LEJENS  レジェンス

 Epsisoed T ネクストノイド

 作者  飛葉 凌 (RYO HIBA)


 神々の鎧 Part7

 13日間戦争終結後から約1年以上の時間が流れた。
世界各地で、頻発する爆弾テロなどや ネクストノイドへの改造受けられず、最下層の階級に陥れられたホモサピエンス・サピエンス(旧人類)による デモ行動 ヤーナなどの敵対勢力との 果てしなく続く小規模戦闘などもありながらも アポリスによる地球支配は、着々と進められていた。
そんなある日 日本の中央部のG県から 1部の人々が、ヤーナに保護を求めて来た。
全員 自営業者と、その家族で、ネクストノイドへの改造受けられないホモサピエンス・サピエンス(旧人類)であった。
突如 小さな田舎町の中心部にあった商店街を取り壊し、跡地に新たな大型ショッピングモールを建設する事となり 何の事前説明もなく突如小さな商店街にあった自宅兼店舗を強制立ち退き 全く何の保障も受けられず、それどころか、僅かな蓄えもが、建設協力金の名目で 関連する役人及び建設に関わる各企業の担当者の己が貢物として、根こそぎ全て奪い取られ その日からあてもなく路頭に放り出されていた。
路頭では、ネクストノイドへの改造受けられないホモサピエンス・サピエンス(旧人類)と言う事で、あらゆる差別、偏見などにさらさられ 最後の望みと、ヤーナに保護を求めて来た。
ヤーナでは、マークの一声で、保護を受け入れ 軍事部門最高司令官 永井に、救出作戦を命じた。
永井は、自ら率いる特殊部隊から5名の兵士を選抜 自らの指揮の下 救出作戦を開始した。
保護を求めた総勢30人の老若男女には、重い病気を抱える高齢者や まだ生後1年も満たない赤子もいる為 1人看護師も同行する事となった
看護師は、浩司の恋人みなっちであった。
1年以上の間 数々の戦闘で、多くの友人、仲間が傷つき死んでゆく姿を見続け いたたまれない気持ちになり 自ら志願して、危険な前線での看護師となった。
元々 医者である父親から 初歩、基本的 応急救命処置を幼い頃から叩き込まれ 緊急救命師の資格を持つ。
今の自分に出来る事は、傷つく友人、仲間を 1人でも助けたいと言う気持ちからであった。
ワグナー医師の下 危険な前線に近い応急野戦診療所で、看護師として勤務 いつしか主任の地位を得ていた。
今回の救出作戦も 自ら志願した。
夜に紛れて、永井自ら率いる救出部隊の計6人編成の戦闘員と、みなっちの合計7人が、月明かりの薄暗い山中のランデブーポイント(合流地点)に、時間通りに、その姿を現した。
みなっちも、戦闘員と同様 緑色を中心とした戦闘用迷彩服を着用 他だしヘルメットには、看護師と解る様 赤十字のマークが画かれていた。
総勢30人もの老若男女を 無事ここまで案内したのが、川村のフィアンセ(婚約者)で、ヤーナ内での優秀な女スパイでもある百合(ゆり)であった。
アポリスの支配が、最も進んでいる日本では、更なる特権支配階級化し、ネクストノイドだけの為の警察組織となった 警察による 監視管理社会が、進められていた。
だが女スパイとして、優秀な百合(ゆり)である。
監視網を潜り抜け 総勢30人もの老若男女を 無事にここまで案内したのは、さすがであった。
木々の下で、総勢30人もの老若男女を休ませ 自ら哨戒任務に当っていた 永井率いる救出部隊を確認 永井の姿を見つけると、永井の側へ駆け寄り 敬礼した。
「ヤーナ情報部所属の百合(ゆり)です」 形式上の挨拶をした。 永井と百合(ゆり)は、ここG県の山奥深くでのアポリスとの最初の本格戦闘で、1度 顔を合わせており それ以来であった。
「永井司令官だ 保護を求めて来た人達は?」 永井も敬礼を返しながら聞いた。
「こちらです」 百合(ゆり)は、手招きする。
百合(ゆり)を先頭に、全員後に続いた。
歩いて直ぐ 木々の下 疲れ果て座り込んでいる総勢30人もの老若男女を発見した。
永井は、すかさず、2人の兵士に周囲の哨戒任務あたらせ 自ら総勢30人もの老若男女に向かって歩き出した。
「私は、ヤーナ所属 軍事部門最高司令官の永井です」
その声に、総勢30人もの老若男女が振り向いた。 「ヤーナが本当に助けに来てくれた」 「おい 見ろ あの人 本物の永井だぜ」 「永井司令官 自ら俺達を助けに来てくれた・・・」 など口々に口にした。
永井は、最重要指名手配犯となっており その顔写真は、全世界に知れ渡っている。
総勢30人もの老若男女から安堵の表情が覗える。
「皆さん お聞きいたたきたい」 永井は、総勢30人もの老若男女に話かけた。
「ここから少し離れた場所まで、歩いていただきます。 そこである乗り物に乗っていただき 安全な場所まで輸送します」 永井の話に全員うなづく。
「ところで、重い病気を抱える高齢者の方は?」 永井の後ろにいたみなっちが問いかけた。
「こちらです」 1人 30歳前後の男性が案内した。
みなっちが、その後に続く。
すぐ近くの大きな幹に寄りかかる高齢者がいた。
かなり具合が悪い様子であった。 近くには、4歳ぐらいの幼い少女が、心配そうに見つめている。
高齢者の孫であった。
この幼い少女の側には、まだ1歳にも満たない赤子を抱える母親の姿もあった。
高齢者の娘? いや息子の嫁であった。
少し遅れて永井も現れた。
「どうだ? 一緒に歩けそうか?」 状態を確認するみなっちに、永井は聞いた。
「ゆっくりとなら・・・」 みなっちが答えた。 余り無理の出来ない状態であった。
病気は、かなり進行しており 早く病院で適切な治療を必要としていた。
「もうすぐ夜明けだ、余り時間に余裕がないのだが・・・」 永井は、時間を気にした。 夜が明けると、これだけの人数 それも30人もの非戦闘員を抱えての行動は、敵アポリスに発見される可能性が高い。
1人 若い兵士 20歳代前半のモンゴロイドの男が、高齢者に近づいた。
「俺の肩を貸します」 そう言いながら高齢者の右腕を自分の肩にまわした。
みなっち、永井と同じ日本人であった。
「すまんのう・・・」 高齢者は、感謝の言葉を述べた。
「全員 出発の用意は出来ていますか?」 永井は、全員を見渡した。
全員 小さくうなづく。
「ホーリー お前が先頭を ニック 右前方 トロイは、右後方 サム 左前方 そして、百合(ゆり)」 永井は、百合(ゆり)を手招きした。
永井は、スペアー用に、左肩にかけていた ER02Tライフル銃を 百合(ゆり)に手渡した。
前モデルのER01Tライフル銃を改良した最新モデルであった。
「使い方は、知っているね」 永井は、聞いた。 百合(ゆり)は、うなづく。
