中世のヨーロッパ 何も知らない歴史家などと言う輩は、中世の暗黒時代などと呼んでいるが、あの時代を上回る 真の神々を頂点にしたユートピア(理想郷) ミレニュアム(祝福された神々などと呼称する物の1000年王国)を」
ピエールの求める最終目標であった。
全ての人類が、神々などと呼称する物の下 精神面、思考を含む全てを、統一、画一化さた精神体の1部となって 同じように考え、同じように感じ、同じ価値観を持つ 神々権政治、社会の確立であった。
これこそが、神々などと呼称する物によって作り出された人類が、歩むべき道であり 種として、神々などと呼称する物への進む道だと信じていた。
これを浩司が聞いていたならば、徹底的に猛烈、激烈 全否定の反論を繰り広げただろう それも辛辣な、辛口たっぷりの皮肉と言う美味な?スパイス入りで・・・・・
「全人類が、同じように考え、感じる・・・など 精神的全体主義の極致だと・・・・・」
「全人類が、神々などと呼称する物の下 精神面、思考を含む全てを、統一、画一化さた精神体の1部になる必要性など、全多重宇宙のどこを探しても そんな下らない物 唯一、絶対に存在しない・・・・」
だが、恐ろしい事に、全宗教の究極の最終目標であり その為の聖書、経典などと呼称する物が存在している。
全人類を 神々などと呼称する物の教え、聖書、経典などと呼称する物によって、閉ざされた非常に狭く制約された範囲の考えしか持ちえない その極小の1点の世界しか見る事の出来ない完全マインドコントロール(精神支配)化に置く。
どんなに、美辞麗句、巧言令色に、言葉巧みに美しく着飾ろうと、その本質は、全く変わらない 厚顔無恥もはなはだしい。
井の中の蛙 大河知らず・・・・
浩司に言わせれば、より狭い範囲でしか物事を見る事が出来ない・・・・ どちらが、より狭い範囲でしか物事が見る事が出来ないか? だけの違い・・・・
だが、ピエールに取って、これこそが唯一絶対の神々の教えであり それ以外は、唯一絶対の悪であり 悪の声に耳を傾けてはいけない。
神々と呼称する物への道こそ 唯一絶対の正義。
神々などと呼称する物の存在すら認めない (浩司の場合 たかが我々人類の現在のテクノロジーを大幅に上回る驚異のオーバーテクノロジーを持つEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)に過ぎず 過去に我々の祖先のDNAを改変した存在に過ぎない 尊敬の対象すらならず、ましては信仰心など持たない) 無神論者など、決して、その存在する事自体許されない。
我々人類は、神々と呼称する物の意志に忠実に従うべき存在。
そこには、何ら疑問、疑念なども持ってはならない・・・・
全てが神々と呼称する物の御心・・・・・
ピエールの神聖にして不可侵な真理である。
そして、その実現出来る日が、もうすぐやってくる。
まさに、千載一遇のチャンス。
このチャンスをどう生かすか? そして自らの手で、真の神々を頂点にしたユートピア(理想郷) ミレニュアム(祝福された神々などと呼称する物の1000年王国)を実現させるか?
