LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)


 放浪 Par7

 「よく見ておくのよ妙子ちゃん」 妙になまめかしい大人の色艶のある声が響く。
今 上空で、キャラン(浩司)と。8大将軍の1体 南アメリカ担当のフリオの変身後のB,S(バトルスタイル)コンスターとの対決を モニター画面に注視する3体。
うち2人は、とてもこの世の者と思えない程の絶世の美貌と、スタイルを誇る 美女と美少女 そう あのリンと、妙子 そして、もう1人は、長い顎鬚が特徴の古代ローマの賢者風の白い衣装をまとう 8大将軍の1体 ギル。

 コンスターの必殺技 三位一体の攻撃を全くケタ違いの能力で、応戦するキャラン(浩司)。
コンスターのトリプルアタック(三位一体)の攻撃も 全く苦にしない。
まるで、ふざけて遊んでいるように見える。
ラムダは、スピード重視、シグマは、パワー重視、ジータは、大型エネルギー砲重視 それぞれの特徴を生かし コンビネーションで、攻撃を繰り返す 特に、スピード重視のラムダの積極的攻撃も 全くスピードの違いを感じさせていた。
そんな時 ピエールの装着するB,P-2が、新たに、新兵器と呼べるG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)を装着 ここで、興味を引かれたキャラン(浩司)と、3体の分身体となったコンスターは、戦闘を中断 G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)を新たに装着したピエールの戦闘を上空から模様眺めを始めた。
同時に、スーパーステルス製スパイ衛星ポッパーを利用し戦闘能力の解析を始める。
やはり戦闘能力、スペックが気になる。

 地上では、ミューフランダーが、太陽光エネルギーのチャージが、終了 グロテノスの最強と言われる エネルギー砲 フォトン(光子)加速砲を バリヤーを張るG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に照準を定めた。
「さあ 撃つが良い」 自信に満ちた態度のG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。
「これで、サラバだー」 雄叫びを上げ 腹部に開いた花びらの中心から強力なエネルギー砲 光子加速砲を放つミューフランダー。
放たれたエネルギー・ビームは、複数のエネルギー・ヒームが、渦巻き状に絡み合い G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)に向かう。
バリヤーと衝突。
だが、強力なエネルギー・ピームは、そのまま四散する。
「ふ・ふ・ふ・・・ その程度かね 自慢のエネルギー砲は?」
勝ち誇るG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。
この光景を唖然と見守る ミューフランター エネルギー出力は、MAX 最大限。
この直撃に耐えられるはずがない。
太陽光の持つ 本来のホテンシャル・エネルギーを最大限に高めている。
だが、G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)を守る バリヤーは、問題視していない。
「もう終わりか?」
自信に満ちた態度のG,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)。
徐に、バリヤーを解除すると、左腕をミューフランダーに向ける。
同時に、左腕は、銃身に変形する。
「ならば 今度は、こちらからだ」

 "演出過剰のいつもの無意味のパフォーマンス・・・・" 上空から この戦闘を見守るキャラン(浩司)。
かなり呆れた表情。

 「見るが良い 神々の残して下さった偉大な力を」
同時に、額のネオメタルが、燦然と輝き 巨大な大口径を誇る銃口に、小さな光の粒子 エネルギーが集中 小さな1点に向かい 巨大なエネルギーとなりながら収縮。
だれが見ても 強力なエネルギーが高められているのが解かる。
「これこそ 神々の偉大なる力を喰らうが良い メガ・プロミネンス砲!!」
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)は、高らかに宣言と同時に、大口径の銃口から すさまじい真っ赤なエネルギーヒームが、ミューフランダーに向け発射。
まさに、プロミンス 太陽の下層大気である彩層の1部が、磁力線に沿って、上層大気であるコロナ中に突出した莫大なエネルギーのようであった。
直撃と同時に、まともに直撃を喰らったミューフランダーは、声すら発する間も無く 瞬時に跡形も無く消失。
ミューグロテノスとは、ケタ違いの戦闘能力。
残り3体のミューグロテノス パーサーカー5(ファイブ)は、思わず言葉を失い 息を呑む。
このまま まともに戦っても勝ち目はない。
苦渋の決断を迫られるパーサーカー5(ファイブ)隊長 ミューホーカー・ロイ。
共に、地獄を味わい 当初 失敗体と言う事で、偏見の眼に晒されながらも 実力で、ここまで上り詰めてきた。
泣く時も、笑う時も どんな苦しい時でも・・・ いつも5体一緒で、支えあってきた。 深い・・・ 何よりも深い絆で、結ばれている。
失敗体・・・決して消し去る事の出来ない 深く心の奥底に、刻み込まれたトラウマ(精神的外傷)。
だが、それをバネにした。
いつの日か、見返してやる・・・・
そして、チャンスを貰った。
だれもが嫌がる仕事を 完璧にやり遂げてきた。
5体揃えば、向かうところ敵無し 最強のグロテノスの名を欲しいままにしてきた。
今では、最強のネクストノイド、神に等しいとまで言われる アピリム直属の親衛隊。
決して、敵に後ろを見せる事などなかった。
立ち塞がる敵に、前進 殲滅するのみ。
だが、大事な仲間2体を 簡単に撃破されてしまった。
無用な戦いで、これ以上仲間を失うなど出来ない。
この命を捨てでも 守るのは、アピリムのみ。
だが、強い相手を見ると、やはり戦いを欲する戦士としての資質・・・ いや闘争本能。
強い相手と戦いたい・・・
それに、死んだ仲間の弔い合戦・・・・ 死ぬ時は一緒と誓い合った大事な仲間。
色々な思いが交錯する。
判断に迷いが生じる。
ここは、退くべきか? このまま立ち向かうべきか?