「左後方を頼む」 永井の命令に、百合(ゆり)は、もう1度うなづいた。
「俺が、しんがりをつとめる」 永井は、そういいながら全員配置につくのを確認すると 「さあー出発だ!」 号令をかけた。
重い病気を抱える高齢者は、若い兵士と、先程 高齢者の元へ案内した30歳前後の男性に支えられ 最後尾であった。
その前を まだ1歳にも満たない赤子を抱えた母親が、4歳ぐらいの幼い少女の手を引く。
みなっちは、高齢者の側にいた。
4歳ぐらいの幼い少女は、歩きながらも 何度も心配そうな表情で、高齢者の方へ振り向いていた。
「後 もう少しの辛抱です。 がんばってください」 みなっちは、高齢者に声をかけた。
「もう こんな病気を抱え わしの命も長のうない」 高齢者は、前を歩く母親と孫を見つめた。
「こんなわしらに、救いの手を差し伸べて下さった ヤーナの方々に、お礼の言葉もない・・・ 1つだけ最後のお願いを聞いて欲しい・・・」 高齢者は、みなっちを見つめた。
「わしの大事な1人息子は、突然やってきて、家を壊し始めた工事関係者に、抗議にいったら 逆に袋叩きに合い 事もあろうに、警察に工事妨害、暴力行為で、連れて行かれ それきりじゃ 行方すらわからぬ有様じゃ わしには、もうあの2人の孫と、息子の大事な嫁しか残されておらん・・・」
そんな時だった 永井は、全員にストップをかけ 身体を低くさせた。
「しまった・・・ 見つかったか・・・」 永井は小声でつぶやいた。
周囲に配置した兵士に、戦闘準備の司令を出す。
異様に静まり返り かえって不気味であった。
周囲の動物などが、何か怯え警戒している証拠でるある。
「囲まれているか・・・?」 永井は、周囲に強烈な殺気を感じ取っていた。
「グロテノスを中心とした正規兵との混成部隊・・・」 そうつぶやきながら 永井は、近くにいたみなっちを呼び寄せた。
「お守り代わりだ」 みなっちに、手に持っていたER02Tライフル銃を手渡す。
「ホーリー お前が指揮を執れ 俺は後ろで、やつらの囮になる その間に全員連れて、脱出地点へ向かえ」
そう言うと、永井は立ち上がり 後方へ向かって走り出した。 両手を握り 少し腕を広げ叫んだ 「B,P(バトルプロテクター)!!」
永井の額から怪光が発すると同時に、怪光は、永井自身を包み込みながら球体となり少し膨張 怪光は、瞬時に消え 全身濃いシルバー(銀色)の戦闘用鎧と言うべき防具に包まれたB,P-1は、現れた。
頭部に隠されている超小型の各種センサーが起動 頭の額にあるコントローラーのレアスタルを通じて、瞬時に、装着者の永井の脳にデータが送られる。
"敵は、グロテノス10体と、正規兵20人・・・" B,P-1は、つぶやいた 各種データで、敵の居所を全て把握した。
周囲は、異様に静まり返り 空は、漆黒の闇に、少しばかり光が差し込み始めた。 白々と夜が明け始めている。
その時だった 周囲の少し離れた場所の草むら左右2ヶ所が、少しざわめいた 同時に2体のグロテノスが、B,P-1に飛び掛かった。
同時に、周囲に身体を隠していた、まだネクストノイドへり改造を受けていない 正規兵が、姿を現し 強力な軍用ライフル銃の銃口を 総勢30人もの老若男女と、守るヤーナ兵士に向けた。
2体のグロテノスとの戦闘を開始した B,P-1は、それに気付くと、瞬時に、左腕を銃身に変形 アポリス軍の一般正規兵に向けて発砲 銃口から無数の光子弾を発射された。
"光子ガントリック"
瞬時に、取り囲んでいた アポリス軍の一般正規兵は、なぎ倒され 包囲網に大きな穴が開いた。
「今だ 行け!!」 B,P-1は、叫ぶ。 同時に、総勢30人もの老若男女と、守るヤーナ兵士が立ち上がり B,P-1が開いてくれた穴に向かって走り出した。
先頭のホーリーが、ER02Tライフル銃を周囲に発砲 弾幕を張る。
みなっちは、重い病気を抱える老人の右腕を自分の肩にまわし 最後尾であった。
その後ろを 若いヤーナ兵が、後ろ向きで、ER02Tライフル銃を周囲に発砲 弾幕を張る。
B,P-1は、内臓されているSVL通信機を使い 合流地点で待つ 予備兵力に救助を求めた。
「そうは、させてたまるか・・・!!」 茂み隠れていた 残り8体のグロテノスが、姿を現した。
1体は、亀に似たカータルであった。 両肩から2門の銃身が伸びる 逃げる総勢30人もの老若男女と、守るヤーナ兵士に向け ボンバーキャノン 2発を発射した。
直撃ではない、総勢30人もの老若男女と、守るヤーナ兵士の先頭と、後方に大きな土煙が上がる。
どうやら 全員を人質に取ろうとしている様子である。
総勢30人もの老若男女と、守るヤーナ兵士の足が止まる。
瞬時に、身体を伏せたみなっちと、重い病気を抱える老人の近くに、1発が着弾していた。
みなっちは、かすり傷程度であったが、重い病気を抱える老人は、全身から血を流していた。
「わしは、もうだめじゃ ここに置いていってくれ お嬢さん達のご親切 あの世でも決して忘れません 最後に、2人の孫と、息子の嫁を・・・」 重い病気を抱える老人は、息を引き取った。
「だめー しっかりして・・・」 みなっちは、叫んだ。
同じく身体を地面に伏せていた若い兵士は、立ち上がり みなっちの側に駆け寄る。
「もうー 死んでいます」 みなっちの立ち上がらせた。
「さあー早く!!」 みなっちを自分の前を走らせ 若い兵士は、また後ろ向きになり 追って来る アポリス軍 正規兵に向け発砲 途中 カータルの姿を確認すると、ER02Tライフル銃の銃身下部に装備されている エネルギーグレネードランチャーを 1発 追って来るカータルに向け発砲した。
エネルギーグレネードランチャー弾は、カータルの腹部の甲羅ら命中 その威力で、カータルは、大きく後ろに弾き飛んだ。
しかし その程度の威力では、バリヤーに近い強度を誇るカータルの甲羅は破れない。
カータルは、首を2〜3回左右に振りながら立ち上がった。
「なめたまねを・・・」 怒りをあらわにしたカータルは、若い兵士に狙いを付け ボンバーキャノンを 1発発射した。
それに気付いた若い兵士は、前を走るみなっちに向け叫んだ 「伏せて!!」
地面に伏せるみなっちの上に、自分の身体を被せる。
1発のボンバーキャノンは、2人の近くに着弾 大きな土煙を上げた。
「しまったー!!」 9体のグロテノスを相手に奮闘し倒したB,P-1は、それに気付き叫んだ。
2人に向かって走り出した。
途中 残っているアポリス軍 正規兵7人を左腕をエクスカリバーに変形させ、切り倒し カータルと対峙 カータルの腹部に向かって、エクスカリバーを水平に振った。