不敵な笑みを浮かべ思案するピエールであった。

 色々な勢力 その中心になっている者達の思惑が流れる。
そして数日がたった。
「アピリム様 兵力の配置 予定通り完了しました」 謁見の間に訪れたギルが、頭を下げうやうやしく報告する。
「後は、キャラン(浩司)を誘い込むだけです」
顔を上げ 正面の数段の階段の上の玉座に座るアピリムを見つめる。
「いよいよだなあ」 これから始まる最大規模の決戦に思いはせるアピリム いよいよ決着をつける時が来たと感じていた。
勝のは、どちらか? あいつキャラン(浩司)を 自らの手で倒し キャラン(浩司)が、融合しているレジェンスを この手に入れる。 大いなる計画の必須条件・・・・
レジェンスの持つ 無限のエネルギー あれをこの手にした時・・・・ 大いなる計画の先にある次の計画の達成の為にも・・・・ だが・・・・ その先に何がある・・・・
そこには、何も無い 虚無の・・・・空虚・・・・・
だが今 そんな事を考えても始まらない。
サイは、投げられた・・・・ いや自らサイを投げた・・・・
今から1万2000年前の前の あの日 あの時・・・・ 決して忘れない。
"過去に捕らわれている・・・・" ある日 ギルは、余にそうつぶやいた事がある。
"過去に捕らわれては、決して未来は開けない・・・" 確かにその通りだ。
だが、余は、感じる まだエルは、この宇宙にどこかにいる。
それも以外と近くに・・・・
そして監視している。
そして、キャラン(浩司)ではなく もう1つの現在最大と言っても たかが弱小規模に過ぎないが、敵対勢力である 神々の正義軍の頭目ピエールを裏から動かしているのは、間違いない あのエルだ。
どんな方法だか解らないが、何らかの方法を利用して陰で動かしている。
所詮ピエールなど、エルのマリオネット(操り人形)にしか過ぎないが・・・・
今は、ビエールよりキャラン(浩司)が最優先事項。
キャラン(浩司)が、所有するエルとは、全く異なるオーバーテクノロジーの数々 所持している武器 あね高周波セイバーを始め ブラッディカード、MBR11と呼んでいるエネルギーライフル銃など どこから入手したのか、キャラン(浩司)自身が開発した物ではない。
特に、戦闘中 突如 キャラン(浩司)の手に武器が現れたり、消えたりする QCTTシステムと名付けられている 多分 量子変換を利用していると思われる驚異のオーバーテクノロジーさえ所持している。
相手は、1人と言っても 侮れない。
バックに必ずエル以外のEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)がいる。
何故? キャラン(浩司)にテコ入れするのか? レジェンスとの関係があるのか? 何が目的で、数々のオーバーテクノロジーを供給するのか?
まだ見せぬ、数々のオーバーテクノロジーを この戦いに投入するはず・・・・
何よりもやつらの正体は?
この戦いに、その正体を現すのか?
そして、やつらの目的は?
ただ1つだけ解っている事 それは、キャラン(浩司)のバックで、テコ入れしているEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)は、あのエルではない。
エルの持つオーバーテクノロジーを遥に上回っている・・・・
少々のオーバーテクノロジーの差など、戦力差で補える。 だが大軍を投入した場合・・・・
戦力集中を逆手に取られ 史上まれにみる最大規模の殲滅戦になる。
情報・・・・ 
情報を制する者は、世界を制する・・・・ まさに格言。
キャラン(浩司)の仕掛ける情報、心理戦に、してやられている。
これは、キャラン(浩司)の仕掛けた情報、心理戦ではなく 今は亡き川村の仕掛けた情報、心理戦であった。
死んでも尚 有効的に機能していたのだ。
正体を明かさず、小出しで相手を攪乱させ 疑心暗鬼に陥れる。 優れた能力の一旦であった。
どこから情報が漏えいしたのか? 裏切り者はだれか? など それにより強固に一枚岩を誇った敵を内側から内部分裂させ 統一行動を取れない状態にさせ 尚 内部分裂による自己崩壊、自滅まで誘う・・・・ など、その典型例。
この場合 正体を見せず 眼に見えぬ敵の恐怖に怯えさせる・・・・
ファントム(亡霊)と言う実体を持たない仮想の敵を作り上げ 混乱させる。
川村の仕掛けた数々のトラップ(罠)に、まんまと引っかかっていた。
本物と嘘を巧みに織り交ぜ、タイミング良く情報を限定的に流す。
どれが、どこまで本物なのか? 流した本人以外見抜く事は、ほぼ不可能・・・・
それほど巧みであり老獪でもあった。
その時点 たったの4人 それだけで、全世界を敵にして戦うには、色々策略を張り巡らす必要でもあった。
まともに、正攻法である正面決戦など望めない 出来る限り敵の戦力を自滅、攪乱、混乱させ削いでおく必要性があった。
同時に、こちらの情報、戦力等を正確に把握させない・・・・もある。
やれる下準備だけは骨惜しみせずやっておく。
川村の残してくれた貴重な遺産でもあった。
存在しない強大な戦力を誇る未知の敵がいると思わせる。
情報の重要性を熟知していた。
「ギル・・・・」 正面に立つギルに語りかけるアピリム。
「何でしょうか? アピリム様」
何かを思いつめて表情を一瞬見せたアピリムだが、直ぐかぶりを振る。
「いや何でもない」
「それよりも キャラン(浩司)をおびき出す手立て整ているだろうな?」
「はいアピリム様 明日にでも決行可能です」
「そうか・・・」 大きくうなづくアピリム。
細かな事を考えても始まらない 今は、正面の当面の敵 キャラン(浩司)を倒し レジェンスを奪い取る その事に全力を尽くす。
その為の準備を整えたのだ。
持ちうる限りの最大戦力を投入 全戦力を用いて一気に敵 キャラン(浩司)を倒す。
戦略レベルでの圧倒的比較すらならないほ程の有利差を最大限に活かす。
この圧倒的有利差を戦術レベルでいかに有効的に活用するか?