 その頃 上空で、この戦闘の模様眺めをしていたキャラン(浩司)と、3体に分離している8大将軍の1体 コンスター。
G,G,P(グレート・ゴット・プロテクター)の放った必殺のメガ・プロミネンス砲の威力に思わずため息を漏らしていた。
「少しは、やるじゃないか あのブリキのオモチャ」 余裕の表情を浮かべながら 同時に声を合わせる3体に分離しているコンスター だが、発言とは、裏腹に余り余裕がないように感じられる。
あれ程強力なウネルギー・ピーム 直撃を喰らえば、はたして、バリヤーが持つのか一抹の不安を感じさせていた。
対するキャラン(浩司)の方と言えば、相変わらず 毒舌でも撒き散らしそうな表情。
「ピエールらしく 相変わらずの極端なハードウェアー信仰 あれで勝てる気でいるのやら・・・・」 呆れ顔。
全てデータ化し 別宇宙にあるアルファー・ベースのノルンで処理 データ保存されている。
3体に分離しているコンスターを見る。
ニヤリ・・・と、不敵な笑みを浮かべる。
どうやら ここから再戦の意思表示。
キャラン(浩司)の口元も薄く笑う。
互いの鋭い視線が、激突。
静寂の一瞬。
先に、3体に分離しているコンスターが動いた。
先頭を切って、スピード重視のラムダが仕掛ける。
2枚の羽を 鋭利に刃物に尖らせ 表面には、高電磁波を発生 触れた瞬間 分子レベルから切り裂く。
身体表面に、レジェンスの無限のエネルギーが発生 バリヤーの役割を果すキャラン(浩司)。
この程度の高電磁波 全く問題にならない。
そこへ連携して、パワー重視の ラムタ゜が入り込む。
どうやら2体で、隙を作り エネルギーチャージに、時間を要する ジータに、時間を作らせ 一気に エネルギー砲で、片づける作戦らしい。
それに、気づいているキャラン(浩司)。
焦りの表情1つ浮かべていない。
想定内と言う反応を見せている。
相変わらず、余り攻撃を仕掛けず、受けて流す歳 1発だけのカウンターパンチ、キックを お見舞いさせているだけ まるで、ふざけて遊んでいる様にしか見えない。
だが、その眼は、一瞬の隙を狙う肉食動物の様に鋭い。
相手の動きを読んでいる。 極めて沈着冷静。
パワー重視の為 他の2体と比べ やや動きが遅いシグマに狙いを定める。
一瞬 動きが遅くなった。
その瞬間を狙い キャラン(浩司9は、マグナムアタックを1発発射。
シグマの腹部に命中。
だが、デストロである バリヤーで、防ぐも直撃 そのまま地上に落下。
間を入れずキャラン(浩司)は、地上に激突したラムダに向け 更に、ショットアタックを発射 無数の光粒子弾が、まるで、流星の降り注ぐ。
大きな爆煙が立ち上がる。
一瞬 残り2体の ラムダと、エネネルギーチャージを終了していたジータの表情が青ざめる。
爆煙が、風により薄らぐ。
中心部から 強い光を伴うエネルギーの光が漏れる。
バリヤーで、防いだシグマが現れる。
バリヤー解除と共に、また上空の戦闘エリアへと、飛行を開始 だが、その表情は、怒り心頭。
ケタ違いの戦闘能力の差を見せ付けられた。
プライドが許せない。
冷静さを欠くシグマ ラムダを押しのけ キャラン(浩司)と対峙。
1体が、3体に分離 元々1体で、ネクスタルの機能の1つテレパシーにより意識を共有されているはずだが、分離する事で、微妙な意識のズレが生じていた。
微妙に異なる個性と言うべきか?
同じデストロ 下位モデルのグロテノスと違い テレパシーによるマインドコントロール(精神支配)は、出来ない。
1体1体が、特定の機能を重視、特化されている。
全く同じでは意味が無い。
トリプルアタック(三位一体) 異なる特性を重視し連携する事で、威力、攻撃力を増大させている。
この僅かな違いを キャラン(浩司)は、突いた。
3体の微妙な違いに、キャラン(浩司)は、気づいた。
各個撃破戦術。
分断し 各個事に倒す。
同時に、3体では、相手にするには大変だが、単体事に、分断し相手をする。
互いの連携性を断ち 尚且つ タイムラグ(時間差)を利用する。
今 シグマは、怒り震え 他の2体との連携を忘れている。
チャンス。
目標をシグマ1体に絞るキャラン(浩司)。
エネルギー・チャージを終え 強力なエネルギー砲のターゲット(照準)を合わせているジータは。要注意 少し離れた場所で、チャンスを覗っている。
ジータが、エネルギー砲を撃つ瞬間が、まず最初のポイント。
冷酷にはなりたくない。 だが今冷酷にならざるえない状況。
戦略上 最も重要だと考えている 歴史の流れ・・・。
その為に、無益な血と、生命が大量に消費される。
残酷。
権力を欲する者 この点をどう考えるのか?
生命とは、そんなに無価値なのか?
生きる事に価値があるはず・・・
元々自身 自らを安っぽい正義など気取るつもりもない。
正義などと言う言葉など死語の世界。
何が、正義なのか? その定義が全く解からない。
ただ 自身が立てた戦略上の目標であり勝利の為・・・・
色々な思考が交差する。
我を忘れ キャラン(浩司)と接近戦で、強大なパワーを用いて戦うシグマ 何とか援護しようとするラムダ。
一瞬 シグマの猛攻に、弾き飛ばされるキャラン(浩司) その瞬間を待ち構えていたジータ。
胸部が、左右に開かれ 2門の大口径の砲門が迫り出す。
ジータのファイナルウエポン(最終兵器) バルサー・キャノン。
この瞬間を狙っていたキャラン(浩司)。
態勢を直ぐに立て直し 光速のスピードで、シグマに回り込み 強力なキックを左脇腹に1発喰らわす。
何が起きたのか? 解からない表情のシグマ。
キャラン(浩司)の強力なキックで、ジータが放ったパルサー・キャノンの射軸線上に蹴り飛ばされる。
命中ポイントに、キャラン(浩司)がいたはずが、瞬時に、シグマに変わっており 強力なパルサー・キャノンの直撃を受ける。
バリヤーを張る余裕などない ほぼ(ゼロ)距離で、直撃を喰らったようなものてあった。
絶叫を上げ 見る見る身体が燃え上がるシグマ。
まさにフレンドリー・ファイヤー(同士討ち)。
戦闘時における 最も恥とすべき行為。
自ら持つコントロールが難しい・・・ いや不能と思えるレジェンスの強力なエネルギー弾、エネルギー・ビームなどを 最小限度に抑え 余り利用せず、勝つには、これが最善と考えていた。
その為の相手のファイナル・ウエポン(最終兵器)の大技で、フレンドリー・ファイヤー(同士討ち)をさせる。
非情に、卑劣なやり方・・・・
勝つ事だけを考える・・・ 途方も無く卑しくなる・・・