赤い三日月型の電磁エネルギーが、カータルの腹部を瞬時に切り裂く "電磁カッター"
瞬時に意識を失ったみなっちであったが、生暖かいものが頬に伝わり それで意識を取り戻した。
身体が異常に重い うつ伏せ倒れたみなっちの上に、だれが被さっている。
「気付きましたか・・・」 弱々しい若い男の声が、上から聞こえてくる。
「あのー 重いのだけど・・・」 みなっちが答えた。
「失礼・・・」 弱々しい男の声と共に、上からゆっくりとどいてくれる。
状態を建て直し 立ち上がったみなっちは、見た。 全身傷たらけとなり大量の血を流す若い兵士が、仰向けになり何度も大きく呼吸している姿を見た。
顔色は、青ざめていた。 かなりの重症である。
エネルギー弾の着弾直前 みなっちを庇おうと、上に被さり 自らの身体を防御壁にしガードした。
みなっちは、慌てて自分の着用している緑色を中心とした戦闘服の左の袖を破ろうとした。
先程 逃げている最中 背中に背負っていた応急医療品の入ったリックサックを紛失していた。
「自分に、構わず・・・ 早く逃げて下さい」 みなっちの行動に、若い兵士は拒絶した。
「何を言っているの・・・ 今 応急手当をするから・・・」 みなっちは、若い兵士の傷を確認した。
至る場所に、大きな傷があり 大量出血している。 早く応急処置を施す必要であった。
「もう 助かる見込みはありません。 それより今のうちに逃げて下さい」 弱々しい声で答えた。
「だめよ そんな事を言ってわ・・・ まだ死んでいないのよ 生きているなら最後まで諦めず生きなきゃ・・・」 そう言いながら左袖を破り目立つ左足太ももの傷を塞ぎ始めた。
「直ぐ 次の新手が来ます ここに置いて 早く」
「だめよ あなたも一緒に逃げるの」
「自分は、前回 1年以上前に、初陣しました。 例の最初の本格戦闘です。 その時 あなたの彼氏・・・ 和田評議員待遇に、命を救われました」
「こーちゃんが・・・」
「はい 多数のグロテノスに囲まれ プラトーン(小隊)全員が、最後の覚悟を決めた時 和田評議員待遇が現れ グロテノスを倒し 無事脱出出来ました」
「こーちゃんが、そんな事も・・・」
いつも命令無視の勝手な単独行動を取る浩司の知られざる一面であった。
「いつの日か、その借りを返そうと思っていました。 でも返せそうにありません。 でも幸田さん あなたを守れば、その借りの少しは返せます ですから早く逃げて下さい」
その時 B,P-1が現れた。 B,P-1は、装着を解き 中から永井が現れる。 数人の仲間の兵士を寄って来た。
「永井司令官殿・・・」 若い兵士は、仰向けのまま弱々しく右手で敬礼する。
永井の目にも明であった。 傷が多く 大量出血している もう助かる見込みがない事も・・・
「司令官殿 最後のお願いです。 今この場で殺してください」
永井は、頭をゆっくり横に振った。
永井は、横にいた兵士から1発の手榴弾を受け取ると、近くに落ちていたER02Tライフル銃と共に、若い兵士に手渡した。
「いいか、沢口 よく聞くのだぞ」
沢口は、うなづく。
「お前に、重要任務を与える 直ぐ次ぎの新手が現れる 新手が現れたらこの場を死守 我々が逃げる時間稼ぎするんだ」
「はい・・・」 沢口は弱々しく答えた。
「そして、任務遂行後 どんな事あっても 後から我々に追い着くんだ いいなあー 必ず来るんだ どんなに遅くなってもいい 必ず来い 俺は、お前が来るまで待っている!!」
沢口は、弱々しく敬礼する その瞳には涙が光っていた。
「手榴弾は、最後のお守りだ 大事に使え」 そう言いながら 永井は、沢口に対して敬礼した。
永井の敬礼した手が、数回小さく震えたのを みなっちは見た。
永井は、沢口を ゆっくりやさしく 近くの木にもたれさせた。
「沢口 頼んだぞ」 永井は、そう言いながら振り返った。
沢口は、最後まで、誇り高き勇猛な1人前の戦士として、扱ってくれた永井に、心から感謝した。
「全員 配置に着いたなあー さあ逃げるぞ」 永井は命令を下した。
沢口は、遠ざかってゆく仲間に、最後まで敬礼していた。
みなっちは、出発直前 沢口を見た。
微かに微笑みを浮かべ敬礼する沢口の顔 決して忘れないだろうと思った。
最後尾を努める永井の前を みなっちが小走りに走った。
一瞬 後ろを振り返り永井の顔を見た。 永井の目に涙が浮かんでいた。
少し走った所で、後ろから激しい銃撃戦の音が聞こえてきた。
直ぐに止んだと思ったら 小さな爆発音が聞こえてきた。
その瞬間 永井は、両目を閉じた。 目から一筋の涙が光った。

ようやく救助部隊とのランデブーポイント(合流地点)に到着した。
あと少しで脱出ポイントである。
しかしそこには、救助部隊の姿無い。
先頭のホーリーは、不思議に思い周囲を見渡した。
空は、夜が明け 周囲は明るくなり始めた。
山と山の間からは、朝日が昇り始めていた。
何かに躓いた。 下を見たホーリーの顔は、瞬時に、血の気が引いた。
そこには、無残にも引きちぎられた仲間の兵士の死体があった。
「司令官殿・・・!!」 ホーリーが叫んだ。
その瞬間 周囲がざわめくと共に、一斉に周囲を取り囲む10体のグロテノスが現れた。
「しまった・・・ 先回りされたか・・・」 苦虫を潰す永井。
永井は、B,P(バトルプロテクター)を装着しようとした。
しかしタイミングが、遅かった。
4体の亀に似たカータルの2門ずつの銃身が、全員に向けられている。
1体のかぶと虫に似たバーカスが、ゆっくりと近づいてくる。
「永井最高司令官」 バーカスは、勝ち誇ったように言った。
「貴殿が、B,P(バトルプロテクター)を装着しない事ですね。 装着しようとすれば、4体のカータルの銃身が火を噴きますよ」
10体のグロテノスが、ゆっくりと近づいてくる。 絶対絶命のピンチに思えた。
バーカスは、みなっちに気付いた。
"こーちゃん 助けて・・・" 思わずみなっちは、目を閉じ 祈った。
「ほ・ほ・・・ これは、幸田 美那美さんまで、ご一緒とは・・・」 バーカスは、そう言いながら 嫌がるみなっちの顔を 手で触れた。
みなっちもまたアポリス内では、重要人物の1人として、リストアップされていた。
最重要危険人物であるキャラン(浩司)の恋人として、必ず無傷で、捕獲せよと、厳命が下っている。
「お噂以上ですね・・・」 バーカスは、舌をなめずるように言う。
「写真、映像で見るより実物の方が、比較にならない程かわいい顔をしていらっしゃる・・・」 バーカスは、嫌がるみなっちの顔に、自分の顔を近づけ 妙な笑みを浮かべる。
「あなたなんかに、褒められたくない!!」 みなっちは強気で言い返した。