この戦い 勝利か? 死か? ではない。
勝利か? より完璧な勝利か? 今はその2文字があるのみ。
これから始まる戦いの高揚感に包まれる この高揚感こそアピリム自身 自らの存在意義であり 今こうして生きていると実感の証でもあった。
戦いこそが、全て・・・・

 地球標準時間で翌日。
別宇宙にあるアルファーベースの一角。
「マスター この映像 どのように対処されるおつもりで・・・・」 ノルンの声が中央作戦室で、正面の大型モニター画面を注視するキャラン(浩司)に耳に響く、
まさに、決闘の申込み。
「・・・この余の命が欲しくば、明日 現地時間の早朝 夜明けにハルマゲドンに来い 余は、全力を持って、キャラン(浩司)貴様と対決に応じよう・・・・」 アピリム自身があらゆるメディアを使い 全地球に同時に放送を流した。
「この戦いに応じなければ、キャラン(浩司)貴様は、腰抜け、腑抜けとして、後世に語り継がれる事になる・・・・」 正面切っての宣戦布告。
両目を軽く閉じ 首を左右に少し振るキャラン(浩司)。
どう見ても時代錯誤 演出効果も今イチ・・・・ その様な言葉しか思い浮かばない。
皮肉家としての頭脳が、活発に活動している。
「現在の秩序を守る無敵の唯一絶対の正義?のヒーローを演じるならば、演出効果を もっと考えるべきだなあー」 そう呟くキャラン(浩司)。
「これだと あのピエールといい勝負・・・・」 独り言呟くように言うキャラン(浩司)。
古今東西 飽きもせず受け継がれてきた 権力者が、戦争を始めるときの常套文句。
自らを唯一絶対の正義と気取り 尚 それに宗教などと呼称する物の神々などと呼称する物まで加える。
そして、敵対する者、勢力を悪と決めつける。
権力者の自己保身、権力の更なる拡大、集中などに使う常套手段の1つ。
自らを絶対化する・・・・
どこやらの国(日本)の冤罪ばかりしかデッチ上げる事以外全く何も出来ない警官と全く同じ。
何を言っても無駄・・・・ 呆れて思うキャラン(浩司)。
「ところで、ノルン」
「はいマスター」
「武器の製造 補充状況は?」
今 最も重要な事であった。
たった1人で多数の敵と戦う 武器のスペアなどの補給が重要。
「必要量と思われる数を上回る量の生産、補充を完了しています。 それと新型の小型ハンドガンタイプのエネルギー弾を発射出来る "ダムデス" も残すところ実戦テストのみです」
「それと・・・・」 少し言葉を濁すノルン 何か隠した口調。
「実は、マスターに、ここまで内緒にしていたのですが・・・・」
「・・・・・」 少し表情を変えるキャラン(浩司)。 隠し事をされていた 余りいい気分ではない。
「マスターの助手用の 主に戦闘用のヒューマノイド・タイプの女性型アンドロイドの開発に着手しておりました まだ完成にはかなり時間が必要ですが、1度 ご覧いただきたいと思いまして・・・・」 少し語尾を濁らせるノルン。 怒られるのでは・・・・ と言う心配が入っている。
何も事前の説明も許可なく勝手に研究、開発、生産を開始した物であった。
いつもたった1人で戦うマスターであるキャラン(浩司)を心配に思い 戦闘時に、アシスタントとなる戦闘用のアンドロイドの開発を考えた。
過去何気なく話を持ちかけたが、゜「1人で十分・・・・ と言って話が進まず、そのまま研究、開発、生産を凍結していた。
だが、今回は稀に見る 圧倒的多数を相手 ほぼ現状アポリスが持ち得る全戦力と言っても決して過言はない それだけの戦力を ノルンに取ってマスターであるキャラン(浩司)1人に対してぶつけてくる。
圧倒的不利な状況。
少しでも不利な状況を改善する為 急遽 研究、開発、生産を勝手に開始した。
最強のアシスタント・・・ いやパートナーなるべき戦闘用アンドロイド。
もち得る全テクノロジーを惜しみなく投入する。
だが、研究、開発、生産が遅すぎた 決戦は、地球標準時間で、約24時間後 どんなに急いでも地球標準時間で、後1週間は必要であった。