 残る2体のラムダと、ジータ 特に、ジータ 自らのファイナル・ウエポン(最終兵器)の大技で、自身の1/3の失う結果をもたらした。
ショックが表情に表れている。
元々非情に稀な一卵性の三つ子として、この世に誕生するはずだった。 だが、原因は、不明だが、1人の男児として、この世に誕生した。
そして、その子の名前は、フリオと名づけられた。
だが、フリオの中には、三つ子として、誕生するはずだった3人の 微妙に異なる個性を持つ自我が、1つの肉体に共存していた。
ある面で考えれば、メニーパーソナリティー(多重人格)に似ている。
そして、稀に見るネクストノイド上位モデルであるデストロの適正率を持っていた。
ネクストノイドのデストロへの改造時 それに気づいたギルが、3人の個性に合わせ それぞれに肉体を分離して分け与える方法を採用 それが、トリプル・アタック(三位一体)の攻撃。
3つの自我のそれぞれの個性に合わせ、特化。
額に埋め込む エルと呼ばれた驚異のオーバーテクノロジーを持つEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残していったネクスタルがあってこそ出来た大技でもあった。
だが今 その1体を永遠に失う結果をもたらした。
だが、ここで怯んで引き下がる事は出来ない。
2体になっても 眼の前の敵 キャラン(浩司)を倒す。
デストロとしての 絶対譲る事の出来ないプライド。
2体は、交互にキャラン(浩司)に波状攻撃を仕掛ける。
見事なコンビネーション さすがのキャラン(浩司)も この猛攻にやや後退を余儀なくされる。
どうやら 先程まで安定していたレジェンスからのエネルギー いつもの激しく全く安定しない変動状態が始まったらしい。
だか、ここで下がる理由には行かない。
キャラン(浩司)もまた 自ら立てた戦略上の勝利を得る為 そして、戦局、歴史の流れを自ら望む方向に進める為。
キャラン(浩司)には、レグと呼ばれる エルと呼ばれ我々人類が、かって、神々と呼称したEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体) 今から7約10万年以上前 我々人類のDNAを操作 改良した オーバーテクノロジーを遥かに上回る 遥か太古に滅んだ超銀河団まで進出したオーバーテクノロジーの遺産を所有している それも絶対的な存在であるマスターとして、だが、そのレグのオーバーテクノロジーを全面的に利用しようとしない その気になれば、エルのオーバーテクノロジーの1つ ナノマシーンを超えるナノマシーンを製造 投入 人類の思考を思うようにコントロール下に置く事も出来る。
マインドコントロール(精神支配)。
何もアポリス。ネクストノイドの専売特許でない。
更に、比較すらならない各種、兵器、機材などノルンが、研究、開発中。
だが、キャラン(浩司)自身 余りハードウエーアーに対し コントロール出来ない無用の長物・・・ などと変なわだかまりを持っていた。
だからあえてそれを実行しない。
ハードウェアーより ソアトウェアー重視。
キャラン(浩司)は、自営業者出身 何事も自分で考え判断し行動する。
サラリーマン、OL、公務員などと違う。
上の命令に従い 自ら何も考えず、判断しない。 他だ命令どおり従うだけ。
自ら考え判断しない。
「上、会社の命令に従っただけ・・・」 常套文句であり まさに、錦の御旗。
「錦の御旗」という言葉は、その意味合いから転用され、現在では「自身の主張・行為を正当化し、権威づけるもの」を指す意味でも用いられる。
つまり 会社と言う物を使って、自らを正当化し、権威づけしているだけ・・・
決して、自らの努力で、勝ち得た物ではない。
社蓄と、自らを呼称しながら 会社などと言う組織を都合よく利用しているだけ。
都合が悪い状況に追い込まれれば、全て会社などと言う物に責任転換してしまい 自ら被害者面して、世間の同情を集めようとする。
全く自ら物事を判断し、実行する能力に欠けている。
だが、あえてこう言う連中に、判断させようと思っていた。
その為の もう1つのモデルを作り上げ 判断させようと思っていた。
今のネクストノイドが支配する 完全ピラミッド型の下克上を失し地位、身分を固定化 全てが停滞し安定した平和な社会か、それとも ネクストノイドを人類進化の1つと捕らえ 過去 人類が発生以来 常に複数種が、多分推測だが、まかになりにも共存してきた社会を実現 他だし下克上の有のカオス(混沌)とした 常に揺らぎ 安定しない社会を目指すのか?
キャラン(浩司)の目指すのは、後者。
実力主義。
その判断材料となるモデルの提示であった。
だが、キャラン(浩司9には、致命的とも言えるリーダー性の欠如。
物事に対して、上に立ち引っ張ると言う面に欠けていた。
典型的自営業の家庭で、生まれ育ち 1匹狼的資質を育んでいる。
その為か? 自ら権力を握り自ら目指すものを実現させると言う覚悟に欠けていた。
権力の腐敗 権力を欲しようとした瞬間から汚物以下の腐敗が始まる その点を忌み嫌っていた。
「民衆が、根本的に自主的な思考と、それに伴う責任よりも 命令と従属と、それに伴う責任免除の方を好むと言う 歴史上の顕著な例証である・・・」
銀河英雄伝説 フリープラネッツ(自由惑星同盟)軍 魔術師ヤン こそヤン・ウェンリー元帥の有名な格言である。
(田中 芳樹著)
全て、会社、組織の命令に従っただけ・・・ まさにこれを表している。
だからこそ 別のモデルを提示し 判断させようと考えた。
選択の幅を持たせ 複数のモデルから本人の根本的に自主的な思考と、それに伴う責任で・・・
重要なのは、自分で考え判断させる それも自己責任で・・・。
はたして、出るだろうか・・・?
至れり尽くせりで、引かれたレールの上を安全走行し 会社だ、組織だのを隠れ蓑に利用し、自己保身だけを計ってきた者たちに・・・
まさに、虎の威を借る狐・・・・
全くな避けない連中ばかりだ。
自らの行く末を自ら判断し実行する・・・・
その程度ぐらいは、期待したい・・・・
キャラン(浩司)の本音である。