「そう 嫌わなくとも・・・」 バーカスは、少し困った表情をした。
「さあー みなさんには、人質となっていただく事になりますね」 少し離れながらバーカスは、言った。
バーカスは、何かに気付いたのか? ある方向へ向いた。
その時だった。
1発の銃声が、周囲に響き渡った。
バーカスの頭部の赤いネクスタルに何か? 命中 ネクスタルは粉々に砕け弾け飛び散る 何かはそのままバーカスの頭部を貫通 バーカスの身体は、大きく後ろ向きに地面に倒れる。
そのままバーカスの頭部は、小さな爆発と共に、吹き飛んだ。
それに、気付いた4体のカータルも振り向くと、続けざま4発の銃声が響いた。
4体のカータルにも同様 次々と、同じく頭部のネクスタルが、粉々砕け 頭部は小さな爆発と共に、吹き飛ぶ。 動揺する残り5体のグロテノス。
エネルギー弾では無い。 間違いなく弾丸であった。 それも個人が使用出来る拳銃タイプの・・・
しかし その程度の拳銃から発射される弾丸程度では、変身前のネクストノイドでも通用しないはずであった。
銃声の音がした方向へ一斉に全員の注目が集まった。
そこには、山々の間から昇り始めた燃える朝日を背に受け 拳銃を持つ両手が頭より大きく跳ね上がった男の姿があった。
みなっちは、それがだれなのか直ぐに解った。
ずーっと、ずーっと この1年以上 待ちに、待った男であった。
必ず生きていると、信じて待ち続けていた男であった。
「こーちゃん・・・!」 みなっちは、あらん限り大声で叫んだ。
「キャラン(浩司)だと・・・」 1体のグロテノスが叫んだ。
「浩司さん やはり生きていたのか・・・」 永井は、つぶやいた。 残る5体のグロテノスの注目は、朝日を背に受けている男に注目が集まっている。 "チャンス" 永井は、この隙を見逃さなかった。
少し離れると、両手を握り 両腕を少し広げ叫んだ。 「B,P(バトルプロテクター)!!」
永井は、B,P(バトルプロテクター)を装着 B,P-1となった。
朝日を背に受けている男は、瞬時に姿が消えた。 消えたと思ったら 名を叫んだ蜘蛛に似たリアンズの前に現れた。 同時にものすごい右回し蹴りが、リアンズの左脇腹を捉え 蹴り飛ばす。
蹴り飛ばした先には、左腕をエクスカリバーに変形させたB,P-1が、待ち構えていた。
B,P-1は、蹴り飛んできたリアンズを 頭部から2つに切断する。
「貴様らの相手は、この俺だ」 B,P-1は、叫んだ。
残る4体のグロテノスに向かって突進するB,P-1は、走りながら 叫んだ 「ホーリー 今だ」
ホーリーは、その声と同時に、動いた。
「今のうちです」
ホーリーは、全員を引きつれ 先頭を走り出した。
ただ1人 取り残された・・・ いや違う 1人の女性が、みんなとは、別の方向へ向かって走り出した。
朝日を背に受けていた男である。
そして、思い切り その男の胸に飛び込んだ。
「こーちゃん・・・」 そう言いながら 男の胸の中で、今まで我慢してきた物・・・ 大粒の涙が零れ落ちてきた。
必ずこの日が来ると思って、信じて我慢してきた。
その男は、間違いなく浩司であった。
1年以上前 淡く白い怪光と共に、その姿を消した浩司であった。
「ごめん 遅くなって・・・」 みなっちを抱きしめ 浩司は、やさしくつぶやいた。
「本当に、本当に、あの時 死んでしまったかと・・・」
何も答えない浩司。
「でも きっと、どこかで生きていると思って信じてた」
「本当に、ごめん・・・」
「本当に、謝っているの?」 みなっちは、涙が流れる顔を少し上げ、浩司の顔を見つめた。
「本当さ」 浩司は、やさしく微笑んだ。
「いつもデートの時 私が、ほんの少し遅れてきても 嫌な顔をするくせに・・・ 何よ こんなにかわいい彼女との大事なデートの時間に こんなに・・・ 1年以上も待たせ 遅れて来る彼氏が、どこにいると言うのじゃわい!!」 みなっちは、うれしさの余り精一杯強がって見せた。
「ほら・・・ 涙を拭いて・・・」 浩司は、みなっちに、やさしく語りかけた。
みなっちは、浩司から少し離れ 両手で涙を拭いた。
"随分 やつれたなあー" 浩司は、みなっちを見て思った。
元々 かなり痩せていて、華奢なみなっちであった。
1年以上の間 かなり苦労したのだろう・・・ そのやつれた顔が物語っていた。
「浩司さん ご無事でしたか・・・」 2人の前に、B,P-1が現れた。
残る4体のグロテノスを片付け 2人に近づいてきた。
「永井司令官・・・」 浩司は、つぶやいた。
B,P-1は、浩司の左脇のショルダーホルスターをズームした。
そこに収められている銃は、間違いなく浩司愛用のS&W M29 44マグナム ガンバレルは、6,5inch モデルであった。
"44マグナム・・・ あの程度威力では、変身前のネクストノイドでも通用しない・・・ なのにあの威力は・・・"

 2日後 ここは、O県Y島 謎の海底遺跡の近郊の海底の更に地底奥深くにある ヤーナの最高機密拠点基地 聖なる場所。
人員輸送用のUFOが、格納庫に到着 ドアが開くと同時に、タラップが降りる。
まず最初に現れたのは、永井であった。
周囲は、議長のマークを始め、ピエールなど数人の評議員など十数人が出迎えに来ていた。
タラップを降りると、永井は真っ先に、マークの元に進み、敬礼する。
「救出作戦は、成功しました・・・」
マークはうなづく。
「救助を求めて来た人々は、途中戦死した1名を除く 29名を無事 予定の場所へ送り届けました」
マークは、笑みを浮かべ大きくうなづく。
永井は、報告を続けた。
「こちらの被害は、戦死者11名 戦傷者5名です。 申し訳ありません 11名もの貴重な兵士を失う結果となりました。 私の不徳と致すところであります。 ・・・以上 報告を終了します」
永井は、謝罪した。
しかし永井を責める評議員は、だれもいなかった。
何度も グロテノスの待ち伏せに会いながらも 被害をこの程度に抑えたのは、やはり永井の巧みな用兵よる部分が、非常に大きかった。
「ご苦労であった永井司令官 ところで、永井司令官 大事な報告を1つ 忘れてはおらんか?」 何よりも この報告をマークが待ち望んでいた。
タラップの前に、最後の1組の男女が、姿を現した。
マークもまた 1年以上も この男の帰りを待ち望んでいた。
UFO内に設置してある大型のSVL通信機で、何度もその顔を見ていたが、やはり早く直接会いたった男であった。
その男の姿を見ると、永井ま報告の前に、男の名前を叫んだ。 「浩司殿!!」 笑みを浮かべ 大きく手を振るマークであった。