ちなみに、ここアルファーベース内の1日は、地球標準時間に設定されおり 基準時間は、日本標準時間帯を採用している。
同様に、小さな小惑星の表面の1部及び地下に広大な秘密基地が建設されており 膨大なエネルギーが必要の為り そのオネルギー源には、CP対称性の破れを利用した反物質反応炉により基地の全システムのエネルギーを抽出 その中執したエネルギーから地球と同じ重力を得る為 重力の触媒素粒子であるヒッグス粒子をコントロールし グラビトン・コントロール(重力制御)により地球と同じ1Gの人工重力を基地内全てに発生させている。。
驚異のオーバーテクノロジーの数々は、これだけではないが・・・・
マスターであるキャラン(浩司)自身 アルファーベースの全てを知り尽くしている理由ではなく その都度ノルンから説明を受けている。
驚異のオーバーテクノロジーの数々の基本理論については、科学について、地球上の人類としては、深く理解している方であるか、現在の人類の最新の科学、理論を遥に超えており ほとんど理解していない。
勉強したのだが、現在その余裕はない。
キャラン(浩司)は、チェアからゆっくりと腰を上げた。
少し仕方なさそうな表情を浮かべる。
どこまでの出来具合か確認する必要性を感じていた。
明日の決戦までには、間に合わない。 だがこの眼で確認を取る必要があると判断した。
せっかくのノルンの好意である。
生産現場に入る。
全て機械によりオートメイション化された生産組立現場。
まだ基本構造の骨格の部分の作業が行われていた。
それでもかなり複雑な作業であるのが、だれの眼にも解る。
職人による丹精込めて作られる1品物の作品を制作している様に感じる。
「実は、マスター これ以外にも もう1つあるのですが、ご覧いただけますか?」
ノルンの少し申し訳ないと言う気持ちの伝わる声が響く。
「まだ何かああるか?」
「現在持ち得るテクノロジーの全てを投入して開発中のスペースシップ(宇宙船)です」
「スペースシップ(宇宙船)?」
少し驚いた表情を見せるキャラン(浩司)。
何でも大袈裟過ぎるひ言う表情を浮かべる。
明日 行う戦闘は地球上 不要な物に感じる。
宇宙空間での戦闘などあり得ない。
「無駄な物では・・・・」
「いいえ この戦いが終われば、マスターは、必ず宇宙空間へ旅立つ事になりますので、開発を開始しました」
「戦いが終わればと言っても 勝てる見込みなど・・・・」
そう勝つ 勝算なき戦いはしない・・・ が一応信条ではあったが、勝算には、ほとんど乏しい、無限のエネルギーを誇るレジェンスと融合していても コントロール不能の無用の長物 どんなに最強のハードウエアーも それを運用するソフトウエアー つまり運用する個人の能力に大きく左右される。 武装する武器類も 全て驚異のオーバーテクノロジーの数々 だが、それらを運用するソフトウエアー つまりキャラン(浩司)自身 自らを 有効的に運用出来る優秀な人材だと全く思っていない。
1人で比較の対象にすらならない圧倒的などの言葉では言えない ケタ外れ 多分100万倍以上の極端な戦力差の戦いに臨む。
レジェンスのエネルギーを解放 地球事破壊してしまえば、簡単だが、それでは全く意味がない。
戦略上の目的は、ネクストノイドとの共存する社会への実現の為の歴史的流れを作り出す。
その為に必要な ネクストノイドをテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)している 上位モデルのアピリムと、残りのデストロを倒し ネクストリイドと言っても 各タイプのグロテノスのテレパシーによるマインドコントロール(精神支配の呪縛から解き放つ・・・・ を目的としている。
その後 起こりうると考えられる 人類の分化による進化 多種多様化、多様性を持つ 各タイプの人類の共存である。
確かに、キャラン(浩司)自身 宇宙に対して、限りない夢を持っている。