 今 まさに、歴史は、大きな転換期を迎えている。

 歴史の転換期、つまり大きく歴史が変わるとき 歴史は、その代価、献上品として、大量の血と、生命を欲する・・・・
実に嫌な事実だ。
歴史が変わるとき そこには、大量の血が流され 死が、必ずある。
地球上で起きた 過去6回以上起きたとされる生命のカタストロフィー(大量絶滅)などその典型だ。
約60%〜95%もの大量の生物種が、その時絶滅している。
その後 ニッチ(生態的地位)の空白を埋める為 生物種のビックバン(大爆発)がおき カタストロフィー(大量絶滅)以前の更に、多種多様化し 多様性を持った生態系を作り上げているのだが・・・
カオス(混沌)の状態になり 生存を掛けた下克上が起きる。
その戦いに勝つ為・・・ いや極端に変化した環境に生き残る為 新たな環境に対応出来る 新たな形態を手に入れる為 生物種の分化 進化が、爆発的に起こる。
生命の進化とは、勝利した生命の歴史ではなく、敗れた生命の上にこそある。
つまり生存競争で、頂点に立てず敗者の地位に甘んじていた生命の歴史でもある。
カタストロフィー(大量絶滅)時に、必ずそれまでの勝者は、絶滅する。
カタストロフィー(大量絶滅)時は、必ず、短時間で、環境の極端な変化によって引き起こされる。
勝者は、今までの環境に、他より相対的に適しているから勝者の地位にいられる。
だが、極端に変化時 適応出来ず、絶滅する。
生態系は、ピラミッド構造 1部少数の勝者が、多数の敗者を支配している。
だが、現状の環境に余り適応していない生物種に取って、環境の極端な変化は、チャンス到来。
新たな環境に素早く適応出来る形態を 進化によって獲得出来た生物種が、新たな環境下 この地球上の生物種として、頂点に立てる可能性が高い。

 話を元に戻そう。

 残り2体となったラムダと、ジータ 
互いのコンビネーションを活かし キャラン(浩司)に近接戦闘を挑むも レベルの違いは、明らか。
特に、ジータは、遠距離の大型エネルギー砲の一撃必殺タイプ 近接戦闘では分が悪い。
一撃必殺の大型エネルギー砲に特化している為 近接戦闘用の小型軽火器類など 標準装備されておらず、1度大型エネルギー砲を使用すると、エネルギーチャージに、時間を要する。
そこをキャラン(浩司)に狙われた。
常に、一定距離内に詰められての戦闘を余儀なくされ苦戦を強いられている。
だが、キャラン(浩司)も後1歩まで追い詰めるが、決定打を放てずにいた。
スピードに特化したラムダにうまく一瞬の隙を突かれタイミングを外されてしまう。
一気に、スターバーストなどの大技を利用し片付けたいのだが、レジェンスからのエネルギーの変動が激しく 大技を余り使えない状況であった。
相手の動きを止め 一瞬の隙を衝き 全ネクストノド共通の弱点 頭の額のネクスタルを破壊する。
ラムダが、少し距離を置く 2枚の羽が、ネクスタルからのエネルギーにより青く光る。
数回羽根を羽ばたかせる 同時に、羽根から十字の形をした手裏剣の様な小さなエネルギーの物体が、無数に現れ 高速で、それもランダムな動きで、キャラン(浩司)を襲う。
ラムダの必殺技 クロススターライト。
キャラン(浩司)の身体が、瞬時に淡い白い光を発する。
身体の周囲に球体の淡い白い光に包まれる。
バリヤー。
キャラン(浩司)の張ったバリヤーと、ラムダの放ったクロスソードが衝突 その瞬間 バリヤー表面の各々場所から大きな爆煙を上がる。
その瞬間 ラムダと、ジータが、アイコンタクト。
止めとばかりに、2体の大技 ラムダは、巨大なクロススターライト、ジータは、パルサーキャノンを爆煙で、見えなくなったキャラン(浩司)に向け発射 爆煙で、姿が見えないが、間違いなくそこにいるのが、解かっている。
この最大のチャンスを逃す訳には行かない。
2つの強大なエネルギーは、キャラン(浩司)の張っているバリヤーに、激突 まるで、核兵器が、空中爆発したかのような 巨大なソニックブーム(衝撃波)を伴う 巨大なきのこ雲が、舞い上がる。
「殺(や)ったかー・・・・」
ラムダと、ジータが、声を合わせる。
確かな手ごたえを感じる。 間違いなく仕留めたと、少し頬が、緩む。
最終必殺技の強大なエネルギー弾を 2つも同時に喰らわした。
強力なバリヤーでも 防げないはず・・・・
少し鉛の様な灰色と黒の混じった爆煙が薄れていく そこには、何も・・・・
僅かだが、雲の隙間から光が漏れ出す。
最初は、僅かな隙間から少し漏れ出すようであったが、爆煙が、風によって吹き流され出すと、徐々に強く、まるで生命の光輝く命のように、力強い輝きを発する。
「そんなバカなあー」 ラムダと、ジータは、顔色が、先程までの、少し緩んだ表情から一変 驚愕な表情へと変化する。
確かに、直撃 それも2体の最終必殺技の強大なエネルギー弾を 2つも同時に喰らわしたはず・・・・
強力なバリヤーでも持ちこたえられないはずだ・・・・
爆煙の隙間から 淡い白い光の球体が、ゆっくりと現れ始めたのだ。
とても信じる事が出来ない。
2体の最終必殺技の強大なエネルギー弾を 2つも同時に喰らい 跡形も無く消滅したと思われたキャラン(浩司) 自身の張った強力なバリヤーに、包まれながらも 全く無傷の状態で、その姿を現した。
その表情は、まるで何事もなかったように、全く変わっていない。
冷酷に、ラムダと、ジータを見据えている。
キャラン(浩司)の両目は、鋭く冷酷な光を発する。
同時に、バリヤー解除と共に、その姿を消した。
いや違う キャラン(浩司)は、亜光速で動いたのだ。
光速を超えるスピードで動く事の出来るキャラン(浩司)。
デストロである コンスターの分離したラムダと、ジータでさえ そのスピードに眼が追いつかない。
何も感じる間もなく 背中から生えている2枚の翼を それも手刀で、瞬時に切り裂かれる。
それぞれの2枚の羽根で、飛行してのではない。
青ノネクスタルを通じて供給されるエネルギーで、グラビトン・コントロール(重力制御)で、飛行している。
だが、精神的ショックは、計り知れない。
2体に取って、背中から生える翼は、強さの象徴であった。
翼のある者こそ 頂点に立ち 上から下を見下す事の出来る選ばれし存在だと。
全てのプライドを失った損失感 一卵性三つ子の1体を失い、必殺の大技は、防がれ、強さの証明と言える背中から生える2枚の翼を失った このままおめおめと敗北を認め撤退は許されない。
だが実力の違いが、はっきりしている。
相手のキャラン(浩司) BS(バトルスタイル)への変身前とは言え あの神にも等しい思われる 脅威の戦闘能力を持つアピリムを 後1歩まで追い詰めた実力 全く偽りがなかった。
強い・・・・ 信じられない強さだ。
限界の見えない無限の強さ。
だが、シグマと、ジータ まだ選ばれしデストロのプライドが残っている。
残された方法は、1つ。
ラムダと、ジータ お互いのテレパシーで採集確認する。
残された唯一とも思える方法を お互いに最終確認する。
さすがのキャラン(浩司)も 自らテレパシーを利用しているが、シグマと、ジータの互いのテレパシーを読む事が出来ない。
全く異質の能力 その為 キャラン(浩司)もアルファー・ベースのノルンとのテレパシーによる会話は、ネクストノイドに、読まれる危険性が、全くないのだが・・・・
少し距離を置き タイミングを計るシグマと、ジータ。
狙いは、キャラン(浩司)の発光状態 まるでストロボの様に 発光現象が強弱 それも全く一定のリズムを刻んでいない。
常に、激しく揺らいでいる。
全く発光していない瞬間が狙い。
感じるエネルギー量が、極端に落ちている。
その瞬間 全力で、キャラン(浩司)を捕まえ 全ネクスタルのエネルギーを解放 つまり特攻攻撃の自爆 命と引き換えにキャラン(浩司)も道連れにする。
キャラン(浩司)と、シグマ、ジータとの間に、睨み合う。
静寂の中 聞こえるのは、上空に吹く風の音だけ。
キャラン(浩司)の表情が、一瞬変わる。
その隙を見逃さないシグマと、ジータ。
キャラン(浩司)の表情が、一瞬変わると同時に、身体からの淡い白い発光が、ほとんどなくなった。
フルスピード突撃するシグマと、ジータ。
やはり思った血織り キャラン(浩司)の動きが、先程までとは、全く違う 遅い まるでスローモーションの様に見える。
この瞬間 キャラン(浩司)のレジェンスからのエネルギーが、いつもの変動で、最低限近くまで、落ち込んだ。
全く不安定なエネルギー。
「しまったー」 キャラン(浩司)は、小さくつぶやく。
しぐまと、ジータに完全に身体を取り押さえられてしまった。
落ち込んでしまったレジェンスからのエネルギー。 上げようにも自らの意思で、コントロールが出来ない。
シグマと、ジータの額の青のネクスタルの輝きが異常に増す。
直視出来ない程 強力な輝きを発する。
「キャラン(浩司) 俺達と一緒に地獄へ行ってもらう」 シグマと、ジータ 同時に声を揃える。
シグマと、ジータから とてつもないエネルギーの高まりを感じるキャラン(浩司)。
このまま自爆するのが、容易に解る。
同時に、ノルンからのテレパシーが届く。
「マスター このままこの上空で、2体のネクストノイドが、自爆すれば、そのエネルギー量で、地上のある程度距離まで、甚大な被害氏が及びます」
ノルンからの警告。
地上には、みなっちと、川村がいる。 何とかしなければ・・・・
まるで、空中爆発で、、広範囲の甚大な壊滅的被害をもたらす それもメガトン級の核兵器以上の強力なエネルギー量の高まりを感じていた。
ノルンからの警告が響く。 「後数秒・・・・」
このままでは、みなっちと、川村まで危ない。
キャラン(浩司)は、賭けに出た。
瞬時に、周囲に、バリヤーを張る。 同時に、バリヤーごと、テレポーテーション シグマと、ジータを連れ。