マークは、走り浩司の前に駆け寄った。 そこには、1年以上前と、変わらぬ姿の浩司がいた。
みなっちと2人 タラップ降りてきた浩司を マークは、暖かく迎え入れた。
「浩司殿 よくご無事で、帰ってこられた・・・」 マークは、浩司の腹部を見た。
1年以上前 当時 日本国内にあったギルの拠点基地での大きな戦闘で、グロテノスの1タイプ かまきり虫に似た、ダガトの長槍に変形させた右腕に、浩司の腹部が、突き破られるのをマークも その目で見ていた。
「マークじいさん・・・」 浩司は、微笑んだ。
「ところで、浩司殿 あの時の怪我は・・・」 マークは、浩司の腹部を見つめた。
浩司は、1年以上前のあの時負った傷の事だと
「もう 完全に完治していますよ」
「マーク議長 ここで立ち話は・・・」 マークの後ろから声がした。 ピエールであった。
「おうー そうじゃったわい」 うかれ顔で、マークは、答えた。
「近くの会場で、ささやかだが、戦勝パーティーの準備が出来ておる」 マークは、永井を始め この戦闘に参加した兵士全員を見つめた。
「さあー 全員こっちへ来てくれ」 そう言いながらマークは、会場に向かって歩き出した。
マークは、浩司の帰りが、本当にうれしかった。 2つのB,P(バトルプロテクター)を 永井と、ピエールが、装着した。
しかし その後起きた13日間戦争では、アポリスに、手痛い敗北の連続で、世界制覇を許す結果となった。
アポリスの主力生体兵器 グロテノスと、互角以上に戦えるのは、2つのB,P(バトルプロテクター)を装着した 永井と、ピエールだけである。
全世界で、同時に行動を起した アポリスの物量戦略の前になす術がなかった。
B,P(バトルプロテクター)も装着せず、ネクストノイドの様な生体兵器とも違う 生身の人間でしかない浩司には、不思議な能力を備えていた。
B,P(バトルプロテクター)と同等・・・ いやそれ以上の戦闘能力を持つ浩司である。
浩司のヤーナへの復帰は、ヤーナに取って、大きな戦力アップを意味するように思えた。
敗北続きだった戦闘も これから巻き返しが、図れると思っていた。
パーティ会場では、浩司は、質問攻めに会っていた。
淡く白い怪光と共に消えた後 1年以上もの間 どこで何をしてたかについてであった。
元々社交的、外交的でない性格の浩司である。
この質問には うんざりしていた。
「自分自身も解らない場所で、1年以上眠っていたみたいなんです・・・」 などとはぐらかす様な答えしか言わなかった。
1人 浩司の行動を見つめる人物がいた。 永井である。
永井は、浩司の左脇のショルダーホルスターに収められている 浩司愛用のS&W M29 44マグナムと、スボンのベルトの右側からぶら下げている 映画STAR-WARSのジェダイ・ナイト(騎士)の武器 ライトセイバーに似た くすんだシルバー色のバトンが、気になっていた。
だが、今 それよりも大事な仕事が、残されていた。
永井は、この種のパーティーは、好きになれなかった。 どんな小さな戦闘でも 必ず戦死者が出た。
戦死した者の事を思うと、いたたまれない気持ちになる。 いつもパーティーの途中 秘書と2人 こっそりと抜け出していた。
そして、秘書と2人 戦死した者の家族への 戦死報告を自ら行っていた。
永井は、戦死報告を 決して逃れる事の出来ない司令官としての義務、責務だと思っていた。
もう1人 絶やさぬ笑顔とは、裏腹の男がいた。 内心 芳しく思わず浩司を見ていた。 ピエールである。
ピエールの側に1人 イギリスのジェントルマン(紳士)風の男が、グラスを片手に近づいた。
情報部主任のコネリーであった。
ピエールは、コネリーに耳打ちする。
「準備は?」
「上々・・・」
コネリーの返事に、薄く笑うピエールであった。

浩司の身分は、現状の評議員待遇のままであった。
1年以上行方を眩ませていた件に関しては、不問 それどころか、2つのB.P(バトルプロテクター)奪取の成功と、人質奪還の最大功労者として、評価された。
全て、永井と、ブラウンの報告であった。

ようやくパーティーも終わり 浩司は、みなっちと2人 聖なる場所内にある自宅に戻った。
1年以上ぶりの帰宅であった。
マークの計らいもあって、みなっちは、浩司のいない間も 最高級幹部用の自宅に住む事が許されていた。
1人 この自宅で、浩司が帰って来る事を待ち続けていた。
浩司が、いつ帰ってきてもいいように、部屋の掃除、片付けなどに余念がなかった。
元々みなっちは、整理整頓、掃除など怠らない几帳面な性格であった。
ドアを開け 久し振りの我が家である。
安堵の表情を浮かべる浩司であったが、その顔は、瞬時に、鋭い目付きとなった。
何か異様な気配を感じ取っていた。
"何かが違う・・・" 浩司の感覚が何かを捕らえていた。
「どうしたの?」 みなっちは、心配そうに聞いた。 1年以上の間 何も変わっていないはずであった。
「しっ・・・」 浩司は、右手人差し指を 唇に当てた。
驚いた表情を見せる みなっち。
浩司は、自宅内 全てをくまなく調べ 数個のある超小型の物体を見つけ出した。
レジェンスとの融合で、浩司は、戦闘モードに入っていなくとも各種感覚が、鋭く研ぎ澄まされている。
それは、超小型でありながら超高性能の隠しカメラと、盗聴器であった。
浩司は、それらを右手で握りつぶし 粉々になった破片を金属用のゴミ箱に捨てた。
「それって・・・」 心配そうに尋ねるみなっち。
「隠しカメラと、盗聴器さ」
「隠しカメラと、盗聴器・・・ だれが、そんな物を・・・」 不安な表情を浮かべるみなっち。
「大体 見当は付いているよ」 浩司は、答えた。
「だれなの?」 心当りのないみなっち 不安げに浩司の顔を見た。
「ピエールを中心とした C宗教の1派のやつらだろう・・・ こんな下らないマネをするやつらは・・・ それに、多分 コネリーも絡んでいるなあー」
「何故? そんな事を?」
「多分 俺の秘密を知りたいのだろう・・・」
ようやく浩司の顔が、落ち着いた表情になった。
リビングのソファに座る テーブルの上には、ノートタイプのPCが置き 熱心に、テンキーを打ち込み始めた。
何かの 論文? 基本戦略構想? を執筆している様子であった。
みなっちは、キッチンに入り 冷たいアイスティを2つグラスに入れ リビングに戻って来た。
グラスを2つ テーブルの上に置く。
「ねえー こーちゃん さっきのパーティーの時 みんな1年以上 どこにいたか? 熱心に聞いていたよねー でも 返答は、はぐらかすような事ばかり言っていたけど・・・ 私には、本当の事 教えてくれるわよねー」