広大な 無限と思える宇宙を旅して見たい・・・・
だが、戦いに勝利出来ればの話だ。
勝つ保障など無い。
奇跡と思える偶然が、全て重なり勝利出来ても その後 だれが、次の時代の支配者になるのか・・・・? 下らない権力争いによる政争に巻き込まれるのが目に見えている。
特に、ピエールのやつは、このチャンスに漁夫の利を狙ってくる。
だが、今 そんな事考えている余裕などない。
明日の決戦 もはや戦略レベルの話ではない。 戦術レベルでいかに戦うかだ。
偶然が重なり 運よく勝てれば、その後 考えれば・・・・ の話だ。
色々考え込んでいると、どこからともなくみなっちが現れた。
かなり顔色が良くなっている。
体調が戻ってきたのだろう。
浩司の顔を見ると、心配と不機嫌そうな顔の入り混じった表情を浮かべる。
ベッドで寝込んでいる時から何度もこれからの事について話し合ってきた。
「こーちゃん・・・・」 まだ納得していない そんな響きを感じる。
「明日の戦い こーちゃん1人で地球へ行って・・・・」
そう明日行われるネクストノイドとの決戦 浩司は、1人で行くと言った。 そして、みなっちは、ここでいい子にしてお留守番を・・・・ と言ったのだ。
明日の決戦 多分・・・・ いや間違いなく想像も及ばない血みどろ戦いになる。 勝てる見込みもない。 だが自ら望んだ戦い。
そんな場所にみなっちを連れて行くなど出来ない。
多分 間違いなく浩司自身戦いに敗れ殺される。 浩司が死ねば、だれがみなっちを守るのか? 守ってくれる者などだれもいない。
そんな危険な場所に連れて行くなど出来ない。
だからここへ残れと・・・ 今 最も安全と思われる場所 浩司、みなっちの住む宇宙とは、別の宇宙にあるアルファーベースに。
みなっちは、浩司のこの提案に全く納得していない。
だれもいない ここアルファーベースに残り 浩司の帰りを待つなど。
前に、浩司が戦いに敗れ 浩司の身体が光ると同時に、忽然と姿を消した事があった。
そして、それから約1年もの間 浩司の帰りを待ち続けた。
あの時 浩司は死んでいない・・・・ そう信じて待ち続けた。
どんな心が折れそうになったか・・・・
そして、約1年後 今度は、みなっちの絶体絶命の危機的状況時に、その姿を忽然と現した。 みなったちの眼の前に。
あの待ち続けた約1年もの間の 不安で、今にも心が折れ砕けそうな気持を もう2度と味わいたくない。
だから 付いて行くと決めた。
例えそれが、地獄の修羅の世界でもあっても。
もう2度と離れない。
「・・・・もし連れて行かなければ、今この場で、舌を噛み切り死んでやる・・・・ そして、呪って、死霊、悪霊、怨霊、魍魎となって こーちゃんに取り付いてやると・・・」 そう脅迫した。
「女の恨み怖いんだぞー・・・・」 憎しみの籠った鋭い眼で、浩司を睨む。
「・・・・えーい!! このみなっち様を何と心得ておるんじぇわい!!!!! バカ者めー!!!!!!」 いつもの決めゼリフ。
2人の話は平行線を辿り まだ結論に達していなかった。
結局 各種脅迫に屈し渋々同意する浩司。 他だし絶対に譲れない条件を付けた。
地球には連れて行く 他だし戦闘地域の近くまで あくまでも近く 後方の安全と思われる地域で待つ。 これが絶対に譲れない条件であった。
みなっちを戦闘地域に残し戦う事は出来ない。
これが、浩司の生涯において、最大の判断ミスになるとは、この時点知るはずもなかった。
未来を予見する能力などない。
どんな手段を用いても意地でも ここアルファーベースに、みなっちを残しておくべきであった。
浩司は生涯 この判断ミスを悔やみ続ける事になる。

 この時 この宇宙の片隅で、驚異のオーバーテクノロジーを持つ大集団が、地球へと向かっている事なども・・・・
浩司も ノルンも決して万能ではない。




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