 この戦闘を 別の基地からモニター画面で、監視していた8大将軍の1体 デストロであるギルの表情が変わる。
「何をやったのじゃー・・・・」 モニター画面をつぶやくギル。
突然 淡い白い光のバリヤーに包み込まれたかと思うと、バリヤー事に消失してしまった。
まさに消えた。 それも忽然と。
自爆などしたはずはない。 いっいどこへ行ったのか?
全く理解を超えた能力 このわしの眼にも見切れないとは、・・・・まさか亜光速・・・・いや光速で移動・・・・ 違う それなら何らかの痕跡が、データとして、表示されるはず だが、質量、エネルギー値など、全て一瞬にして、消えている まさにそのものが、何かトンネルのような所へはりってしまったかのようだ・・・ 量子トンネル効果による量子テレポーテーション・・・・ それは、机上理論 物質の全ての最小単位である量子状態での不確定性原理における古典的には乗り越える事の出来ないポテンシャル・エネルギーの障壁を 量子効果すなわち、時間とエネルギーとの不確定性原理により乗り越えてしまう(透過してしまう)現象 量子トンネル効果だが、あくまでも最小単位であるこれ以上分割出来ない 最小基本単位 超ミクロの世界での話した 無数の集合体での話しではない。
あのアピリム様でも 多分 テレポーテーションは、不可能じゃ。
まだだれも知らないアピリム様のBS(バトルスタイル) そして、本来の戦闘能力 だれも見た者は、おらん BS(バトルスタイル))しなくとも我らデストロのBS(バトルスタイル)に、変身後の戦闘能力を大きく上回っておる。
そのアピリム様でも持ちえぬ特殊能力を あのキャラン(浩司)が、持っておると言うのか?
1度 アピリム様との戦闘で、BS(バトルスタイル)への変身前とは言え あのアピリム様を後1歩まで、追い詰めたキャラン(浩司)じゃわい まさに、レジェンスと呼ばれる 無限のエネルギー体と融合した 無限のエネルギーを持ち そのポテンシャルも無限だと言うのか・・・・?
色々考え込むギル。
ただモニター画面を注視 もの思いにふけていた。