みなっちは、熱心に、PCに向かい 何かを執筆する浩司の顔を覗き込んだ。
浩司は、テンキーを打つの止め 腕を組みみなっちの顔を見た。
大きくため息をつき この1年以上の出来事を語りだした。
「みなっち 前 俺の言った話 憶えているよなあー レジェンスと融合した時の話・・・」
みなっちは、小さくうなづいた。
それは、やはりみなっちには、理解に苦しむ話であった。 まるで、SFの映画、アニメ、マンガの話にしか思えなかった。
だが 現在 人間が怪物に変身 強力な生体兵器グロテノスなどが、存在している。
浩司が、意識を取り戻し 記憶しているのは、突如姿を現した日より 地球標準時間で、5日程前からであった。
その間 深い眠りについていた。 その間の出来事は、全て浩司も聞いた話であった。
ダガトに串刺しにされ 淡く白い怪光と共に消えたと同時に、浩司は、レジェンスと融合した 多重宇宙の1つ 我々の住む宇宙とは、別の宇宙にある 小惑星内部をくり抜き建設された レグと呼ばれる 我々人類・・・ いやこの太陽系が、誕生以前に、高度テクノロジーを持った EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)が、建設したと言う秘密基地に、テレポーテーションしたと言う。
その時は、淡く白い色に輝く卵型の球体内部に閉じ込められてたと言う事であった。
淡く白い色に輝く卵型の球体内部で、レジェンスのエネルギーによる自己治癒力で、腹部の大怪我の自己再生を図っていたらしい しかし本人には、全くその時の記憶は無く ただ 長い夢を見続けていた。
自己再生も地球標準時間で、約1ヶ月程で終了し 浩司を包んでいた淡く白い色に輝く卵型の球体も消え 浩司がその姿を現したが、浩司は、決して目覚めなかった。 大怪我が、完全に完治していたにも関わらず・・・ それからも長い夢を見続けていた。
その夢の内容は、過去レジェンスと融合していた 歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の壮絶な人生、歴史、記憶であった。
浩司が最初の融合者ではない。 浩司が融合する以前 何体もの融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)が存在した。
それもこの宇宙ばかりでなく、無数に存在する 多重宇宙の中で・・・
見た事も無い 表現不能の数々のタイプのEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)のレジェンスと融合している間の数々の出来事であった。
戦闘に明け暮れる壮絶な非情、修羅の掟が支配する歴史でもあった。
歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)のあらゆる感覚で、見たり、聞いたり、触れたりしたものが、全て浩司に伝わってきた。
絶望、孤独、恐怖、悲しみ、怒り、苦しみ、悩み・・・ あらゆる感情が同時に伝えられた。
そして、レジェンスのエネルギーを利用した各種技と、その使い方なども知る事となった。
ある歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の1体は、かって浩司が、死火山での戦闘で、何も知らず無意識に使おうとした技の1つ コントロール不能になり 暴走を起こしそうになったが、何とか止める事が出来た技を 無制限に解放してしまった。
その瞬間 その1体が住んでいた宇宙は、全て、瞬時に無へと転換してしまう結果をもたらした。
想像を絶する絶望、孤独、恐怖、悲しみ、怒り、苦しみなどの中で、その1体は、廃人となってゆく・・・
究極の禁断の大技であった。 そしてその技の名前をアルティメットクラッシャーと名づけた。
そして、各々の技1つ1つに名前をつけた。 マグナムアタック、フィンガービーム、スラッシャー、スターバースト、ショットアタック、次元刀、サイコキネシス(念動力)など・・・である。
全て、歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)が、実際使用していた数々の技であった。
歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)全てが、浩司と同様 エネルギーのコントロールに、苦しみ抜いていた。
超不安定で、全くコントロール出来ず、いつエネルギーの暴走を起すか解らず、暴走を起せば、悲劇的結果しか生まなかった。
最も浩司の知りたかった レジェンスとの融合解除方法は、歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)にも解らず、気まぐれによる融合と、気まぐれによる解除しかなかった。
レジェンスとの融合解除は、同時に、無への転換を意味した。 解除と同時に、歴代の融合EBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)は、瞬時に無へと転換してしまっていた。
その夢から目覚めたのが、地球標準時間で、今から7日程前であった。
目覚め周囲を見渡した。 1度だけ見覚えのある風景が、まだはっきりしない意識の中で見えてきた。
「ここは・・・?」 浩司は、小さくつぶやいた。
「お目覚めですか? マスター」 聞き覚えのある女性の声であった。 だがどこか機械的であった。
機械的な女性の声は続けた。
「ここは、あなた様が、レジェンスの1つ ホワイトレジェンと融合された場所」
ようやく浩司の意識、記憶が、はっきりとし始めてきた。
顔を 少ししかめながら聞いた。
「そうか・・・ レグとか言うEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)の秘密基地・・・?」
ここで、レジェンスとの融合と、その後 意志と、思考などを持つと言うコンピューターとの会話を思い出した。
「その通りです」
「何故? 俺がここに・・・?」
「それは、私にも解りません。 多分 レジェンスが、マスターの危機的状況に、1番安全な場所として、ここを選んだのではないでしょうか?」
浩司が寝ていた場所は、ベッドになっており 上半身を起こし両足を床に向け降ろした。 ちょうど椅子に座っている姿勢である。
周囲を見渡した。 見た事も無い 表現が難しい機械とでも呼ぶべきであろうか? 部屋全体に配置されており その中には、無数の光点が点滅している。
"ここは、メデカルルーム・・・?"