 突如 周囲を淡い白い光に包まれ他と、思うと 周囲の景色が一変 たじろうシグマと、ジータ。
「ここは・・・・」 2体は、声を揃え 周囲を見渡そうとする。
だが、余りにも異質世界。
淡い白い光のバリヤーに包まれている為 余り感じないが、 眼の前には、想像を遥かに絶する巨大な火の玉 いや天然の核 この宇宙に無数に存在する 巨大なエネルギー体であり天然の核融合炉。
いかに、我々人類が、この宇宙で、ちっぽけな存在かを知らしめる超巨大な物体 太陽。
例え 光速で移動しても約7分以上の時間を費やす距離にあるはず・・・・
それが、1秒にも満たない一瞬で・・・・
そんなバカなはずなどない・・・・
「まさか? ここは?」 信じられない それに、少し怯え? の入った複雑な表情を見せるシグマと、ジータ。
どうしても納得出来ない。
光速を超えるなど 不可能なはず。
「そうさ 予想どおりだ」 全く表情を変えず言い放つキャラン(浩司)。
「ここは、太陽の表面 光球表面の周囲にある彩層の更に周囲の更に外側に展開するコロナの真っ只中」
何事でもないように言い放つキャラン(浩司)。
顔が、恐怖で引きつるシグマと、ジータ。
そうそのはず コロナ 太陽光球表面の上には厚さ約2,000kmの密度が薄く温度が約7000 - 10000Kのプラズマ大気層より更に外側に位置しながら、彩層よりも更に高温の約200万度のプラズマ大気層を形成している。
まだ その詳細なメカニズムは、解明されていない。
もし このまま周囲に展開しているバリヤーを解かれては、バリヤーを張る特殊能力を持つネクストノイド上位モデルであるデストロと言え これだけの超高音プラズマ状態に、バリヤーは、耐え切れず、瞬時に、燃え尽きる超高温プラズマ領域。
キャラン(浩司)の張るバリヤーのお陰で、太陽の強烈な光もほぼ遮断し網膜の瞬時に焼きつき失明なども防いでいる。
バリヤーの外側は、まさに、地獄の超高温プラズマ状態の世界。
だが、何故? こんな所まで、瞬時に移動できたのか? 理解出来ないシグマと、ジータ。
テレポーテーション・・・・ 2体の脳裏に、その言葉が、妙に響く。
有り得ない話だ。
だが、自爆まで残された時間は、後僅か。
しかし問題は、現在おかれている状況ではない キャラン(浩司)を地獄へ道連れに出来るかだ>
キャラン(浩司)が、一瞬不敵な笑みを浮かべる。
どうやらバリヤーを解除する気でいるようだ。
キャラン(浩司)は、この場所を選んだのは、シ1体、1体が、メガトン級核兵器以上の破壊力を持つシグマと、ジータ。
自爆しても地球に何ら影響を及ぼさないと、計算の上であった。
瞬時に、思いつく場所が、たまたまここであっただけなのだが・・・・
シグマと、ジータの@j身体から発するエネルギーが、限界に達した。 自爆する。
キャラン(浩司)は、最後の賭けに出た。
キャラン(浩司)自身 気付いているのだが、戦闘モードに入ると、身体からレジェンスのエネルギーが、淡い白い光となって放出されている。
それが、一種のエネルギー・フィールドと呼ぶべきか? パワー・フィールドと呼ぶべきか? ケースバイケースだが、防御シールド、バリヤーの役割を果たすケースある。
あくまでも 緊急の身体に対して、絶体絶命の危険が及ぶ場合だが、必ず・・・・ ではない。
根拠は何も無い だが、何となくだが、妙に自信があった。
解除と同時に、テレポーテーションし ここから離脱する。
一発勝負。 やり直しはない。
失敗すれは、生身のまま超高温プラズマ状態の領域 瞬時に燃え尽きてしまう。
だが、自分で決めた事 やるしかない。
シグマと、ジータの2体 身体から高エネルギーを発散し始めた。
自爆する。
キャラン(浩司は、バリヤーを解除 瞬時、身体の周囲を覆っていた淡い白い光のバリヤーが、消滅。
同時に、超高温の約200万度のプラズマ大気層の真っ只中。
まさに灼熱の地獄。
爆発直前のシグマと、ジータ 叫び声を上げる時間もなく 瞬時に、超高圧力に押しつぶされながら瞬時に燃え尽きプラズマ状態に転換 爆発する時間さえなかった・
強烈な光と、兆高圧力、超高温プラズマ状態の中 同時に、テレポーテーション・・・・・
"・・・・・・どうやら・・・・ 生きている・・・・"
空気の流れ 風を肌で感じる。
強い日差しも。
閉じていた瞼をそっと開ける。
「ここは・・・・」 小さくつぶやく。
眼に見える景色 どうやら先程まで、戦闘を行っていた 南アメリカの某砂漠のようだ。
何とか掛けに成功 無事生きて戻れたらしい・・・・
「マスター・・・・」 脳裏にノルンからのテレパシーが、響く。
この戦闘をモニターしていたのだろう。
驚異のレグと呼ばれた EBE''s(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の残したオーバーテクノロジーの産物 思考を持つコンピューター、この程度 問題視していない。
「検査の結果 放射能などの汚染は、確認されていません 全て正常です 問題ありません」 ノルンのテレパシーによる声が、脳裏に響く。
どうやら 心配して、直ぐホッパーの1基を使い全ての状態を検査したのだろう。
同時に、嫌な耳障りな戦闘音が、周囲に木霊する。
まだ、ピエールのやつは、戦闘中らしい。
激しい戦闘音が聞こえる方向を向く。
どうやら戦闘を終盤戦の模様だ 1人で、多数を相手にしているピエール 装着しているG,G,P(グレート・ゴット。プロテクター)の圧勝で、終わりそうな勢いだ。
戦闘能力に、違いがあり過ぎる。
あの驚異の戦闘能力を持つ ミューグロテノスであるパーサーカー5(フアイブ)のうち3体を撃破 残り2体は、後方に撤退 増援部隊のグロテノス部隊を 簡単に蹴散らしている。
これ以上 増援部隊を送り込んでも 無駄であろう。
戦略的に、意味の無い先頭 戦力の消耗は、極力避けるべきだ。
態勢を立て直しながらグロテノス部隊は、撤収を開始する。
ピエールの装着するるG,G,P(グレート・ゴット。プロテクター)の周囲には、この戦闘で生き残った とても感情のある人間とは思えない まさに、マリオネット(操り人形)の様なバトロイドが、集結する。
深追いはしない。 どうやらこの辺だけは、わきまえているようだ。
下手な深追いは、戦線が細長く延び 側面からの攻撃に弱く 返り討ち会う。
徐に、浩司の方向を振り向くるG,G,P(グレート・ゴット。プロテクター) 顔面の2つの電子アイが、鋭く光る。
いつの日か? 決着(ケリ)をつけよう・・・・ そう語っている。
ライバル視しているのだろう。
どちらが、アピリムを倒し この世界 地球を我が手に入れるのか?
そう語っている。
浩司に取っては、はた迷惑な話でしかない。
浩司は、権力など欲していない。
アピリムを始め デストロのネクストノイド上位モデルを倒すのは、自身が立てた戦略上の勝利 つまり歴史の流れ ネクストノイドとの共存する社会を実現する為であり 自ら権力者の問いに付く野心などない。
出来れば、歴史の傍観者の1人に徹したい
ピエールのように、自ら歴史の創造者となり ピエールの目指す ミレニュアム(祝福された神々の1000年王国)を実現 神々による絶対支配の下 神々などと呼称する物のの以降を伝える預言者などと呼称する地位に付き 神々などと呼称する物の威を借り絶対的権力を振るおうとなどと言う野心はない、
浩司が望む物は、最愛の恋人 みなっちと平凡で、幸せな暮らし・・・・ ささやかな願い。
だが、それを実現する為 相手がネクストノイドと言え 同じ人類 大量に、自らの手で殺している。
両手は、人の血で、真っ赤に染まっている。
そんな人文に、たったささやかな願い ちっぽけと言え 達成出来る権利があるのだろうか?
大量の血を流させている。
色々な思いが交錯する・・・
戦略の基本 最高の戦略家が、目指すもの それは、戦わずして勝つ・・・・
口で言う程 生易しいものではない。

 ピエール率いる神々のメシア(救世主)軍が、撤退を始めた。
静に、それも整然と、まるで、完全オートメーションにようにだ。
どこからとも無く みなっちと、川村が現れる。
2人共 怪我などないようだ。
「こーちゃん・・・・」
「旦那ー」
少し心配そうに、声を掛ける2人。
いつもの事であるが、戦闘終了後 いつも浩司は、後味の悪い、機嫌の悪い何と表現すべきか? 何とも言えない表情を浮かべる。
元々 口数の多いほうではない 口下手なのは、良く自覚している。
自分自身に対する やり場の無い気持ちが、うまく表現出来ない。
真っ赤な血で、染め上げられた両手・・・・
自責の念 何故? そこまでして戦うのか? 残るものは、まるで虚無の様な空しさだけなのか?
きっと答えなどない・・・
あるのは、大量殺戮者として、自分自身。
歴史は、その転換期 その生贄として、大量の血と、命を欲する・・・・
本当は、ここに、神々と呼称する言葉が、入るのだが、大の宗教嫌い、無神論者の浩司らしく、神々などと呼称するものの言う言葉を排除している。
信仰心など全く無い浩司らしい一面でもあった。

 その頃 日本にある極東最大拠点基地で、この戦闘模様をモニターで見ていたギル。
思わず大きなため息を漏らす。
これで8大将軍 デストロの中で、まず、裏切り者であったが、龍(ロン)を始め 続いて、アジス、ダスティ、フリオの計4体までもが、キャラン(浩司)の手で、殺された。
残るは、自身のギル、まだ血気盛んな若造のビリー、デューク、シンの4体になってしまった。
もはや死活問題を超えている。
最低で、デストロは、13体以上必要だ。
アピリム様と、ギル自身しかまだ知らない最終目標である "大いなる計画" の為に・・・・
だが、デストロになれるDNAを生まれし持つ者など、たやすく生まれない。
ほとんど天文学的単位の確率。
このままでは、1体、1体のデストロが、各個撃破の対象にされてしまう。
キャラン(浩司)の狙いは、そこにあるのでは・・・・ と言う疑念が、ギルにあった。
神出鬼没に、突如現れ 消えるキャラン(浩司)。
全く足取りが、掴めない。
いつもペテンに掛けられたような空振りばかり。
その原因を作り出しているのは、いつもキャラン(浩司)の側にいる あの川村と言う男。
当初 他だの辺境の小石程度にしか思っていなかったが、とんだ食わせ者 相手を錯乱させる情報戦の名手・・・ いやペテン師。
どれ程 あやつ 川村に、苦湯を飲まされてきた事か・・・・
たった2人に、いいようにあしらわれ、引っ掻き回されている。
まるで、こちらが、やつらの手の上で、いいように踊らされている。
やつ キャラン(浩司)の狙いは、1体、1体 各個撃破で、我々を倒す事だろう・・・
所詮 やつキャラン(浩司)は、たった1人 同時に、複数の多数相手では、エネルギーのコントロール不能のレジェンス 勝ち目はあるまい もし仮に、アピリム様をはじめ 残り4体のデストロを倒した所で、もはやこの地球の人類の大半は、ネクストノイドへの改造を行った者か、その予備軍じゃ 全てを倒したしまったら 人類そのものが、絶滅の危機に瀕する。 それでは、意味の無い事は、キャラン(浩司)自身知っておるはずじゃ ああ見えても あやつ キャラン(浩司)は、戦略家としての資質を育んでおる その程度の事・・・・
モニター画面を見ながら もの思いにふけるギル。
色々な考えが交差する。
あやつ キャラン(浩司)の最終目的は、いったい何なんじゃ・・・・
この点について、読みきれぬギル。
「それよりもじゃ・・・・」 小さくつぶやきながら 近くにいた2体のネクストノイドの女性を見つめる。
見つめる先にいるのは、リンと、妙子。
絶世の美貌と、スタイルを持つ この世の者とは、思えない程の、美しい姉妹の様な2体。
グロテノス最強のハイパーグロテノスの最新改良にして、最強タイプ。 それも対キャラン(浩司)専用に特化した 最終生体兵器のプロトタイプ(試作型)。
特に、妙子には、ある秘密の最終大技を施した。
対キャラン(浩司)との実戦に、近々投入させる。
そして、その結果を踏まえ 更に問題点を克服させた物をリンに施す。
今までのネクストノイドにはない新システムを 妙子に施した。
計算上 BS(バトルスタイル)に変身後のデストロの戦闘能力と、同等以上。
ネクスタルの セフテイー機能を解除 まだ何も解かっておらぬ未知の領域のエネルギー源が、そこにある。 とても計算出来ん無限とも思える程のエネルギー源じゃ。  だがしかし・・・・ リンの時もそうじゃったが・・・
一抹の不安 まだ何も解決されていなかった。
ある意味で、緊急性を要する為の見切り発車でもある。