浩司は、ダガトの右腕が、長槍の形に変形 腹部を貫かれた事を思い出した。
腹部を見ると、そこは、元通り傷の痕跡すら残っていなかった。
「俺が、ここに来て、どれくらい時間がたっている?」
「マスターの時間の観念から言いますと、地球標準時間で、約1年以上です」
「そんなに、俺は眠り続けていたのか・・・?」 驚いた表情を見せる浩司。 "早く地球に、戻らなければ、みなっちが・・・" 焦りの色が浮かんできた。
「マスターが、ここへ現れた時 淡く白い卵型の球体に包まれた状態でした。 その後 地球標準時間で、1ヶ月程で、マスターを包み込んでいた球体は消え 中からマスターが現れたのですが、深い眠りにつかれており 色々蘇生術を試みたのですが、先程まで、決して目覚める事はありませんでした。 ただ 何度もうなされていました 夢と言う物を長い間 見ているようでした」
"夢・・・" 夢は、全て記憶していた。
"長い 本当に長い 夢であったなあー" 浩司は、夢を思い出しながらそう思った。
「マスターが、レジェンスと融合されて、ここで私と少しの間 お話されました その時 直ぐ戻ると言われ マスターの母星である地球にテレポーテーションされました。 直ぐ戻ると信じていたのですが、地球標準時間で、1年以上お戻りになれず心配しておりました・・・ 地球で何かあったのですか?」
意志と、思考などを持つと言うコンピューターは、浩司に尋ねた。
「あー そうだったなあー 悪かった・・・」 浩司は、謝罪しながら レジェンスと融合して地球にテレポーテーションしてからの事を語りだした。
"確かに、色々な出来事が続いた・・・ 余りの激しい状況の変化が、次々と続き、ここに戻ってくる約束を忘れてしまっていた・・・"
「ところで・・・」 浩司は、ぼっそりつぶやいた。
「君の名前は?」
「私は、他だのコンピューターシステムです。 名前などありません」
意志と、思考などを持つと言うコンピューターは続けた。
「もし マスターに、素敵な名前を付けていただければ・・・」
浩司は、腕を組んで考えた。
ある名前が思いついた。
「よし この瞬間から君の名前を "ノルン" と呼ぼう」
「ノルン・・・素敵な名前ですね・・ どのような意味が?」
浩司は、説明した。 「ノルンとは、地球の北ヨーロッパに古くから伝わる 北欧神話で、3姉妹の女神の総称と言われている。 運命の女神だと言われ、長女のウルズ 過去を司る女神、次女のヴェルザンディ 現在を司る女神、3女のスクルド 未来を司る女神と言われている 諸説もあるが・・ ノルン 君は、想像を絶する長い時間生き続けてきた まさしく運命の女神だよ」
「素敵ですね、素敵な名前をありがとうございます」
ノルンの声が、少し弾んでうれしそうに聞こえた。
「そして、この秘密基地を α(アルファー)ベースとする」
「はい マスター」
浩司は、ある事を思い出した。
「俺の左脇にぶら下がっていた物は・・・?」
浩司は、何か? 考えている表情である。
「こちらに保管してあります」
ドアが横にスライドする そこには、身長約1m程度のヒューマノイド(人間型)のロボットが1台 頭の両側には、アンテナらしき棒が建っており、両手がある 胴の下には、足の代わりに2本のキャタピラがついていた。
両手には、1枚の長方形の金属で出来た板を持っており その上に、浩司の愛用のS&W M29 44マグナムと、それを収めるショルダーホルスターが乗せられていた。
ロボツトが、浩司の側で止まった。
愛嬌のある顔であった 両目と呼ぶべきか? 人間の顔の両目と同じ位置に、2つの大きな円があり 左右交互に、光が発している。
浩司は、板の上の銃と、ショルダーホルスターを手に取る。
「サンキュー・・・」 そう言って、ロボットを下がらせた。
右手人差し指をトリガーに入れ 銃を数回転させる。
「地球製の武器だ、解析は?」
「全て 終わっています」
「この武器を 俺の望むレベルまで、パワーアップ出来るか?」
「出来ます」 ノルンは、答えた。
浩司は、この時点 コントロール不能で、暴走も起す危険性の高いレジェンスのエネルギーの利用を極力押さえ、未知の超高度テクノロジーを誇るレグのテクノロジーを武器に利用しようと考えていた。
他だし大量破壊兵器の開発など愚劣の骨頂だ 個人が携帯出来 ネクストノイドと、互角以上に戦える武器を考えていた。
まず手始めに、愛用のS&W M29 44マグナムのパワーアップであった。
外観及び重量、バランスは、全く同じ フレームを始め全ての金属は、レグの超高度金属に交換 弾丸も同じく超高度金属に交換し貫通力、破壊力が、ケタ違いにアップした 弾丸を発射させるのに、火薬を使用せず、理解出来ない新たなシステムを採用し 更なるパワーアップを図った、他だしこれ以上弾丸の発射スピードを上げると、従来以上に反動が大きくなり 更に連射が出来ない為 却下 これでも、変身後のグロテノスでも、十分通用する威力であった。 他だしデストロのバリヤーを破るパワーはなかったが、ネクスタルを破壊するのには、全く問題のない威力であった。
使い方は、従来と全く同じである。
それに、弾丸を発射させるのに、火薬を使用せず、理解出来ない新たなシステムを採用により、水中や、大気の存在しない宇宙空間でも利用できるメリットもある。
次にオーダーしたのが、接近戦用の武器であった。 ヒントとなったのは、映画STAR-WARSのジェダイ・ナイト(騎士)の正式武器 ライトセイバーであった。
ライトセイバーのように、超高温の熱エネルギーを発する方法を取らず、バトンのスイッチを押すと、バトンから全長80cmの超高度金属が伸び 日本刀と同様片面に鋭利な刃を付けた、更に切断力を上げる為 片面の刃の部分を超高速で振動させ表面数cmに、高周波を発生させる仕組みを用いた。
銃は、S&W M29 44HP(ハイパー)マグナム 通称44HPM(ハイパーマグナム)と名づけ 刀は、高周波セイバーと名づけた。
この2つの武器は、浩司の生涯 最も愛用した武器6つの中の2つとなる。
オーダーした2つの武器は、地球標準時間で、翌日完成 完成と同時に、α(アルファー)ベースの一画 テスト場で、浩司自ら試験を行い満足の行く結果であった。
2つの武器を使いこなす為に、浩司は、地球標準時間で、毎日 数時間の特訓を行った。
そして、目覚めて、地球標準時間で、5日後 いつものように、テスト場へ向かう途中 ある感覚が浩司を襲った。
それは、みなっちが、グロテノスの襲撃を受け、苦しみ、恐怖に怯え、危機的状況に陥っている・・・ 
「どうしたのですか? マスター」 
突然立ち止まり 右手で、頭の額を押さえる浩司。
更に、みなっちが、浩司に助けを求める声も聞こえる。
「直ぐ戻る・・・」 浩司は、レジェンスの戦闘モードに入る。 無限のエネルギーが、身体を駆け巡る。 浩司の身体に、球体のバリヤーが包み込む バリヤーは、量子の状態の役割を果たす。 浩司は、みなっちのいる場所を強く念じた。
瞬時に、浩司の身体は、何か? 壁を通り抜ける様に消えた。
量子論のトンネル効果を利用したテレポーテーションである。
浩司のいた場所には、もうそこには、何もなかった・・・
以上が、浩司が、1年以上の長い眠りから目覚め これまでの記憶している全てであった。
みなっちは、ここまで、他だ黙って浩司の顔を見つめ聞いていた。
浩司は、立ち上がり 近くの武器ケースに行く 生体認証タイプのロックを解除 ケースからバトンを取り出した。