 リンと並び 最後まで、キャラン(浩司)と、(大将軍の1体 BS(バトルスタイル) コンスターに変身後 最終必殺のトリプルアタック(三位一体)の攻撃で、3体に分離し、撃破されたフリオり戦闘を見つめていた妙子。
その眼には、愛する両親を キャラン(浩司)に殺された憎しみ、激しい憎悪に満ちていた。
そして、フリオ倒す程の強大な、底知れぬ戦闘能力。
最新のあるシステムが、施され 対キャラン(浩司)用に特化されたモデルと言え はたして、デストロを倒す程の巨大な戦闘能力を持つキャラン(浩司)に勝ち 両親の仇を取れるのかと言う不安もあね複雑なこょ羽状でもあった。
はたして勝てるのか?
「ねえ リンお姉様」 複雑な表情を浮かべながらリンを見つめる。
「どうしたの? 妙子ちゃん」 先程までの厳しい表情から やさしい表情へ和らげ見つめ返すリン 妹思いのやさしい姉と言った趣であった。
リンには、解かっていた不安の入り混じった複雑な表情を見せる妙子の気持ちが・・・・ 自身 最初は、やはり不安があった。
はたして、期待に超えられるのか?
何事も 最初の11歩が難しい それさえ乗り越えられれば、何とかなるもの。
「大丈夫よ 妙子ちゃんには、この私がついているわ」 不安な気持ちを和らげようと、微笑むリン。
あのキャラン(浩司)を 自身の前で、非ザマ付かせる為には、この妙子が必要だ。
リンの更なる戦闘能力アップの為の 貴重なプロトタイプ(試作型) あの力を手に入れコントロール出来れば、必ずキャラン(浩司)を 膝待つかセル事が出来るはず。
先程 8大将軍の1体 フリオは、キャラン(浩司)に倒された。
通常 グロテノスでは、どんなに戦闘能力を上げても デストロには、遠く及ばない リネクスタルから救急されるエネルギーの限度値が、違い過ぎる だが、あの領域は、さそれを遥かに凌ぐ驚異のポテンシャル・エネルギー源 まさに甘美な麻薬に似ている。
あのポテンシャル・エネルギーをこの手に入れる為 そう今 眼の前にいる妙子を利用する。
それと、もう1つ 永遠の美の女神は、1人 そうそれは、私1人でいい・・・・
あくなきリンの野心。

 暫くしたある日・・・・
浩司、みなっち、川村は、久し振りに、母国 日本に潜入 首都Tで、周囲を警戒しながらも ひっそりと、目立たぬよう、時間を過ごしていた。
世界各地で、続く世紀末を思わせる様な天変地異の数々、それに伴うように、次々と現れる新型で、強力なウイルス 体内に大量のナノマシーンを注入している ネクストノイドには、何ら問題がないが、旧人類と蔑まされている ネクストノイドへの改造を受けられない ホモ・ピエンス・サピエンスには、死活問題であった。
対抗出来るワクチンを開発しても 直ぐに、ウイルスが耐性能力を獲得してしまう。
このウイルスは、非情に、感染力が強く、致死性も高い 観戦、発病すると、ほぼ1週間で死に至る 現在のペストと称されていいた。
それに、現在 ネクストノイドの支配に、抵抗する1部 ホモサピエンス。サピエンスとの泥沼の戦闘で、色々な部門での疲弊が目立ち始め・治安の悪化も問題となっていた。
ネクストノイドの社会は、整然とし治安が保たれていたが、ホモサピエンス・サピエンスの居住地区では、極度に悪化 もはや外出するには、武器携帯が、必須 アメリカ合衆国の西部劇並みに、堂々と、ガンベルトを締め ハンドガンをぶら下げている者 なかには、軍用ライフル銃を肩に背負うなど重武装する者まで出始めた・
もはや 法による支配は、形骸化し 力による無法地帯化しつつあった。
あのみなっちでさえ 左脇には、ショルダーホルスターを着用 ホルスター内には、ノルンが、護身用に製作した小型オートマチックタイプのハンドカンタイプのレーザーガン(銃)を入れている。
そして、外出は、常に浩司と、同伴し、一時も離れない。 女性の1人歩きは、例え昼間でも危険であった。
浩司も、外出時には、左脇のショルダーホルスターには、44HPマグナム 6発装填 2個のスペアー用 スピードローター 装填弾 及びスペアーは、対人用、護身用の為 通常44マグナム弾 右腰のベルトには、高周波セイバーのバトンをぶら下げ、左ベルトのトランプが入るポシェットには、ブラッディーカード、右足脹脛のホルスターは、未知の超合金出てきた サバイバルナイフを隠し盛っていた。
浩司の場合 例え丸腰でも ノルンから必要な武器、弾薬を
Quantum conversion (量子変換)
Quantum tunneling (トンネル効果)
Quantum teleportation (量子テレポーテーション)
Quantum Conversion、Tunneling、Teleportationの頭文字を取って、QCTTシステムと仮の名を付けた。驚異のオーバーテクノロジーの1つによって、瞬時に入手出来る その為 比較的携帯しやすい護身用の軽武装であった。 破壊力は、大きいが、持ち運びに不便な重武装を常時携帯する必要性などない。
それに、何と言ってもレジェンスの戦闘モードに入れば、武装する必要は無いのだが、武装していなければ、間違いなく狙われる。 そり予防の面が強かった。
それでも、時々、強盗に狙われていた。
平凡でさえない男 格好のターゲット(獲物)と、間違えられる。
その瞬間 強盗、大半は、複数だが、数ヶ月は、絶対安静の状態程度に、叩きのめしていたが、それもホモサピエンス・サピエンスの眼には、絶対動いたと認識出来ないスピードで、周囲の者が、見ても 突然強盗が、地面に倒れたとしか思えない。
なにより問題は、20世紀から始まったとされる人工の爆発で、最盛期 約70億人を超える人口を誇った人類が、世界各地で、頻発する天変地異、それにタイミンギをあわせるように、発生した各種新型致死性の高いウイルス感染、人類間 ホモサピエンス・サピエンスVSネクストノイドの醜い争いに、人工が、急激に、減少を始めていた。
この事について、浩司は、かなり危惧していたものの 頭の中は、対アポリス つまりネクストノイドとの戦い 戦略上の勝利 歴史の流れ ネクストノイドとの共存で、そこまで気を回す余裕などなかった。
この続く天変地異は、地球全体が、活動期を向かえたに過ぎず、一時性のものであり 暫くすれば、また休止期に入るだろうと、その程度の認識しかなかった。
レジェンスと癒合している浩司ではあったが、決して万能ではない。
活動期でさえ これが自然発生的ではなく ある戦闘による結果である事など、知りようもなかった。
地球内部で、着実に進行している地球規模の未曽有地の巨大な災害となり 地球上に生息する全生命種に取って、危機的状況に追い込まれる結果をもたらす事も知るはずもなかった。

 そして、もう一方 アポリス つまりネクストノイドによるキャラン(浩司)包囲網が、着実に敷かれつつあった。
その第1弾として、対キャラン(浩司)用に開発された ハイパーグロテノスEVOと名づけられた ハイパービューカー妙子 プロトタイプ(試作型)1号の存在であった。
キャラン(浩司)を そのトラップ(罠)に誘い込み 一気に勝負に出る態勢を整えつつあった。




                                                     TOPページへ
                                               第3章 放浪 Part8へ NEXT



                 copyright (C) lejens  All Rights Reserved ページ内の無断転載厳禁

 

inserted by FC2 system