「これが、レグと呼ばれるEBE's(イーバーズ=地球圏外知的生命体)のオーバーテクノロジーによって作った高周波セイバー」 バトンのスイッチを押す バトンの先端から 全長80cmの白銀色の金属が瞬時に伸びる 片面に刃がついた日本刀の様である。 もう1つのスイッチを押すと、刃の表面から薄い青白い光と共に、やや高いハム音が発生する 高周波である。 高周波に触れた物体は、原子レベルから切断する威力があった。
少し驚いた表情を見せるみなっち 浩司は、高周波セイバーの2つのスイッチを切る 高周波は消え、刀は、バトンの中に格納される。
「すごい・・・ こんな武器を・・・」
「エルより優れたオーバーテクノロジーかも知れない・・・」
浩司は、エルより遥かに優れていると思っていた この太陽系が誕生する遥か以前 誕生 謎の全滅 謎に満ちた超古代宇宙文明 レグ・・・
「それよりも こーちゃん こんなすごい武器 ヤーナに提供するの」 みなっちの素朴な疑問であった。
こんなすごい武器があれば、アポリスに勝てると思った。
「いや・・・」 浩司は、小さく頭を振った。
「どうして?」
「アポリス見れば解る エルのオーバーテクノロジーを手に入れ あの驚異の生体兵器ネクストノイドだ、そして戦争・・・ 人類は、そのレベルを超えるテクノロジーを手に入れれば、ロクな事に利用しない 核分裂反応を利用した原子爆弾、核融合反応を利用した水素爆弾や、その一形態である中性子爆弾、3F爆弾など典型的悪例だよ、全て大量破壊兵器に転用され 結果 数多くの人々が死んでいる 同じ轍を踏みたくない こんなすごいテクノロジーを提供すれば、地球どころか、この太陽系ですら破壊する兵器をも開発しかねない 特に・・・」 浩司は、名指しするのだけは避けた。
"やつらなら 間違いなくやりかねないだろう・・・" 浩司は、そう思った。
"敵は、外ばかりでなく 内にもいるもんだなあー" と浩司は、呆れて思った。
いつしか夜は明けていた。

「感ずかれたかー」 モニター画面を見ながら ある男がつぶやいた。 コネリーである。
浩司の自宅内に仕掛けた全ての盗聴器、監視カメラは、発見され 浩司の手で処理されてしまった。
「まあー良い」 コネリーの近くに座っていた男が、なだめた。 ピエールであった。
「それよりも 例の計画の進行状況は・・・」 ピエールは言う。
「全て着々と進行しています」 コネリーの返事に、ピエールは、薄く笑った。

同じ頃 龍(ロン)の中国国内に建設中の極東最大拠点基地近郊に、同時に建設中の巨大都市の高級士官用 高級住宅の一軒。
「リン様 リン様」 1人の士官が、リンの自宅に入り 何度もリンを呼び出している。
「何事だ、こん早朝から・・・」
入口の大きなドアを入った正面玄関には、赤のジュータンが引かれた豪華な装飾が施された大きな階段があり 白いシルクのローブを身にまとったリンが、ゆっくりと2階から階段を下りてきていた。
その表情は、まだ夜が明けたばかりの早朝叩き起こされ かなり機嫌が悪い。
「何事だ」 リンは、士官を睨んだ。
「大ニュースです。 あのキャラン(浩司)が、未確認ながら日本に現れました」
「何!! キャラン(浩司)だと・・・!!」 リンの表情が一変する。
「現在 確認中でありますが、間違いなくキャラン(浩司)本人と思われます」
「いつ 現れたのだ」 リンは、士官の首の襟を両手で掴み上げた。
「日本時間で、2日前 G県山間部で、ヤーナとの小競り合いの最中 突如 その姿を現したそうです」 リンの両手は、士官の首の襟を離す。 士官は、何度も大きく呼吸をする。
「遂に・・・ 遂に・・・」 リンの顔は綻ぶ。
この日を 1年以上 待ち望んでいた。
13日間戦争後 ダガトの長槍に変形した右腕に、腹部を突き破られ 淡く白い怪光と共に消滅した映像を見せられ それ以降 深く落ち込む日々が続いていた。
あのキャラン(浩司)が、死んだとは・・・ それもあの程度の攻撃で・・・ とても信じる事が出来なかった。
アポリス内部でも 淡く白い怪光と共に消滅した為 死体の確認が取れず。 まだどこかで生きていると、全地球規模で、徹底的捜査が、1年以上続けられていた。
平凡なルックス 平凡な体型の為 似た者の報告ばかりの誤報しかなかった。
「数体のグロテノスを倒しています。 まず間違いありません」
士官の報告に、無上の喜びが込上げるリン。
「確認が取れ次第 緊急幹部会が、開かれる予定です」
リンは、そんな士官の言葉より キャラン(浩司)との再戦に心が躍っていた。
"今度こそ あいつを倒し この私の前に、ひれ伏させてやる・・・"

「間違いないか!」
「はい 間違いなくキャラン(浩司)です」
ここは、龍(ロン)の中国国内に建設中の極東最大拠点基地の中央司令室 身長は約160cmと小柄であるが、古代中国の皇帝達が愛用した民族服を着る男が、確認を取った。 龍(ロン)である。
「あのスピードで動けるのは、キャラン(浩司)本人以外いません」
龍(ロン)は、何か? 陰謀、策謀を巡らせる表情で薄く笑った。
B,P(バトルプロテクター)の隠された秘密をある程度知り、そして、レジェンスの秘密もある程度知る龍(ロン)であった。
日本の孤島基地での直接対決後 キャラン(浩司)の特殊能力の秘密を探り レジェンスを知る事となった。
ネクストノイドの1種デストロは、同じネクストノイドの1種である格下のグロテノス、ハイパーグロテノスなどと違い、頂点に立つアピリムや、同じデストロ同士からのテレパシーによるマインドコントロール(精神支配)を受けない。
それを良い事に、自らの野望を達成さようと、野心を燃やし、チャンスをうかがっていた。
まず最重要拠点である ここ中国に、遠い昔に存在した 古来の帝国を復活させる事であった。
龍(ロン)は、自らを古来 中国に存在した帝国の皇帝一族の末裔と、自称していた。
そして、復活させた帝国を足がかりに、全地球の支配を目論んでいた。
だが、現在 自ら所属するアポリスが、この地球を支配する状況となっている。
まず目に付けたのが、エルが、この地球に残していった遺跡オーバーテクノロジーの1つB,P(バトルプロテクター)であった。
B,P(バトルプロテクター)を見つけ出し 自ら装着しようと考えていた。
そのB,P(バトルプロテクター)を 自らの担当地域 極東の日本で、墜落した古代エルのUFO弟発見したが、取り出す事ができず、同じデストロのギルに横取りされ 事もあろうに、敵対する最大勢力のヤーナの永井と、ピエールに装着を許す結果をもたらした。
同じ頃 突然現れたキャラン(浩司)の存在もあった。
ネクストノイドでもなく、B,P(バトルプロテクター)も装着しない たかがホモサピエンス・サピエンス(旧人類)でありながら 変身前のデストロの1体である龍(ロン)自身を手こずらせる程の驚異の戦闘能力を持っていた。
キャラン(浩司)の驚異の戦闘能力の秘密を探る為 手持ちのあらゆる情報機関を総動員させ秘密を探らせた そして、あのエルもその秘密を探り 探し求めていたレジェンスを知る事となった。
B,P(バトルプロテクター)と、その隠された秘密など問題外の驚異のエネルギー体であった。
レジェンスをキャラン(浩司)から奪い取り 自ら融合者となろうと考えていた。
だが、レジェンスは、融合者以外は、拒絶する。 しかし融合者を殺してしまえば、問題ないと考えていた。
自ら融合者となり、邪魔者を消し 自らこの地球の頂点に君臨しよと考えていた。
龍(ロン)の脳裏にある陰謀が、思い浮かんだ。
"これは、中々面白い・・・" 密かに薄笑いを浮かべた。




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